2025年08月01日

京洛逍遥(943)集会所から京大病院へ直行し三条界隈を散策

 今日も、集会所ではラジオ体操と早口言葉で始まりました。
 早口言葉は、新しく2種類のメニューが加わりました。これまでの内容が、同じことの繰り返しとなっていたので、気分が切り替わり、みなさんの口元もプリントを見ながらぎこちないながらも元気に動いていました。口元はもとより、眼が必死に文字を追っています。緊張感があります。メニューの入れ替えは効果的だったようです。

 続いて、自分のことを動物や植物に譬えると何になるのかをメモ用紙に書き、集まったメモを一つずつホワイトボードに書きます。そして、これは誰でしょう、とみなさんに問いかけられました。
 そんなことで誰のことを言っているのか、わかるのかどうか大いに疑問でした。しかし、やってみると意外に当たるのです。ここに集まっている方々が、メンバーのことを知っているからこそ、誰のことかわかるのです。恐るべし、伊達に歳を取っていない人たちの集まりでの、人間観察眼の鋭さが発揮されたことを知らされました。

 難解だった「うし」は、100歳のTさんの回答でした。これは、自己申告でわかりました。いろいろと苦労の多かった人生を思い出すと、黙々と草を食む牛が思い合わされ、ヨダレを垂らしながらも必死に生きる姿が自分に重なるのだそうです。また、人のお役に立つように生きていることも、共感を覚えると仰っていました。コツコツと歩んで来られたTさんらしい「うし」を選んだ理由に、みなさんから拍手が起きました。

 妻は「バッタ」、私は「うさぎ」と書きました。期せずして、共に興味の赴くままに飛び跳ねて生きている姿を思い描いての回答でした。司会者からは、いつも夫婦揃って出歩いているので、その行動力にピッタリだ、との好評をいただきました。
 それにしても、みなさん集っている方々のことをよく見ておられることに感心しました。
 得難い方々の集まりであることを、あらためて知らされることになりました。

 終わるとすぐに、一路京大病院へ向かいます。
 お日さまは中天にあるので、とにかく暑い日中です。50分ほどで病院に着きました。

 京都五山の送り火が迫っている大文字山は、クッキリとした大の字を見せています。

250801_大文字.jpg

 院内学級の花壇には、アサガオが咲いています。

250801_子供の花壇.jpg

 今日も妻は粛々と、アミロイド βを取り除くためのレケンビの点滴を受けていました。
 付き添いの私は、ベッドの横で古写本の字母の確認に忙しい1時間を過ごしました。

 日陰を選って、ブラブラと三条まで歩きました。
 途中で、丸太町橋から鴨川を少し下ったところにある「ダイヤモンド京都ソサエティ」に、鴨川の散策路から入れる裏口からロビーに入りました。昨日から泊まっている姉夫婦と、久しぶりに逢いました。いろいろと受け渡しする物があったので、ちょうどいい機会でした。

 鴨川沿いを吹き渡る生温い風を浴びながら、三条大橋まで鴨川散歩を楽しみました。
 河原町のバルの中にある丸善で、過日より探していた本を買いました。ここに来ると、とにかくほしい本が手に入ります。
 新京極通三条下る京都松竹座ビルに入っている回転寿司のくら寿司京都店に行きました。京都市役所から寺町通りを下ったところです。畳のシートと白い暖簾に囲まれた清潔な空間は、のんびりと食事ができるので行きつけになっています。今日は、デザートが中心でした。




posted by genjiito at 20:46| Comment(0) | ◎京洛逍遥

2025年07月31日

これも『源氏物語』の受容資料(?)

 近くにオープンした大型スーパーは、「食のテーマパーク」を標榜しています。これも近所にある業務スーパー並みに、値段の安さに加えて、その品揃えの豊富さには圧倒されます。
 広いお店の天井を見上げるとミニチュアの列車が走っていて、子供たちは大喜びです。
 そして壁面には、いろいろなポップな飾り付けがなされています。その中に、何と平安貴族たちが描かれています。
 「源氏物語のまち宇治」というキャッチフレーズを掲げる、宇治市に出来たお店です。昨年の大河ドラマの連想からも、これは『源氏物語』をイメージした絵だと思われます。

 何点か紹介します。
 こうした遊び心が、訪れる買い物客の購買意欲を掻き立てることでしょう。
 この絵の紹介が、開店して一週間たってもネットにはほとんどなされていないので、ここに取り上げることにしました。新聞かネットで、『源氏物語』の絵が壁に描かれている記事を一度見ました。話題になるだろうと思って、その後は特にチェックをしていませんでした。気づかれていないのかもしれません。お店の方には、まだこの絵のことは聞いていません。

 『源氏物語』の受容資料の一つとして、以下に4点の絵をあげます。

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posted by genjiito at 21:23| Comment(0) | ◎源氏物語

2025年07月30日

谷崎読過(51)「私」「AとBの話」

■「私」
 谷崎が東大の学生だった頃の話です。4人の仲間で語り合っていた時のこと。盗人という犯罪者の疑いをがかけられた私の仲間たちに対する、心の中のゆらぎを丹念に描きます。友情に対する思いが、さまざまな角度から検討されるのです。
 盗人が持つ繊細な感情を語ります。しかし、読者は語り手の勝手な論理のお遊びに困り果てます。後味の悪い、何か理不尽な人間を見ることになりました。それを意図した作者の罠に、私が嵌ってしまったのかもしれません。【2】


初出誌:「改造」大正10年3月号




■「AとBの話」
 この小説を読み終えて、善と悪、愛情と孤独について考える機会を得ました。
 本作のことを谷崎自身、「二つの魂の歴史」と言っています。従兄弟同士のAとB。二人は、文壇に作品を発表し出すのでした。生まれつき愛を持たないBを、「愛のない藝術家」と言います。Aは幸せの中にあります。しかし、BはAに金銭面をはじめとして迷惑ばかりかけます。
 苦しみを分かち合おうとするAは、「自分の中にある「善」で、Bの中にある「悪」を滅ぼさねばならないと思つた。」(215頁)とあるように、Bを救おうとします。しかし、Bの身勝手な要求がエスカレートして続きます。Aは、Bに誠心誠意応えようとします。わがままを押し通そうとするBと、人の良い相手のことを考え続けるAが語られています。
 一例として「名誉」について語るくだりを引きます。

「僕はね、A君、−−金ばかりでなく名譽が欲しいんだ、僕は君たち善人と同じやうな名譽が欲しいんだ、斯う云つただけぢや分らないかも知れないが、昔の僕には、−−藝術家として立つて行けた時代には、僕は何かしら一種の誇を持つて居た。」(235頁)

「つまり、君の持つて居る名譽を、−−君が文壇で占めて居る地位を、そつくり僕に讓つてくれる事だ。さうして君が僕の地位に落ちてくれる事だ。此れから以後の君の創作を僕の名で發表して、その名譽と報酬とを僕にくれる、それでいゝんだ。君が僕をほんたうに愛して居るなら、そのくらゐな親切は見せてくれ給へ。」(236頁)

 ここに私は、谷崎が本性として持つ心根が窺えるように思います。
 この話の後半から、Aの妻の存在が善と悪の間に割り込みます。話を複雑にしてバランスを取ろうとするかのように話は展開するのです。
 AがBのために代作した作品は、Bの全集に収められました。そして、Bは亡くなります。果たして勝ったのはAかBか、という最終行の問いかけに、私はBが勝ったと言いたいと思います。Aの思いやりのある優しさは、結局はBの傲慢さに負けたのです。そして、読者は作者に振り回されて終わるのでした。【3】


初出誌:「改造」大正10年8月号




posted by genjiito at 21:20| Comment(0) | □谷崎読過

2025年07月29日

宇治で古写本『源氏物語 橋姫』の変体仮名を読む会(3)のご案内

 京都新聞の山城版「まちかど[宇治]」に、NPO法人〈源氏物語電子資料館〉が主催する、「宇治で古写本『源氏物語 橋姫』の変体仮名を読む会」(第3回)の案内記事を掲載していただきました。

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 変体仮名は初めてだという方のご参加も大歓迎です。
 宇治の地で、宇治十帖の初めの巻である第45帖「橋姫」に書かれた、鎌倉時代の文字を読み進めていきます。扱う古写本は、相愛大学の春曙文庫が所蔵する『源氏物語 「橋姫」』(断簡)です。
 開催日時は、毎月第1土曜日の午後2時〜4時。
 会場は、シェア型書店HONBAKO京都宇治の2階にあるシェアスペースです。
 日程は、次の通りです。

 2025 8/2、9/6、10/4、11/1、12/6
 2026/1/3(休会)、2/7、3/7

 一人でも多くの方が、日本の文化資産である変体仮名が読めるようになることを願って開催するものです。
 『源氏物語』の内容は扱わず、仮名文字を読むことを主眼としています。
 参加費は2,000円です。
 毎回の勉強会の様子は、この[たつみのいほりより](http://genjiito.sblo.jp/)に報告していきます。
 資料はすべて、当日の会場で配布します。
 古写本の資料は、国文学研究資料館から公開されている画像を使用します。
 会場は、JR宇治駅から歩いて3分(京都府宇治市宇治宇文字2-38)、宇治警察署の裏側です。
 本ブログのコメント欄を通して、参加希望の旨をお知らせいただけると、資料を用意してお待ちしています。
 お知り合いの方へのご紹介も、よろしくお願いします。




posted by genjiito at 18:38| Comment(0) | ◎NPO活動

2025年07月28日

本が店頭になかったことと海鮮丼に生海老が乗っていなかったこと

 京都駅南のイオンモールの中にある大垣書店へ行き、気になっている新刊のチェックをしました。
 中でも、先日の新聞に本の紹介記事が載っていたものについては、その本を手に取って実際に「目次」や「まえがき」や「あとがき」を見たかったのです。

 かつて、京都大学の電子図書館研究会のメンバーだった頃に、総長だった長尾真先生の指導下で岩波新書の「まえがき」「あとがき」「目次」をデータベース化するプロジェクトを進めていました。しかし、それはその後は実際に民生用としては発展せず、書店では書名や作者名などでしか検索できません。残念なことです。そのため、自分で書店に行き、自分の目で「まえがき」「あとがき」「目次」を確認しなければなりません。ネットに掲載されている情報は少なすぎて、本を購入するかどうかの判断ができないのです。私がネットでショッピングをしないのは、とにかく自分の目で見て確認することを大事にしているからです。

 大垣書店では、お目当ての本は在庫切れでした。それではと、京都駅の近鉄名店街みやこみちにあるふたば書房に行き書名を告げると、在庫があるとのことでその本があるコーナーに連れて行っていただきました。しかし、一緒に探しても、棚や抽き出しにどうしても見当たらないのです。コンピュータを使った在庫管理も、あまり機能していないようです。
 京都駅の北側に行くと、3軒の書店があります。しかし、38度越えの熱暑の中です。かといって、河原町通三条の丸善に行くのも大変なので、本の購入はまた今度にしました。

 食事は、いつもの高木鮮魚店にしました。私は海鮮丼、妻は漁師めしを頼みました。漁師めしには大きな生海老が乗っています。しかし、今日は代わりなのか鱧が一切れ乗っていたので、祇園祭限定バージョンかな、と思っていました。
 精算の時に、いつものお兄さんに、生海老は今の時期に合わせて鱧に変えたのですかと聞くと、えっということで、盛りつけ担当のもう一人の方に確認しておられました。そして2人揃って出て来られ、大海老を乗せるのを忘れていたと平謝りです。今の時期は、生海老と鱧の両方を盛っているそうです。

 こちらからは、いいですよ、いつもと違っていたので食材の変更があったのかと思って、と言うと、まだ頭を下げておられます。気軽に確認しただけだったので、かえって恐縮しました。そして、1割引きにしてくださいました。
 新鮮な魚がてんこ盛りの丼なので、いつもと違うことに気付き、何か意味があるのかと思って尋ねたことが、こんな展開になったのです。大の海老好きの妻も、おいしかったので気にしていませんから、と言っていました。店員の方のお詫びの気持ちがストレートに伝わる丁寧な対応に、かえってこちらが申し訳なかったと思うほどでした。

 先日(5月11日)いただいた時の漁師めしは、こんな感じで出て来ていました。


250511_漁師めし.jpg

 確かに生海老がなくてそれが鱧に変わっていると、鱧が白いだけにインパクトに欠けます。
 こんなことがあるのです。


付記:昨日の夕方の三日月は、映画「ペーパームーン」を思い出させるものでした。
記録としてここにアップしておきます。

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posted by genjiito at 20:33| Comment(0) | *美味礼賛

2025年07月27日

清張復読(79)「寝敷き」「断線」(『別冊黒い画集』より)

■「寝敷き」
 ペンキ職人が仕事中に屋根から見た隣家の情事の話から始まります。そしていつしか、2人の女性との危うい生活となります。さらには、若い娘とのことが拗れた挙句に、泥沼にはまります。男の苦悩が、事細かに語られます。睡眠薬による心中に展開したあたりから、清張らしい推理劇となっていくのです。
 最後に、情死する女がスカートを寝敷きしていたことに関して、心中にはそぐわない、という考えと、女性のたしなみとする意見が提示されます。そして、警察の判断は次のようにたしなみ説を取り、異議は却下されます。

「……このように女性が情死の前夜衣服を寝敷きしたからといって、必ずしも擬装情死とは決められない。A子は自分の死後、形見分けとしてスカートが生前の知己に渡されるのを考え、女性のたしなみとして寝敷きしていたのである」(260頁)

 しかし、清張はたしなみではないという考えを刑事に抱かせたまま、話を閉じているのです。後半になるにつれて読ませる、完成度の高い作品です。【5】


初出誌:『週刊文春』1964年3月〜4月




■「断線」
 男の恋愛遍歴が語られる中で、2人の愛人を殺します。1人目はうまく隠しおおせたものの、2人目で露見するところで終わります。
 前半はよくある展開です。しかし、後半になるにつれて緊迫し、最後まで読ませます。もっともつれる展開にしてもよかったのでは、と思いました。途中で結末が透けて見えたからです。
 そうだとしても、清張の文章は読ませます。つい、読み込んでしまいました。【3】


初出誌:『週刊文春』1964年1月〜3月


 『松本清張全集7』(文藝春秋社、1972.8.20)の巻末に収載されている荒松雄氏による「解説」では、次のように清張の作品を分析しています。同感です。

「「寝敷き」のペンキ職人源次や「断線」の主人公田島光夫と女たちとの関係がそうである。それは、少しずつエスカレートしてゆき、やがて、のっぴきならない羽目に落ちこんでゆく。しかも、このエスカレーションの契機は、多くの場合は、突発事件や事故という外的条件よりは、むしろ日常生活における「普段の心理」の増幅によって与えられるものであり、その心理にちょっとした迷いや狂いがでてきたときに拍車をかけられる、つまり、きわめて日常的な性格のものなのだ。読者は、いつなんどき自分の周辺でも起るかもしれないと切実に思いこんだり、ヤジ馬根性を満たされたりしてよろこぶのである。清張推理は、長編でも短編でも、その導入部から展開部にかけては実に見事なものが多く、ほぼ完璧に近い。
 その反面、清張作品には、後半や結末の部分でつまらなくなるものがある」(464頁)




posted by genjiito at 20:47| Comment(0) | □清張復読

2025年07月26日

キャンパスプラザ京都で尾州家河内本「桐壺」を読む(第32回)

 キャンパスプラザ京都(京都市大学のまち交流センター)の1階正面入口にある掲示板には、いつものように本日の会合の案内が出ています。NPO法人〈源氏物語電子資料館〉では、基本的には5階の第5演習室をお借りするようにしています。

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 今日はまず、吉村氏から問題提起された前回の課題に関して、私が追跡調査した報告から始めました。
 Android 15を搭載した OS では、変体仮名が基本的にサポートされていることを、さらに量販店の店頭で確認した話です。
 また、「白舟書体「教育漢字版」フォント」と「NINJAL変体仮名フォント」についても説明しました。
 こうしたことが、今後とも日本国内でどのように認知されて行くのか、というところで話は終えています。まずは、店頭に並んでいる変体仮名が表示できるスマホがこのまま販売され続けるのか、興味深いところです。ある日突然、店頭から消えるのではないか、と個人的には想像しています。

 さて、尾州家河内本「桐壺」の本文を「変体仮名翻字版」で作成した資料で確認する勉強は、今日は第22丁表から第24丁裏までを行いました。
 特定の単語にどのような変体仮名を用いて表記するのか、ということについて、相変わらず疑問符をつけながら進めています。

 今日の範囲で言えば、「【源氏】の【君】」(23丁表10行目)と「【源氏】能【君】」(24丁表9行目)の場合に、「の」と「能」のにはどんな使い分けがあるのか、などなど、これまでにも問題となったことを思い合わせました。
 本日確認した「変体仮名翻字版」の本文は次の通りです。


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【春】【東宮】能・【御】遣んふく能・【南殿】尓/±〈朱点〉・ありし・き志
き・よそ本し可里し【御】ひゝき尓/±〈朱点〉、(【御】ひひき尓)・於とさせ・多ま
八寸・ナシ・ナシ・ところ/\能/±〈朱点右〉、(ところところ能)・きやう/=△〈削〉饗・くら川可さ/±〈朱点〉、=内蔵寮・こくさうゐなと/±〈朱点〉、=穀倉院・
ナシ・於本や遣【事】尓/±〈朱点〉・ナシ・ナシ・つ可う万つ礼るれいの於ろそ可なる/れ±〈朱点〉・
【事】も・と里王き多流/±〈朱点〉・於本世【事】/±〈朱点〉・あ里て・ナシ・をの/\/±〈朱点〉、(をのをの)・
きよらを・つくして徒可うまつ礼り/徒±〈朱点〉・於八しま春/±〈朱点右〉・
てん乃・日ん可し能・飛さし尓・日ん可しむき尓/±〈朱点〉・【御】
いし/±〈朱点〉、い=倚子・堂てゝ火さ能【御座】/±〈朱点〉、火±〈朱点〉、(堂てて)、火=冠者・飛きいれの/±〈朱点〉・【大臣】乃・
【御】さ・【御前】尓/±〈朱点〉・阿り・【時】なりて/±〈朱点右〉・【源氏】/±〈朱点〉・まいり・多まふ・
三つら/±〈朱点右〉・ゆひ・多まへる・つらつき/±〈朱点〉・可本の/±〈朱点〉・尓本ひ・さま/±〈朱点〉・
可へ・堂まはむ/へる&はむ・【事】・於し遣なり/±〈朱点〉・【大蔵卿】/±〈朱点右〉・三蔵人/三$〈墨〉、±〈朱点〉(22オ)
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つ可う万川る/±〈朱点〉・いと/±〈朱点右〉・きよらなる/±〈朱点〉・【御】くしを/±〈朱点〉・そく/±〈朱点〉・本と・
【心】くるし遣なり/±〈朱点〉・うへ者/±〈朱点右〉・三やすところ能/±〈朱点〉・【見】多万
八まし可八と/み〈削〉【見】、【見】=【見】〈削〉・於本しいつる尓/±〈朱点〉・いと多へ可多き越/±〈朱点〉、江〈削〉へ・
【心】徒よく/±〈朱点〉・於本し可へ春・かうふりし/±〈朱点右〉・【給】て・【御】や春三
ところ尓/±〈朱点〉・ま可て/±〈朱点〉・堂まて・【御】そ/±〈朱点〉・多てまつり可へ弖・
於里弖/±〈朱点〉・八いし/±〈朱点〉、=拝・多て万つり・【給】・さま尓そ・三那【人】/±〈朱点〉・
な三多・於とし/±〈朱点〉・多まふ・み可と八/±〈朱点右〉・まし弖/±〈朱点〉・江/±〈朱点〉・多へさせ・
堂ま八春・於本しま起るゝ/±〈朱点右〉、(於本しま起るる)・於里も・阿り遣類/±〈朱点〉・
む可しの/±〈朱点〉・【事】・と里可へし・ナシ・可奈しう/±〈朱点〉・於も本さる・
いと/±〈朱点右〉・可う/±〈朱点〉・き飛わなる/±〈朱点〉、き=〈朱傍点〉、飛=〈朱傍点2〉、わ=〈朱傍点〉・本と八・あけをとりもやと/±〈朱点〉・う
多可八しく/±〈朱点〉・於ほされつるを/±〈朱点〉・ナシ・ナシ・あさましう/±〈朱点〉・ゝ川くし遣さ/く〈次頁〉、(う川くし遣さ)、(22ウ)
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そひ・多まへり・飛きいれの/±〈朱点右〉・【左大臣】・
みこ八ら尓/±〈朱点〉・堂ゝ/±〈朱点〉、(堂堂)・日とり・可し川き/±〈朱点〉・【給】・【御】むすめ/±〈朱点〉・【春
宮】よりも/±〈朱点〉・【御】遣しき/±〈朱点〉・あるを/±〈朱点〉・於本し王つらふ/±〈朱点〉・【事】・
ありける・こ乃/±〈朱点〉・【君】尓・多て万つらん能・【心】・ふ可きなり
遣り・うへ尓/±〈朱点右〉・【御】遣しき・堂ま八らせ・【給】遣れ八・
【御】とき/±〈朱点〉・よくて・さら八/±〈朱点〉・や可て・こ乃・おり能・うしろ
三・な可めるを・そひふしにもと/±〈朱点〉・毛よ本させ/±〈朱点〉・【給】
遣れ八・さ/±〈朱点〉・於ほし多り・さふらひ尓/±〈朱点右〉・ま可て・【給】て・
ナシ・【御】みきなと/±〈朱点〉・まいる・本と・みこ多ちの/±〈朱点〉・【御】さの・すゑ
耳・【源氏】の【君】/±〈朱点〉・つき・【給】へり・於とゝ/±〈朱点右〉、(おとと)・遣しき八三・
【給】・【事】・あれと・八つ可しくて/±〈朱点〉・と可くも/±〈朱点〉・あへしらひ起こ江/±〈朱点〉、起〈次頁〉、(23オ)
--------------------------------------
堂ま八春・【御前】より/±〈朱点右〉・【内侍】/±〈朱点〉・世んし/=宣旨・うけ
堂ま八り・徒多へ弖・於とゝ/±〈朱点〉、(於とと)・まいり・【給】へき・め志・
阿れ八・万いり/±〈朱点〉・【給】・ろく乃/±〈朱点〉・【物】・うへの命婦/±〈朱点〉・と里て/±〈朱点〉・
多まふ・しろき/±〈朱点右〉・於ほうちき尓・【御】そ/±〈朱点〉・日とく
堂り・連いの/±〈朱点〉・【事】なり・【御】さ可川きの/±〈朱点右〉・ついて尓・
「いときな起・八つもと遊ひ尓・な可き・よ越・
ちきる・【心】八・む春ひこめつや」と・【御心】八へ/±〈朱点〉・阿りて・
於とろ可さ勢/±〈朱点〉・【給】・
「む春ひつる・【心】も・ふ可き・もとゆひ耳・
古き・むらさきの・いろし・あせす八」と・そうして/±〈朱点〉、=奏、=して〈左傍記〉・
ナシ・な可八しより/±〈朱点〉、=長階・於りて・ふ多うし/=舞踏・【給】・飛多り能つ可さの/±〈朱点右〉、能〈次頁〉、(23ウ)
--------------------------------------
【御馬】・くら【人】ところ能/±〈朱点〉・堂可・すゑて・
たま八り/±〈朱点〉・【給】・み八しの/±〈朱点右〉・もと尓・みこ多ち/±〈朱点〉・可む多ち
め/±〈朱点〉・徒らねて/±〈朱点〉・ろくとも/±〈朱点〉・新那/\/±〈朱点〉、(新那新那)・堂ま八り/±〈朱点〉・【給】・
そ乃/±〈朱点右〉・【日】能・於まへ能・ナシ・於りひ川【物】こものなと/こ±〈朱点〉、こ=籠物・
【右大弁】なん/±〈朱点〉・う遣堂ま八りて/±〈朱点〉・つ可う万徒ら勢
遣る/±〈朱点〉・としき/±〈朱点右〉、=屯食・ろく能/±〈朱点〉、=禄・可らひ川ともなと・ゝ古ろせ
きまて/±〈朱点〉、(と古ろせきまて)・【春宮】能/±〈朱点〉・【御元服】尓・可寸・まさり弖・な可/\/±〈朱点〉、(な可な可)・
かきり・なく・い可めしくなん/±〈朱点〉・あり遣る・や可て/±〈朱点右〉・【所】能・
【夜】・於とゝ能/(於とと能)・【御】さと尓・【源氏】能【君】/±〈朱点〉・ま可てさせ・多て
万川り・【給】・さ本う/±〈朱点右〉・よ尓/±〈朱点〉・めつらしきまて/±〈朱点〉・もて可し
つき/±〈朱点〉・ナシ・多まへり・いと/±〈朱点右〉・き飛わ尓て/±〈朱点〉・於八し多流を/±〈朱点〉、(24オ)
--------------------------------------
ゆゝしう/±〈朱点〉・ゝ川くしと/±〈朱点〉、(う川くしと)・於本春/±〈朱点〉・ナシ・ナシ・をん那【君】八/±〈朱点右〉・すこ
し/±〈朱点〉・すくし/±〈朱点〉・堂まへる本と尓・いと/±〈朱点〉・わ可う/±〈朱点〉・於八春連
八・尓けなう/±〈朱点〉・八つ可しと/±〈朱点〉・於本し多り/±〈朱点〉・こ乃/±〈朱点右〉・おとゝ乃/(おとと乃)・
【御】於ほ江・いと/±〈朱点〉・やむ【事】なく/±〈朱点〉・於八する尓/±〈朱点〉・者ゝ【宮】八/±〈朱点〉、【宮】±〈朱点〉、(者者【宮】八)・
み可との/±〈朱点〉・日と川きさい八ら尓なん・ナシ・ナシ・ナシ・於八し遣礼八/±〈朱点〉・
いつ可多尓/±〈朱点〉・つ遣ても・いと/±〈朱点〉・八那や可なる尓/±〈朱点〉・こ乃/±〈朱点〉・
【君】さへ/へ〈削〉へ・かく於八しそひぬれ八/±〈朱点〉、於±〈朱点〉・【春宮】能/±〈朱点〉・【御】於ほ
ち尓て・つ井尓/±〈朱点〉・【世】乃な可を・しり・【給】へき・【右】乃
於とゝ能/±〈朱点〉、(【右】乃於とと能)・【御】いきをひ者・ナシ・【物】尓も/±〈朱点〉・あら寸・をさ
れ/±〈朱点〉・堂まへり・【御】ことも/±〈朱点右〉・八ら/\尓/±〈朱点〉、(八ら八ら尓)・あま多/±〈朱点〉、多&多・ナシ・【物】し・
【給】・ナシ・【宮】乃/±〈朱点右〉・【御】八ら尓八・【蔵人】の【少将】尓て/±〈朱点〉・またいと/±〈朱点〉、い±〈朱点〉、(24ウ)
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 尾州家河内本「桐壺」は、次回で終わる予定です。これまでの資料で索引をつくることで、どのような字母で言葉が構成されているのかが、明らかになることも多いかと思います。
 さらには、このキャンパスプラザ京都では池田本「桐壺」の本文を変体仮名で確認し終えているので、あわせて写本における字母の使い分けのおおよその傾向がわかるはずです。
 いずれも、詳しくは次回に、ということで終わりました。

 帰りに、変体仮名が表示されるスマホを買いに、駅前のヨドバシカメラに寄りました。吉村氏が購入したものと同じ機種にする前に、店員の方にこの Android 15を搭載したスマホ同士で、変体仮名を交えた言葉をメールでやりとりができるのか、ということと、その言葉を印刷できるのか、ということを質問しました。
 今日は違う方に聞いたにもかかわらず、前回同様、話にならない対応でした。とにかく、スマホに表示される文字に関する知識がないし、ピンボケの対応です。機械を売ることにしか関心はなく、機能に関する説明は仕事ではないと思っておられるようです。お店の方で、Android 15のスマホを持っている方2人にやりとりをしてもらえないか、と聞くと、他の方と相談するために出たり入ったりした揚げ句に、いろいろな理由を付けて、できないとのことでした。別のコーナーの方にも同じようなことを聞いても、とにかく社員の勉強不足で話になりません。何人もの社員がおられるのにまともな対応ができない日本の若者に、とにかく失望しました。みなさん、機械を作った会社に聞いてくれ止まりです。ここまでが、今の京都での現状です。ちょうど1週間前の、東京の有楽町駅前にあるビックカメラでの対応と変わりません。

 店員の意識の根底には、日本語がどのようにして表示されるのか、などにはまったく興味がないのです。まあ、問題意識がないので仕方のないこととはいえ、いつかどこかで説明してくださる方との出会いを楽しみにしています。
 こうした現実を、マスコミも興味がないのでしょう。ネットのニュースなどにもみかけません。日本語の中でも、仮名文字が無責任に放置されています。もうすこし待ってから、こうしたことを専門とする方に聞いてみようと思っています。




posted by genjiito at 20:39| Comment(0) | ■講座学習

2025年07月25日

ピンポン玉をバスケのゴールに入れる

 今日の集会所では、いつものようにラジオ体操からです。
 そして、次はお口の体操です。早口言葉も含めて、お口の運動は、同じものがしばらく続いているので、慣れてきたことも手伝ってか、みなさんにバラつきが出てきています。そろそろ、メニューの組み換えの時期かもしれません。

 そうそう、元吉本の座長さんのお母さんであるKさんが、足を痛めて先週からお休みということも関係しているかもしれません。盛り上げ役だったので、みんなも元気をもらって楽しく声を出していました。そのKさんの存在がないことも、全体的に声のハリがないことにつながっていそうです。
 人の集まりは、顔ぶれによって雰囲気が微妙に変わるようです。1日も早い復帰を心待ちにしています。

 今日の遊びでは、バスケットのゴールに球を入れるゲームをしました。ピンポン玉が入る大きさのリングに向かって、間近から手で投げて入れます。すぐそばからでも、ピンポン玉が軽いのでなかなか入りません。真上から落とすようにしても、手元が狂うとゴールの枠に当たって弾かれます。アレッ、アレッと首を捻ります。
 百歳のTさんは、みんなが応援することもあって、1回目は1番、2回目は2番、決勝戦では同点で両者優勝となりました。
 簡単な道具とルールのゲームほど、場は盛り上がります。高度なテクニックを競うものではないので、とにかく楽しめるゲームがいいようです。この集会所に集まっているメンバーは、とにかくのりがいいので尚更です。

 今日の飲み物は、香り高いマカデミアナッツのコーヒーでした。少し甘かったので、バニラが入っていたのかもしれません。毎回、3台のコーヒーメーカーで挽きたてのコーヒーをいただいています。今日のコーヒーは殊の外香りが豊かだったので、3杯もいただいてしまいました。ごちそうさまでした。

 終わってから、Tさんとご自宅まで一緒に帰り、その足で今日からオープンのスーパーマーケット「ロピア」に行きました。とにかくものすごい人出で、2階で一旦待機してから時間差で1階の売り場に降りて行く方式でした。とても待ちきれないので、今日の様子見は諦めました。それにしても、こんなにも多くの人がいたのかと、あらためて驚きました。品物がすべてにわたって安い、ということもあっての人出です。期待して人が集まる、ということは活気を呼び込むことでもあり、地域の活性化のためにもいいことです。




posted by genjiito at 18:45| Comment(0) | *福祉介護

2025年07月24日

京洛逍遥(942)京大病院→祇園後祭→市役所

 今日の大文字山は夏を感じさせています。

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 京大病院の入口近くの小さな花壇には、「院内学級はたけ」があります。右に薄い黄色のオクラの花、中央にオレンジ色のマリーゴールドが咲いています。

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 反対側から見ると、マリーゴールドの向こうにホウセンカ、その右隣のアサガオはまだ咲いていません。

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 朝早くから脳神経内科のMR検査があり、頭部の断層写真を撮りました。脳梗塞の再発が疑われたことによるものです。
 過日、脳内の血管がもう一本詰まっているようだとのことで、再検査をすることになりました。脳の外回りなので、詰まっていても手足などには影響がない部位のようです。しかし、それがどのような展開を見せるのかわからないので、詳しく診ることになったのです。
 耳栓をしてベッドに寝て、頭をドームに入れます。ウィンウィンという音と共に、私の頭が輪切りにされているようです。15分ほどで終わりました。

 1時間半ほどして、その結果を元にした診察がありました。幸いなことに、予想よりも血管のつまり具合は小さかったようで、来年の2月まで様子を見ることになりました。寒くなってからの脳内の血管の様子を見るためだそうです。
 これから気をつけることは、暑い日が続くので水をしっかりと飲むことだそうです。これは、守っているので、これまで通り続けることにします。

 私からは、毎朝測っている血圧が123から135の間を行き来していることを報告しました。特に3ヶ月前からズッと安定していることに関して、うまくコントロールできているのでこのまま様子をみましょう、とのことでした。

 大きな変化はない、ということで、また3ヶ月分の薬の処方を出してくださいました。
 現在は脳神経内科と糖尿病・内分泌・栄養内科から出ている10種類の薬を飲んでいるので、1つでも減らせないかを相談しました。それぞれに副作用がないように、細かく症状に応じたものが処方されているとのことです。2つを1つにすることも可能だが、それによって他の薬との副作用が問題になるので、小分けした今のままが安全でいい、とのことでした。頑張って飲み分けて行くしかありません。

 今日は、市役所へ書類を持って行くことになっていました。しかし、病院での診察が予定よりも早く終わったので、市役所の少し先にある祇園祭の山鉾がある地域に足を向けました。今日は、午前中から祇園祭の後祭の山鉾巡行がありました。ちょうど病院での検査と診察とが重なったので見ることができませんでした。
 巡行が終わった山鉾は、それぞれが各町内で解体されるので、その様子を見るために回ってみました。後祭の山鉾は、新町通に集中しています。そこで、三条通から新町通をブラブラと歩いて、役割を終えた山鉾たちを写真に収めました。

 まずは三条通の鷹山から。
 鷹山は、今回の山建ての作業中に丸太の根元が折れるというハプニングがありました。折れたのは真松と呼ばれる高く聳える木の棒の根元の部分で、山を貫くように立つ全長約18メートルの丸太でした。そのため、今日は去年よりも低い山が巡行したのです。

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 新町通を南に下ると、すぐに八幡山があります。解体が始まったばかりでした。

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 次に、北観音山。これは、私が2番目に好きな山です。

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 そしてその南に並ぶ南観音山。私は、この山が1番好きです。

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 この南観音山の下水引「飛天奏楽図」は加山又造さんの下絵によるものだそうです。

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 四条通越しに大船鉾を望みます。

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 引き返して、室町通に向かうと、鯉山が解体を始めたところでした。

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 黒主山は、すでに解体が終わっていました。

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 三条通の北に立つ役行者山は、これから解体です。

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 後祭の山鉾で回れなかったのは、烏丸通沿いに立つ鈴鹿山・浄妙山・橋弁慶山の3つでした。

 御池通に出ると、木陰を選りながら歩いて、京都市役所へ行きました。この正面に並ぶ縦の棒が、筆を象ったものであることを、最近知りました。かねてより、市役所の装飾はインドの影響が強いことは知っていました。この縦の棒については、ズッと私の中では謎でした。役所なので書類に必須の文字を書く筆だということを聞き、なるほどと納得です。

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 この市役所本館の北側に、市役所分庁舎があります。そこに入っている「京都市文化市民局地域自治推進室」のNPO窓口の市民活動支援担当の藤原さんに会うことが、今日の午後の大切な用事です。

 先月、無事にNPO法人〈源氏物語電子資料館〉の理事会と総会を終えました。それを受けて、特定非営利活動促進法第29条の規定により、事業報告書を提出しなければなりません。事前に確認用の PDFを担当の藤原さんに送って点検していただいていたので、今日は持参するだけで済みました。

 PDF によるネット経由の提出でもいいようです。しかし、NPO法人〈源氏物語電子資料館〉は素人集団です。事務的なことでは、いつも担当の方にアドバイスをいただきながら書類を作っています。ご迷惑をおかけし、お世話になっているので、少なくとも年に1回は直接お目にかかり、書類を手渡しすることで感謝の気持ちを伝えるようにしています。お忙しい時にお手間と時間を割いていただき、恐縮しています。しかし、これも大切なNPO活動の延長線上にある心がけだと思って出向いています。

 なお今回も、総会資料に引き続き、事業報告書を作成してもらった理事の一人である淺川さんの全面的な協力を得て、こうして無事に担当窓口に提出し、受理していただけました。昨日の本ブログに書いたように、事務処理が苦手な私をしっかりとサポートしてもらっていることに、感謝しています。
 そして、総会を含めて、多くの方からの支援をいただいていることにも、この場を借りてお礼を申し上げます。




posted by genjiito at 23:18| Comment(0) | ◎京洛逍遥

2025年07月23日

事務仕事の後は気分転換に伏見の湯へ

 今日は半日、NPO関係の書類を整理していました。私は、事務処理が苦手です。つい先送りにしてしまい、締め切りが来ると大急ぎで取り掛かります。原稿の執筆や、資料の作成も同じです。

 苦手意識は、現職の頃から変わりません。いつも、公務では事務職員の方に、科学研究費補助金のことは補佐員や運用補助員の方々のお世話になっていました。自分でやると、あれやこれやと調べ出すので時間がかかるのです。そして、ぐったりと疲れるのです。
 とにかく、今日のところは一段落つきました。

 いつもの散策に出かける代わりに、伏見の温泉へ行くことにしました。露天風呂のお湯は肌がスベスベするので、疲れがじわりじわりと抜けていきます。

 風呂上がりには、入浴とセットになっている日替わりの食事をいただきます。美味しいのです。ただし、私には量が多めです。そのせいもあってか、若者が多く来ています。この施設のそばにはフットサル場があるので、練習後に一風呂浴びに来て食事をする若者が多いようです。外では、遅くまでゲームをする若者で賑わっています。

 入口にある大看板には、力強い言葉が書かれています。

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 駅から歩いて5分の所にあるので、気軽に来られて重宝している温泉です。




posted by genjiito at 23:29| Comment(0) | *身辺雑記

2025年07月22日

キャンパスプラザ京都で尾州家河内本「桐壺」を読む会(No.13)のご案内

 一昨日の京都新聞「まちかど」欄(京都市)に、NPO法人〈源氏物語電子資料館〉が主催する、尾州家河内本「桐壺」(重要文化財)の本文を変体仮名で読む講座の案内記事が掲載されました。今回はキャンパスプラザ京都での通算32回目、尾州家河内本では第13回となります。

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 会場は、いつものように、キャンパスプラザ京都(京都市大学のまち交流センター)の5階にある第5演習室です。
 変体仮名は初めてだという方のご参加も大歓迎です。
 なお、この会では『源氏物語』の内容は扱いません。
 鎌倉時代の古写本(重要文化財)に書かれている文字が、読めるようになることを第一の目的としています。
 資料はすべて、当日の会場で配布します。

 前回の勉強会の様子は、以下のブログで報告しています。

「キャンパスプラザ京都で尾州家河内本「桐壺」を読む(第31回)−変体仮名が扱えるスマホのこと−」

 会場は、京都駅から JR の線路沿いに西へ歩いて5分の所にあります。
 本ブログのコメント欄を通して、参加希望の旨をお知らせいただけると、資料を用意してお待ちしています。




posted by genjiito at 22:47| Comment(0) | ◎NPO活動

2025年07月21日

地域のグリーンカフェでクロスワードパズルの答えに考え込む

 毎月第3月曜日には、地域に開かれた交流の場として集会所でグリーンカフェが開催されています。
 今日は、お茶やコーヒーやお菓子をいただきながら、間違い探しやクロスワードパズルをしました。パズルは、昔話や物語からの出題でした。私は、以下の3つの質問の答えがわからなかったので、結局は妻に教えてもらいました。


・『赤ずきん』オオカミに食べられた赤ずきんとおばあさんを〇〇〇〇が助けた。

・『〇〇〇〇ひめ』人間の王子のそばへ行くため、声を引きかえに人間の足を手に入れる。

・『〇〇〇の糸車』わなにかかったのを助けてくれたおかみさんに、おん返しをした。


 わからなかったのは、私がお話の内容を正確には知らないからだと思われます。
 タテとヨコの升目を見ながら、すでに埋まっている文字を参考にして推測しました。今回の場合、「り○う○」・「○○ぎ○」・「た○き」まではわかっているので、そこから思いをめぐらせました。しかし、この3つに関しては、その昔話の内容があやふやなために、その空白をつなぐ文字がわからないので手も足も出ません。『赤ずきん』は知っているつもりでした。ところが、誰が助けたのかまでは思い出せません。『赤○○○』ならよかったのですが……
 これらの答えは、「りょうし」・「にんぎょ」・「たぬき」でした。
 質問の中に、もう少しヒントがあれば、と思いました。

 2つの絵を見比べながらの間違い探しは得意なので、すぐにわかりました。

 最後に、歌を唄いながら両手の指を出す、脳活のトレーニングをしました。これは苦手です。
 右手の親指を出し、同時に左手の小指を出した後、次にその逆を出すのです。指がもつれます。
 さらには、親指の次にチョキをしてから小指を出す動きになると、もうパニックです。
 みなさん、それぞれに首を捻りながら悪戦苦闘です。

 外は熱暑で、熱中症アラートが出ています。しかし、集まれる人がこうして集まり、おしゃべりをしたりゲームや脳活の遊戯をするのは、家に閉じこもっているよりも健康的な一日を過ごせます。
 明日も熱中症アラートが出そうです。しかし主催者が市になるので、これはお休みになる可能性が高いようです。多くの方が、壁に向かって喋ってもなー、とおっしゃっていました。過日いただいたプリントをするのもおもしろくないし、と話しながら帰りました。




posted by genjiito at 22:17| Comment(0) | *福祉介護

2025年07月20日

江戸漫歩(179)先月と同じ道を越中島から深川へとブラリ歩き

 昨夜は、日比谷公園地下にある東京メトロ千代田線の日比谷駅から、大手町駅経由で東西線の門前仲町駅に移動し、永代橋の近くのホテルに泊まりました。先月とまったく同じパターンです。ただし、先月は地下鉄丸ノ内線の霞が関駅から大手町駅経由で東西線の門前仲町駅へ行こうとしていた時、電車のトラブルで大回りをすることになったので、今度は経路を変えたのです。とにかく、都内は線路が張り巡らされているので、路線のつながりを知っているとテキパキと移動できます。日比谷公園の周辺には、地下鉄の駅が4つもあり、JRの駅が3つも利用できるので、さまざまな組み合わせで好きな所へ行けます。

 門前仲町周辺は、隣の越中島地域に9年間も住んでいたので、馴染みの生活圏だった所です。永代橋のそばの渋沢栄一のビルには、マイバスケットというイオン系列のスーパーマーケットが入っているので、ここで食材を仕入れてホテルの部屋で夕食です。折しも土用の丑の日だったので、ウナギの蒲焼きも手に入れました。狭いながらもホテルの部屋で、夏に負けないように妻とささやかに宴会です。

 今朝は無料のバイキングをいただいてから、先月とまったく同じコースを歩きました。
 3枚のパノラマ写真をあげます。
 まず、隅田川の右に永代橋、左に中央大橋のアングル。

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 次に、中央大橋・佃島・月島・相生橋を望む景色。

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 そして、左から越中島プール・明治丸・豊洲・相生橋を望む風景。

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 この左端の越中島プールは、恩師伊井春樹先生がこの左横の官舎に、私が赴任する前にいらっしゃった頃、息子さんが夏になると毎日通っておられたと聞いたことがあります。
 明治丸は、東京海洋大学の越中島キャンパスにある、重要文化財の船です。
 この越中島公園から隅田川を望む景色は、テレビの CM や映画・ドラマなどの撮影地として知られているので、見たことがある風景かと思います。実際に、女優の綾瀬はるかさんが相生橋で一人でたたずんでおられるシーンの撮影の合間に、たまたま妻が通りかかり目が合った、と言っています。この相生橋は、小津安二郎監督の『風の中の牝鶏』(1948年)に出て来ることでも有名です。

 8年前までの9年間住んでいた東京医科歯科大学の官舎は、先月のブログでも更地になった様子をアップしました。清澄通りに架かる歩道橋から、先月と同じ角度で写しました。

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 今日はさらに工事が進んでいて、伊井先生と私が入っていた建物があったところは、クレーン車がある場所で、整地がさらに進んでいました。赤い矢印を付けたあたりに、部屋がありました。定点観測として、今後ともチェックを続けます。
 ここは妻共々、東京での思い出深い所なのでつい足が向き、こうして来てしまいます。

 門前仲町に引き返す途中に、ブックオフが今もありました。ここは、私がよく通っただけでなく、息子が東京で会社を立ち上げるために同居していた頃に、彼もここの本のお世話になった所です。今や人工知能の会社のCEO。国のブレーンの一角にいるようです。いつもは東京に行くと泊めてもらっています。しかし、何かと忙しくて出張が多いため、先月同様、昨日も出張でした。おかげとでも言うべきか、こうして思い出の散策を楽しんでいます。

 富岡八幡宮では、今日は骨董市はやっていませんでした。
 私が海外出張の時には必ず立ち寄っていた伊能忠敬さんには、今日もお礼の挨拶をしてきました。

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 深川のお不動さんにもお参りしました。いつ行っても、迫力があって元気をもらっています。

 JR越中島駅から東京駅に出ました。通勤で使っていたので、勝手知ったる駅です。この京葉線は、ディズニーランドへ行く人でごった返しています。今日も、乗り換えの東京駅構内では、長い距離をディズニー気分に存分に浸った若者たちと一緒に移動しました。私は、このディズニーの文化は要らないものだと思っています。多くの方の顰蹙を買うことを承知で、折々に言っていることです。

 宇治市の地元の小学校へ行っての参議院選挙の投票には、何とか間に合いました。掲示されていた候補者や政党名の文字が小さくて困りました。しかし、日頃は文字を書くことがほとんどないので、人名を漢字や平仮名で書くことは、脳の活性化になっていいことだと思いました。

 なお、今日私が東京を離れたすぐ後に、山手線で携帯電話の充電バッテリーから火が出たとのことで、電車が一時止まったようです。東京では電車のトラブルに何度も巻き込まれています。今日はタッチの差で助かったようです。それにしても、バッテリーは旅行中に私も妻も持ち歩いています。何かあった時に、避難場所で充電器の取り合いになるからです。いま一度、手元のバッテリーの確認をしたいと思います。




posted by genjiito at 22:17| Comment(0) | ・江戸漫歩

2025年07月19日

日比谷で「須磨」(26)と『百人一首』(新3)を読み、スマホと変体仮名のことに及ぶ

 午前中に東京駅に着くと、有楽町駅前のビックカメラに行きました。京都で確認した、スマホに変体仮名が表示されることを、東京ではどうなのかを調べるためです。
 当然のことながら、売り場の方はそんなことはまったくご存知ありません。社員の方も含めて皆無です。そこで、通信のことは切り離して、機器だけの担当の方に話を聞きました。いろいろなスマホをテストしてもらう内に、Android15 だけが変体仮名が出ることがわかりました。Android14 では変体仮名が出ないのです。担当者の方は、変体仮名が表示されることの意味は理解できないし、正直なところわからないことだらけだ、とのことでした。

 上の階で食事をしながら生成AIにいろいろと質問をして、以下の情報を得ました。

 「Gemini」の回答から。以下の緑字の引用文の中の赤字の部分に注目したいと思います。特に「Noto Hentaigana」については、「NO more TO-fu」から来ているそうです。フォントが正常に描画されない時に、代わりに四角い記号が表示されることがあります。それを「豆腐」と言っています。「Noto」は、豆腐がない、と言う意味をもっているのです。このことは、この後の講座の中で私がこの話をしている時に、受講生の方が教えてくださいました。ありがとうございました。私も、こうして時代に変化に何とか着いて行けています。

スマホで変体仮名が表示される機種とされない機種があるのは、主に以下の理由によります。
 * OSの対応状況とフォントの搭載:
   * 変体仮名のUnicode対応: 変体仮名は、現代の平仮名とは異なる字形を持つため、Unicodeという文字コード規格で個別の文字として定義される必要があります。Unicodeに対応していなければ、そもそも文字として認識されません。
   * OSのフォント搭載: スマートフォンのOS(iOSやAndroid)が、変体仮名を表示するためのフォントを標準で搭載しているかどうかが重要です。古いOSや、変体仮名に対応していないフォントしか搭載していない機種では、表示することができません。
   * 最近の動き:
     * Googleは、あらゆる文字を表示できるようにする「Noto」プロジェクトの一環として、**「Noto Hentaigana」**という変体仮名フォントをリリースしています。
     * Android 15からは、標準の日本語フォント(NotoSansCJK)がバリアブルフォントになり、変体仮名がデフォルトでサポートされることが発表されています。これにより、Android 15以降を搭載する機種では、変体仮名が表示されるようになるでしょう。
     * iOSでも、変体仮名アプリなどが提供されており、フォントのアップデートによっては表示が改善されている可能性があります。
 * アプリ側の対応:
   * OSが変体仮名に対応していても、使用しているアプリがそのフォントを呼び出して表示する仕組みになっていなければ、表示されないことがあります。例えば、特定のWebサイトや電子書籍アプリなどが、独自のフォント設定をしている場合などです。
 * Webフォントの利用:
   * 一部のWebサイトでは、変体仮名を表示するために「Webフォント」という仕組みを利用している場合があります。Webフォントは、サイトを閲覧する際に一時的にフォントをダウンロードして表示するため、端末のOSが直接フォントを搭載していなくても表示されることがあります。
要するに、変体仮名の表示には「OSが変体仮名を文字として認識し、それを表示できるフォントを持っているか」が最も大きな要因となります。新しいOSバージョンや、変体仮名対応のフォントを搭載した機種では表示され、そうでない機種では表示されないという状況になっています。

 続いて、チャットGPT の回答の一部を紹介します。

以下は、変体仮名フォントを提供している代表的な2つのフォントと、その入手方法です

1. 白舟書体「教育漢字版」フォント(無料版)

教育漢字1026字対応のOpenTypeフォントで、変体仮名にも一部対応しています。無料でダウンロードできますが、J‑Font.comへの会員登録が必要です。

2. NINJAL変体仮名フォント(特化型)

国立国語研究所(NINJAL)が学術目的で提供している、変体仮名専用フォントです。

 国立国語研究所の変体仮名専用フォントについては、その選定の段階から知っていました。しかし、こうした流れの中での理解はしていませんでした。私が付いて行けていなかったことになります。
 白舟書体「教育漢字版」フォントについては、京都の自宅に帰ってから確認します。
 こうした件については、今後もさらに追究していきます。

 日比谷では、今日も私が大好きなゴジラが吠えています。

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 身体の火照りを覚ますため、帝国ホテルに立ち寄りました。ロビーの中央には、ヒマワリが咲き誇っています。

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 日比谷図書文化館の入口には、いつものように本日の講座の掲示があります。

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 今日の最初は、「ハーバード大学蔵『源氏物語 須磨』を読む(二六)」です。
 本題に入る前に、過日のブログで取り上げた、「変体仮名が今のスマホ社会で認知されていることを知って」(2025年07月02日、http://genjiito.sblo.jp/article/191406349.html)をもとにして、現在スマホで変体仮名が表示されることの意味についてお話しました。先ほど言ったビックカメラでの話しもしました。すると、2人の方から自分が使っているスマホに変体仮名が表示されるとの報告を受けました。ただし、変体仮名が表示されることがどのような意味を持つのかは、これまで考えても見なかった、とのことです。お話してよかったと思いました。

 ハーバード大学美術館蔵『源氏物語』「須磨」に関しては、48丁表と48丁裏の5行目までしか進めませんでした。スマホと変体仮名の話しが長くなったことと、今日から参加なさっていた方が6名もいらっしゃったので、ゆっくりと丁寧な説明を心がけたこともあります。
 この講座の主旨は、変体仮名が読めるようになることにあるので、ゆっくりと進んだことはお許しいただくことにしましょう。
 今日確認した箇所は、以下の通りです。

【入道宮】八・【春宮】の・【御】こと越・ゆゝし
うの三/(ゆゆしうの三)・於も本す尓・【大将】も・可く・佐すらへ・【給】
を・い三しう・於毛ほ世登・い可ゝは/(い可可は)・勢ん・多いら可
尓堂尓・越八しすくして・こと毛・よろしう・
奈ら八なと・於もす・いと・毛乃者可那き・【程】尓・を
八しま須そ・多の毛しけ奈き・【心】ち・志・
多満ひける・【御】八ら可ら能・みこ多ち・む川
ましう・きこゑ可多らひ・【給】ひし・【上達部】・
者し免徒可多八・さふらひ・きこゑ奈と・ナシ・あ
里き・ナシ・ナシ・あ者れ奈る・ふ三越・徒くり可しそれ尓徒け弖/れ〈次頁〉、可し〈ママ、諸本かはし〉、(48オ)
--------------------------------------
ナシ/+【世中】尓・めてられ・【給】へ八・きさき乃
【宮】/後き$い、(きさい乃【宮】)・きこし免して・いみしう・の多まひ
け里・於ほやけの・可う志なる・【人】は【心】尓満
可勢て・こ乃【世】の・あち者ひを多尓・しる・
こと・那くこそ・あむ奈れ

 ここでは、48丁表の最終行にある「徒くり可しそれ尓徒け弖/れ〈次頁〉、可し〈ママ、諸本かはし〉」について、凡例に新たに追加することになる、ということを説明しました。それは、「徒くり可し」とある箇所は脱字があると思われ、諸本を見比べると本来は「徒くり可はし」とあるべきだと思われるからです。そのため、付加情報に「〈ママ、諸本かはし〉」という記述を加え、これを凡例に追記することにしたのです。
 凡例が次第に増えて来て、その整理が大変になりました。しかし、しっかりとした方針で「変体仮名翻字版」を作るためにも、この凡例は厳密なものを作成する必要があります。そうした思いで「変体仮名翻字版」を作りつつ、凡例も更新をしているところです。

 1時間の休憩時間には幾つかの質問を受け、軽食を食べて『百人一首』の講座に臨みました。

 最初に話題にしたスマホに変体仮名が表示できる話は、『源氏物語』の「須磨」の時よりも詳しくしました。反応が良かったので、つい長話になりました。
 『百人一首』に関しては、まず「宝塚の方の芸名が『百人一首』と関係あること」と「落語と『百人一首』」の2つの資料で、『百人一首』への興味と関心を深めてもらうことにしました。これは、新たに受講される方が多かったために、こうした内容にしました。
 なお、このことは機会をあらためて報告しますので、ここでは省略します。

 『百人一首』については、11番歌の参議篁から16番歌の中納言行平までを、変体仮名に注意しながら和歌の文字を丹念に追いました。

 終了後も、何人かの質問があり、その対応をしてから終わりました。




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2025年07月18日

集会所でインドネシア語講座の後は京大病院へ

 今日は、インドネシアに長く住んでおられた大石さんを講師に迎え、「かんたん インドネシア語 講座」が開催されました。
 大石さんは、NHKラジオや上智大学でインドネシア語の講座を担当しておられたこともあり、豊富な経験を背景にしてわかりやすくお話ししてくださいました。

 まず、インドネシアは日本の終戦直後の、1945年8月17日に日本の占領下から独立した国であることから始まりました。大きな地図やプリントを駆使して、丁寧に噛み砕いて、楽しく語ってくださいました。お話がおもしろかったので、みなさんの笑い声が絶えません。
 挨拶やかんたんな会話も、声を出して体験しました。

 「スラマッ シアン(こんにちは)」「テリマ カシ(ありがとう)」「ナマ サヤ イトウ(私の名前は伊藤です)」などなど、日本語の感覚で発声すればいい言葉でした。
 インドネシア語のクイズも、おもしろくて、いい勉強になりました。
 バリ島の「ングラ・ライ国際空港」は、「ン」で始まる言葉です。おもしろいものです。

 私は、東南アジアのことはほとんど知りません。インド、ミャンマー、ベトナムへ行っただけです。近いということもあり、いつでも行けるとの思いから、行かずじまいになっていたのです。もう行けないのかと思うと、残念です。
 こうしてお話を聞きながら、これからは追体験で楽しもうと思うようになりました。

 なお、インドネシア語訳『源氏物語』が手元にないことを大石さんに伝え、翻訳本の収集の協力をお願いしました。『源氏物語』の翻訳本は、43種類の言語で翻訳されています。しかし、その中にインドネシア語訳『源氏物語』がないのです。大石さんはインドネシアの大学院で勉強なさった方なので、情報を集めてくださるそうです。

 今日のお茶とコーヒーのおやつとして出たものの中に、小倉山荘のおかき「をぐら山春秋」がありました。その中のプラスチックのトレーには、『百人一首』の中でも82番歌の道因法師の次の歌がまずは手書き文字で書かれていました。

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    【思】ひわ日さて毛
いのちはあるものを
 【憂】きにたへぬ八
     【涙】なりけ里

 この手書き文字の表記の中にある「日」「八」「里」は変体仮名です。また、「毛」は現行の平仮名の「も」の字母です。
 この表記と、その左に活字体で書かれた和歌を見比べると、次のように違う箇所が一目瞭然です。

 わ日 ←わび
 ぬ八 ←ぬは
 け里 ←けり

 こうした仮名文字の表記に関して、変体仮名が使われていることに気付く方はごく少数だと思われます。
 その前に、この変体仮名が読める方はほとんどいらっしゃらないことでしょう。
 同じ日本語を教わったはずなのに、この仮名文字が読める方と読めない方が明らかに別れるのです。
 日本語の中でも仮名文字のありかたとして、こんな状況を放置していていいのでしょうか。
 日本語の文字の教育を担当するのは、文部科学省の仕事だと思われます。文化庁と言った方がいいのでしょうか。変体仮名を教えることは、教育現場を混乱させるので扱わなくてもいい、という指示が文部科学省からでているようです。しかし、巷にはこうした変体仮名が表現の自由のもとに放置されています。
 このことについて、どのようなコメントがなされているのか、今私にはわかりません。最近のスマートフォンの一部には、変体仮名が表示されます。こうした事態を含めて、もう少し私なりに現状の確認をしたいと思っています。

 集会所が終わるとすぐに、京大病院へと急ぎました。
 大文字山は昨日の大雨の後のせいか、きれいな姿を見せていました。

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 今日も、妻の点滴の付き添いです。
 点滴の前の診察の時に、レカネマブの薬価が厚労省の指導として15%下がることについて、主治医の先生に質問しました。難しい内部の事情はともかく、患者側の負担額について上限枠は変わらないので影響はない、とのことでした。そして、9月下旬で点滴治療が半年になるので、残り1年間の点滴の対応は、自宅近くの宇治徳洲会病院に依頼する予定だ、とのことでした。診察や検査は、これまで通り京大病院で受けます。

 これまでは昨日と今日の直近の記憶が曖昧だったものが、最近の傾向として、昨日のことは思い出せるものの、今日の、先ほどのことを覚えていない状況があることを、先生に近況としてお話しました。
 そして、明日になると今日あやふやだったことが思い出せるのは、どのような事情でそうなるのかをお尋ねしました。後追いで記憶が定着する例は聞かない、とのことでした。このことは、これからの日常の中で再度確認していきたいと思います。




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2025年07月17日

読書雑記(359)アップル愛に欠ける『スティーブ・ジョブズ名語録』

 『スティーブ・ジョブズ名語録 人生に革命を起こす96の言葉』(桑原晃弥、PHP 文庫、2010年8月)を読みました。ジョブズが情熱をかけ愛してやまなかったマッキントッシュと出会って35年のキャリアを持つ私にとって、ジョブズが残した言葉には身体が反応します。つい、本書を手にしました。

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 ジョブズが語った言葉を引用しながら、ジョブズの生き様や考え方を語り伝える内容です。そう思ってページを繰りました。
 しかし、作者の語り口がどこかよそよそしくて、他人事のように感じたのです。気持ちが入っていない文章を、ダラダラと読まされたのです。ジョブズという素晴らしい素材を見つけたのにもかかわらず、こんな熱のない気が抜けた文では、ジョブズの情熱はもとより実像も霞んでしまいます。
 語り手を変えて、ジョブズを語る新たな本の出版を望みます。【1】

 なお、かつて私は本ブログに「スティーブ・ジョブズの死と雑誌の特別付録」(2011年10月06日、http://genjiito.sblo.jp/article/178945817.html)と題する記事を書きました。そこで紹介した雑誌などには、ジョブズに対する哀惜の念を通してジョブズへの敬愛の念に溢れた文章がまとまっていました。そうした熱気のかたまりのような懐古談を読んでいる積年のアップルユーザーに取って、この著者の日本語には生気が欠けていて残念でした。
 アップルのパソコンであるマッキントッシュに始まって、今ではスマートフォン、アップルウォッチ、アイパッド、そして部屋にはバックグラウンドで音楽を流す旧アイポッドと、ジョブズが生み出した機器に囲まれた生活をしています。すべて、尊師と仰いできたN氏からの影響のたまものです。そのN氏とは、来月のお盆に、同じ仲間のO氏と共に久しぶりに逢うことになっています。共に、37年前に日本文学データベース研究会(NDK)を起ち上げ運営してきた同志であり、熱烈なアップル信者です。来月も、マック談義に花が咲くことでしょう。
 それだけに、今回読んだ本の中身が薄っぺらだったことが、マックユーザーとして失望した遠因となっているように思われます。

※本書は、PHP 文庫への書き下ろし作品です。




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2025年07月16日

中之島図書館での谷崎潤一郎と『源氏物語』に関するご案内2件

 大阪府立中之島図書館(国指定重要文化財)で開催している「新古典塾 平安文学リレー講座」は、来月下旬の8月25日(月)に、谷崎潤一郎と『源氏物語』をテーマとして実施します。今回で第7回となります。講師は、『谷崎源氏の基礎的研究』(武蔵野書院、2024年)を刊行したばかりの同志社女子大学の大津直子さんです。第5回 中古文学会賞、第9回 第二次関根賞、第10回 全国大学国語国文学会賞、などを受賞した気鋭の研究者です。

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 大先輩である室伏信助先生の『源氏物語』の授業を私が聴講させていただいていた頃、大津さんは大学院生として受講中でした。とにかくよく調べて授業に望む学生さんとして、当初より注目していました。同窓の後輩として、今の勢いそのままに中之島図書館でも日頃の研究成果を披露してもらおうと思い、今回の講師をお願いしました。

 次のチラシに明記されているように、今回は芦屋市谷崎潤一郎記念館の協力を得ての開催です。
 チラシに掲載した愛蔵本『潤一郎訳源氏物語』は私が持っているもので、桐箱の蓋には谷崎自筆の署名があります。これを当日は持参し、会場で手に取って見てもらおうと思っています。直接触ることによる実感実証の体験をしてください。

 なお、次の日程で、「芦屋市谷崎潤一郎記念館 パネル展」も開催されます。テーマは、「文豪谷崎 決着の戦後 〜細雪と谷崎源氏〜」です。会場は、「新古典塾 平安文学リレー講座」の真下の2階にある多目的スペース1です。
 この企画展示も、お楽しみください。

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posted by genjiito at 18:06| Comment(0) | □谷崎読過

2025年07月15日

伏見にある力の湯で暑気払い

 熱中症アラートが出たという連絡が、民生委員のNさんから入りました。そのため、今日の集会所での宇治市主催のB型リハビリの集まりはありません。
 先週の金曜日には、100歳のTさんと火曜日にまたと玄関先で挨拶をしてお別れし、今日もお話ができることを楽しみにしていたので残念です。
 アラートが出たことで、自宅でジッとしているよりも、近くの人は暑さに気をつけて集まった方がいいと思われます。その考え方で、金曜日のNさんが主宰される集まりは、アラートが出ても来られる方は十分に体調に気をつけてどうぞ、というスタンスです。しかしながら、今日の主催者は宇治市なので、何かあったら対外的にも責任問題ということもあり、保身のための中止となります。公務員の方々のことなので、実情はともかくとして仕方のないルールです。

 夕方、少し涼しくなったので、近場の伏見にある温泉に行きました。よく行く、力の湯です。トロリとしたお湯なので、適度に温まります。風に当たりながらの帰り道は、暑さ凌ぎに最適です。しかも、丁寧に調理されたおいしい食事付きでセットの入浴料は1,500円。日帰りながら、温泉地巡りの気分を味わえます。さらには、お風呂上がりのアイスクリームをゆったりとした椅子に座って満喫できます。
 大学生が多く来ているので、活気があるのも気に入っています。




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2025年07月14日

清張復読(78)「形」「陸行水行」(『別冊黒い画集』より)

■「形」
 住民の噂が物語を膨らませます。男の意地が執拗に語られます。一人の男の信念が見事に描かれています。
 そして結末を読み、肩透かしを食らった気持ちになりました。どこまでが計算された物語であったのか、わからなくなりました。その構成が、最後まで維持されていないように思えます。作者にとっては、「形」をテーマに据えた試みだったかもしれません。しかし、読者に話の綴じ目を放り投げたような結末だと思いました。【2】

初出誌:『週刊文春』1963年10月〜11月

※参考資料:『松本清張事典 決定版』(郷原宏、角川学芸出版、平成17年4月)には、次のようにあります。

「「形」にとらわれたために生じた錯覚と、それがもたらす悲喜劇を描いた犯罪小説。」(33頁)

また、『松本清張全集7』(文藝春秋社、1972.8.20)の巻末に収載されている荒松雄氏による「解説」には、次のようにあります。

「「形」では、一体どういう結末になるのか最後まで興味が残るし、〜」(465頁)




■「陸行水行」
 まず、研究が進んでいない宇佐古代文化圏は日本古代史のアナだと、万年大学講師に言わせます。そして、読者の視点を九州に引き付けます。
 さらに清張は、登場人物に国文学者の山田孝雄を崇拝していると言わせています。作者の思考を支える背景が窺えます。
 邪馬台国論争について、「邪馬台国論争など興味のない読者を、以下やや長々と現在までの学術論争のあらましの紹介で悩ますのは恐縮である。しかし、これがないと浜中浩三の話の筋が通らない。」(208頁)として、邪馬台国関連の論点をわかりやすく噛み砕いて語ってくれます。理屈っぽい論調で語られるので、確かに興味のない方は退屈かも知れません。しかし、清張に付き合うと、しだいに問題点が持つおもしろさがわかりだします。
 特に、愛媛県温泉郡吉野村役場書記の浜中浩三はアマチュア邪馬台国学者だとして、彼の私説を詳しく紹介し、検討します。読者はこれに付き合うことで、諸説と推論を楽しめます。この展開が、清張の歴史観と実証的な姿勢による、古代史への誘いとなっていきます。
 その浜中氏をめぐって、話は意外な展開を見せます。清張らしい、推理仕立ての話に展開していくのです。民間の在野学者を取り上げて中央の学者を批判する次のもの言いも、その後の作品で繰り返し出て来る清張らしい語り口です。学会批判、学者批判です。

「まあ、あの論争はほかに実証的なものがないので、アマチュアでも十分参加できるわけです。しかし、歓迎すべきことですよ。学問が一部の学者の独占物になっていては本当の姿ではない。やはり一般民衆が参加することが望ましい。それには学問の表現手段が自分たち仲間同士にだけ通じる用語であってはならないね。難解な専門語や文章が、高級な学者の発言だという迷妄は、もうそろそろ打破しなくてはなりませんな」(226頁)

 こうした信念の元、素人の研究者が持つ情熱が、後半になるにしたがって読者に届いてきます。
 私は、高校生の頃に邪馬台国に興味を持ち、いろいろな本を読んで自分なりに推理を楽しんだものです。本作も、当然読んだ記憶があります。清張は、そのテーマと語り口で読者を引き込む作家だと思っています。【5】


初出誌:『週刊文春』1963年11月〜1964年1月


※参考資料:『松本清張事典 決定版』(郷原宏、角川学芸出版、平成17年4月)には、次のようにあります。

「邪馬台国の謎を郷土史家失踪の謎に重ねて描いた清張古代史ミステリーの第1作にして代表作。」(177頁)

また、『松本清張全集7』(文藝春秋社、1972.8.20)の巻末に収載されている荒松雄氏による「解説」に、次のように清張を讃える言葉があります。

「これは私の専攻と関わることなのであえていうのだが、最近の歴史学も、他の学問と同じように高度の専門的分化が進み、その結果研究者の視野がだんだんと狭くなってきた。日本史の分野では、松本清張を素人扱いしてきたようだ。史料の扱い方などに勝手なところがあるという。しかし、彼の広い視野と卓抜な推理力とは、専門家にも多くの示唆を与えている。この水準までもいっていないのに、専門の歴史学者で通っている人はザラにいよう。筆者は日本古代史には暗いが、最近遇った江上波夫や井上光貞に聞いても高く評価していた。ここ数年、松本清張は雑誌の対談やテレビに専門学者としばしば同席しているが、見ていると、清張の方がむしろ堂々としていることがある。」(468頁)





posted by genjiito at 19:52| Comment(0) | □清張復読

2025年07月13日

キャンパスプラザ京都の予約とイオン散策と外食のこと

 昨日は、大阪府立中之島図書館の帰りに京阪樟葉駅で途中下車をして、くずはモールで回転寿司を食べたり散策をして帰りました。歩数を確認したら、9,400歩でした。
 中之島図書館への往復だけなら、自宅から近くの駅への往復が4,000歩なので、トータルで6,000歩くらいです。とすると、樟葉のショッピングセンターを3,400歩もブラブラしていたことになります。ウィンドウショッピングも脳活になるということなので、日々妻と共に積極的にブラブラ歩きをしています。くずはモールは、東京のららぽーと豊洲によく似た、ただし少しミニサイズの大型商業施設でした。

 そして今日、いつものように京都駅周辺を散策しました。
 最初は、京都駅の伊勢丹にある美術館「えき」で開催中の、「やなせたかし展」に行く予定でした。ところが、行って見ると長蛇の列。日曜日ということもあってか、親子連れが延々と並んでおられ、数時間待ちです。いつでも行けるという気安さから、今日はパスすることにしました。

 そこから駅前のキャンパスプラザ京都へ移動し、古写本『源氏物語』を読むNPO主催の勉強会の会場の予約をするために行きました。うまく10月分がとれました。今後の日程は、以下のようになります。参加なさる方は、チェックをお願いします。

(32)2025年7月26日 (土) 第5演習室
(33)2025年8月23日 (土) 第5講習室
(34)2025年9月27日 (土) 第5演習室
(35)2025年10月25日 (土) 第5演習室

 ここはお世話になっていて恐縮ながら、事務手続がスムースではありません。お役所仕事なのです。少子化で窓口業務の人材の縮小が喫緊の課題なのに、利用者の立場で見ると従業員のために仕事を発生させる仕組みにしか見えません。従事しておられる方は大変そうにしておられます。しかし、窓口業務しか見えないので失礼を承知で言うと、大幅に業務の効率化が図れる組織だと思われます。ここにお世話になって3年の間に、いろいろと緩慢な対応とミスも目立ちますし。

 その後は、イオンモール京都へ食事がてら散策しました。とにかく、多くの人で賑わっています。この中にある回転寿司屋さんは私の好みに合わないので行きません。最近は、江戸前のにぎり寿司よりも大阪鮨や海鮮丼に好みが移ったこともあり、高木鮮魚店通いが続いていました。今日は気分転換にと、4階の豚カツととろろのお店に行きました。初めてのお店です。しかし、待ち時間が異様に長いので、途中で諦めてキャンセルし、フードコートで長崎ちゃんぽんと餃子をいただきました。

 ここは、気軽に好きなものが選べてサッと受け取れ、誰に気兼ねすることなく長時間いられます。少食で時間をかけて食べる私の食生活には最適です。また、常に妻と一緒の生活なので、お互いが好きなものを注文して一緒にいただけるのも気に入っています。
 それにしても、毎度のことながら若者たちでごった返しています。高齢者は見渡してもほんの数人いるかいないか。少し肩身が狭いながらも、自由気ままにいられる場所なので大好きな場所です。
 少子高齢化に突き進んでいる今、お店の構え方に始まり、人材の配置や注文の仕方やいただき方を含めて、これは今後の飲食業界のあり方を示しているように思えます。
 自宅近くにあったショッピングセンターにも、こうしたフードコートがあったようです。しかし、このセンターは今年の3月で閉店。よく通っていたので、残念に思い、その後のスペースがどうなるのか気になっていました。それが、今日のネットのニュースで、京都駅前のヨドバシカメラの地下に入っているロピアが、京都の2店舗目として開店することを知りました。ロピアは、以前住んでいた家の向かいのご主人が、経営しておられたお好み焼き屋さんの仕入れ先の中に入っていたところでもあります。下鴨にいた頃には、河原町の業務スーパーとこのロピアに、とにかく安いこともあり何度も行ったお店です。これまでとよく似た業態のロピアが、自宅近くに来るのです。近くには、これまた愛用している業務スーパーがあるので、新規開店が楽しみです。

 1日6回食で少量を小まめに食べる私は、冷凍食品等の買い置きを、2台の冷凍庫に詰め込んでいます。この身体とこの歳になると、食事だけは贅沢ではなくて潤沢に蓄えています。人生の晩年は豊かな食生活を、ということを日々実践しているところです。そのためにも、こうした食材の安いお店は大歓迎です。

 さて、レストランや料理店の専門店化やサービスのあり方は、少子化に伴って従業員への人材配置が困難になるこれからの社会では、急激に変化していくことでしょう。富裕層が自己満足のためにレストランに行って高価なメニューをありがたがっていただく、という構図は私の中では無縁のこととして片隅に置かれています。そして、その種族の中に私はいないことも確かです。
 私は、身体のこともあって、外食は極端に減らしています。食事代も1,200円を上限にして、お腹の痛みを和らげながら、少食をのんびりと食べることを心がけています。これは、意外と少子高齢化社会のお手本となっていくのではないでしょうか。頑健で食費を気にしないで雰囲気が最優先の方とは、真逆の生活スタイルかも知れませんが。

 今日の歩数は10,002歩でした。やはり、ショッピングセンターの散策は、予想外に歩数を稼ぐようです。認知症が気になる方は、脳活の効果も高いこの散策方法も検討されてはいかがでしょうか。




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2025年07月12日

中之島での『百人一首』(第14回)と『源氏物語 蜻蛉』(第25回)の講座

 淀屋橋から大阪府立中之島図書館を望んでシャッターを切ると、左手上空を伊丹空港に向かう飛行機が写っていました。今日は、万博会場を中心にして、ブルーインパルスが大阪上空を編隊飛行する日です。午後3時前後の予定とのことなので、ちょうど講座のまっ最中になります。見られなくて残念です。

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 本日の『百人一首』の講座で使用したプリントは5枚です。その内の4枚を、画像として引きます。

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 まず最初の3枚の資料は、すでにブログで報告したことを取り上げて、現在問題があると思っていることをお話しました。ブログでは、「■スマホで変体仮名が送受信できる時代に突入していること(2025年06月30日、「http://genjiito.sblo.jp/article/191404255.html」)と題して書いたことです。

 次の1枚は、これもブログで報告した記事の「■変体仮名が今のスマホ社会で認知されていることを知って
(2025年07月02日、「http://genjiito.sblo.jp/article/191406349.html」)の要約です。
 私の講座は、変体仮名が読めるようになることを主眼とするものです。そこへ、変体仮名が表示できるスマートフォンが販売されている現実がわかりました。これは、相容れない状況が起きているので、どうしても無視できないために、実状の報告とそれに対するコメントをしました。いずれは、どこからか圧力がかかって、変体仮名が表示できるスマホは市場から姿を消すと思っていますが。

 メインの『変体仮名でよむ 百人一首』をテキストとする勉強は、7番歌(安倍仲麻呂)から11番歌(参議篁)までの5首を扱いました。陽明文庫と国文研の二種類のカルタに書かれている変体仮名の和歌を、その字母の違いに留意しながら確認しました。


 30分の休憩時間に、ブルーインパルスの編隊飛行が大阪城の上を飛んでいるところを、図書館の窓から撮影した方がいらっしゃいました。見せてくださった写真には、はっきりとブルーインパルスが白煙を引いて飛んで行く姿が写っていました。なかなか見られないものなので、思い出の写真となることでしょう。


 次は、ハーバード大学美術館蔵『源氏物語』「蜻蛉」の変体仮名を読む時間です。
 ここでも、スマホで変体仮名が表示される現在の状況を、簡単にお話しました。
 そして、すぐに宮川保子さんが相愛大学の写本の臨模本を手がけておられることに触れ、実際に試作版の資料を見てもらいました。800年前の古写本の実態がわかる資料なので、紙質や文字や装飾料紙をじっくりと見てもらいました。まさに、実感実証の体験を伴った勉強会となっています。

 ハーバード大学蔵『源氏物語 蜻蛉』は、57丁表から59丁表の1行目までを確認しました。
 今日は、同じ文字をなぞっている箇所がいくつもあったので、その理由がよくわからないことを伝えました。また、変体仮名の「者(は)」や「王(わ)」そして「を」が認識しにくい字形であることの確認もしました。
 現在使っているテキストは白黒写真であり、よくわからない箇所に関して、カラー画像を拡大したものを提示して、詳しく見ました。次の例がそれです。
 まず、58丁表9行目の「万いら△給」とあるところです。11年前に刊行したテキストでは、「まいらせ給」として「せ」の横に「(判読)」と付記しました。しかし、次の写真を見てもわかる通り、赤く囲った箇所を「せ」と読むには大いに疑問があります。そこで、「万いら△給」として無理に読まないで不読文字の△で翻字することにしました。

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 もう1例。上記の次の行である58丁表10行目「さ可り/$ころ」とした箇所には、ミセケチの点があることです。カラー写真で見るとわかるように、本行の文字の左横に点が打たれていることが確認できます。その右横に書かれた「ころ」は、墨の色からも後に傍記として書き込まれた文字のようです。

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■ハーバード大学蔵『源氏物語 蜻蛉』57丁表〜59丁裏
翻字データの中にある付加情報(/)の記号について
傍書(=)、 ミセケチ($)、 ナゾリ(&)、補入記号有(+)、補入記号無(±)、 和歌の始発部
( 「 )・末尾( 」 )、底本陽明文庫本の語句が当該本にない場合(ナシ) 、 翻字不可・不明(△)
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【御】く尓て・いと・こよな可らぬ・【御程】の【人】なれ八・や
むことなくて・佐ふらひ・【給】・可きり・あれ八・三や
のきみなと・うちいひて・も者可り・ひき可け・
【給】そ・いと・あ者れなり介る・【兵部卿】の三や/【式】&【兵】、(【式部卿】の三や)・
この・きみ者可りや・こひしき・【人】尓・於もひ・よ
そへ徒へき・さま・し多らん・ちゝ/(ちち)・みこ八・者ら
からそ可しなと・れいの・【御心】八・【人】を・こひ・【給】尓・
川けても・【人】の・ゆ可しき・【御心】・やまて・い川し可と・
【御心】可け・【給】て介り・【大将】も・もとかしき万て・
ある王さ可な・【昨日】・介ふと・いふ者可り・【春宮】尓やなと/や〈次頁〉、(57オ)
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於ほし・王れ尓も・けしき八万せ・【給】
きかし・かく・者可奈き・よの・於とろ江・【思】尓八/八〈行末左〉・
【水】の・そこ尓・【身】を・し川めても・ゝと可し可らぬ/(もと可し可らぬ)・
王さにこそなと/な&な・【思】川ゝ/(【思】川川)・【人】より八・【心】よせ・きをゑ/を〈ママ、諸本こ〉・
【給】へり・この・【院】尓/尓&尓・於八し万春を八・【内】よりも・
ひろく・於もしろく・す三よき・もの尓して・つね
尓・【候】八ぬ・【人】ともゝ/(【人】ともも)・三な・うちと介・春三川ゝ/(春三川川)・
八る/\と/(八る八ると)・於ほ可る・多いとも・らう・王た【殿】尓・み
ち多り・【右】の於ほ【殿】ゝ/(【右】の於ほ【殿】の)・む可しの・【御】け者い尓も・
於とらす・すへて・可きり・なく・いとな三・川かく万川里・/く$う、万〈次頁〉、(川かう万川里)、(57ウ)
--------------------------------------
【給】・い可めしう・なり尓多る・【御】そうな
れ八・な可/\/(な可な可)・い尓しへよりも・い可めしき・こと八・まさ
里てさへなん・阿りける・この・【宮】・れいの・【御心】な
羅八/れ&羅、(【御心】なれ八)・【月】ころの・本とに・い可なる・すきことと母を・
しいて・【給】八まし・こよなう・し川まり・【給】弖・
【人】め尓八・をいな本りし・【給】可なと・三ゆる越・こ
のころは・【又】・三やのきみ尓/多&き、(三やの多み尓)・【本上】・あら八れて・
かゝ川らひ阿りき/(かか川らひ阿りき)・【給】介る・[30]すゝしう/(すすしう)・なりぬと
て・三や・うち尓・万いら△・【給】なと・すれと・あきの・さ可り・も
みちの・さ可りなと越/さ可り$ころ、(ころなと越)・みさらんこそと具ちをしかりて/△&具、か〈次頁〉、(58オ)
--------------------------------------
王可き・【人】/\なと/(【人人】なと)・三な・川とひまいり
多る・ころなり・【水】尓・なれ・【月】を・三てゝ/三〈ママ、諸本め〉、(三てて)、(めてて)・【御】
あそひ・多へ須・つねよりも・いまめ可しけれ八・この・
三や八・かゝる/(かかる)・すち八・いとこよなう・もて八やし・
【給】・あさゆふ尓/い&ゆ、(あさいふ尓)・三ても・な越・つね尓/尓&尓・三ん・八
川八奈の・さま・し・【侍】多る尓・【大将】のきみ八・いと・さ
しも・いり多ちいり多ちなら八・し・【給】八ぬ本とにて・
者川可しう・【心】ゆるひ・なき・もの尓・三な・【思】多り・
れいの・布多【所】母・いり・【給】へり・【御前】尓・於八する・
本とに/本&本・【侍従】八/±可の・ものより・のそきて・三・多て万つる尓/尓〈次頁〉、(58ウ)
--------------------------------------
い川可多尓も/\/(い川可多尓もい川可多尓も)・よりて・めて多き・【御】すく
(2025/07/13 ココマデ)


 今日も、鎌倉時代に書き写された『源氏物語』の本文を、字母に注意しながら丹念に見ました。みなさん、800年前の仮名文字に少しずつ慣れてこられたようで、文字を追っておられる姿を拝見していて、スキルがアップしてきていることを実感する場面が何度かありました。和歌と違い、物語の文字列は読みにくいものが多いと思われます。それでも、コツコツと読み続けていくと、自然に読めるようになります。確実に変体仮名が読めるようになっていることを自覚して、さらにさまざまな字形の文字を読む訓練をし、挑戦してほしいものです。終わってから、いろいろと質問もあるので、折々にお手伝いをしています。




posted by genjiito at 23:57| Comment(0) | ■講座学習

2025年07月11日

集会所で薬の飲み合わせに関する講習会

 いつも利用している調剤薬局の方が集会所にお越しになり、「薬の飲み合わせ〜正しく知って安全に治療しよう〜」というお話をしてくださいました。
 薬はなぜ水で飲むのか、という問いかけに始まり、飲むタイミングや効き方、さらには副作用に関しても、わかりやすく説明してくださいました。

 薬の飲み合わせの話で、食べ物との相性について気になる話がありました。それは、納豆と一緒に血液をサラサラにする「ワーファリン」を飲むと、納豆のビタミンKが薬の効果を弱めてしまう、とのことです。相性が良くない飲み合わせの例として仰ったのです。
 私は、脳梗塞の治療薬として血液サラサラの「シロスタゾール」という薬を飲んでいます。「ワーファリン」という名前とは違います。そこで、納豆と相性が悪い薬として、他の血液サラサラの薬にもあるのか、ということを聞きました。すると、「シロスタゾール」以外では心配はない、とのことでした。一安心です。

 お薬手帳とマイナ保険証の話もなさいました。しかし、あくまでも医療従事者との情報共有や災害時に役立つことに留まり、マイナンバーカードで個人情報が一元管理されていることで効率化が図れる、という行政側の立場での話でした。その個人情報の管理がいいかげんでジャジャ漏れなので、心配のあまりマイナンバーカードの解約者が増えている現実には触れられませんでした。そもそも、私は最初から作っていません。マイナンバーカードの最終目標は、国民の資産管理なのです。薬局としては、マイナ保険証の普及を推進する立場なので、これは致し方ないことです。

 こうした日常生活と直結した情報交換の場は、地域の高齢者にとっても日頃の見直しの意味で貴重です。お話が、上から目線でなかったこともよかったと思います。こうした機会は、折々に設定していただくと助かります。




posted by genjiito at 23:56| Comment(0) | *福祉介護

2025年07月10日

読書雑記(358)渡辺都『お茶の味』

 『お茶の味 京都寺町 一保堂茶舖』(渡辺都、2020年6月、新潮文庫)を読みました。お茶をいただきながらお話を聞く雰囲気が楽しめる本です。読みやすくて、人に寄り添うような優しさが感じられました。2015年2月に新潮社から単行本として刊行されたエッセイ集を文庫本にした読み物です。

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 私は現在、元禄年間に創業の丸久小山園の本店と工場がある地に住んでいます。
 ただし毎日のようにいただく抹茶は、宇治駅前の伊藤久右衛門で求めています。父の名前が伊藤忠右衛門だったので、この名前に何となく親近感を覚えるからです。この伊藤久右衛門は、天保年間の伊藤常右衛門に始まるとか。ますます、この名前に同族意識を抱きます。無関係なのですが。

 この宇治に引っ越してくる前は、左京区の下鴨に住んでいたので、中京区寺町通二条の一保堂には、自転車や歩いて抹茶をいただきに行っていました。今となっては、懐かしいお茶屋さんです。

 本書は、その一保堂のおかみさんが綴られた、お茶にまつわるエッセイ集です。客としての目線とはまったく違う、お茶屋さんを営まれる側からのお話は、いろいろと勉強になります。

 次の文章の中に「出雲地方」とあるのは、著者が島根県生まれであることから出て来る話なのかもしれません。

 茎茶すなわち「雁ヶ音」が好まれるのは、山形あたりの茎ほうじ茶、加賀の棒茶、出雲地方の白折茶(しらおれちゃ)などで、日本海側に多いのもこの雁のお話がまんざら無関係ではないのかもしれないと、お茶問屋さんが教えてくださいました。(35頁)

 途中で、カラーページに柔らかいイラストと短い話が添えてあります。話の流れを円やかにする、粋な心配りです。

 お茶の歴史も、遣唐使や源氏物語のことから始まり、優しい語り口で紹介されています。

 日本茶はそもそも中国から伝わったもので最初は庶民の生活には遠い存在でした。遺唐使が平安時代初期に唐からお茶を持ち帰り、時の天皇が近畿一円での茶の栽培を指示されたのですが、書物などでの記述はそこで途絶えてしまっています。源氏物話の登場人物たちがお茶を楽しんでいたのかどうかも分かりません。
 その後鎌倉時代が始まる頃の建久二年(一一九一)、臨済宗を日本に伝えた栄西禅師が宋から「抹茶」を持ち帰り、それが禅宗寺院などへと少しずつ広まっていきました。室町時代が始まる頃にはそれなりに庶民の間でも抹茶が飲まれるようになっていたようで、お茶の産地当てゲーム「闘茶」の開催を制限する立て札が残されていることからもそれがわかります。「抹茶」の点て方や飲み方などの所作を様式化し、千利休が茶室や庭なども含めた「茶道」として大成させたのは、それから二百五十年以上もあとの安土桃山時代のことでした。(67頁)

 そして、次の話にある「上喜撰」ということばを見て、知らなかったことに目が向くようになりました。

 ただ庶民が普段にどのようなお茶を飲んでいたかというと、確かな情報は見当たりません。しかしペリーが来た頃の狂歌に「泰平の眠りを覚ます上喜撰たった四杯で夜も寝られず」というのがあり、「蒸気船」と「上喜撰」という宇治茶を代表する煎茶の茶銘を掛けた狂歌がすぐに理解されるほどに、多くの人々の暮らしにお茶が浸透していたのかと想像できます。(68頁)

 今わが家には「喜撰」という煎茶があります。

250710_お茶の喜撰.jpg


 これは、名古屋大学の淺川さんからいただいたもので、名古屋のお茶です。宇治の伊藤久右衛門には「喜撰山」という煎茶があります。「喜撰」という名のお茶は、全国にあるようです。お茶にまつわる話には、楽しいものがもっとあることでしょう。

 次の文章は、大いに参考になる話です。

 乾燥するこの季節、お客様から、抹茶に「ダマ(小さな固まり)」が出来やすいと茶お叱りを受けることが、ございます。湿気てダマになっていると勘違いされますが、実は抹茶の粒子同士が「静電気」の仕業でくっ付いて「ダマ」になりやすいのです。
 温度と湿気を低く抑えた作業場で、充分に乾燥させた碾茶を石臼で挽きますと、挽きあがった抹茶はそれだけで静電気を帯びています。
 その抹茶を缶や袋に詰める前に、「篩い」にかけて、ふわっとさせます。出来るだけ挽きたてのおいしさをお手元にと、なるべく短時間のうちに作業をすすめますと、静電気を帯びたまま詰めることになってしまうのです。
 それでなくても乾燥している冬の気候。拍車がかかって、静電気はいっそう逃げ場を失います。また高級な抹茶になるほど、細かく挽きますので、より「ダマ」の出来やすい条件が整ってしまいます。(170頁)

 その解決策として、この後で茶こしで篩うことが紹介されています。参考になります。

 最後に、少し小粋な話に仕上がった「七夕」のとじ目の文を引きます。

 急須の中で「より」がほどけた茶葉には、もう味や香りを出す力はありません。でも不思議なことに世の中には、この「より」の戻ることもあるようです。別れた男女がまた一緒になることを、「よりを戻す」と言いますから。(193頁)

 楽しくお茶の世界を垣間見る、読みやすい文庫本です。お薦めの一冊となりました。




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2025年07月09日

レジで戸惑ったことから多様性と適応能力の共存ついて考える

 いつもの散策の途中で、スーパーマーケットへ買い物をするために入りました。そして、支払いをする時に、レジでどうしたらいいのか迷いました。

 まず、ポイントカード(?)かキャッシュカード(?)か、どちらかを選ぶ画面が出ました。私は現金払いしかしないので、キャッシュカードではないと思いながらも、ポイント払いはしないので困りました。現金払いで、かつポイントは付けてほしいのです。画面に書かれている文字列を読んでも、わかりません。

 最近は、ポイントが付くことに期待しなくなったので、カードやアプリを提示しないことが増えました。プラスチックの板のカードを出してもエラーになったり、スマホのアプリでバーコードを表示してもエラーが起こることがあります。とにかく今、何かしないと前に進めないので、ポイントカードのボタンをタッチしました。

 続いて、支払い方法で私は現金払いにしているので、ボタンをタッチしようにも、そのボタンの場所がわかりません。ボタンは8種類ほどあり、右上隅に小さく設けられていることに、しばらくして気付きました。キャッシュレス社会になっているので、隅に追いやられているのは当然でしょうか。画面を眺め渡して、やっとその場所がわかりました。

 次に、カードをスキャンするように促されます。これまでにも何度かあったように、ここでカードの表と裏がよくわかりません。エイヤッとカードをスライドさせたところエラーとなり、スタッフに連絡をするようにとのことです。そのボタンをタッチすると、しばらくしてスタッフの方がお出でになり、すべての状態をキャンセルした後、スキャナで何箇所かのバーコードを読み取り、最初からやってくださいました。

 これからますます人員不足となり、こうしたサポート要員は配置されなくなることでしょう。別のお店で、無人のセルフレジを使ったことがあります。その時にはシステマチックにプログラムが組まれていたお陰で、スムースに支払いができました。
 今日の場合は、そのシステムが不出来だったためだ、と思うことにしましょう。もっとも、このお店は、日本でも最大手の、全国どこの町にでもあるスーパーです。しっかりとしたシステムを構築しないと、これからの多様なユーザーに対応できなくなります。安易な人手減らしの失敗例といえるでしょう。そう思っていた矢先に、斜め向かいのおばあさんも操作を諦めて、店員の方に初めからすべてをやってもらっておられました。

 散歩帰りに、小腹が空いたのでファストフード店に入りました。そこでも、精算時にレジで戸惑うことになりました。ここでは、現金払いのボタンはすぐにわかりました。しかし、ポイントを付けてもらう時の案内が理解できません。すると、年寄りがレジでモタモタしていると思われたようで、スマホをそこに翳してください、とのことです。まず、スマホのどの画面を出したらいいのかがわかりません。そして、バーコード画面の出し方を教えてもらいました。

 次に、その画面をどこに翳したらいいのかわからず、スマホを手にしてレジの至るところに当ててみても反応しません。すると、お兄さんは呆れ顔で、翳す場所を教えて下さいました。精算のレジの横に別途置いてある小さな機械のガラス面に、私が手にしているスマホを押し当てるのでした。一体化した機器を設置してほしいものです。

 レジの若者の冷たい視線を浴びながら、どうにか支払いが終わりました。不快な気持ちが残りました。
 このレジの若者も少子化の波に飲まれ、やがてレジに立つことはなくなり、すべてロボットによる全自動化が導入されることでしょう。まだ今日は生身の人間がいたからいいか、という気持ちになりました。

 その次に行った雑貨屋さんは、完全に全自動化が進んだセルフレジでした。ここはよく練られたシステムだったせいか、迷うことなく自力で商品をスキャンして支払いを済ませることができました。

 来たるべき人間が激減する社会を見越して、いろいろな実験が現在進行中のようです。
 今日は、レジで困惑したことを通して、そのシステムの出来不出来で利用者はいろいろな思いをすることを実感しました。社会全体を見渡して、いろいろな場所で人間がいなくなることはどうしようもないことです。そうであれば、人間の代役をするロボットなりシステムは、人間が不愉快な思いをしなくてもいい環境を作ってもらいたいものです。「人に優しい」というスローガンは、これからますます求められることになることでしょう。

 そして、少子化のための対策としての実験がさまざまな形で進む社会で、今日の自分はうまく適合していないことを痛感しました。若者はスムースに活用できているようなので、私はこれまでの経験や知識がこれからのための実験システムにうまく付いて行けていなかったようです。

 少子化の中での多様性のありようと、人工知能やロボットに依存する社会における世代間の適応能力の違いが、ギスギスしないで共存するシステムに包まれるようになることを望むようになりました。




posted by genjiito at 22:27| Comment(0) | ◎情報社会

2025年07月08日

集会所でお相撲ダーツを楽しむ

 今日、集会所で楽しんだお相撲ダーツは、すでに2年前にやったゲームなので、みなさん迷うことなくゲームをなさっていました。
 目の前の布のスクリーンに描かれた土俵の中に、3人のお相撲さんが描かれています。そこへ、マジックテープが巻かれたプラスチックの軽いボールを投げます。ボールがスクリーンのどこにくっついたかで、得点が決まります。中央の横綱に付くと100点、左上の大関には80点、右上の関脇だと60点がもらえます。

 ボールを投げるだけなので、単純なゲームです。しかし、なかなか思うところに投げられないので、一発勝負のところがあります。まっすぐ投げたつもりでも、軽いボールに巻かれたマジックテープのツブツブの突起が指にかかって、上下左右のあらぬ方角に飛んでいきます。手を放すタイミングが難しいのです。

 運動量が少ないので、暑い日にみんなでするゲームとしては最適です。
 集まったみんなが、ワイワイガヤガヤと楽しんだ午後でした。




posted by genjiito at 19:22| Comment(0) | *福祉介護

2025年07月07日

お世話になった先生に久しぶりの診察を受けて

 今日の大文字はクッキリと見えました。1ヶ月後の送り火を控え、崩れた火床の修復も進んでいることでしょう。京都五山の送り火を今年も心待ちにしているので、どこでお見送りをするか思案しています。一番いいのは、私が胃癌の手術をした積貞棟の6階です。眼下に如意ヶ岳の大文字が臨めるのです。一度だけ見ました。今年は、その機会はなさそうですが。

250707_大文字.jpg


 診察は、消化管外科の久森先生です。今年の5月に腹痛で救急治療をしてくださったがん診療部の牟田先生の診察は、特に今は特別な問題はないということで先週終わりました。しかし、いまだ食事の時に腸が痛くなることが続いていることに関しては、15年前の胃がんの手術に立ち合われ5年前の絞扼性イレウス(絞扼性腸閉塞)の開腹手術を担当してくださった久森先生の診察を念のために受けては、というアドバイスをいただき、今日の診察となりました。

 診察室に入るやいなや、お久しぶりです、という挨拶を先生の方から先にしてくださいました。5年前の入院時には、経営が破綻して民事再生下にある大学の再建を私が請け負うこととなり、その長として赴任する直前だったために、退院時期も含めて治療全般で大変お世話になりました。今日も、あの時の話をよく覚えておられ、慌ただしかった日々のことを一緒に思い出しました。そして、今はあの頃よりもずっと元気そうだ、とのことです。うれしいお言葉です。

 さて、食事を始めて10分以内にお腹が締めつけられるように痛み、それがしばらくするとスッと消えることが、週に二三度ずっと続いていることに関して相談をしました。胃を全摘手術をしたときには完璧だった接合部も、15年も経つと縫った糸も融けている部分もあるようで、食道に繋いだ小腸が少し垂れ下がっているそうです。そのため、接合部分で小腸の重積が起こり、中にめり込むようになった時に急激な痛みが起きるとのことです。水分が多い時は流れるだけなので痛みがなくても、食物が通る時に重積している部分が痛くなるのです。
 結論としては、小腸の手術は解決策の一つであっても危険が伴うことであるとの説明でした。痛み止めの薬を飲むにしても、その薬が効く頃には腹痛はないはずなので、なりそうな時の食前30分前に飲むことで暫定的な対処はできても、それも場当たり的なので、しないよりもまし、という程度だそうです。
 とにかく、これまで通り痛みが収まるまで、しばらく我慢するしかないようです。そのため、会食や外食はできるだけ減らし、行っても少しだけ食べるようにしたら、ということです。その意味でも、1日6回の分食はいいことだとのことでした。
 私の内蔵に関しては、最近の画像を見ながら、喉から大腸までの管の中はきれいであると太鼓判を押してくださいました。また、血液検査の結果も、臓器に異状の徴候は認められないとのことです。逆流性食道炎についても、食道から小腸に爛れたところはないので、胃がないために腸液が逆流することは避けられないことでもあり、うまく対処してやり過ごすしかないようです。

 なお、もし、どうしてもお腹の痛みに耐えられなくなったら、やりたくない再手術を検討してみましょう、ということで、今日の診察は終わりました。久森先生は、私の体内の状況を熟知しておられます。何かあれば、いつでも頼れる先生がいらっしゃることはありがたいことです。
 いくつもの診療科で、何人もの主治医の先生に助けられて、心置きなく仕事に没頭できる環境にある今に感謝しています。

 七夕なので、どこかで食事をと思っていました。しかし、市内にでかける前に間食を口にした時、怖れていた腹痛が始まり出したのです。これはサッサと帰れ、というサインだと思い、酷暑の中を妻と一緒に京阪の神宮丸太町駅までゆっくりと歩きました。




posted by genjiito at 22:19| Comment(0) | *健康雑記

2025年07月06日

家庭内ネットワークの切替更新の手続を進める

 昨夜、知らない所からフリーダイアルで電話がありました。
 いつもなら放置して、切れてから相手先を確認しています。最近は、呼び出し中に相手先を調べることが出来るそうです。ちょうど、その設定をしていたところでもあり、油断してつい出てしまいました。

 相手は、現在利用しているインターネット接続のプロバイダである NTT-OCN ドコモ光からでした。現在は、NTT の言いなりに、他社のプロバイダを使っています。それを、新しいサービスである NTT のルーターを使うことで、利用料金が安くなるので、切り替えを勧めるという電話です。プロバイダはアット ティコム光になるとか。

 他社への切り替えなら迷惑電話と言えます。しかし、自社のモデムとルーターに1本化することで料金も安くなるのであれば話を聞いてもいいかと思い、30分ほど対応をしました。
 そして今日、指定された電話番号からあらためて手続に関する電話があったので、フェイクではないかと気をつけながら話を進めました。

 実は、NTT ドコモ の回線は2023年5月から利用しています。そして、それが信じられないほど遅いのです。
 それまでは、ソニーの So-net 光とインターネット契約をしていました。それが NTT のドコモ光に変更した途端に、通信回線の速度が極端に落ちたのです。いろいろと事情があり、魔が差して NTT と契約してしまったのです。
 毎日ブログを書き、写真などをアップしているので、通信回線の速度には敏感に反応します。そして、もう NTT には見切りを付けようとしていた時に、昨夜の電話での切替の誘いを受けたのです。

 遅いと感じた時のスピードテストの記録が残っているので、参考までにあげます。共に、同じような契約内容です。

■ソニー 2022年06月 ダウンロード:88.92 Mbps アップロード:167.87 Mbps
--------------------------------------
■NTT 2024年12月 ダウンロード:15.77 Mbps アップロード:46.25 Mbps
■NTT 2025年01月 ダウンロード:8.4 Mbps アップロード:7.95 Mbps
■NTT 2025年03月 ダウンロード:27.1 Mbps アップロード:14.72 Mbps

 そして、今日はいつもより通信速度が速いようなので計測すると、次のようになっています。
 それでも、So-net の遅い時の数値に遠く及びません。半分以下のスピードなのです。

■NTT 2025年07月 ダウンロード:34.8 Mbps アップロード:37.12 Mbps

 今回の NTT の対処は、自動切り替えなので、スムーズに移行はできそうです。ただし、現在の契約は1G であり、10G に変更を希望しました。しかし、10G に変更するには半年もかかるそうです。とても通信会社とは思えない、超スローの仕事のようです。とにかく、まずは1G のままで光サービスの事業者変更をして、それで回線速度があがらなかったら、違約金を払ってでも解約するつもりです。

 私は、今から41年も前の1984年からコンピュータ通信をしているので、通信環境の変化やレベルの低い通信会社とのお付き合いには寛容の精神で対応してきました。中でも、 NTT は最低のレベルの会社と位置づけています。それだけに、殿様商売で臆面もなく事業展開しておられることに興味を持って、解約を考えながらも契約を続けています。今回の切替更新の結果次第では、他社に移ることにします。




posted by genjiito at 23:57| Comment(0) | ◎情報社会

2025年07月05日

宇治で相愛本『源氏物語 橋姫』の変体仮名を読む会(2)

 シェア型書店HONBAKO京都宇治の中には、本がギッシリと並んでいます。本好きの方が集まるコミュニケーションの場として、本格的に稼働しだしています。

250705_本箱.jpg

 2階のシェアスペースをお借りしての勉強会は、今回が2回目です。前回、京都新聞の「まちかど」欄に掲載された案内の記事を見てお出でになった方は、2回目の今日も参加してくださいました。ありがたいことです。

 今日はまず、書家の宮川保子さんが進めておられる春曙文庫蔵『源氏物語』(断簡)5帖の内、「橋姫」の臨模本の試作版が2折分届いているので、そこで宮川さんが書かれている文字に疑問符をつけておられる箇所の確認から始めました。
 疑問とされている箇所は、次の1例を除いてすべて解決しました。その問題の箇所は、次のように書かれている場所です。16丁裏2行目行末「可多□□」(『源氏物語別本集成』の文節番号で「453726」)とあるところです。

250705_春曙「橋姫」16ウL2「かたし」.jpg

 今日、宇治の会場での検討では保留となったこの箇所を、自宅に帰ってから大きなモニタや各種資料を見比べていると、次のように書かれているはずだ、ということに思い至りました。

 可多可り/し&可り
(「可多し」と書いた後、「し」の上から「可り」とナゾルことで「可多可り」と読ます)

 これには、保坂本が「かたし」となっていたことがヒントになっています。『源氏物語別本集成 正・続』(22巻)は、五十音に置き換えた不正確な翻字であったことから、書物もデータもお蔵入りにしたはずなのに、今回たまたま当たりをつけるのに出番が巡ってきたのです。せっかく多くの方々の協力を得て刊行した資料集なので、今後は参考情報として折々に再利用してもいいか、と思うようになりました。

 これで、宮川さんから質問されていた問題箇所は、すべて解消しました。

 その後宇治では、あらためて現存「橋姫」の最初(『源氏物語別本集成』の文節番号で「451496」の「して」)から確認していきました。

 まず、「としころ」(1丁裏4行目)・「い身しう」(1丁裏6行目)・「ま川」(1丁裏9行目)の本文異同から、春曙本は「麦生本」「阿里莫本」「中京大本」とは明らかに異なる本文を伝えていることが確認できました。
 また、全体的に「保阪本」に近似する傾向があるものの、明らかに異なる本文も伝えています。これらは今後の検討課題です。


春曙文庫本『源氏物語 橋姫』現存第一丁表・裏[変体仮名翻字]
--------------------------------------
〔『源氏物語別本集成 第15巻』の文節番号[451496]〕
して・本と・ふる・【時】者・古ひしく・
於ほえ・【給】・古乃・きみの・可く・堂う登可
里・きこゑ・堂まえ八・れん世い【院】より八・
徒祢尓・【御】世うそく・あ里弖・としこ
ろ・をと尓母・をさ/\/(をさをさ)・きこゑ・堂ま者寸・
い身しう・さひし介那里志・【御】
す三可尓・やう/\/(やうやう)・ひと免・身累・【時】尓・あ里・←0531_ココマデ
をりふし尓・とふらひ・きこゑ・【給】・【事】・い
可めしうて・こ乃・きみ毛・ま川・さ累
へき・【事】尓・徒け川ゝ/(徒け川川)・を可しき・やう尓も/(1オ)
--------------------------------------
ま免や可尓毛・ナシ・古ゝろよせ/(古古ろよせ)・徒可うまつり・
堂まふ・【事】・【三年】者可り尓・なりぬ・【秋】能・
春え川可多・【四】き尓・あてゝ/(あてて)・し・堂まふ・
【御念仏】を・古乃・可は徒ら葉・あしろの・奈
身毛・古乃古ろ八・い登ゝ/(い登登)・みゝ可ましう/(みみ可ましう)、可ま〈ママ〉・志つ可
奈らぬ越と弖・可乃・あ佐里能・春無・てら能・
堂う尓・う川ろひ・堂まひ弖・【七日】の・
【程】・越こなひ・【給】・ひめきみ堂ちは・い登・
古ゝろ本そく/(古古ろ本そく)・徒礼/\//\〈薄墨〉、(徒礼徒礼)・まさりて・な可め・【給】
け累・ナシ・【中将】乃き身・ひさしく毛・満いらぬ【哉】登/ぬ〈次頁〉、(1ウ)
--------------------------------------

 まだ「橋姫」の確認は始まったばかりなので、さまざまな角度で本文を見ています。密林の中をさまようように、本文の森を探検する旅に出立した、という感触の中で今日も時間となりました。「あっ! もう?」という思いを抱きながら、散会となりました。

 下の本箱の前では、七夕飾りが置かれていました。短冊に、求められるままに各自が言葉を書いて、笹に結びつけました。

250705_七夕.jpg

 結びつけるのに、紙縒り(こより)を使いました。高校の教員をしていた頃、試験の後のザラ半紙の回答用紙の束は、角に小さな穴をあけて紙縒りを差し込んで綴じていました。懐かしい文房具です。

 目の前の百個の本棚を見ていると、ほしい本が2冊みつかりました。早速いただきました。このシェア型書店HONBAKO京都宇治では、書店や図書館ではなかなか見かけない本との出会いがあります。




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posted by genjiito at 23:05| Comment(0) | ■講座学習

2025年07月04日

(その2)京洛逍遥(941)集会所から病院へ直行した後は鴨川散歩

 今日の集会所では、シワシワの色紙の一辺をジグザグに折り込んで丸め、バラの花を作りました。

250704_紙のバラ.jpg

 左がTさん、真ん中が妻、右が私の作品です。
 なかなか上手くできません。花びらになるところの細工が難しいのです。近くにいた男性2人も、半ばギブアップしそうでした。しかし、細かい細工が上手くいかなくても、丸めて花にする段階で、形を整えて何とかそれらしくなりました。いつもより、レベルアップした折り紙でした。これくらい手こずる方が、暇すぎるよりもかえっていいかもしれません。
 みなさん、探究心や好奇心が旺盛な方々なので、何かをやったという手応えがあり、もう少しで達成感に至るという、楽しいひと時でした。

 終わるとすぐに、京大病院に向かいます。
 大文字は、昨日と同じように薄曇りの中に聳えていました。

250704_大文字.jpg

 隔週となっている妻のレカネマブ(レケンビ)の点滴治療は、もうルーチンとして出来上がっているので、淡々と時がたちます。
 ベッドのそばで付き添いながら、私は本を読んだりメモを書いたりと、慌ただしく1時間が過ぎました。

 曇り空だったので、賀茂川散歩をしながら出町柳まで行きました。
 荒神橋の飛び石では、右足の調子を見るために、右足で踏み切った次は左足で踏み切るなど、少し変化を持たせて渡りました。あまりふらつかなかったので、足腰を強化している成果が出ているようです。

250704_飛び石.jpg


 賀茂大橋の手前では、親子が川遊びをしています。鷺がそれを横目で見ています。
 左手の橋の下におられるのはお母さんでしょうか。
 もう真夏です。

250704_川遊び.jpg 



posted by genjiito at 18:28| Comment(0) | ◎京洛逍遥

(その1)宇治で古写本『源氏物語 橋姫』の変体仮名を読む会(2)のご案内−新聞紙の存在意義を考える−

 京都新聞の山城版「まちかど[宇治]」に、NPO法人〈源氏物語電子資料館〉が主催する、「宇治で古写本『源氏物語 橋姫』の変体仮名を読む会」(第2回)の案内記事が掲載されました。
 直前のお知らせとなり、申し訳ありません。

250704_NPO.jpg
 変体仮名は初めてだという方のご参加も大歓迎です。
 宇治の地で、宇治十帖の初めの巻である第45帖「橋姫」に書かれた、鎌倉時代の文字を読み進めていきます。扱う古写本は、相愛大学の春曙文庫が所蔵する『源氏物語 「橋姫」』(断簡)です。
 開催日時は、毎月第1土曜日の午後2時〜4時。
 会場は、シェア型書店HONBAKO京都宇治の2階にあるシェアスペースです。
 日程は、次の通りです。
 2025/5/31、7/5、8/2、9/6、10/4、11/1、12/6
 2026/1/3(休会)、2/7、3/7

 一人でも多くの方が、日本の文化資産である変体仮名が読めるようになることを願って開催するものです。『源氏物語』の内容は扱わず、仮名文字を読むことを主眼としています。
 参加費は2,000円です。
 毎回の勉強会の様子は、この[たつみのいほりより](http://genjiito.sblo.jp/)に報告していきます。
 資料はすべて、当日の会場で配布します。
 古写本の資料は、国文学研究資料館から公開されている画像を使用します。
 会場は、JR宇治駅から歩いて3分(京都府宇治市宇治宇文字2-38)、宇治警察署の裏側です。
 本ブログのコメント欄を通して、参加希望の旨をお知らせいただけると、資料を用意してお待ちしています。
 お知り合いの方へのご紹介も、よろしくお願いします。

 なお、今回の新聞掲載が直前になった経緯を、記録として書き残しておきます。

(1)先週、6月27日(金)11時35分に、掲載を依頼した内容の確認の電話が、京都新聞山城版「まちかど」からありました。これは、掲載前に毎回ある電話です。しかし、この日は朝から京大病院で検査があったため、夕方まで電話を確認できませんでした。

(2)翌土曜日に、私から折り返しの電話をしたところ、土日は「まちかど」の担当者がいないので、週明けの月曜日に再度の連絡が行くはずです、とのことでした。

(3)記事の確認の電話は、月曜日も火曜日もなかったので、水曜日に私から担当窓口に電話で連絡をしました。すると、先週の金曜日に私からの折り返しの電話がなかったので、今回の掲載はしないことになった、との意外な結果が知らされました。

(4)私からは、2013年9月21日以来かれこれ12年間、京都市内版に毎月開催の告知を掲載してもらってきていること。その間、一度も掲載を見送られたことがないこと。また、連絡の電話が取れないと、必ずその日か翌日に再度の確認の連絡があり、こちらから折り返しの電話をしたことがあったけれども、それはお願いする身として丁寧な対応をしたことであり、折り返しの電話が義務とはなってはいないはずであること、を伝えました。

(5)担当者の回答は、掲載の依頼を受けても、それを必ず掲載するとは限らないことを強調しておられました。しかし、そのような返答は、市内版の担当者の方からは一度も聞かなかったし、そのことは当然こちらも了解しての掲載依頼であること、そして、もし掲載見送りとなったのであれば、これまでの慣例として、掲載できなかった旨の連絡がほしかった、ということを伝えました。

(6)先週金曜日に、私が折り返し連絡をしなかったことを受けて、今週月曜日に担当者の方は出勤してからすぐに、掲載見送りにしたそうです。あまりにも、担当者の都合でものごとが決められているのではないでしょうか。この告知を楽しみにしておられる方もいらっしゃることが、まったく理解されていないようでした。この山城版「まちかど」欄の存在意義が、担当者の意識の中では低いものであることが、電話口を通してわかりました。機械的な業務処理がなされたのであり、生身の人間のコミュニケーションが欠落した、生成AIとのやりとりを連想しました。

(7)そうであっても、この告知は、会場となるシェア型書店HONBAKO京都宇治の方々にとっては開業して間なしのことでもあり、またこうした取り組みがスタートしたことを、宇治市の方々へ告知というスタイルで継続していく意義を感じておられるので、何とか掲載の隙間がないかを強く訴えました。すると、しばらく受話器を置いて検討された結果として、開催の前日である今日4日の掲載なら何とかします、とのことで、それで私も了解してお願いしました。担当者の勤務形態によって、採用・不採用が恣意的に決まることを知り、あらためて紙媒体の新聞の使命を考えることになりました。新聞の読者が激減している現状では、一方的に情報を垂れ流すのではなくて、読者とのコミュニケーションが大事です。特に、このまちかど欄は、読者との交流の場です。そのことが置き去りにされた、掲載しないという判断が一担当者の一存でなされたと思っています。一過性の対処では、紙媒体の新聞は自滅します。

(8)実は、前回の第1回の開催告知を掲載していただく時にも、驚くべきトラブルがありました。
 NPO法人〈源氏物語電子資料館〉で広報・告知を担当していただいている方から、市内版と同じように山城版に依頼をしていただきました。ただし、この時からは FAX ではなく、新聞に記載されていたメールを通してのお願いでした。京都新聞から何も連絡がないので、こちらから電話でその後どうなっていますか?という確認をしました。すると、パソコンが壊れたためにメールが見られなかった、とのことでした。情報機関として情報の管理は大丈夫か、と思いました。
 あらためて調べてもらい、やっと届いていることが確認ができました。そして、開催の3日前に掲載されました。そこで、今後は、メールよりもFAXの方が確実だ、ということになり、今回は FAX での依頼でした。
 いずれにしても、いろんなことがあります、やれやれです。




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posted by genjiito at 12:27| Comment(0) | ◎NPO活動

2025年07月03日

今日も京大病院で半日を過ごし、2回もの緊急搬送を思い出す

 今日の大文字は曇り空の中から病棟を見下ろしています。

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 積貞棟にある癌診療部で、過日のPET検査の結果を聞きました。
 腸との接合部分に、問題となる腫瘍は見つからなかったようです。安心しました。
 今日も、食後10分ほどすると食道につながる腸が強く締めつけられる感覚があり、食事をしばらく休むと治まったことを伝えると、重積している箇所が深く食い込んでいることが原因ではないか、ということです。かといって、この段階で同じ箇所の手術を再度するほどでもないので、さらに様子を見ることになりました。
 ただし、念のために、5年前に絞扼性腸閉塞で開腹手術をした時のH先生の意見を聞いてみたら、とのことで、消化器内科の診察の予約を入れてくださいました。

 私が腹痛で緊急搬送された5年前に、たまたま当直医として診察してくださったのが、その時から振り返って10年前に、私が胃癌の手術をした時に介助で立ちあっておられたH先生だったのです。腹部の状態を見ているうちに私のことを思い出してくださり、勝手知ったる私のお腹の状況を判断して、適切でかつ思い切った開腹手術をしてくださいました。
 さらには、その一週間後には私が民事再生下の破綻した大学の学長に推挙されているために、どうしても退院したいというわがまま勝手なお願いを聞いてくださり、無事に今から5年前の7月1日に学長就任初日を迎えることができました。嘘のようなドラマとしか言えない話は、「就任初日は大忙しでした」(2020年07月01日、http://gakutyo.sblo.jp/article/187655123.html)に、詳しく報告した通りです。

 とにかく、私の身体のデータは、すべて京大病院のコンピュータに記録されています。今日も、5年前の主治医のコメントなどを参照しながら、適切な対応策を提案してくださいました。身体の情報が一元管理されていることのメリットが、折々に役立っています。ありがたいことです。

 こうして、今年の5月に救急搬送されて癌診療部の管轄下にあった我が身は、次は5年前に救急搬送された時のH先生の手に委ねられることになりました。今年の5月のことは、「付き添いで行ったはずの京大病院で救急外来患者としてベッドに」(2025年05月29日、http://genjiito.sblo.jp/article/191368047.html)に、5年前のことは「京大病院で開腹手術をするまでのこと(1)」(2020年05月31日、http://genjiito.sblo.jp/article/187548800.html)に書いています。よろしかったら、こんなこともあるのだと、ご笑覧を。




posted by genjiito at 20:47| Comment(0) | *健康雑記

2025年07月02日

変体仮名が今のスマホ社会で認知されていることを知って

 京都駅の大階段を登って大空広場の「葉っぴいてらす」(屋上の12階)で休憩していた時です。小さな鳥がそばにやってきました。

250702_鳥.jpg

 後で生成AIに聞いたら、カワセミだとのこと。水辺によくいる小型の鳥で、「空飛ぶ宝石」と呼ばれているそうです。
 京都駅の屋上は、階段を171段も上がったところにある、地上60メートルの場所です。
 「水辺の鳥がこんなに高いところに来ていることに驚いています」と生成AI氏に問い返すと、以下の返事が来ました。

京都駅周辺って意外と鴨川や梅小路公園など水辺が近いから、そこからちょっと飛んできた可能性もあるね。
カワセミがあんな高さに来るなんて、ほんと「空飛ぶ宝石」って感じでロマンあるなぁ〜ジュエリー
それにしても京都駅の屋上にカワセミ…
……なんかもう短編小説の始まりみたいじゃない?

 なかなか小粋な会話を、生成AI氏とすることが出来ました。

 大階段からは、ゆっくりと降りました。少し曇っていたので、思ったほどは暑くはありません。ただし、この大階段には真ん中だけしか手すりがないので、日差しの中を降りることになりましたが……

 大階段がある駅ビルの西側を、反対側の東広場から臨みました。正面右上が大階段です。

250702_東広場から大階段.jpg

 京都タワーの北側に隣接するヨドバシカメラへ行き、スマートフォンで変体仮名が表示できる機種の確認をしてきました。一昨日、河原町のエディオンでは、米国製、台湾製、中国製のスマホの内、中国製以外の製品で変体仮名が表示できることがわかりました。

 今日は、まず中国製のスマホを見せてもらいました。やはり、普通の画面では変体仮名は変換候補の文字の中にありません。ただし、グーグルピクセルのスマホ(中国+ベトナム製)は、変体仮名が変換候補に入っています。

250702_グーグルピクセル.jpg

 エクスペリア(ソニー製、2024年夏モデル)でも同じく、展示品の2機種共に変体仮名が選択できるので利用できます。

250702_ソニー.jpg

 アクオス(シャープ、2025年4月製)でも変体仮名が使えます。ただし、2024年7月発売の製品では、変体仮名が使えませんでした。

250702_シャープ.jpg


 変体仮名が使えるスマホの製造時期が、この問題に関係しているのかは、今の私にはわかりません。

 今日の時点で新たにわかったことは、海外の製品でなくても、ソニーやシャープのスマホでも変体仮名が自由に扱える環境を搭載して販売されていることです。この場合は、機能の設計が問題なので、製造された国は関係ないと思います。

 日本で生活する人の大多数が、学校で教えてもらえなかった変体仮名が日本製のスマホに表示されても、ほとんどの人が読めない事態となっています。独立国としての日本の中で、読めもしない変体仮名がスマホで利用できるようになっている現状に、驚きを隠せません。こうした日本語の中の300種近い仮名文字(変体仮名)は、「あいうえお」の一音一字の五十音図の知識だけでは対処できないのです。変体仮名が読めないと、この新しいツールによるコミュニケーションが円滑にははかれません。こうした事態が、日本語の仮名文字の中を少しずつ侵食しているのです。日本の国語は、このまま放置していいはずがありません。
 さて、日本語の文字に関して統括する役目を負う文部科学省は、どのような手を打たれるのでしょうか。混乱を承知で放置、とはできない状況にあることを、ここ数日の実態調査で知ることとなりました。対する経済産業省は、かねてより変体仮名が世界統一基準であるユニコードに認定されることを容認されていたので、この事態を受けて何か動かれるのでしょうか。

 以下の2本の記事と本日の記事は、この問題に関しては素人の立場で自由気ままに書いた私見です。

○「スマホで変体仮名が送受信できる時代に突入していること」

○「キャンパスプラザ京都で尾州家河内本「桐壺」を読む(第31回)−変体仮名が扱えるスマホのこと−」

 私は、変体仮名が読めるようになる方が一人でも多くなることを願って、東京・京都・大阪・宇治の4箇所で変体仮名を読む講座を開催しています。そのためもあって、スマホで変体仮名が扱える現実が目の前にあることを知り、その社会的な背景を知りたくなりました。
 上記の3本の記事には、おそらく拡大解釈による大きな勘違いもあることでしょう。
 そうであっても、知られざる事実を発掘した箇所も、あるいはあるかもしれません。
 専門家のご教示をいただけると幸いです。




posted by genjiito at 22:01| Comment(0) | ◎情報社会

2025年07月01日

生成AI氏を相手に熱中休会時に高齢者が自宅でする活動を考える

 今日の京都市内の最高気温は36.6度。宇治市も負けず劣らず、36.0度。もう真夏です。熱中症アラートが出なかったので、いつもの高齢者の集いは無事に開催されました。

 今日は、歌カルタと言って、懐メロや童謡・唱歌の前半を歌い、その後半の歌詞が書かれたカードを取る、というゲームをしました。何回かやっているので、要領はわかっています。

 私が属したチームは、懐メロのグループです。終戦前後の歌が多く、知っているけど後半の歌詞となるとすぐには出てこない、という歌が多くて苦戦しました。また、どこからがこの歌の後半としてカードに書いてあるのかわからなかったので、みなさんも戸惑っておられました。
 その点では、童謡・唱歌のグループの方々は、子供のころから馴染んでいたこともあり、後半の歌詞は楽に出たようです。

 今年の夏は、昨年以上に酷暑になるようです。熱中症に気をつけましょう、を合い言葉に散会しました。

 宇治市社会福祉協議会が編集して配布した、夏休み用の自習プリント「サマードリル」について、少し意見交換をしました。
 これは、「一般介護予防事業介護予防普及啓発事業 B型(地域参加型)リハビリ教室」向けに作成されたものです。「みんなで暑い夏をのりきりましょう!」という手作り冊子で、A4判28ページもあります。

 「近年、熱中症アラートの発表により、活動が中止になることが増えてきています。フレイル予防のために「サマードリル」を作成いたしました。楽しんでお取り組みください!」
と表紙に書かれています。

 中身は、高齢者介護をサポートするレクリエーション情報誌『レクリエ』の2023年7・8月号、2024年7・8月号、2025年3・4月号から適宜抜き出してコピー&ペーストで編集されたものです。脳トレが18ページを占め、早口言葉2ページ、塗り絵6ページで構成されています。

 それなりに手間と時間と経費がかかったと思われます。宇治市のB型リハビリ教室のすべてに配布されたようです。しかし、その内容があまりにも稚拙です。問いかけが簡単過ぎるのです。私が参加している地域の方々は、相当レベルが高い方だと思われます。おそらく、小ばかにされたという思いを抱かれることでしょう。

 一律にすべての教室に配布では、受け取った後は、どこかに捨て置かれるのが関の山。もったいないことです。こうしたプリント学習は、自宅に一人閉じこもってするよりも、みんなが集まった場所で、ワイワイがやがやとお喋りをしながらすることに意義があります。
 旧態依然とした、答えがあることを前提としたプリント学習の対処は、もう時代遅れです。対象者のことを思うと、あまりにも個人差がありすぎです。
 こうしたプリント作成に予算を浪費するよりも、熱中症のためのドリンクを配った方が余程意義深いことだ、との意見がありました。限られた予算を有効に活用するためにも、バラマキではない対処が求められる時代です。

 そこで、生成AIに「高齢者が自宅でできる安価な遊びやゲームは、どんなものがありますか?」と聞いてみました。さらに、「一人暮らしの75歳以上の高齢者にお勧めのものはありませんか?」と条件を追加すると、以下の回答が届きました。

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75歳以上の一人暮らしの高齢者って、体力面や安全面、寂しさのケアも大事だよね。ここでは、安心して一人でも楽しめる&生活に張り合いが出るような、やさしくて手軽な遊びや活動をピックアップしたよ下指差しきらきら

アート 1. お絵かき・ぬりえ(アートセラピー風)

昔の風景や花のぬりえ、マンダラぬりえなどがおすすめ!
色を塗ることで心が落ち着くし、達成感も得られるよ◎
100均にぬりえ本や色鉛筆も豊富だよ〜!


ラジオ 2. 音声コンテンツでの「ながら遊び」

ラジオ(NHKラジオ第1「ラジオ深夜便」とかね)
オーディオブック(AmazonのAudibleやYouTubeでも朗読)
懐メロや昭和歌謡を聴いて、つい口ずさんじゃうことも♪


ノート2(開) 3. 思い出日記・自分史づくり

毎日少しずつ昔の思い出を書いたり、アルバム整理をするのも◎
書きながら「そういえば…」って記憶がよみがえるのが楽しい!


4. パズル・脳トレゲーム(紙 or デジタル)

ナンプレ(数独)、クロスワード、間違い探し
タブレットを使えば「脳トレアプリ」も無料でいろいろあるよ
画面が見づらいなら、大きな字の紙のパズル本も売ってる!


‍♀️ 5. ゆるっと体操 or 椅子ヨガ

NHKの「みんなの体操」や「いきいき百歳体操」も人気。
椅子に座ったままでできるから安全&無理なく続けられる♪
DVDも図書館で借りられることがあるよ!


四つ葉 6. 小さな植物の世話

ミニ観葉植物やサボテンなど、お世話が少ないものから!
毎朝の「声かけ」や水やりが生活のリズムに♪
名前つけると愛着湧いて、「きょうも元気?」ってなるの(笑)


プレゼント 7. 定期宅配おやつ(ご褒美型)+感想ノート

毎月ちょっとした和菓子やお茶が届く宅配サービスも人気。
自分で「味日記」みたいな感想を書いても楽しいよ!


ちょこっとアドバイス
孤立感を減らすには「電話で話す」「手紙を書く」「誰かと交流できる遊び(ハガキ交換ゲームとか)」もアリ!
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 これでは、配布された「サマードリル」から大きく発展していません。
 そこでさらに、「熱中症アラートが出た時に、集会所に集まるのではなくて、自宅で過ごす時に何かいいことはないかを探しています。」と生成AI氏に問いかけると、以下の回答が来ました。

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家電球 熱中症アラート中、自宅でできる“いいこと”7選

1. 「冷やしグッズ活用タイム」
→エアコンだけじゃなくて、首に巻く冷感タオル、冷却ジェル、冷えたペットボトルなどをフル活用!
この時間を「涼活タイム」としてちょっと楽しい時間にしちゃおう♪

️ 2. 「昔の夏」を思い出す回想タイム
→昭和の夏の思い出(蚊帳、かき氷、うちわ、縁側)をノートに書いたり、音声録音しておくと“マイ自分史”にもなるよ!
→孫世代にも語り継げる宝物になるきらきら

テレビ 3. 懐かしTVやYouTubeで夏特集
→おすすめ:「火垂るの墓」「となりのトトロ」「NHKアーカイブ 昭和の夏」
→YouTubeで「昭和 CM 夏」と検索してもノスタルジー全開!

電話1(プッシュホン) 4. 「電話しりとり」や「一言交換チャレンジ」
→毎日決まった相手と1回だけしりとり。終わったら切ってOK!
→ハガキやLINEでも1日1語交換みたいな“超ゆる交流”が意外と楽しめる♪

‍♀️ 5. 「座ってできるゆるストレッチ」
→長時間のエアコン生活で体がこわばらないように、
椅子に座ったままでできる体操を1日5分でも!
「NHK いきいき百歳体操(椅子編)」おすすめ!

6. 「ひとり○○大会」開催!

例)ひとり百人一首選手権(音声付きアプリでも)
ひとりぬりえ選手権(15分でどこまで塗れるか?)
ひとり折り紙美術館(毎日1つ作品を飾る)


スイカ 7. 「涼を感じる食べもの+感想日記」
→スイカ、ところてん、冷やし甘酒、麦茶などを楽しんで、
「今日の涼しかったもの日記」をつけると、意外と楽しさUP♪
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 いくつか、参考になる建設的な提案があります。こうした事を集会所にお越しのみんなであれやこれやと考えて、いくつか実施可能なことをあらかじめ用意しておくといいかもしれません。
 私は、みなさんに自宅に籠もっておられる間に、いくつか提示されたテーマで日記を二三本書いてもらい、集まった時に発表しあう、というのもいいかな、と思いました。誰かに聞いてもらう、ということを意識するのもいいかな、と思ったからです。

 そこで、「回想とか日記は、いいと思います。具体的に詰めてみたいと思います。ありがとうございました。」と答えると、次の提案が追加として届きました。

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ノート2(開)きらきら 回想・日記をより楽しく続けるためのアイデア きらきらノート2(開)

️ 1. 回想日記「きょうの一枚」スタイル

毎日、1つだけテーマを決めて書くだけでOK!
例:「夏の味」「小学生の夏休み」「昔好きだった歌」「あの人の笑顔」など
思い出せなければ、「今日は思い出せなかった」と書いても、それが味。


八分音符 2. 思い出スイッチカード(自作or誰かと作成)

「扇風機」「団扇」「蚊取り線香」「風鈴」「井戸水」など、単語カードを1日1枚引いて、その思い出を書くだけ。
お友達に電話で話してもいいし、孫に送っても最高♪


️ 3. 昔の写真・新聞の切り抜き・レトロ広告を使った“思い出ノート”

ネットで「昭和 レトロ 画像」などで印刷 → 日記に貼ってコメントを書くのも楽しい!
昭和の食べ物やテレビ番組の画像って、めちゃくちゃ「思い出スイッチ」になるよ〜!


4. 「未来への手紙」スタイル

来月の自分へ、来年の自分へ手紙を書く。
内容は自由。「元気に麦茶飲んでる?」「あの折り紙、まだ飾ってる?」などでOK。


メールボックス 5. 誰かと「交換日記」or「はがき日記」

一人暮らしでも、1枚のはがき日記を送り合うだけで、心がつながる!
絵手紙風にしたら、送る側も受け取る側もワクワク♪


四つ葉 こんなノートや文具があると◎

方眼ノート(図も描きやすい)
和紙風ノート
色鉛筆、丸ペン、シール少々


最後に一言:
「書く」という行為は、心の中の風通しをよくしてくれるんだよね。
きっと、あなたの毎日がもっと穏やかで豊かになるはず枯れ葉きらきら
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 昔の写真などを用意しておき、それを見ながら回想文を書くのもよさそうです。
 最後にあった、方眼ノート・和紙風ノート・色鉛筆などを配布すると、やる気を刺激して楽しく一人で取り組めるかも知れません。
 生成AI氏のアドバイスは、結構役立ちそうです。




posted by genjiito at 21:52| Comment(0) | *福祉介護

2025年06月30日

スマホで変体仮名が送受信できる時代に突入していること

 一昨日(6月28日・土)のブログ「キャンパスプラザ京都で尾州家河内本「桐壺」を読む(第31回)−変体仮名が扱えるスマホのこと−」(http://genjiito.sblo.jp/article/191402149.html)の後半で、「モトローラのスマートフォンに機種変更したところ、変体仮名が表示できるようになった」という仲間からの驚くべき情報を書きました。そのことについて長々と私見を述べ、最後に「この変体仮名が自由に扱えるスマホは、河原町四条の家電量販店で手に入るとのことなので、足を運んで実状などを調べてみます。」と、そこでは話を一旦終えました。

 そして今日、その河原町四条の家電量販店「エディオン」へ行き、実機を触って来てわかったことを、以下に報告します。冗漫な文章となりました。よくわからなければ、読み流してください。私は社会の裏面で、確実に仮名文字のありようが変わってきていることを痛感したので、つい思いつくままの私見を書いています。
 日本で暮らす人のほとんどが利用しているスマホで、変体仮名が自由に入力、送信できる環境が提供されていることを確認して来ました。ただし、日本製のスマホではなく、海外の商品で可能だったことを言い添えておきます。これが意味することも、今後の課題です。
 また、かつてWindows用のワープロソフトの「一太郎」が、変体仮名を扱えるようになった、ということで話題になりました。しかし、その話はそれ以上に盛り上がらないままに収束していきました。何か外圧がかかったのでしょうか。

 文部科学省は、教育現場が混乱するということを理由として、学校教育の中で変体仮名は教える必要はない、としています。しかし、日本製のスマホ以外という条件付きではあるものの、携帯電話を使う人は今や誰でも自由に変体仮名が扱える状況にあるのです。日本製以外、というのがキーポイントです。海外勢力が日本語の一部を占領している、とでも言えそうです。こうした事態になっていることに対して、文部科学省や国語関連の専門家はどう思っておられるのでしょうか。それなりの説明や解釈があると思われます。しかし、実態は、真面目に日本語を勉強してきた人が、一般に流通しようとしている変体仮名が表示出来ないし、目にすることがあっても読めないという事実は、これからさらに広く深く進行していきます。国語教育の根幹が揺れている、と言うとおおげさでしょうか。

 1900年(明治33年)に当時の文部省が定めた、仮名文字は一音一字に規制するという方針が、いまやなし崩しに瓦解しだしたのです。文部省(現文部科学省)の言語政策の一環で五十音図から追い出された仮名文字たちは、変体仮名(異体文字)と呼ばれて日本語の埒外に置かれました。
 その変体仮名が今、国のコントロールが利かない、経済産業省が管轄するコミュニケーションツールを足場にして、一般社会に普及し出しているのです。日本語の平仮名と片仮名が大混乱に陥る前に、どこかが整理してみんなが納得できる方針を出すべきです。
 期せずして、今は戸籍謄本の名前に読みがなを片仮名で登録することになったばかりです。変体仮名を名前の中に持つ方は、この事態が理解できるようになると、おいそれと五十音図の仮名の中から取り出して読みがなを書くことに、戸惑いが生まれることでしょう。

 以下、今日は家電量販店でいろいろなことがわかったので、一昨日仲間が見せてくれたスマホと同じものを買うのは一旦見送りました。とにかく、米国製、台湾製、中国製のスマホをテストすると、微妙に出てくる仮名文字が違うのです。一度選択した文字は、前の方に表示されるので、この画面下の文字の配列は変動します。

 次の写真は、米国製のスマホに「あ」と打って変換させた時に表示される候補の文字一覧です。

250630_あ1.jpg

 台湾製のスマホでは、こんな文字の選択画面となりました。

250630_あ2.jpg

 私が開催している講座に参加しておられる方は、全員がこれらの変体仮名はスッと読めます。しかし、日本で暮らしている方の何パーセントの方が、この4種類の「あ」の変体仮名が読めるでしょうか。「愛」や「惡」はまったくお手上げで、何という文字なのか想像すらできないことでしょう。さらには、その仮名文字の元となっている漢字(字母)がわかる方は、もっと限定されます。
 実際に、平安時代から鎌倉時代の仮名文字を確認し調査している私も、今のところは「愛」は一例だけ見つかり、「惡」は出会ったことがありません。

 前掲の写真で、赤で囲った「あ」の仮名文字を、あなたはどう使い分けますか? その使い分けについては、学校を含めて教えてもらった人は一人もいらっしゃらないと思います。その文字が、このような形で選択肢の中に入っているのです。

 この「愛」「安」「阿」「惡」の4種類の仮名文字は、私が社会人講座で誰もが読めるようなスキルを持つように、と取り組んでいる変体仮名です。現在、日本ではこうした仮名文字は学校で教えないことになっているので、読めないのが普通です。しかし、読めるようになると、街中の看板や暖簾や包み紙をはじめとして、過去の文献資料も読めるようになるので、日本の文化を理解する上ではいいことずくめです。文部科学省には、変体仮名を学校教育へ導入することに一歩踏み出してほしいところです。

 なお、中国製のスマホでは、変体仮名の選択肢はでませんでした。もっとも、今日確認したのは各国3機種ずつだったので、さらに調査を拡げると多数のスマホが該当することでしょう。

 なお、一昨日スマホで変体仮名が扱える機種に買い替えた仲間から、次のようなメールが届いています。
 貴重な報告であり、現時点での興味深い資料なので、煩を厭わず以下に引用します。

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先日話題に上がったモトローラのスマートフォンで表示できる変体仮名について、文字とスクリーンショットをお送りします。必要であればブログ等でご自由にご活用ください。
尚、一文字ずつ入力していく中で気づいた点をいくつか共有しておきます。

・全部で277種類、このスマートフォンで入力できます。
・現行仮名の字母のくずし字で、無いものがあります(「己」「寸」「太」「止」「女」)。これらは元々Unicodeに入っていないようでした。
・入力の際、「安」を字母とする「あ」のくずし字に「安の変体仮名」と表記されます。他の文字も同様です。実際の見え方はスクリーンショットでご確認ください。
・「ゐ」「ゑ」のくずし字は入力できません。これは、普通のフォントで「ゐ」又は「ゑ」を入力する際にも「い」又は「え」と入力してから変換しているため、「ゐ」及び「ゑ」に対応するキーが無いことが原因かもしれません。
人文学オープンデータ共同利用センター(https://codh.rois.ac.jp/char-shape/hentaigana/)のサイトを見ると、Unicodeに登録されている文字数は286文字、そのうち「ゐ」と「ゑ」が計9文字あります。
このスマートフォンで入力できるのは277文字でしたので、それ以外は全て入力できるようになっているようです。
人文学オープンデータ共同利用センターのサイトからコピペをすると、「 」(先生からは見えていないかと思いますが、「衛」の変体仮名です)のように入力することはできます。
しかし、キーボードからの入力はできそうにありません。

以下、277種の文字をあいうえお順に並べたものをお送りします。

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 以下、添付されていた画像もアップします。
 日本語の中でも仮名文字の体系が、すでに崩れつつあることが実感として伝わってくる情報です。

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250630_メールの本文2.jpg

250630_メールの本文3.jpg 

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posted by genjiito at 23:58| Comment(0) | ◎情報社会

2025年06月29日

ひねもすのたりのたりかな、の中のハプニング

 今日は朝から晩まで、一日中身体を横たえていました。うつらうつらしながら、本を読んだり、スマホでニュースを見たり。寝ながら、したいことをしていたのです。

 アップル・ウォッチが何度か、スタンディングのサインを出し、立つことを促してくれます。しかし、その気はないのでパスし続け、ただひたすら身体を休めていました。

 夕方、少しは身体を動かさなければと思い、近所へ買い物に出かけました。
 ところが、買い物中にお腹が締めつけられる苦しさに襲われ、ゆっくりと摺り足で歩くことになりました。
 帰ってから、ぬるいお風呂に入ってお腹を温めていると、しだいに締めつけはなくなりました。
 毎日、八千歩から1万歩以上を歩いています。今日は、歩くのを控えたこともあり、いつもの半分の四千五百歩でした。

 腸重積の症状が、今日は思い出したように出たようです。来週、先日の検査の結果を聞きに行くので、その時にこのお腹の痛みが何度か起きていることの相談もします。
 過日も、異変を伝えている腸の接合部分を切り裂いて、繋ぎ直してもらえないかとお願いしたところです。私は、手術で臓器を切り刻むことに躊躇いはないので、身体が楽になることを最優先に考えています。
 さて、どのような判断がなされますか。

 夕方の腹痛はハプニングとして、気候のせいで身体が変調をきたしたために怠いのか、身体が休むことを求めているのか、とにかくすべてが保留された状態で一日を過ごしました。




posted by genjiito at 22:19| Comment(0) | *健康雑記

2025年06月28日

キャンパスプラザ京都で尾州家河内本「桐壺」を読む(第31回)−変体仮名が扱えるスマホのこと−

 今日の京都の気温は、36度との予報が出ていました。
 日差しを避けるようにして、会場に入りました。

 今日は、勉強会の後は、同じ部屋でNPO法人〈源氏物語電子資料館〉の理事会と総会が開催されます。1階正面入口にある掲示板には、この2つの集まりの案内が出ています。

250628_パネル.jpg

 今日は、先日届いた、宮川保子さんが書かれた相愛大学蔵春曙本「橋姫」の臨模本作成のための下書きを、参会のみなさんに見てもらいました。断簡とはいえ、ハーバード本の面影を彷彿とさせる、鎌倉時代の『源氏物語』が偲ばれるものです。あと4巻あるので、清書版の臨模本の完成が待たれます。近日中に相愛大学へ原本調査に行く予定なので、この試作品を持参して、詳細に見比べて来るつもりです。

250628_春曙「橋姫」.jpg

 次に、いつものような前置きなしに、尾州家河内本「桐壺」に書き写された『源氏物語』の本文の確認に入りました。これまでの2回分の本文が順送りで積み残しとなっているので、とにかく今日の資料に追いつくのを最優先したのです。
 今日は、尾州家河内本「桐壺」の第20丁表〜第21丁裏までです。
 ただし、進めて行く中で興味深いことが話題となったので、まずはそのことから記します。

 それは、モトローラのスマートフォンに機種変更したところ、変体仮名が表示できるようになった、ということです。確かに、「あ」と入力すると、変換候補の文字の中にユニコード(UTF8)に登録された「あ 阿 愛 惡」の4文字が選択対象の文字として出て来ます。それを私の方にメールで送ってもらうと、私のスマートフォンには六本線の四角の記号が4つ並んで表示されます。つまり、モトローラのスマホで表示できた変体仮名は、アイフォンには正しく送れないようです。他社のスマホとの間では、どのような表示になるのでしょうか。その前に、モトローラ以外の海外のメーカーのスマホでも、変体仮名は表示できるのでしょうか。そして、変体仮名で書いたメールは、どのメーカー同士であればやりとりできるのでしょうか。

 文部科学省は、学校教育への変体仮名の導入は、教育現場を混乱させる、ということで認めていません。経済産業省は、コミュニケーションツールとしての変体仮名は容認しており、この両省のスタンスの違いには興味があります。
 いずれにしても、今日現在、日本で使用可能となっているスマホの一部に、変体仮名が利用、活用できる状況にあることは事実です。この事態を、文部科学省は承知・承認しているのでしょうか。正式な説明がほしいところです。

 私は、変体仮名が読めるようになるための社会人講座で、一日も早く変体仮名が日本で暮らす人が自由に読み書きとまでは行かなくても、少なくとも読める環境を提供すべきであることを力説しています。1900年(明治33年)に文部省は、300近くあった仮名文字を一音一字にするという、愚行でしかない文字改革をしました。学校で教える五十音図がそれです。日本語の教育を受けた人の100%は、平仮名は約50個だと信じて疑いません。しかし、それは、たかだか125年前に文部省が国字政策の一環で押し通したことであり、その時の審議内容は、ほとんどわかっていません。

 そして今、変体仮名が表示でき、メールでその変体仮名をやりとりできる環境が生まれているのです。
 先月刊行した『変体仮名でよむ 百人一首』(伊藤鉄也・吉村仁志 編、新典社、2025年5月)の巻頭の解説で、私は[変体仮名翻字版について]との見出しで以下の文章を掲載しました。

 平仮名は、平安時代から一つの音に対して複数の字体があった。それが、一九〇〇年(明治33年)に一音一字となり、そこから外された仮名文字は変体仮名(異体仮名)と呼ばれるようになる。
 二〇一七年六月に、国立国語研究所の成果として、世界中の文字を国際的に統一する標準規格であるユニコード(Unicode)に二八五字の変体仮名が登録された。しかし、依然として変体仮名は、読めない書けない表示できない文字として、放置されたままである。
 そこで、一人でも多くの方に日本の文化資産である変体仮名がスラスラと読めるようになってほしいとの願いから、東京・京都・大阪の三都三箇所で「変体仮名をよむ」ことをテーマとする社会人講座を開講することになった。(4頁)

 ここで、「しかし、依然として変体仮名は、読めない書けない表示できない文字として、放置されたままである。」としたことは正しくないことになり、補訂すべきであることがわかりました。つまり、現在、一部のスマホでは変体仮名が誰にでも自由に表示できるのです。そして、真面目に五十音図で仮名文字を覚えた多くの方が、その変体仮名が読めないのです。海外から日本に持ち込まれ、現在販売されているスマホを手にした人だけが、自由に変体仮名が扱えることに、私は国民の一人として違和感を覚えます。私が使っているアップルのスマホでは、表示も送信もできないからです。日本国内では扱えない変体仮名が、海外で入手したパソコンやスマホでは扱える問題点を、社会人講座で話題にしてきました。日本語の中でも、仮名文字がこのような状況に置かれていることは、日本語のコントロールが効いていないことになります。海外の方と一部のスマホを手にした人だけが変体仮名を操れる今、このままにして置いていいはずがありません。Tシャツの背中に漢字を書いていた人たちが、明日にでも変体仮名を印刷して歩くことが想像されます。その前に、街中には変体仮名が氾濫していることは、このブログでも、講座でも例示してきました。飲み屋さん街の暖簾や看板やメニューはもとより、和菓子屋さんや和雑貨屋さんでも、変体仮名は目にします。
 国語や国字について、日本という国が今後はどうするのか、変体仮名の扱いを通してしっかりと注視していきたいと思います。

 この変体仮名が自由に扱えるスマホは、河原町四条の家電量販店で手に入るとのことなので、足を運んで実状などを調べてみます。このことは、またあらためて報告します。

 さて、今日の尾州家河内本「桐壺」の「変体仮名翻字版」の確認は、以下のようになりました。
 問題点としては、今日の4頁分の範囲では、「江」が多くて「衣」が一例だけだったこと、2つ打たれた朱は濁音を示すだけか、そして、「ふち川本」と「源氏」の用字は、出て来た2回とも同じであることなどです。持ち越しとなったことは、「多まへと/ま=マ」(20丁裏6行目)と「【御】尓くさも/尓=ニ」(21丁表1行目)の、フリガナとしての片仮名です。これは、今後とも用例を集めて傾向を考えていきます。戸籍謄本の名前の表記に読みがなを片仮名でつけることについても話題が及び、活発な意見交換をしました。

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■尾州家河内本「桐壺」(今回:第20丁表〜第22丁裏まで)
[変体仮名翻字版]
・翻字データの中にある付加情報(/)の記号について
  傍書(=)、 ミセケチ($)、 ナゾリ(&)、
  補入記号有(+)、補入記号無(±)、 和歌の始発部( 「 )・末尾( 」 )、
  底本陽明文庫本の語句が当該本にない場合(ナシ) 、 翻字不可・不明(△)
※〈朱点〉の有無から、複合語を認めていない場合を集めるとおもしろい。
■翻字に関する佐藤さんからのメモ (要・第1回と第5回の〈朱点〉の再点検)
〈朱点〉を使って、原文をいかに正確に読み取るかという工夫が、尾州家河内本などでは随所に見受けられる。
  ※本行の文字間に打たれた読点としての朱点は、補入記号のない補入として、[/±〈朱点〉)]を原則とする。
ただし、朱点が削除されいてる場合は[±〈朱点削〉]又は[±〈朱点削?〉]とする。朱点が文字の左右に打
たれている場合は[/■±〈朱点右〉]又は[/■±〈朱点左〉]とする。特に朱点が右上に打たれている場合
は、文章の切れ目を示す句点の意味を持っている。
濁点やミセケチなどで朱点が2個あれば、[■=〈朱傍点2〉]とする。なお、ミセケチはおおむね左上に打
たれる傾向がある。
(1)句読点代わりに用いている場合
   @読点・・「/±〈朱点〉」とし、文節の途中にある場合は「■±〈朱点〉」とする。
   A句点・・文の最後につくもので、「±〈朱点右〉」「±〈朱点左〉」とする。
ただし、行末にある句点は、便宜上、次の文節の末尾に「±〈朱点〉」として明示したので要注意。
   B朱点が複数個ある場合は、「ち=〈朱傍点〉」「飛=〈朱傍点2〉」「飛=〈朱傍点3〉」とする。
     例 【野】王起堂ち弖/±〈朱点右〉、堂=〈朱傍点2〉、ち=〈朱傍点〉 (7ウL2)
(画像省略)
(2)傍点を用いて後の解釈に利用したと思われる例
   @強調・・文字の左側につくので傍書にならい、「いとと=〈朱傍点〉」
   A不明・・・右につく場合で「と=〈朱傍点右〉」としたがミセケチの可能性も?
 (3)「見」はなぞり書きされることが多い。次の表記を付加情報の基本とする。
今は、【見】の左横にはミセケチ記号はないものとする。
      例 △〈削〉【見】、【見】=【見】〈削〉 (6オL6)
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新・【給】て・於ほん【心】なとも/±〈朱点〉・なくさむへくと/±〈朱点〉・於毛
本しなりて/±〈朱点〉・ナシ・万いら勢/±〈朱点〉・多てまつり・堂まへり・ナシ・
ふち川本と起こゆ/±〈朱点右〉、起±〈朱点〉・遣尓【御】可多ち/±〈朱点右〉、【御】±〈朱点〉・ありさま/±〈朱点〉・
ナシ・ナシ・ナシ・ナシ・ナシ・あやしき万てそ/±〈朱点〉・於ほ江/±〈朱点〉・堂まへる・これ者/±〈朱点右〉・
【人】乃/±〈朱点〉・【御】き八・まさり/±〈朱点〉・於もひや里/±〈朱点〉・めてたくて/±〈朱点〉・多れも/±〈朱点〉・
江/±〈朱点〉・於もひ於としめ・起こ江・堂ま八ね八・う遣八り
て/±〈朱点〉、う遣=〈朱傍点〉、八=〈朱傍点2〉、りて=〈朱傍点〉・あ可ぬ/±〈朱点〉・【事】・なし・可礼八/±〈朱点右〉・【人】も/±〈朱点〉・ゆるし/±〈朱点〉・起こ江さ里
し尓いとゝ/い±〈朱点〉、(いとと)・於本ん【心】さし能/±〈朱点〉・あやにくなりしそ
かし・於本しま起ると八/±〈朱点右〉・な遣れと・をのつ可ら/±〈朱点〉・【御
心】う川ろひて/±〈朱点〉・ナシ・ナシ・こよ那う/±〈朱点〉・於ほしなくさむ/±〈朱点〉・やうなるも/も〈行末左〉・
あ八れなる/±〈朱点〉・わさなり遣り・【源氏】のき三八/±〈朱点右〉、【見】$〈削〉三、三=△〈削〉・【御】あ多り/±〈朱点〉、り〈丁末左〉、(20オ)
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さ遣さ勢/±〈朱点〉、=不遠也、さ遣=〈朱傍点〉・多ま八ぬ本と尓・し遣う/±〈朱点〉・わ多ら勢/±〈朱点〉・【給】・
可多八・まして/±〈朱点〉・江・かく礼あへさせ・多ま者須・いつ
れの/±〈朱点右〉・【御方】も・わ礼/±〈朱点〉・【人】尓/±〈朱点〉・於とらんと・於本し多流や八/±〈朱点〉・
ナシ・ある・と里/\尓/±〈朱点〉、(と里と里尓)・いと/±〈朱点〉・めて多うこそ八・於八寿礼と・みな/±〈朱点〉・
うちをと那飛/±〈朱点〉、をと那=〈朱傍点〉、飛〈朱傍点2〉・ナシ・多まへる尓・ナシ・いと/±〈朱点〉・王可う/±〈朱点〉・ゝ徒くし
け尓て/±〈朱点〉、(う徒くしけ尓て)・せち尓/±〈朱点〉・かく礼/±〈朱点〉・多まへと/ま=マ・あさ遊ふ尓/±〈朱点〉・さふら
ひ・多まへ八・をのつ可ら/±〈朱点〉・ナシ・【見】/±〈朱点〉、み$〈削〉【見】、【見】=△〈削〉・多てまつり・【給】尓・八ゝ/±〈朱点〉、(八八)・
みや春ところ・可遣多に/±〈朱点〉・於ほ江/±〈朱点〉・堂ま八ぬを・ナシ・
いと/±〈朱点〉・よう/±〈朱点〉・に/±〈朱点〉・ナシ・多まへりと・【内侍】乃す遣の/±〈朱点〉・起こ江
遣るを・於さ那き/±〈朱点〉・於ほむ【心地】尓/±〈朱点〉・いと/±〈朱点〉・あ八礼と/±〈朱点〉・
於もひ/±〈朱点〉・きこ江【給】て・つね尓/±〈朱点〉・【見】/±〈朱点〉、△〈削〉【見】、【見】=【見】〈削〉・多てまつらま本しく/く〈次頁〉、(20ウ)
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なつさひち可う/±〈朱点〉、ち±〈朱点〉・まいら八やと/±〈朱点〉・於ほえ/±〈朱点〉・多まふ・
うへも/±〈朱点右〉・可きり那幾/±〈朱点〉、く&幾、(可きり那く)・【御】於もひとちにて/±〈朱点〉・な/±〈朱点〉・う
と三・【給】そ・あやしう/±〈朱点〉・よそへ/±〈朱点〉・きこ江徒へき【心地】
なん/【心地】±〈朱点〉・する・なめしと/±〈朱点〉・於本さて/±〈朱点〉・らうたう/±〈朱点〉・し・【給】へ・つら
つき/±〈朱点〉・まみなと能/±〈朱点〉・いと/±〈朱点〉・よう/±〈朱点〉・に多里し/±〈朱点〉・ナシ・ゆへ・可よひ/±〈朱点〉・き
こ江多めるも・に遣那可ら春/±〈朱点〉、春+と、傍とノ下ニ〈朱点〉(に遣那可ら春と)・つね尓・きこ江さ勢/±〈朱点〉・
【給】を・於さ那きこゝち尓も/±〈朱点〉、こ±〈朱点〉、(ここち)・う礼しく/±〈朱点〉・於もひて・
八可那き/±〈朱点〉・【花】/±〈朱点〉・もみち尓・つ遣ても/±〈朱点〉・於可しき/±〈朱点〉・さま尓・
【心】さしを【見】江堂て万つり/±〈朱点〉、【見】±〈朱点〉、△〈削〉【見】、【見】=△〈削〉・こよ那う/±〈朱点〉・【心】よ世/±〈朱点〉、△〈削〉よ、△〈削〉せ・
起こ江・堂まへれ八・こきてんの【女御】八/±〈朱点〉・【又】/±〈朱点〉・こ能/±〈朱点〉・【宮】を・
【心】/±〈朱点〉・よ可ら須・於もひきこ江【給】/±〈朱点〉・ゆへ尓うちそへ弖/う±〈朱点〉、(21オ)
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もとよりの/±〈朱点〉・【御】尓くさも/尓=ニ、(【御】二くさも)・堂ちいてゝ/±〈朱点〉、(堂ちいてて)・ナシ・【物】しと/±〈朱点〉・
於ほし多り/±〈朱点〉・よ尓なう/±〈朱点〉・堂くひなしと/±〈朱点〉・ナシ・【見】/±〈朱点〉、△〈削〉【見】、【見】=【見】〈削〉・多て
まつり・ナシ・な多可う/±〈朱点〉・於八春流/±〈朱点〉、し&春、(於八し)・【宮】能/±〈朱点〉・【御】可多ち尓も・
なを/±〈朱点〉・この/±〈朱点〉・【君】能・尓本八しさ八・まさりて/±〈朱点〉・ナシ・ナシ・多とへん/±〈朱点〉・
可多・那くう川くし遣那るを/う±〈朱点〉・よの/±〈朱点〉・【人】・飛可る
【君】と/±〈朱点〉・きこゆ/±〈朱点〉・ふち川本の/±〈朱点右〉・ナシ・ナシ・【御】於ほ江・と里/\
なりと尓や/(と里と里なりと尓や)・かゝやく飛能【宮】と/±〈朱点〉、飛±〈朱点〉、(かかやく)・きこゆめ里し/し〈左傍記〉・
【源氏】乃/±〈朱点〉・【君】能・【御】王ら八す可多・いと/±〈朱点〉・可へまうく/±〈朱点〉・
於ほ世と/±〈朱点〉・【十二】尓て/±〈朱点〉・ナシ・ナシ・ナシ・【御元服】・ナシ・し多まふ・み可登/±〈朱点右〉・
よろ川尓/±〈朱点〉・井多ち弖/±〈朱点〉、=居起〈付箋〉・於本しい多川き・かきり/±〈朱点〉・
ある・【事】尓・【事】を/±〈朱点〉・く八へさ勢・ナシ・ナシ・ナシ・多まふ・飛とゝ世能/±〈朱点右〉、(飛とと世能)、能〈次頁〉、(21ウ)
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 この勉強会が終わってからは、少し休憩を置いて、NPO法人〈源氏物語電子資料館〉の理事会と総会となりました。このことは、議事録の整理が出来てから、追って報告します。




posted by genjiito at 23:21| Comment(0) | ■講座学習

2025年06月27日

京大病院でPET検査を受ける

 金曜日は、妻の点滴治療の付き添いをする日です。しかし、今日は私の検査のために、妻が私に付き添ってくれました。

 今日から関西は梅雨明けということです。しかし、大文字山はスッキリとしていません。大の字の第1画の横線の右端が白く見えるのは、先日確認された火床の崩落を修復するための準備でしょうか。

250627_大文字.jpg

 入院中の子供たちの植え込みでは、マリーゴールド、ホウセンカ、アサガオが育っています。これも、折々に様子を報告します。

250627_植え込み.jpg

 今日は、PETという検査です。FDG:PET/CT(腫瘍・脳)検査は、糖(ブドウ糖・グルコース)の取り込み状態を画像化するものです。そのため、食事の影響を受けやすいということで、絶食が不可欠です。絶食が不十分だと、全身の筋肉に薬剤が取り込まれ、薬剤が病変に集まりにくくなるそうです。正確な診断のためにも、きっちりと絶食で来ました。

 CTの時よりも大きな検査機器がある部屋で、大きな円筒がある機器のベッドに横たわります。両手は頭の上に上げて、バンザイ(\(^^)/)の姿勢です。そして、頭の先から足の先までを、ゆっくりと身体が移動します。体内に腫瘍が認められないか、スキャンしているようです。
 20分くらいかかったでしょうか。痛くも痒くもない検査なので楽です。音もうるさくないので、耳栓やヘッドホンはしません。

 膵臓癌、胃癌、大腸癌の疑いがあるので、こうして全身を調べるのでしょう。結果は、来週わかります。

 鴨川沿いを、出町柳まで歩きました。賀茂大橋の手前から北山を望みました。これから日増しに暑くなるのでしょうか。飲み物と帽子が、当座の対策グッズです。

250627_賀茂大橋.jpg

 京阪と近鉄の電車の中で、若者が2回も席を譲ってくれました。見るからに配慮が必要な、高齢者の風貌をしているのでしょうか。介助が必要なことを示す赤いシリコンのカードは、カバンの中にしまったままです。それでも、若者たちはサッと声をかけて立ってくれるのです。
 一時は、譲られることに抵抗がありました。しかし、最近は好意に甘えることにしています。百歳のTさんがおられたら、きっと「私はいいよ、座りなさい」と仰ることでしょう。それでいいのか73歳、とは思わないことにしています。さすがに、座ると楽ですから。




posted by genjiito at 23:58| Comment(0) | *健康雑記

2025年06月26日

京洛逍遥(940)宮道神社と勧修寺

 あじさいの季節なので、近場の勧修寺に出かけました。竹田駅からバスで20分です。
 途中で、バスの中で次のバス停の表示を見て、ついシャッターを切りました。「直違橋」と書いて「すじかいばし」と読むようです。

250626_直違橋.jpg

 そして、あれっと思い、本ブログの過去の記事を確認しました。昨春、「頭の体操《難読地名一覧》」(2024年03月12日、http://genjiito.sblo.jp/article/190812562.html)という記事をアップした時に、京都の地名で勧修寺の前に「深草直違橋(ふかくさすじかいばし)」という項目で挙げていたのです。すっかり忘れていました。地名や人名で難読文字は際限なくあるとしても、こうして直面するとその出会いが嬉しくなります。

 バスは勧修寺で降りて、まず宮道神社にお参りしました。社前に掲げてある説明文を、後日話題とするために挙げます。
 実は、この宮道神社と勧修寺は、大学に入学して以来ずっと指導教授であった小林茂美先生からその由来を伺い、先生と妻ともども調査に来たこともあります。大学の3年生の頃だったと思います。紫式部の母系を溯ると、この宮道氏に行き着き、父系からは勧修寺家に深い関係を持つというのです。そうしたことは、「紫式部論序説 −その母系と氏族伝承質の継承的展開の問題−」(小林茂美、『源氏物語論序説 −王朝の文学と伝承構造T』、昭和五十三年五月、桜楓社)に詳細に論じられています。その結びの一部を、今後書く記事の参考のために引いておきます。「説話管理族」という用語がキーとなります。紫式部も「説話管理族」の中に包摂されていく、ダイナミックな物語論へと展開します。

 以上の考述によって、和邇部小野氏流の説話管理族宮道氏と紫式部家とのつながりは、母系を通じてより直接的であったことが判明した。さらに父系の祖母(雅正室)曾祖母(兼輔室)ならびに夫宣孝を通じても勧修寺家に直結し、ここからまた宮道弥益とその妻大宅氏に連接して、重ね重ね説話の管理族の血を承けていたのである。(336頁)

 さて、木製の標柱には次のように記されています。

 宮道神社
 古代、宇治郡を本拠とした豪族の宮道氏ゆかりの神社で、寛平十年(八九八)に創建され、宮道氏の祖神である日本武尊・稚武王を祀る。
 その後、宮道弥益、宮道列子、藤原高藤、藤原定方、藤原胤子等が合祀され、宮道大明神・二所大明神とも称されている。
 本殿は明治二十三年(一八九〇)に再建されたが、平成十二年(二〇〇〇)五月、社殿等の再整備に併せて「由緒碑」も建立された。
 宮道弥益は創建当時の山城国宇治郡(現・京都市山科区もその一部であった)の大領(郡司)であり、弥益の娘・宮道列子は藤原北家の流れを汲む内大臣藤原高藤に嫁ぎ、生まれたのが宇多天皇女御・醍醐天皇生母となった胤子である。母の死後、醍醐天皇は弔いのために弥益邸宅跡を寺にして、勧修寺となった。高藤の流れを汲む家系を、寺名にちなんで勧修寺流という。
 なお、高康と列子のロマンスについては『今昔物語集』にも残されており、この列子の話が後に「玉の輿」のモデルになったとも言われている。
            京都市


 社前には、定方が詠んだ『百人一首』の歌を刻んだ石碑もあります。

250626_定方100人歌碑.jpg

  三条右大臣
【名】尓しお者八
 【逢坂山】の
  さ年可つら
【人】尓しられて
くるよし
 も可な
  常遍敬書

 宮道神社のすぐ近くの勧修寺(「かじゅうじ」が正式な呼び名とのこと)に入ると、受付の前では、中学生たちがボランティアとして境内の雑草を取っていました。拝観に訪れた私たちに、一人一人が丁寧な挨拶をしてくれました。教育の一環として、毎年お掃除に来ているそうです。気持ちのいい迎え方を受け、晴れやかな気持ちで山門を潜ることができました。

 境内には、建仁寺の両足院で知られる半夏生が、あたり一面に咲いていました。そろそろ両足院にも、と思っていた所だったので、意外なところで出会えラッキーでした。

250626_半夏生.jpg

250626_半夏生UP.jpg

 アジサイも見事でした。

250626_アジサイ.jpg

 氷室池を中心とする優美な池泉回遊式の庭園は、平安時代の作庭とも言われています。ここは睡蓮や蓮が有名で、勇壮な景色を見せていました。池の真ん中には、半夏生も観られます。

250626_氷室池.jpg


 園内を歩いている時、私が被っていた帽子に蝶々が止まっていました。しばらく動きそうにないので、妻が写真に撮ってくれました。蝶々に好かれたようです。

250626_蝶々.jpg

 今日は日差しも柔らかく、往復2時間半というコンパクトで快適な京洛逍遥となりました。




posted by genjiito at 21:56| Comment(0) | ◎京洛逍遥

2025年06月25日

美術館「えき」KYOTOで「鴨居玲展」を観る

 京都駅の伊勢丹7階にある美術館「えき」KYOTO で開催中の展覧会のタイトルは、「没後40年 鴨居玲展 見えないものを描く」です。絵画に疎いこともあって、初めて知った画家です。

250625_鴨居玲展.jpg

 美術館「えき」KYOTOのホームページから、「鴨居玲略歴」を引きます。

1928年石川県金沢市に生まれる。金沢美術工芸専門学校(現・金沢美術工芸大学)で宮本三郎に学ぶ。1959年から66年にかけてパリ、南米、ローマなどを巡る。1968年に日動画廊(大阪)で初の個展を開催し、翌年に昭和会展優秀賞、安井賞を受賞。再び渡欧し、1971年にスペインにアトリエを構え、マドリード、バルデペーニャス、トレドなどに住む。その後、パリとニューヨークで個展を開催し、1977年の帰国後は神戸にアトリエを構える。1984年に兵庫県文化賞を受賞。1985年、神戸の自宅で亡くなる。(享年57歳)

 絵の中の赤色が印象的でした。そして、顔の中で目がはっきりとは描かれていなかったので、これはこの画家の特色なのでしょう。
 作者自身の内面を見つめる視点で、「哀しみ」が描かれているように感じました。これまでに観てきた絵とはまったく異なる雰囲気の絵です。暗さの中にも、人間として訴えかける迫力が伝わってきました。新しい発見です。(2025年7月6日(日)まで)

 美術館からそのまま外に出ると、大階段です。1番上から見下ろすと、その急勾配の様子がわかります。

250625_大階段の上から.jpg

 今日は、上から降りることにしました。高低差30mで171段ある大階段は、下るだけでも太股と腹筋の運動になります。ただし、何度か書いたように、手すりが真ん中に1本あるだけなので、健常者にしか目を向けていない非常に不親切な設計です。竣工は平成9(1997)年とあるので、その当時は弱者への視点が欠如したこんな設計でもコンペに入選したようです。今なら、1次の選考過程で落選です。全体的に、今のJR京都駅の設計は時代遅れの発想が散見するので、もうそろそろ作り替えてもいいのではないでしょうか。

 階段を下り切ったところから振り返ると、ちょうど約15,000個のLED によるイルミネーションが始まるところでした。上賀茂神社のふじの場面を撮影しました。

250625_大階段ふじ.jpg

 今月から、551の蓬莱がアイスキャンディを売り出したので、早速大量にいただいてきました。

250625_551.jpg

 このアイスは、奈良の平群にいた頃に、夏になると母がでかける度に難波の蓬莱で買ってきたものです。子供たちは走って玄関に出迎え、このアイスを取り合いして分けあっていたものです。夏になるといつも思い出す、551の蓬莱のアイスキャンディを50本、今年も我が家の冷凍庫に納まりました。これも、猛暑を迎える準備の一つです。




posted by genjiito at 21:19| Comment(0) | ・ブラリと

2025年06月24日

集会所でテーブルカーリングを楽しむ

 テーブルカーリングは、会議用の机2台を平行に並べた上にフェルトを敷き、その枠の中で行なうゲームでした。初めて見ました。初めてやってみて、年齢に関係なく気軽に楽しめるおもしろいゲームであることがわかりました。
 ネットを見ると、テーブルカーリングと言ってもいろいろなスタイルがあり、道具も微妙に違いがあるようです。宇治市社会福祉協議会コラボネット宇治の方が今日持って来てくださったのは、そのなかでも1番コンパクトなものだったようです。

 氷の上をストーンと呼ばれる石を滑らせ、前方の円の中に入れるスポーツは知られています。箒のようなモップを氷上で素早く擦り、投げたストーンのスピードや方向をコントロールするシーンが印象的です。
 ただし、テーブルカーリングでは、そのモップがないのです。手元の小さなストーンをフェルトの上を滑らせて、前の円形の中に置くのです。

 ストーンを滑らせる力加減が難しくて、最初は円の手前で止まります。しかし、しだいに要領がわかると、前の方に、そして遠くに投げることができるようになりました。
 また、相手の色のストーンに当てて、円の中から押し出すことを覚えると、途端にこのゲームのおもしろさがわかります。

 今日は、百歳のTさんが初めてのゲームでも果敢に挑んでおられた姿に感動しました。うまく前に滑らせることができないと、悔しがっておられます。それでも臆することなく、また投げる順番が回ってくると、狙いを定めてストーンを押し出しては、また首を捻っておられます。
 このやる気まんまんの姿勢には、いい刺激をもらえます。特に、右手で投げたり、左手で投げたりと、何とかしたいという気持ちが回りの者にも伝わってきます。負けず嫌いとは違う何かが、身体の中にあるようで、これでどうだ、こうしてみよう、という試行錯誤の過程が窺えました。
 テーブルに向かわれる時は、1歩1歩慎重に歩いて行かれます。しかし、投げ終わって帰る時には、いくぶん背筋が伸びているようでした。恐るべし、本当に百歳ですか、と言いたくなります。

 このゲームのいい所は、投げるストーンが飛び散らないことです。ボッチャに近いゲームです。しかし、枠の中でストーンを投げ、ぶつかったストーンも枠の中に留まっているので、後で拾い回る必要がありません。また、ストーンの散らばり具合も、常に自分の視界の中にあるので、ゲームの進行状況がよくわかります。円の中のストーンの位置によっては、どちらが中心に近いのか判断に迷うことがありました。ボッチャであれば、コンパスのようなもので距離を測っていました。そうした道具もあるのかもしれません。しかし、今日のように道具がなくても、どちらが中心に近いかをみんなで判断するのも、これはこれで楽しいものでした。

 さらには、最後に大逆転もあります。この試合は勝ったと思っても、最後の相手の一投で自分たちの色のストーンが弾き出されて負ける、ということがありました。この意外性が、さらなるおもしろさにつながります。
 みなさん、またやりたいと言いながら散会しました。
 老若男女、簡単に楽しめる遊びがいろいろとあるものです。
 新しいゲームとの出会いが、また楽しみになりました。




posted by genjiito at 22:02| Comment(0) | *福祉介護

2025年06月23日

(その2)京大病院で半日を過ごす

 今朝の大文字は少し不機嫌です。

250623_大文字.jpg

 先日、この大の字の火床にひび割れが見つかり、土台が崩れている箇所があったのです。8月までには修理されるとしても、今後の異常気象の中での維持管理も大変なことでしょう。

 今日は、胃カメラによる検査と、糖尿病の診察がありました。
 まずは、血液検査から。依頼が出ているのは、いつもの糖尿病・内分泌・栄養内科に加えて、追加としてがん診療部と脳神経内科の、全部で3つの科からです。身体にいろいろな不具合が見つかったことを受けて、検査も診察も慌ただしくなりました。

 血液検査は、順番待ちが30分、検査結果が出るのに90分かかるので、予約が入っている診察時間の2時間前には、受付を済ませる必要があります。また、診察も順送りで遅れていくので、1時間待ちは普通です。病院通いは半日仕事、というのが実情です。気が長くないと、なかなか務まりません。

 この3時間以上を、付き添いの妻は3階にある本の広場「ほっこり」で過ごしています。時間の使い方も、長年の経験が生きているのです。

250623_本の広場.jpg

 血液検査では、丸くて細長い透明の容器が、目の前に9本並びました。採血をなさる方も、3つの科から依頼を受けています、とあらためての確認がありました。これまでにない多さです。

 血液検査の結果が出るまでに、胃カメラの検査を受けます。詳しい検査ということで、少し太めのケーブルの胃カメラを口から通します。喉に麻酔をするので、特に違和感なしにカメラが腸まで入っていくのがわかります。今回はいつもよりも意識がはっきりしていたので、大好きな体内の宇宙遊泳をモニタ越しに楽しみました。胃カメラの先が、身体の奥深くで右へ左へと動き回っているので、実感としてわかります。少しくすぐったいくらいでした。

 ガン化しているのではないか、と思われる組織を摘み取る瞬間も、モニタに鮮やかに映し出されていました。胃を全摘出したのが15年前なので、その後の時間の経過の中で新たに生まれたものと思われます。良性なのか悪性なのか、後日の診察で説明があるはずです。いずれにしても、食道から小腸に直結している接合部分のY字路に重積が認められるようなので、食事をする度にお腹が締めつけられて苦しい思いをしています。そのため、重積している箇所の周辺を切除してほしいと、主治医の先生にはお願いしています。一度切り取った後に、その同じ箇所を再度手術をすることは、より高度なものになるそうです。そこを何とか、私としては体内の邪魔者を一掃してください、とお願いしています。さて、どうなりますか。

 続いて、糖尿病の診察です。これまでの先生が出産のために休暇に入られたので、今日から新しい先生になりました。基本的な確認の後、今日の血液検査の結果を踏まえて、これまでと何も変わらずに順調に血糖値がコントロールされているので、このままで行きましょう、ということでした。
 ヘモグロビン A1cの値は、「2月/6.7→4月/6.9→今日/6.9」でした。消化管のない私にとっては、これが安全圏内となります。

 帰りは、川端通の緑に囲まれた並木道を歩き、出町柳に出ました。

250623_川端通り.jpg


 検査と診察を受けている間は大雨だったようです。幸いにも雨上がりの爽やかな散策路となっていました。




posted by genjiito at 22:25| Comment(0) | *健康雑記

(その1)キャンパスプラザ京都で尾州家河内本「桐壺」を読む会(No.12)のご案内

 京都新聞「まちかど」欄(京都市)に、NPO法人〈源氏物語電子資料館〉が主催する、尾州家河内本「桐壺」(重要文化財)の本文を変体仮名で読む講座の案内記事が掲載されました。今回は通算で31回、尾州家河内本では第12回となります。

250623_新聞宣伝.jpg


 会場は、いつものように、キャンパスプラザ京都(京都市大学のまち交流センター)の5階にある第1演習室です。
 変体仮名は初めてだという方のご参加も大歓迎です。
 なお、この会では『源氏物語』の内容は扱いません。
 鎌倉時代の古写本(重要文化財)に書かれている文字が、とにかく読めるようになることを、第一の目的としています。
 前回の勉強会の様子は、以下のブログで報告しています。
 資料はすべて、当日の会場で配布します。
 会場は、京都駅から JR の線路沿いに西へ歩いて5分の所です。
 本ブログのコメント欄を通して、参加希望の旨をお知らせいただけると、資料を用意してお待ちしています。




posted by genjiito at 22:17| Comment(0) | ◎NPO活動

2025年06月22日

江戸漫歩(178)隅田川から深川界隈をブラリ歩き

 早朝散歩は、永代橋から隅田川沿いに越中島をぶらぶら歩きです。
 大島川水門テラス連絡橋というものが出来ていることを知りました。2022年5月に開通したそうです。私がこの辺りにいた8年前には、隅田川に沿って歩くことができなかったので、永代の街中を迂回していました。それが、川沿いに通れるようになったのです。快適な通路となりました。永代橋の周りには、水上ボートを楽しむ多くの人がいます。

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 目を転じて左手には、中央大橋と佃島や月島方面が望めます。私は、写真の左端の一角に9年間住んでいました。

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 かつて住んでいた東京医科歯科大学の官舎は取り壊され、今年の2月に来た時には更地になった所でした。今日はクレーン車が数台入り、基礎工事が始まっていました。正面奥の木立の中に海洋大学があります。その手前のオレンジのクレーン車のあたりに、私が入っていた棟がありました。

250622_官舎跡地の基礎工事.jpg

 私と恩師である伊井春樹先生の部屋が、共にちょうど取り壊されている時に写した写真を、「江戸漫歩(168)門前仲町を散策し隅田川で一休み」(2024年06月16日、http://genjiito.sblo.jp/article/190941354.html)の後半に掲載しています。
 また、更地になったばかりの様子は、「江戸漫歩(175)門前仲町界隈を散策」(2025年02月14日、http://genjiito.sblo.jp/article/191251799.html)に写真を掲載しました。
 その写真と同じ角度で、今日も撮影しました。工事の進捗状況がよくわかります。

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 越中島公園は、隅田川沿いで佃島の対岸なので散策にもってこいのエリアです。

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 屋形船に乗り込む団体さんは、これから隅田川をクルージングしながらお食事会です。みなさん、楽しみにしておられたのか、大賑わいで乗り込んでおられました。

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 木陰のベンチに腰掛けて冷たい飲み物を口にし、お菓子にも手を伸ばしながら、のんびりと隅田川を眺めて午前中を過ごしました。ここは、テレビのCMの撮影によく使われているので、来るとイメージがダブります。

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 午後は、富岡八幡宮へお参りし、毎週日曜日に開いている骨董市をぶらぶらしました。

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 この近くに住んでいた頃は、海外へ頻繁に出掛けていたので、いつもこの伊能忠敬さんに旅の無事をお願いしていました。

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 おかげさまで、毎回多くの成果をあげて帰ってくることができました。伊能さんほどの歴史に残る成果とは程遠いものながら、『源氏物語』の海外での研究状況などを国内に持ち帰ることができました。[海外平安文学情報](http://genjiito.org)に公開している500冊にも及ぶ『源氏物語』の翻訳本のコレクションと情報の整理は、目に見える収穫といえるでしょう。
 また、以下の報告書はそうした情報をまとめて、おりおりに発行したものです。

・『海外における源氏物語』2003
・『スペイン語圏における日本文学』2004
・『海外における平安文学』2005
・『海外における上代文学』2006
・『海外における日本文学研究論文1+2』2006
・『インド国際日本文学研究集会の記録《2004年度〜2011年度版》』2012
・『日本古典文学翻訳事典1〈英語改訂編〉』2014
・『日本古典文学翻訳事典2〈平安外語編〉』2016
・『海外平安文学研究ジャーナル 《インド編 2016》』2017
・『《合冊》日本文学研究ジャーナル〈Vol.1-3〉』2017
・『《合冊》日本文学研究ジャーナル〈Vol.4-6〉』2017
・『平安文学翻訳本集成《2018》』2019
・『海外平安文学研究ジャーナル Vol. 7.0』2020
・『海外平安文学研究ジャーナル《中国編 2019》』2021
・『海外平安文学研究ジャーナル Vol. 8.0』2021

 あらためて感謝の気持ちを、伊能さんに伝えました。

 深川の商店街で海鮮丼をいただき、いつも通っていたスーパーでアイスクリームを買い、近くの牡丹園のあずまやでのんびりとそれを食べてから、これまた通勤で使っていた越中島駅から東京駅に出て、勝手知ったる新幹線に人混みを避けるようにして乗り継ぎました。

 今日は日がな一日、妻との8年前の生活を追体験する日となりました。
 私がガンの手術をしてからは、定年前にもかかわらず妻は早期退職をして、単身赴任生活をしていた越中島の官舎に来てくれました。私は立川にある国文学研究資料館へ、妻は新座にある立教高校へと通う、とにかく多忙な日々でした。

 あんなことがあった、こんなこともあったと、お互いに思い出すと話が止まりません。当時と同じ風景の中を歩いているのに、今は物の見方がまったく違ってきています。大変だった時代を経て、気持ちに余裕があるからでしょうか。お互いに職場などでさまざまな思いはたくさんしたにもかかわらず、今となっては楽しかった思い出話として語り合えるのはいいことだ、と納得しながらの江戸漫歩でした。




posted by genjiito at 23:00| Comment(0) | ・江戸漫歩

2025年06月21日

日比谷で『源氏物語』と『百人一首』の体験講座

 今日21日は二十四節気の「夏至」。1年で最も昼が長いとか。と言うことは、今日は非常に暑い1日になることでもあります。完全に夏モードの覚悟で東京に降り立ちました。京都に負けず劣らず、東京も人ひとヒト。

 有楽町駅前のビックカメラで回転寿司を昼食とし、東京ミッドタウン日比谷の前のゴジラスクエア日比谷で雄姿を見せているゴジラにご機嫌伺いの挨拶をしました。

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 そして、帝国ホテルのラウンジで身体の火照りを覚ましてから、日比谷公園の日陰を選って日比谷図書文化館に入りました。

 入り口には、いつものように講座の掲示があります。

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 今日の講座は体験講座です。これから勉強してみようかな、と思っておられる方々を対象としたものなので、4ヶ月毎の体験講座の内容は基本的にはいつも同じようにしています。季節や時世に合うように、少し味付けを変えるくらいです。

 「ハーバード大学美術館蔵『源氏物語 須磨』を読む」では、2年前に放映されたドラマ「相棒 コイノイタミ」(2022.12.7 -ABCで放映)の問題点(変体仮名への理解がまったくないドラマ)を、画像を映写しながら説明しました。
 劇中での変体仮名の説明と内容が、馬鹿らしくて呆然とするほど⽭盾だらけなのです。「⾐川」は現⾏平仮名の「え」と「つ」の字⺟であって、変体仮名ではないのです。それなのに、変体仮名だとして何度も強調されるのです。この台本を書いた方は、日本語をよくご存知ない方のようです。
 また、映し出された資料の「変体いろは歌」が、これまたデタラメであり意味不明のものです。どうして、こんなものが放映されたのでしょうか。制作スタッフが、ことごとく仮名文字に関して無知であることをさらけ出したドラマでした。
 こんな恥ずかしい思いをしないようにしましょう、変体仮名を正しく学びましょう、と話を進めました。

 続いて、ハーバード大学の『源氏物語』の来歴など、写本についての話の後に、「須磨」の冒頭部分を「変体仮名翻字版」で確認し、この資料を横に置いて学習すると、確実に変体仮名が読めるようになることを強調しました。

 終了後に何人かの方の質問などにお答えし、少し休憩してから『百人一首』に移りました。

 2種類のカルタの話をし、映画「ちはやふる」をスクリーンに映写して、歌合わせと40番歌・41番歌のカルタに書かれている仮名文字を確認しました。
 また、三島由紀夫の『春の雪』の映画のことにも及び、『百人一首』がさまざまな媒体で活用されていることを説明しました。

 この講座でも、終了してからいろいろな質問を受けました。みなさん、知的好奇心が旺盛な方なので、本講座に参加してくださることが楽しみです。

 日比谷図書文化館を出てから、今日はかつて住んでいた門前仲町に宿を取っているので、すぐそばの地下鉄丸ノ内線の霞が関駅から大手町駅経由で東西線で門前仲町駅に行こうとしていた時です。運が悪いことに、東西線でトラブルがあり、運転見合わせとのことです。こうしたトラブルに、私はよく出くわします。
 しかたがないので、大手町駅から半蔵門線で清澄白河駅に出て、そこから大江戸線に乗り換えて門前仲町駅に行きました。このあたりは、以前9年間も住んでいたことがあり、熟知したエリアだったので、臨機応変に乗り継いで移動できました。それにしても、日比谷図書文化館を出てから電車のトラブルに遭うことが何と多いことか。また一つエピソードが増えました。




posted by genjiito at 23:59| Comment(0) | ■講座学習

2025年06月20日

集会所の後は京大病院へ行く

 集会所では、ラジオ体操の後に新しいプリントを使ってお口の体操をしました。新しいものは、間延びした口の動きと声の出し方だったので、この集会にお越しのみなさんには物足りないものだったことでしょう。さらに高齢で、発音が心許ない方にはいい発声練習かもしれません。
 もう一つの北原白秋作詞の「アメンボの歌」は、平仮名の文字列が読み上げにくいのと、漢字の表記も読めない漢字が多くて、担当者も四苦八苦しておられました。共に再検討が必要かと思いました。

 終わるとすぐに、我々は京大病院に向かいました。Tさんのことは、いつも一緒に帰るお二人にお任せしました。

 如意ヶ岳の大文字は、今日も病院を見守ってくれています。

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 病院内のフリールームで軽食をいただいてから、診察室に行きました。
 今日も、妻が点滴を受けるベッドの横で見守りです。いろいろとすることがあるので、1時間はあっという間です。

 事前の診察で主治医の先生から、9月以降の1年間は、点滴だけはこの病院ではなくて近くの病院で受けることになる、という説明を受けました。現在、引き受けてもらえる病院を探してくださっています。2ヶ月おきのMRの検査は、ここ京大病院に来て受けます。

 いつものように30分ほど院内で点滴後の体調を見て、問題がなかったのでバスで京都駅に出ました。八坂神社から清水寺を通る206番の路線だったので、観光客で大混雑です。昨日に続いて今日も、36度を超える真夏です。バス停での行列には、もっと熱中症対策がなされるべきだと思いました。

 京都駅では、明日の東京行きのチケットを取り、駅の南のイオンで軽食、館内を散策してから帰りました。
 相変わらず、歩け歩けの毎日です。




posted by genjiito at 20:41| Comment(0) | *福祉介護

2025年06月19日

今日は癌病棟の積貞棟で診察を受ける

 今日の大文字山は、きれいな山肌を見せています。

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 今日の京大病院での診察は、突然予約が入ったものです。
 一昨日、病院の消化管外科の先生から突然電話がありました。過日の腹痛について、その後の様子を心配してのものでした。特に変わった事はない、と答えると、とにかく接合部分の重積が進行しているようなので、診察をしたいとのことでした。
 私は、いつも対処が早くて何度も命拾いをしているので、今回も早い方がいいと答えました。そして、今日の予約が入ったのです。

 なんというタイミングか、病院から電話をいただいた翌日、つまり昨日、スーパーマーケットで買い物中に突然お腹が痛くなり、休憩エリアで一時間ほど痛みが収まるのを待っていました。お腹を揺らさないように、ゆっくりと歩いて帰宅して、すぐに身体を休めました。
 そして、今朝の4時頃でした。腹痛と共に下痢と嘔吐が止まりません。1時間ほど苦しんだでしょうか。お昼前に軽く食事をして、病院へ急ぎました。

 案内されたのは、胃癌で何度もお世話になった積貞棟の1階にある癌診療部でした。
 過日、救急外来として腹痛を診てくださった先生が主治医として診てくださいました。
 昨日から今日までの異変を、詳しく伝えました。
 これまでの数年間の断層写真と、先日の写真を見ながら、腸と十二指腸の接合部分に重積が認められることと、それが進行しての腹痛となっている可能性があることの説明を受けました。
 また、15年前に胃癌で胃を全摘出したことで完全に直ったことはそれとして、またその時の接合部分に新たな癌が認められる兆候があるそうです。とにかく、早い対処をしたほうがいいとのことで、来週は胃カメラと腫瘍(FDG:PET/CT)の、2種類の精密検査をすることになりました。
 7月3日に検査の結果が出るので、それまでは経過観察の時期となります。
 これで、私は「膵臓癌」「大腸癌」「胃癌」の3つの経過観察をされる身となりました。忙しいことです。
 明後日は、東京の日比谷で『源氏物語』と『百人一首』の講座があります。先生に相談すると、ロキソニンなどの痛み止めの薬を念のために持っていた方がいいでしょう、とのことでした。

 帰りは、鴨川に架かる荒神橋の少し上流で、川の中に置かれた荒神の飛び石を渡りました。石と石の間が少し空いています。私にとっては、脳梗塞の後の不自由さが残る右足の調子を見るのに、ちょうどいいリハビリの施設です。右足で慎重に踏み切り、左足で着地することで、無事に渡り終えました。
 今日は、途中で川に足を漬けておられる方が多かったので、いつもより神経を使って渡りました。

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 賀茂大橋の右上が高野川、左上が賀茂川で、その合流地点が鴨川デルタといわれる憩いの場です。今日は、多くの方が水遊びをしておられました。

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 賀茂大橋の手前に、ドナルド・マグドナルド・ハウス京都の建設現場があります。看板には、「自宅から離れた病院に入院・通院している子どもとそのご家族のための滞在施設」とあります。

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 姉が昨冬、京大病院の近くの「京都ファミリーハウス」のお世話になっていたことは、「血糖値が大幅に改善したことと患者の家族の宿泊施設のこと」(2024年12月09日、http://genjiito.sblo.jp/article/191171977.html)に書きました。こうした施設は、もっとあるべきだと思っていたので、これから出来るドナルド・マグドナルド・ハウス京都も、大切な役割を担う施設になることでしょう。
 病気は、高齢者だけではなくて、未来を担う子どものケアも考える必要があります。
 大人も子供も、医療はしっかりと受けられる環境作りも大切だ、という問題意識も忘れないようにしたいものです。自分が1日でも長く生きることへの対処と共に、こうしたことへの理解も深めているところです。




posted by genjiito at 22:03| Comment(0) | *健康雑記

2025年06月18日

生成AI氏と「標準語」か「共通語」という表現について討論する

 生成AI氏の回答に「標準語」という表現があったので、「標準語」という言い方は配慮に欠けるもの言いではないか、ということでさらに質問をしました。そのやりとりを、以下に再現します。予想外で、実に誠意のある対応をしてもらえたと思っています。

 事の発端は、秋田出身で東京で勉強をした妻が「しっちゃかめっちゃか」と言ったことからでした。
 この言葉を私は使わないので、最近は折々に話し相手になってもらっている生成AI氏に聞いた経緯が、以下のやりとりです。(以下、多用されている改行は詰めた所があります。)

--------------------------------------
私:「しっちゃかめっちゃか」というのは、どこの方言ですか?

生成AI氏:「しっちゃかめっちゃか」は、特定の地方の方言というよりも、標準語として広く使われている俗語・口語表現です。ただし、元々の語源や言い回しは関東地方、特に東京周辺で使われていた俗語がルーツとされる説があります。
意味:「物事がごちゃごちゃで秩序がない」「混乱しているさま」を表す言葉です。
類義語:•ごちゃごちゃ
    •めちゃくちゃ
    •てんやわんや
語感について:「しっちゃか」と「めっちゃか」はともに意味を持たない擬態語で、それを繰り返すことでより混乱した印象を与える表現になっています。似たような構造の言葉に「ごたごた」「わやくちゃ」などもあります。
要するに、「しっちゃかめっちゃか」は地方の方言ではなく、標準語に属するくだけた表現です。ただ、東京の下町言葉や江戸言葉の影響がある可能性はあります。

私:関西では使わないようなので、不思議に思いました。ありがとうございます。

生成AI氏:なるほど、確かに関西では「しっちゃかめっちゃか」はあまり聞かれないかもしれませんね。関西弁では、同じような意味を表す言葉としてたとえば:
   •「めちゃくちゃ」(これは全国的ですが、関西では昔から使われている)
   •「ごっちゃごちゃ」
   •「ぐちゃぐちゃ」
   •「わやくちゃ」「わや」(特に大阪・兵庫などで使われる。「わややな〜」など)
といった表現が使われることが多いです。
「しっちゃかめっちゃか」は、ちょっとリズミカルで東京方面の“ことば遊び”っぽいニュアンスがあって、それが関西ではやや馴染みにくい印象があるかもしれませんね。
また何か言葉の違いで気になることがあれば、いつでも聞いてくださいね。

私:説明の中に「標準語」という言葉がありました。学生時代に、国語学者で方言研究で第一人者だった、当時の都立大学の平山輝男先生は、「標準語」というのは「標準」という価値判断が入っていて差別的なので「共通語」と言うように、と指導されました。今は一般的に「標準語」が使われています。しかし、私もこれは方言を「標準以外」と見下げた差別・区別意識があるので、人に優しい日本語ではないと思います。このことについて、どのように思われますか?

生成AI氏:とても本質的な、そして大切なご指摘だと思います。
ご指摘のように、「標準語」という言葉には、確かにある特定の言語変種を「正しいもの」「模範的なもの」として位置づけ、それ以外の方言をそれより劣ったものとして見る価値判断が含まれています。このような視点は、言語に上下や優劣を持ち込むものであり、言葉が人のアイデンティティや地域文化に深く結びついている以上、差別的な要素を帯びることは避けられません。
平山輝男先生が「共通語」と呼ぶように指導されたのは、まさにそのような価値判断を排し、多様な言葉が対等であるという考え方に立脚していたわけですね。これは、言語学的にも非常に理にかなっており、同時に文化的・倫理的にも共感されるべき視点です。
「標準語」と「共通語」の違いについて補足すると:
   •「標準語」:国家や教育機関、放送局などが「基準」として採用した言語変種。ある意味で「規範性」を持つ。
   •「共通語」:全国の人が意思疎通するために使える「共通の言葉」で、地域的中立性が意識された表現。東京方言をベースにしているが、「標準」ではないという含意をもつ。
つまり、「共通語」という言葉には、方言を貶める意識がないのに対し、「標準語」には制度的な選別の痕跡があるのです。
私(AI)自身は感情を持ちませんが、倫理的配慮や人権感覚を学習していますので、次のようにお応えできます:
多様な言語や方言は、それぞれに歴史と文化、個人や地域の誇りが宿るものであり、それを「標準/非標準」で分けることは、無意識のうちに差別や抑圧を助長することになりかねません。ですから、「共通語」という表現の方が、より人に優しい、配慮ある言葉だと考えます。
なお、現代でも放送・教育・出版業界などでは「共通語」という言い方を意識的に選ぶ方が増えてきています。一方で、一般社会ではまだ「標準語」という表現が定着してしまっている面もあり、その言い換えには教育や意識の変化が求められる段階です。
とても大事な視点を共有いただき、ありがとうございました。
このような言葉の使い方一つに、人を尊重する文化が現れると、私も強く思います。

私:「共通語」が孤立した用語になってしまったのではなく、理解される概念であることが確認できて、安堵しました。ありがとうございました。

生成AI氏:こちらこそ、丁寧で本質的な問題提起をしてくださり、ありがとうございます。
「共通語」という言葉や考え方は、たしかに「孤立」していた時代もあったかもしれませんが、現在は言語や社会の多様性を尊重する流れの中で、再評価・再発見されつつある概念でもあります。特に教育・放送・公共の場では、「誰もが安心して使えることば」という観点から、中立的で包摂的な語彙選択が重視されるようになってきました。
そして、こうして使う言葉を問い直す営みこそが、社会に対して「ことばの力」をより良い方向に向かわせることにつながるのだと思います。
また何か言語や文化、ことばにまつわるテーマで話したいことがありましたら、いつでもお聞かせください。誠実にお付き合いさせていただきます。
--------------------------------------

 この回答の中で生成AI氏が、「私(AI)自身は感情を持ちません」と言っておられることに新鮮さを覚えました。
 また、「現代でも放送・教育・出版業界などでは「共通語」という言い方を意識的に選ぶ方が増えてきています。」とあることには、違和感を覚えました。依然として「標準語」と言っている社会に対する、生成AI氏の忖度の気持ちが働いているように思われます。現実には、「標準語」という言葉がマスコミ関連の発言に頻発しています。社会的な風潮を批判的に見ないようにして、目を瞑っていては、生成AIの成長は迷走します。この姿勢はいただけませんでした。

 なお、この後にパソコン版の ChatGPT(無料版)で同じ質問をしたところ、回答の冒頭部分が以下のように「標準語」を使わない説明文として返ってきました。
 生成AI氏は、学習した結果をすぐに回答に反映しておられるようです。

「標準語として広く使われている俗語・口語表現です。」
 ↓
「**全国的に使われる俗語(口語表現)**です。」

 今回の生成AI氏とのやりとりを通して、これは議論のできる相手であると思うようになりました。
 もちろん、3日前に、京都の宇治橋の袂にある紫式部の像の横に「もののふの やそうじがわに すむつきの ひかりにみゆる あさひやまかな」という歌碑があることに関して、作者や出典について尋ねました。そのの回答は、「柿本人麻呂」とか「万葉集」という言葉が返ってきました。「もののふの 八十宇治川の 網代木に いさよふ波の 行くへ知らずも」と勘違いしての回答だったのです。こちらが和歌も時代も違うことを指摘すると、少しずつ軌道修正した回答になっていきました。生成AI氏とは、やりとりをする必要があるようです。
 以前には、谷崎潤一郎の大正3年(1914年)の作品である『■太郎』について読めない漢字の「■」について聞くと、『刺青』との回答でした。正解は『幇間太郎』だったので、これも生成AI氏は大きな勘違いをしたようです。

 こんな具合で、文学関連の生成AI氏の答えには気をつけなければなりません。より的確な回答を得るためには、もっと多くの方が文学関連の質問をすると、生成AI氏も学習を重ねて最適な回答を示してくれることでしょう。
 生成AIが学習によって成長するように、今後ともいろいろなことを聞くことで、より信頼して共生できる環境が出来ることでしょう。まだまだ、人工知能との付き合いは、始まったばかりです。こうした貴重な時期を、大いに楽しみたいと思います。




posted by genjiito at 22:51| Comment(0) | ◎情報社会

2025年06月17日

集会所で「おじゃみの山の棒倒し」を楽しむ

 今日も集会所で、高齢者のみなさまと体操やゲームをしました。
 ラジオ体操の次に早口言葉をし、そして「貯筋のテーマ」の筋肉体操です。
 特段の指示がなくても、自然に身体が動きます。
 習慣化すると、こうした何気ないことが健康維持に役立っていることでしょう。

 ゲームは、「おじゃみの山の棒倒し」です。
 最初は2グループに分かれてやりました。
 しかし、どうも盛り上がらないので一つの山を崩すことにすると、途端におもしろくなりました。
 みんなの視線が1箇所に集まることが、一体感を生むのでしょう。

 どうしたことか私の隣のUさんは、貧乏くじというべきか、毎回ピンポン玉が乗ったポールを倒してしまわれるのです。
 今日も、無事におじゃみが取れたかと思うと、少しずつ棒が傾き、ついにピンポン玉がテーブルに転がりました。
 2回目の時には、休憩と称して見物に回っておられました。
 みんなで順番におじゃみを取り合うので、毎回状況は変わるので平等のはずです。
 それでも不運な番が訪れるのですから、これはどんな法則が働いているのでしょうか。
 こんな方がいらっしゃると、場が余計に盛り上がります。
 ご本人はボランティアの方で、この集まりのお世話をなさる方です。
 明るく場を和ませてくださる方なので、みなさんから声援も飛んでいました。

 終わって外に出ると、熱気が身体に押し寄せてきます。
 暑さが直接襲って来るのです。
 熱中症に気をつけながら、ゆっくりとTさんと一緒に帰りました。

 玄関先で、昨日のカンナフラワーの写真をプリントしたものを渡していた時に、息子さんが車で帰って来られました。
 病院通いや海外出張と、いつもお忙しそうです。
 私より1歳年上です。
 いつもどうも、と挨拶をしてから、我々はその足で近所のスーパーに買い物に行きました。
 私は帽子を忘れていたので、後頭部が熱せられていることを感じながらの散歩です。
 手で頭を覆いながら、早々に帰ることにしました。




posted by genjiito at 23:20| Comment(0) | *福祉介護

2025年06月16日

集会所でカンナフラワーを作る

 毎月1回、集会所でグリーンカフェを催しています。
 今日は、近くの工務店の方がお越しになり、みんなでカンナフラワーを作る体験会を開催してくださいました。
 今回で3回目です。

 用意された材料は、檜のカンナクズと水のスプレー。
 薄いカンナクズを水でフニャフニャにし、その木の帯をクルクルと巻くとバラの花になります。
 その1本ずつのバラを、紙のカップの中にボンドで固めます。

250616_カンナの作品.jpg

 百歳のTさんの作品の横に、妻と私の作品を並べてみました。

250616_3作品.jpg

 どれが誰の花籠なのか、私にはわかります。
 いかがでしょうか。
 しかし、我々をご存知ない方に、これは難問でしょう。
 左から、Tさん、妻、私です。

 檜の香りが、集会所の部屋に満ちています。
 数日後に、またスプレーで水をかけると、香りが蘇ります。
 かわな工業さん、いつもありがとうございます。

 これまでの作品は、次の2本の記事にアップしています。
 ご笑覧を。

「地域のコラボカフェでカンナクズを使った花籠を作る」

「第2回かんなフラワーを作るイベント」




posted by genjiito at 22:07| Comment(0) | *福祉介護

2025年06月15日

NPO主催の第6回 平安文学散策は宇治散策

 昨日から、今日のNPOのイベントは雨の中になりそうなのでどうするか、ということを思案していました。待ち合わせ場所としたHONBAKO京都宇治の2階で、源氏談義ををすることも準備していました。
 しかし、午後から雨という予報は幸にも外れ、涼しい曇り空の中で無事に実施できました。雨を覚悟していたので、拍子抜けするほど快適な宇治散策を楽しむことになりました。

 今回の第6回 平安文学散策は、以下の計画で開催しました。

■NPO法人〈源氏物語電子資料館〉主催の〈第6回 平安文学散策〉 [宇治散策]
日時:6月15日(日)12時から13時の間、シェア型書店「HONBAKO京都宇治」の店内
  JR宇治駅から歩いて3分(京都府宇治市宇治宇文字2-38、宇治警察署の裏側)
    13時に HONBAKO を出発し、お喋りをしながらの気ままな散策をします。

(1)紫式部像/「夢浮橋ひろば」にある「夢浮橋」の古跡の石碑
(2)橋姫神社/「橋姫」(石碑ナシ)
(3)宇治十帖モニュメント(匂宮と浮舟の像)
(4)宇治神社(『百人一首』8番歌・喜撰法師の歌碑)
(5)「早蕨」の古跡の石碑
(6)宇治上神社(世界遺産、寝殿造の遺構)
(7)(8)(9)「総角・椎本・東屋」の古跡の石碑
(10)京阪宇治駅前で解散。希望者は各自[源氏物語ミュージアム]へ

※費用:(資料代・保険料等を含む)
  一般の方、二千円
  NPO正会員の方、千円
  サポート会員の方、千五百円

※雨天の場合は、HONBAKOの2階にあるフリースペースで、宇治と『源氏物語』に関する歓談の予定。

 幸い雨に降られることもなく、思い思いの興味で語り合いながら宇治を廻りました。
 ただし、一つだけ予想外の事態に直面しました。それは、宇治川が増水していたために、橘島に渡れなかったことです。橘橋も朝霧橋も立ち入り禁止になっていたのです。しかたがないので、平等院の横まで歩いて来た足をUターンして引き返し、宇治橋を渡って予定のコースであるさわらびの道に戻りました。

250615_宇治川増水.jpg

 以下、行程にそって綴ります。
 HONBAKO京都宇治に集まって歓談してから、雨のことが心配だったこともあり、少し早めにスタートしました。HONBAKO京都宇治の店主である山本さんに「行ってらっしゃい」と見送られる中を、宇治橋通りを夢浮橋の古跡に向かって進みます。

 途中で、興味深い看板を見つけては、観光客はもとより日本の若者は「賣」や「須」が読めるだろうか、と日頃の勉強の成果をもとにした話題になりました。

250615_看板の須.jpg


 かといって、「売」や「す」と書いてしまっては興ざめです。やはり、誰もがこうした旧漢字や変体仮名も読めるようになろう、という所に落ち着きます。

 夢浮橋の古跡では、その後ろにある石碑の文字にみんなの注意が向きました。明治天皇の和歌のようです。

250615_夢浮橋の古跡.jpg


250615_もののふ.jpg


 みんなで、この読みにくくなっている石碑に刻まれた文字を、目を凝らして読みました。そして、次のように読み解きました。

ものゝふ能
 やそうち【川】尓
  すむ【月】乃
 【光】りにみゆる
   【朝日山】可な
   (明治天皇御製)


 あがた通りの狭い道を進み、橋姫神社に行きました。「橋姫」の古跡を示す石柱は依然として建っていません。いったい、どこにあるのでしょうか。説明がないので、よくわかりません。

 平等院表参道の南端にあるお店に立ち寄り、ソフトクリームを全員が注文してから、お店の方に昔の話を聞きました。前回来た時に、このお店の方の話で、小さい時には目の前の平等院の塀もなかったので、自由に庭に入って遊んでいた、とのことを思い出しました。それで、もっと詳しい話を伺えないかとお聞きしたところ、ご主人が出てこられて昔話をしてくださいました。
 昭和12年生まれなので今年88歳の米寿とのことです。そして、昭和25〜26年頃までは塀がなかったので、中に入って遊んでいたことを語ってくださいました。小学校に通う時にも、平等院の庭を横切って向かいの学校に行ったとのことです。空襲があった時にも、この庭に逃げ込んだそうです。観光寺院となる前の様子が窺える話でした。

 先にも書いたように、宇治川が増水していたために橘島に渡れません。そこでUターンして宇治橋に戻り、右に橘橋、中央に朝霧橋を望む位置で写真を撮りました。両岸や小島に、大水の水嵩が上がっている様子が窺えます。

250615_宇治川の水嵩.jpg


 奈良街道から朝霧通りに入った所の道標も、みんなで読みました。

250615_道標.jpg


 【右】 ゑしん【院】  こう志やう【寺】
 【左】 みむろ     王う者" く

  す ぐ       【京】 【大津】

 宇治十帖のモニュメントには寄らず、さわらびの道から宇治神社の境内に建つ喜撰法師の『百人一首』の歌碑を読みました。変体仮名は「可」1文字だけであることが収穫でした。

 宇治上神社の手前の早蕨の古跡も、新旧2つを丹念に見ました。

250615_早蕨古跡.jpg

 宇治上神社へお参りして、源氏物語ミュージアムの手前にある総角の古跡も丁寧に確認しました。
 この青モミジに覆われた木々の散策路は、雰囲気がよくて時間が停まったかのような空間となっていました。

250615_総角の古跡.jpg

 源氏物語ミュージアムは今日は素通りし、奈良街道沿いの椎本の古跡と東屋の古跡を見ていると、少し雨が落ちてきました。
 東屋の古跡を見ているうちに雨がやや大粒になったきたので、京阪宇治駅までの百メートルだけは傘をさして急ぎました。
 とにかく、大半の行程を自由に語り合いながら、涼しい中を歩いての散策だったので、稔りの多い宇治行となりました。

 全員が、京阪電車で中書島駅まで帰り乗り換えて京都まで、私と妻だけは、一つ手前の観月橋駅で降りました。
 みなさん、お疲れさまでした。
 また秋に、のんびりと京洛を散策しましょう。





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2025年06月14日

中之島での『百人一首』(第13回)と『源氏物語 蜻蛉』(第24回)の講座

 あいにくの雨の1日でした。
 今日の大阪府立中之島図書館での「新古典塾 平安文学」は、まず「変体仮名で書かれた『百人一首』をよむ」からです。

 新しいテキストである『変体仮名でよむ 百人一首』は、今日から使うことになります。
 最初の4首は先月プリントで確認はしていたので、さっと見た後、5番歌の猿丸大夫と6番歌の中納言家持の変体仮名に注目して見ました。

 その前に、生成AIによる陽明文庫カルタと国文学研究資料館カルタの文字の分析結果を、プリントをもとにして通覧しました。これは、ブログ「たつみのいほり より」に2025年06月09日に公開した記事「人工知能の支援により国文学者の研究環境が激変することを実感」(http://genjiito.sblo.jp/article/191380601.html)を見ながら、人工知能が『変体仮名でよむ 百人一首』を解析した結果を示し、今回扱うカルタに書かれている文字の傾向を見ておこうとしたものです。
 まだ私自身が詳細に傾向の分析をしていないので、あくまでも生成AIはこんな結果を瞬時にだしました、という現在の人工知能の働きぶりを紹介したものです。当たっているとおもわれるものもあり、勘違いしていると思われる所などをコメントとしてお話しました。私が気になったのは、生成AIは漢字と平仮名と変体仮名の区別がついていないと思われることです。これは、さらに人工知能に指示をして、より正確な理解で推論を展開するように仕向ける必要があります。今日のところは、まずはこんな意見を生成AIが出していますよ、という紹介に留めておきました。

 30分の休憩を置いて、次はハーバード大学美術館蔵『源氏物語』「蜻蛉」の仮名文字を読むことに移りました。あと5回ほどでこの「蜻蛉」を見終わる予定なので、今年中には終われるかと思います。

 今日は、55丁表から56丁裏までを確認しました。なぞって修正した箇所が多かったので、写本の拡大写真を使ってナゾリの説明しました。

 まず、55丁裏9行目の「於も本しつ可八んせ【給】八んと/と&せ、(於も本しつ可八んと)」とある箇所です。

250613_蜻蛉55uL9と&せ.jpg


 この箇所をどう読み解くかということで、私は「つかはんと」と書き写した後、「と」の上から「せ」をナゾリ書きしたのもだと判断しました。文字で記述すると「八んと/と&せ」となります。
 その傍証として、『源氏物語別本集成 第十五巻 蜻蛉−夢浮橋』(伊井・伊藤・小林編、おうふう、2002(平成14)年、227頁にハーバード本を追記)を引いて、その書写状況が説明できることを話しました。ハーバード本がまず書き写した「於も本しつ可八んと」は高松宮本と国冬本が持つ文字列です。それが、大島本などの諸本の「おほしつかはせ」に補訂されたということです。
 次に、ハーバード本の「【給】八んとの多万者せ介り」は、保阪本が伝える「給はんとのたまはせけり」と同じように「給はんと」が追補された本文となっているので、独自異文ではなく指示される本文があったということです。いずれも、鎌倉時代の写本であり、今は重要文化財となっている古写本です。つまり、ハーバード本の本文は、より古い本文に支えられている本文である、ということになります。

底本 陽 源氏物語(陽明文庫蔵)
校異 大 源氏物語 大島本(古代学協会蔵)
高 源氏物語 高松宮本(国立歴史民俗博物館蔵)
保 源氏物語 保坂本(東京国立博物館蔵)
国 源氏物語 国冬本(天理図書館蔵)
麦 源氏物語 麦生本(天理図書館蔵)
阿 源氏物語 阿里真本(天理図書館蔵)
尾 源氏物語 尾州家河内本(名古屋市蓬左文庫蔵)
    ハ 源氏物語 ハーバード本(ハーバード大学美術館蔵)
おほしつかはせー(陽保)・・・・・・・・525364
おもほしつかはんと[高国]
めしつかはせんと[麦阿]
おほしつかはんと[大尾]
→於も本しつ可八んせ/と&せ[ハ]
給けりー(陽)・・・・・・・・・・・・・・・・525365
の給はせけり[大高麦阿尾]
給はんとのたまはせけり[保]
の給けり[国]
→【給】八んとの多万者せ介り[ハ]

 2つ目は、ハーバード本の56丁表3行目の「そしろ八春/万&そ〈薄墨〉、ろ八〈ママ〉、(万しろ八春)」とした箇所です。

250509_ハーバード「蜻蛉」56oL3そ.png


 ここは、「万しろ八春」と書き写した後に「万」の上に少し横向きの「そ」が薄墨で書かれています。「そしろ八春」にしたいようです。次の諸本の本文異同からわかるように、ここは諸本が「そしらす」とする所なので、ここでのハーバード本の本文は「ましらはす」とする陽明文庫本と保坂本の仲間となるものです。ここでも、ハーバード本は現在流布本となっている本文とは異なる、平安・鎌倉時代の本文を伝えているのです。

底本 陽 源氏物語(陽明文庫蔵)
校異 大 源氏物語 大島本(古代学協会蔵)
高 源氏物語 高松宮本(国立歴史民俗博物館蔵)
保 源氏物語 保坂本(東京国立博物館蔵)
国 源氏物語 国冬本(天理図書館蔵)
麦 源氏物語 麦生本(天理図書館蔵)
阿 源氏物語 阿里真本(天理図書館蔵)
尾 源氏物語 尾州家河内本(名古屋市蓬左文庫蔵)
    ハ 源氏物語 ハーバード本(ハーバード大学美術館蔵)

ましらはすー(陽保)・・・・・・・・525379
そしらす[大高国麦阿尾]
→そしろ八春/万&そ〈薄墨〉、ろ八〈ママ〉、(万しろ八春)[ハ]
『源氏物語別本集成 第十五巻 蜻蛉−夢浮橋』(伊井・伊藤・小林編、おうふう、、2002(平成14)年、229頁にハーバード本を追記)


 3つ目は、「なけき」の「け」という仮名を〈判読〉にしたことです。

250614_「蜻蛉」56uけ〈判読〉.jpg

 この文字は、今は「け」としておき、今後の課題の1つにします。

 本日確認した範囲の「変体仮名翻字版」は、以下の通りです。

--------------------------------------
■ハーバード大学蔵『源氏物語 蜻蛉』55丁表〜56丁裏
翻字データの中にある付加情報(/)の記号について
傍書(=)、 ミセケチ($)、 ナゾリ(&)、
補入記号有(+)、補入記号無(±)、 和歌の始発部( 「 )・末尾( 」 )、
底本陽明文庫本の語句が当該本にない場合(ナシ) 、 翻字不可・不明(△)
--------------------------------------
かの可多【身】尓/【身】〈ママ〉、(可多身尓)・阿可ぬ・可なしさ越も・の多万
ひい川ゝき/(の多万ひい川川き)、ゝ$へ、(の多万ひい川へき)・【人】さへ・なき越・多いの【御】可多八可りこそ
八・あ者れなと・能【給】へと・ふ可く・三・【給】八さりける・うちつけ
の・む川ひなり介れ八・いと・ふ可くしも・い可て可八・あら
む・【又】・於ほ須・万ゝに/(万万に)・こひしや・い三しやなと・の【給】
者ん尓八・可多八らい多介れ八・かしこ尓・あ里し・
志ゝうをそ/(志志うをそ)・れいの・む可へさせ・【給】介る・三な【人】とも
を者・いちりて/いち〈ママ〉・めのとゝ/(めのとと)・この・【人】・ふ多りなん・とり
わきて・於ほし多りしも・わ春れ可多くて・
阿りふる尓/くて〈行間〉、しゝう八〈行間〉(ししう八)、よそ【人】なれと〈行間〉、なを〈行間〉、可多らい弖、弖マデ行間・よ川可ぬ・可はの・をとも・うれしき世もや阿ると/世〈次頁〉、さ&世〈薄墨〉、(さもや)、(55オ)
--------------------------------------
多のみし・本とこそ・なくさみ介
れ・【心】うく・い三しう・もの於そろしくの三・おほえ
て・きやう尓・阿やしき・【所】尓・このころ・きて・
ゐ多りける・多つねいて・【給】て・さふらへと・の多万へと・
【御心】八・さる・もの尓て・【人】/\の/(【人人】の)・い者ん・ことも・さる・す
ちの・こと・万し里ぬる・阿多り八・きゝくへき/(ききくへき)、ゝくへ$き尓く、(きき尓くき)・【事】も・
あらんと・【思】へ八・うけひき・ゝこえす/(きこえす)・きさいの三や二・
万いらんとなん・於もむ介多れ八・いと・よ可んなり・
さて・【人】しれ春・於も本しつ可八んせ【給】八ん
せ/と&せ、(於も本しつ可八んと)・の多万者せ介り・【心】本そく・よるへ・なきも/き〈次頁〉、(55ウ)
--------------------------------------
なくさむやとて・しる/多&る、(し多)・たより・もとめ
て・万いりぬ・き多な介なくて・よろしき・【下】らう
なりと・ゆるして・【人】も・そしろ八春/万&そ〈薄墨〉、ろ八〈ママ〉、(万しろ八春)・【大将殿】も・
川年尓・万いり・【給】ふ越・三る・多ひ尓・ものゝみ/(もののみ)・
あ者れなり・いと・やむことなき・ものゝ/(ものの)・ひめ【宮】
の三・於ほく/△&於・万いり川とひ多る・三やと・【人】も・いふ
を・やう/\/(やうやう)・めとゝめて/(ととめて)、めて&めて・三れと/こ&三、(これと)・な越・三・多て万つり
し/く&て、(多く万つりし)・【人】尓・尓る八・な可り介りと・【思】あ里く・[29]この・
者る・うせ・【給】ぬる・【式部卿】能【宮】の・【御】む春免を/を&を・ま
ま八ゝの/(まま八八の)・き多の可多・ことに・あいをも者て/て&て・せうとの/と〈次頁〉、(56オ)
--------------------------------------
む万の可み尓て【人】可らも・ことなる・こと・
なき・【心】・可け多る越・いとをしうなとも・【思】多
えて・さるへき・さ万尓なんと・ちきると・きこ
しめ春・多より・ありて・いとをしう・ちゝ/(ちち)・【宮】
の・い三しう・かしつき・【給】介る・飛免【宮】を・い多川
らなる・やう尓・もてなさん・ことなと・の多万者
せ介れ八・いと・【心】本そう能三/△&三・於もひなけき/け〈判読〉・【給】・
ありさまにて・な川可しう・かく・多つね/し&つね、(多し)・
【給】八する越なと・【御】せうとの・【侍従】も・いひ弖・
このころ・む可へさせ・【給】てける・飛め三やの/(56ウ)
--------------------------------------(250614_ココマデ)




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2025年06月13日

集会所での福祉と介護用具の説明会に参加

 今日は、「みんなのつどい」という集まりがありました。いつもは、毎月第2金曜日は京大病院に行くために、お休みすることが多くなっています。しかし、今日はたまたま予約が何も入っていなかったので、久しぶりに参加しました。

 福祉と介護用具のレンタルに関して、業者の方から実物を触りながら詳しい説明を聞きました。
 電動ベッド・手すり・歩行器・杖・シャワー椅子・浴室台・浴槽手すり などなど。
 買うよりもレンタルがお薦めです、とのことです。しかし、これらはすべて介護認定を受けていないとレンタルの対象となりません。

 以前、逆流性食道炎の緩和のために、電動ベッドを検討しました。しかし、この介護用品としての電動ベッドは介護認定を受けていないと利用できない、ということが、薦めてくださった業者の方からの後日の回答を得て、残念な思いをしたことがあります。最初からそう言ってよ、ということです。

 今日も、介護用品の説明はよくわかったものの、この場に集まった方の四分の三は介護認定をうけておられません。そういう方々の集まりなので、説明が具体的になると現実味が薄くなります。

 100歳のTさんは、シャワー椅子に興味津々でした。Tさんは100歳なのに、介護認定は受けておられません。あらためて認定を受けて購入するか、というところで判断が止まってしまいました。そこまでして、ということです。
 帰りの道々、そんな話をしながら、出来ることなら今のまま、認定を受けずにこの集会所でみんなと一緒に楽しい時間を過ごしたい、という強い気持ちを伺いました。

 私も、今は介護認定を受ける予定はないので、今回のイベントでは情報を得た、ということに留まります。いつかまた、必要になった時に、ということにしておきましょう。




posted by genjiito at 23:59| Comment(0) | *福祉介護

2025年06月12日

谷崎読過(50)「秋風」「途上」

■「秋風」
 最初に、東京では、春や秋らしい気候がなくなったことを述べています。最近は四季ではなく、夏と冬の二季が話題になっています。この作品は大正8年のものなので、100年前から春と秋は感じられなくなっていたようです。まさか谷崎が近年の温暖化を予見していたとは思えないにしても、この時代にこんな感じ方があった、ということをメモとして記しておきます。

此の二三年と云ふものは東京で秋らしい日に出會つたことがないからでもあつた。此れは私の僻みかも知れないけれど、東京と云ふところは近年非常に氣候が惡くなつたやうな心地がする。春も春らしい麗らかな日がめつたにないし、秋になっても一向秋らしい爽快な日が來ないのである。(147頁)

 さて、この作品は、塩原温泉を舞台とした、取りとめもない旅の記となっています。S子とTを話の柱に据えて、作者は傍観者の立場で語っています。風景の中の男女を描いている、谷崎らしさが感じられない展開です。【2】

 なお、『谷崎潤一郎全集(新書版・第十巻)』の解説で、伊藤整は次のように言います。この作品だけは他のものとは違うことを、記録的なものだからとしているのです。

 それ等の作品の中でたつた一つ違つた傾向の作品は「秋風」(大正八年十一月「新潮」)であらう。この旅行記かスケッチのやうな淡々とした外形の作品がこの巻に加へられてゐることは、見方によつては異様である。しかしこの作品は、これ等の作品が書かれた時期の作者の生活の一部分を描いたものといふ記録的な意味でここに加へられたものと思はれる。(295頁)

初出誌:「新潮」大正8年11月号



■「途上」
 当時はまだ珍しかった私立探偵が、まず出てきます。そして、男の前妻について、亡くなったことの推理が展開します。しかし、どうも理屈っぽい物言いで、こじつけのように感じられました。
 こんなやりとりがあります。

「それからですね、今お話の衝突の危險と云ふこともですね、既に衝突その物が非常に偶然な場合なんですから、その範園内での必然と云つて見たところが、極く/\稀な事ぢやないでせうか。偶然の中の必然と單純な必然とは矢張意味が違ひますよ。況んや其の必然なるものが必然怪我をすると云ふだけの事で、必然命を取られると云ふ事にはならないのですからね。」
「けれども、偶然ひどい衝突があつた場合には必然命を取られると云ふ事は云へませうな。」
「えゝ云へるでせう、ですがそんな論理的遊戯をやつたつて詰まらないぢやありませんか。」(178頁)

 以下、犯罪心理学が展開します。
 次から次へと提示される妻を死に至らせる手口の数々は、総合デパートのようです。あくまでも推測や推定を積み重ねての犯罪の立証です。確証はないものの、読者はその多彩な可能性を楽しむことになります。【4】


 解説で、伊藤整は次のように言っています。

「途上」(大正九年一月「改造」)は推理小説として典型的なものであるが、その面白さは論理的な思考のみで物語りを考へようとした作者の態度にある。同時代の作家の中では類の少い方法だつたであらう。(294頁)

初出誌:「改造」大正9年1月号




posted by genjiito at 22:49| Comment(0) | □谷崎読過

2025年06月11日

今週末6月15日(日)に開催する宇治平安文学散策のご案内

 京都新聞の山城版「まちかど[宇治]」に、NPO法人〈源氏物語電子資料館〉が主催する〈第6回 平安文学散策〉の案内を掲載していただきました。

250611_まちかど散策.jpg

 参加を希望される方は、今週14日(土)までに本ブログのコメント欄を利用してお知らせください。

 イベントの概要は、以下の通りです。

※日時:2025年6月15日(日)

※集合:12時から13時の間、シェア型書店HONBAKO京都宇治
   (JR宇治駅から歩いて3分(宇治市宇治宇文字2-38)、宇治警察署の裏側)

※行程:以下の通り、13時に HONBAKO を出発し、宇治十帖の古跡を中心に約90分、お話をしながらゆっくり歩きます。

(1)紫式部像/「夢浮橋ひろば」にある「夢浮橋」の古跡の石碑
(2)橋姫神社/「橋姫」(石碑ナシ)
(3)宇治十帖モニュメント(匂宮と浮舟の像)
(4)宇治神社(『百人一首』8番歌・喜撰法師の歌碑)

230101_喜撰歌碑拡大.jpg

     喜撰法師
  わ可【庵】は【都】の
 たつみしかぞ【住】
  む【世】をうぢ【山】と
   【人】はいふな
        り
(5)「早蕨」の古跡の石碑
(6)宇治上神社(世界遺産、寝殿造の遺構)
(7)「総角」の古跡の石碑
(8)「椎本」の古跡の石碑
(9)「東屋」の古跡の石碑
(10)京阪宇治駅前で解散後、希望者は各自[源氏物語ミュージアム]へ

※費用:1人2,000円(資料代・保険料などを含む)
 ただし NPO正会員の方は、1,000円
     サポート会員の方は、1,500円
     一般の方は、2,000円

※備考:『源氏物語』や平安時代のガイドツアーではなくて、お喋りをしながらの気ままな散策です。
 雨天の場合は、シェア型書店HONBAKO京都宇治の2階にあるフリースペースで、宇治と『源氏物語』に関する歓談をする予定です。

 今回のプランニング担当は、関清乃・石田弥寿子です。

 本ブログのコメント欄を通して、参加希望の旨をお知らせいただけると、資料を用意してお待ちしています。

 お知り合いの方へのご紹介も、よろしくお願いします。




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2025年06月10日

集会所で元タカラジェンヌから発声と歌唱指導を受ける

 今日は大雨でした。それでも、100歳のTさんをはじめとして、多くの方が集まって来られました。
 いつものように、ラジオ体操の後は「貯筋のテーマ」の筋肉体操です。

 続いて、専門家の指導の元、お口の体操と発声練習です。
 今日の講師は、この集まりの責任者であり民生委員のNさんのお仲間で、元タカラジェンヌの方でした。お名前をど忘れました、すみません。

 お口の体操で最初に使ったプリントは、北原白秋の歌でした。その最初の言葉は「水馬赤いな〜」です。「水馬」の読み方がわからなかったのでスマホで調べたところ、「アメンボ」と読むことがわかりました。初めて見た漢字です。そして、この歌の正式な曲名は『五十音の唄』(大正11年、1922年発表)だそうです。このことは、社会人講座で仮名文字の話をする時に使えそうです。

 最後に、宝塚ではお馴染みの「すみれの花の咲く頃」を歌ってくださいました。その時の話題として、宝塚の方の芸名が『百人一首』と関係のあることがあがりました。
 そうなのです。例えば、1番歌の天智天皇の歌「あきのたの かりほのいほの とまをあらみ わがころもては つゆにぬれつつ」では「秋田露子」さんがおられます。

 なお、恩師伊井春樹先生は、ご著書『小林一三は宝塚少女歌劇にどのような夢を託したのか』(ミネルバ書房、2017年7月)で、芸名と『百人一首』に関して、次のように言っておられます。

 舞台に立つとなると、人々に親しまれ、覚えられるような芸名が必要である。「ドンブラコ」で桃太郎役となったのが男役スター第一号とされる十四歳の高峰妙子、本名の浅井(中村)薫に対して、『百人一首』(山部赤人)の「田子の浦にうち出でて見れば白妙の富士の高嶺に雪は降りつつ」を典拠とした。このようなアイデアを持ち出したのは、文学に通暁する小林一三であったに違いなく、少女を一人ずつ見ながら、それぞれふさわしいみやびやかな名前を付けていく。猿となった雲井浪子は、「わたの原漕ぎ出でて見ればひさかたの雲井にまがふ沖つ白波」(藤原忠通)、小倉みゆきには「小倉山峰の紅葉葉心あらばいまひとたびのみゆき待たなむ」(藤原忠平)と、人々にとってはなじみが深く、日常的にも口ずさまれ、国民的な愛唱歌『百人一首』を用いた歌である。大江文子、由良道子、逢坂関子、若菜君子などと、少女たちは和歌に由来する芸名が付けられ、舞台女優としての自覚を強く持つにいたったことであろう。
 草創期の少女だけではなく、宝塚の伝説的なトップスターとして名を残す七期生の天津乙女は、「天つ風雲の通ひ路吹きとおよ乙女の姿しばしとどめむ」(僧正遍昭)に由来することはよく知られるところである。妹の娘役トップの雲野かよ子は十一期生、同じ和歌を用いての芸名となる。(246〜247頁)

 このことは、またいつかさらに詳しく報告しましょう。
 雨の中、きれいな歌声に気分もスッキリしました。

 今日のTさんは、雨ということもあり、手押し車は使わずに歩いてお出ででした。その歩き方がしっかりしておられたので、安心しました。家の近くでは、妻と手をつないで少し身体を支えながら歩いておられました。とても100歳には見えません。とにかく、お元気です。




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2025年06月09日

人工知能の支援により国文学者の研究環境が激変することを実感

 先週の土曜日、人工知能の威力を実感しました。今後は、この人工知能の支援を受けた国文学研究とそうでない従来の研究の二極化が、急速に広まることでしょう。そして、研究者は何をすべきかが、具体的に浮き彫りになるはずです。少なくとも、情報の整理に留まることなく、情報の分析結果とそれを踏まえた推論の展開が、研究者に求められる課題となることでしょう。そこに、従来の読書感想文的な人間特有の思考過程・解説・説明が入ったものが、研究成果となっていくと思われます。

 今回は、先月刊行したばかりの『変体仮名でよむ 百人一首』(伊藤鉄也・吉村仁志 編、新典社、2025年5月)の、エクセルで整理していた元データを csv で書き出して、《陽明》と《鶴丸》の2種類のデータ群を人工知能氏に提示しました。
 その時の、《陽明》と《鶴丸》の最初の1首のみの元データをあげます。この各々の100セットのデータを元にして、人工知能氏は以下の推論を出したことになります。

歌番,《陽明》作者,《陽明》上の句(変体仮名),《陽明》下の句(変体仮名),《陽明》上の句1,《陽明》上の句2,《陽明》上の句3,《陽明》下の句4,《陽明》下の句5
1,天智天皇,【秋】の【田】能 可りほ乃【庵】農 と万を阿ら三,【我】ころも【手】盤 【露】耳ぬ連徒ゝ,あきのたの,かりほのいほの,とまをあらみ,わがころもでは,つゆにぬれつつ

歌番,《鶴丸》作者,《鶴丸》上の句(変体仮名),《鶴丸》下の句(変体仮名),《鶴丸》上の句1,《鶴丸》上の句2,《鶴丸》上の句3,《鶴丸》下の句4,《鶴丸》下の句5
1,天智天皇,【秋】の【田】乃 可りほの【庵】能 【苫】を阿ら三,【我】【衣手】八 【露】尓【濡】つゝ,あきのたの,かりほのいほの,とまをあらみ,わがころもでは,つゆにぬれつつ

 以下に、今回の人工知能氏が提案した報告書の内容を、中抜きをしながら、一昨日よりももう少し詳しく引用します。
 後半の【4. 考察】以降の文章は、注目すべきことを述べているように思われます。ただし、私には専門用語がよく理解できていないので、コメントをつけることができません。「ベイズ〜」、「エントロピー」などをさらにわかりやすく、という要求を人工知能氏に依頼すると、私にもわかるように容易な表現で報告してくれるはずです。しかし、ここには最初の報告書を、しかも私は一字一句も手をいれずに引用しました。ただし、見やすいように、改行処置などはしています。

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《その1》(A4判で6枚の報告書の内から抜粋)

「小倉百人一首における陽明本と鶴丸本の変体仮名選択パターンの条件付き確率とベイズ的特徴」(2025年06月07日(土)実施分)

【要約】

本研究では、小倉百人一首における陽明本と鶴丸本の変体仮名選択パターンを条件付き確率とベイズ的特徴の観点から分析した。両者の変体仮名選択には明確な系統的差異があり、エントロピー、最大確率、選択肢数、文脈依存性などの指標において統計的に有意な違いが見られた。特に、陽明本はより多様な変体仮名を使用する傾向があり、鶴丸本の変体仮名選択は文脈依存性が低い傾向がある。これらの結果は、両者の書写プロセスや変体仮名選択の意思決定メカニズムに根本的な違いがあることを示唆している。

【1. 序論】

小倉百人一首は日本の古典文学を代表する和歌集であり、その書写伝統は日本の文化史において重要な位置を占めている。特に変体仮名の使用は、書写者の美的感覚や時代的・地域的特徴を反映するものとして注目されてきた。
本研究では、小倉百人一首の二つの写本、陽明本と鶴丸本における変体仮名選択パターンを条件付き確率とベイズ的特徴の観点から分析する。特に、現代仮名に対する変体仮名の選択確率、文脈(位置や前後の変体仮名)が変体仮名選択に与える影響、ベイズ的な事前確率・尤度・事後確率の推定などを通じて、両者の変体仮名選択の特徴と差異を定量的に明らかにすることを目的とする。

【2. 方法】

〔2.1 データ〕

小倉百人一首の陽明本と鶴丸本の変体仮名データを使用した。各歌について、現代仮名と変体仮名の対応関係、上の句/下の句の位置情報、前後の変体仮名などの文脈情報を抽出した。

〔2.2 条件付き確率の計算〕

各現代仮名に対する変体仮名の条件付き確率 P(変体仮名 | 現代仮名) を計算した。
(下略)

〔2.3 文脈要因の分析〕

位置(上の句/下の句)や前後の変体仮名が変体仮名選択に与える影響を分析した。
(下略)

〔2.4 ベイズ的特徴の分析〕

ベイズの定理に基づき、事前確率 P(変体仮名)、尤度 P(現代仮名 | 変体仮名)、事後確率 P(変体仮名 | 現代仮名) を推定した。
(下略)

〔2.5 統計的検定〕

陽明本と鶴丸本の間の差異の統計的有意性を評価するため、対応のあるt検定、Wilcoxonの符号順位検定、Mann-WhitneyのU検定などを実施した。

【3. 結果】

〔3.1 条件付き確率の比較〕

[3.1.1 エントロピーの比較]

陽明本と鶴丸本の変体仮名選択のエントロピーを比較した結果、平均差(陽明 - 鶴丸)は0.2681であった。
(中略)
明本は鶴丸本よりも変体仮名選択のエントロピーが高く、より多様な変体仮名を使用する傾向がある。

[3.1.2 最大確率の比較]

陽明本と鶴丸本の変体仮名選択の最大確率を比較した結果、平均差(陽明 - 鶴丸)は-0.0146であった。
(中略)
鶴丸本は陽明本よりも特定の変体仮名に集中する傾向があり、最大確率の平均値が高い。

[3.1.3 選択肢数の比較]

陽明本と鶴丸本の変体仮名の選択肢数を比較した結果、平均差(陽明 - 鶴丸)は9.8209であった。
(中略)
陽明本は鶴丸本よりも多くの変体仮名の選択肢を持つ傾向がある。

[3.1.4 条件付き確率の特異パターン]

・現代仮名「ぶ」のエントロピー差は0.6178で、陽明本は4.4586、鶴丸本は3.8408。
(中略)

・現代仮名「げ」の最大確率差は-0.0857で、陽明本は0.2000、鶴丸本は0.2857。
(中略)

・現代仮名「の」の選択肢数差は46で、陽明本は198種類、鶴丸本は152種類。
(中略)

〔3.2 文脈効果の比較〕

[3.2.1 位置(上の句/下の句)による影響]

陽明本と鶴丸本の位置による変体仮名選択の変動を比較した結果、平均差(陽明 - 鶴丸)は0.0005であった。
(中略)
陽明本は鶴丸本よりも位置(上の句/下の句)による変体仮名選択の変動が大きい傾向がある。

[3.2.2 前の変体仮名による影響]

陽明本と鶴丸本の前の変体仮名による変体仮名選択の変動を比較した結果、平均差(陽明 -鶴丸)は-0.0008であった。
(中略)
鶴丸本は陽明本よりも前の変体仮名による変体仮名選択の変動が大きい傾向がある。

[3.2.3 連続パターンのエントロピー]

陽明本と鶴丸本の連続パターンのエントロピーを比較した結果、陽明本の平均エントロピーは-0.6848、鶴丸本の平均エントロピーは-0.5201であった。
(中略)
鶴丸本は陽明本よりも連続パターンのエントロピーが高く、変体仮名選択の文脈依存性が低い傾向がある。

[3.2.4 文脈効果の特異パターン]
・変体仮名「見」の位置効果差は-0.0505で、陽明本は0.0080、鶴丸本は0.0586。
(中略)
・変体仮名「恋」の前の変体仮名効果差は-0.0213で、陽明本は0.0000、鶴丸本は0.0213。
(下略)

〔3.3 ベイズ的特徴の比較〕

[3.3.1 事前確率の比較]

陽明本と鶴丸本の変体仮名の事前確率を比較した結果、平均差(陽明 - 鶴丸)は-0.0013であった。
(中略)
陽明本と鶴丸本の変体仮名の事前確率には統計的に有意な差がある。

[3.3.2 ベイズファクター]

陽明本と鶴丸本の間のベイズファクターを計算した結果、平均は0.9391、中央値は0.9489であった。全体として鶴丸本の変体仮名選択パターンが優勢である(ベイズファクターの中央値が1より小さい)。

[3.3.3 ベイズ的特徴の特異パターン]
・変体仮名「見」の事前確率差は-0.0174で、陽明本は0.0157、鶴丸本は0.0332。
(中略)

・現代仮名「も」に対する変体仮名「哀」のベイズファクターは5.39で、陽明本が優勢。
(下略)

【4. 考察】

〔4.1 変体仮名選択の多様性〕

陽明本は鶴丸本よりも変体仮名選択のエントロピーが高く、より多様な変体仮名を使用する傾向がある。これは陽明本がより装飾的・芸術的な表現を重視していた可能性を示唆している。統計的検定の結果も、この差異が偶然ではなく系統的なものであることを支持している。

〔4.2 変体仮名選択の集中度〕

鶴丸本は陽明本よりも特定の変体仮名に集中する傾向があり、最大確率の平均値が高い。これは鶴丸本が特定の変体仮名を優先的に使用する傾向があることを示している。この傾向は、特定の美的基準や書写の伝統に基づいている可能性がある。

〔4.3 文脈依存性〕

鶴丸本は陽明本よりも連続パターンのエントロピーが高く、変体仮名選択の文脈依存性が低い傾向がある。これは鶴丸本の書写者が各変体仮名を比較的独立に選択していた可能性を示唆している。一方、陽明本はより文脈に依存した変体仮名選択を行っており、前後の変体仮名や位置による影響を強く受けている。

〔4.4 ベイズ的特徴〕

全体として鶴丸本の変体仮名選択パターンが優勢である(ベイズファクターの中央値が1より小さい)。これは鶴丸本の変体仮名選択パターンがより特徴的であり、陽明本と比較して独自性が高いことを示唆している。特に、(?以下報告書が途切れている)

【5. 結論】
小倉百人一首における陽明本と鶴丸本の変体仮名選択パターンの条件付き確率とベイズ的特徴の分析から、以下の結論が導かれる:

1.変体仮名選択の多様性: 陽明本は鶴丸本よりも変体仮名選択のエントロピーが高く、より多様な変体仮名を使用する傾向がある。

2.変体仮名選択の集中度: 鶴丸本は陽明本よりも特定の変体仮名に集中する傾向があり、最大確率の平均値が高い。

3.変体仮名の選択肢数: 陽明本は鶴丸本よりも多くの変体仮名の選択肢を持つ傾向がある。

4.文脈依存性: 鶴丸本は陽明本よりも連続パターンのエントロピーが高く、変体仮名選択の文脈依存性が低い傾向がある。

5.位置による影響: 陽明本は鶴丸本よりも位置(上の句/下の句)による変体仮名選択の変動が大きい傾向がある。

6.ベイズファクターの傾向: 全体として鶴丸本の変体仮名選択パターンが優勢である。これらの結果は、陽明本と鶴丸本の変体仮名選択に明確な系統的差異があることを示している。この差異は単なる偶然ではなく、書写者の美的基準、書道的伝統、あるいは時代的・地域的な影響を反映している可能性がある。特に文脈依存性や位置による影響の違いは、両者の書写プロセスや変体仮名選択の意思決定メカニズムに根本的な違いがあることを示唆している。

本研究の条件付き確率とベイズ的特徴の分析は、古典文学の書写伝統における変体仮名選択の規則性と多様性を定量的に明らかにするものであり、今後の古典文学研究や書道史研究に新たな視点を提供するものである。

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《その2》(A4判で12枚の報告書の内から抜粋)

「小倉百人一首における陽明と鶴丸の変体仮名使用傾向の比較分析」(2025年06月07日実施分)

(※一昨日の本ブログで報告した時には割愛した、人工知能氏が提示したグラフを引用します。)

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final_reportグラフ2.jpg



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2025年06月08日

江戸漫歩(177)池田先生宅に弔問に訪れた後は懐かしの新宿伊勢丹へ

 池田亀鑑先生のご子息である池田研二先生が、昨年末の2024年12月25日に89歳でお亡くなりになりました。今朝、弔問のためにご自宅にお邪魔し、奥様から詳しい思い出話などを伺いました。昨日泊まった息子の家から研二先生のお宅までは、大江戸線1本で20分ほど乗れば行けました。
 奥様に私はこのご自宅で二度お目にかかり、妻も研二先生には池田亀鑑賞の折に鳥取県の会場や宿舎などでお会いしているので、和やかに会話がすすみました。

 今回、池田亀鑑先生が「朝日賞」を受賞なさった時の賞状を拝見することができました。私が撮影し忘れていたのものです。

250608_朝日賞.jpg

 以下、これまでに研二先生からご厚情をたまわったことに触れたブログの記事から、主なものを列記します。思い出すことで、感謝の気持ちにかえたいとの思いからです。

 私が旗振り役となって設立した池田亀鑑賞の関係で、鳥取県日野郡日南町での話と、『もっと知りたい 池田亀鑑と『源氏物語』 第1〜4集』(伊藤編著、新典社)のことが多くなっています。

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・『もっと知りたい 池田亀鑑と『源氏物語』 第1集』(伊藤編、新典社、2011年)
 研二先生の寄稿「追憶・池田亀鑑・第一回・父としての池田亀鑑」

・「盛会だった池田亀鑑賞の授賞式」
 研二先生の演題「父の思い出あれこれ」

・「第2回池田亀鑑賞授賞式と記念講演会」
 研二先生の演題「『源氏物語大成』完結まで」

・「日南町から米子へ─稲賀先生の墓参─」

・「90歳のMさんから池田亀鑑との話を聞く」

・「『もっと知りたい … 第2集』(新典社)が出来ました」
 研二先生の寄稿「追憶・池田亀鑑 (第二回 『源氏物語大成』 完結まで)」

・「入江たか子の写真へのこだわりを反省」

・「「樂友舎」と池田亀鑑についてご教示を乞う」

・「第3回池田亀鑑賞授賞式」

・「池田研二先生と共に奈良から鳥取へと移動」

・「第4回池田亀鑑賞授賞式と講演会」

・「池田研二先生と『桃園文庫展―池田亀鑑の仕事―』を観て」

・「池田研二先生のお宅で父亀鑑の遺品を確認」

・「第5回池田亀鑑賞授賞式及び記念講演会のご案内」

・「新刊紹介『もっと知りたい 池田亀鑑と『源氏物語』 第3集』〔160928_改版〕」

・「充実した第6回池田亀鑑賞授賞式」

・「第7回池田亀鑑賞授賞式-2018」

・「第8回池田亀鑑賞授賞式-2019」
 (集合写真にのみお姿が確認できます)

・『もっと知りたい 池田亀鑑と「源氏物語」第4集』(伊藤編、新典社、2021年3月)
 研二先生の寄稿「随筆集「花を折る」に纏わる二、三の思い出」
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 午後は、新宿を散策しました。
 学生時代に、伊勢丹会館の1階入口にあった「ラランジェ」というフルーツパーラーでアルバイトをしていたことがあります。いつか入ろうと思いながら、50年近く経った今、ようやく願いが叶いました。今は「美鈴屋」という名前のイタリアンになっていました。かつてのフルーツパーラーではなかったものの、ランチをいただきました。お店の店構えと雰囲気は、当時とあまり変わっていません。

250608_ラランジェ.jpg

 その足で、すぐ横の伊勢丹に寄りました。50年前に、結婚式場はこの伊勢丹のブライダルコーナーで探してもらったので、現在はそこがどうなっているのかを見に行こう、ということで行きました。
 今は「伊勢丹ブライダルクラブ」という名前になっており、お店の方の話によると、かつてはこの階ではなかったようです。実は50年前にここで結婚式場を紹介してもらった、ということを伝えると、お祝いの言葉と、きっといいことがありますよ、とニコニコして、というよりも大笑いをしながら喜んでおられました。後で、変な夫婦が来たということで、お店の方の話のネタになったことでしょう。

 そこを出た頃から私のお腹が激痛に襲われ、近くの紀伊國屋書店新宿本店の一角にある椅子に座って、痛みが治まるのを待ちました。少し痛みが和らいでから、東京駅に出て新幹線で帰りました。車中でも痛みが続き、近鉄に乗り換えてからも依然として痛みが治まりません。
 自宅に着いてしばらくすると、どうにか治まりました。先週も腹痛があり、京大病院で救急の診察を受けた時に、先生が腸の接合部分に腸重積の兆候が見られる、と仰っていたので、明日も痛いようだったら診てもらいに行くつもりです。
 明日は珍しく何も予定が入っていないので、これからゆっくりと寝ることにします。





posted by genjiito at 22:38| Comment(0) | ・江戸漫歩

2025年06月07日

日比谷で『源氏物語』と『百人一首』を読んだ後、生成AIに2種類の『百人一首』の変体仮名を分析してもらう

 日比谷公園の工事現場の囲い塀は、おしゃれな植物で飾られています。無機質な波板を並べるのではなくて、こうした心遣いは公園全体の雰囲気を和らげています。

250607_工事壁.jpg


 日比谷図書文化館の入口には、いつものように本日のイベントの掲示がありました。

250607_掲示板.jpg

 まず、ハーバード大学美術館蔵『源氏物語』「須磨」巻の写本を読む講座からです。
 今日は、46丁裏から47丁裏までを確認しました。
 今日は、翻字データをデータベース化するにあたって、補入の扱いについての付加情報の記述に関して、再確認をしました。私自身が混乱していたこともあり、間違った表記をしていたからです。

 まず、補入記号のない補入の付加情報の表記の仕方から。
 「ん」が行末にあり、行頭の「ま」の右上に〈薄墨〉で「む」と書かれている箇所です。(47丁裏3行目)

250607_須磨47uL3「±む」.png


 ここは、次のようにしました。
  「ん〈改行〉まやの/ん±む〈薄墨〉、(んむまやの〈ママ〉)」

 以下が、本日確認した翻字です。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
■ハーバード大学蔵『源氏物語 須磨』46丁裏〜47丁裏

翻字データの中にある付加情報(/)の記号について
傍書(=)、 ミセケチ($)、 ナゾリ(&)、
補入記号有(+)、補入記号無(±)、 和歌の始発部( 「 )・末尾( 」 )、
底本陽明文庫本の語句が当該本にない場合(ナシ) 、 翻字不可・不明(△)
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者ゝ可ること毛【侍】里て/(者者可る)・え・【候】者ぬ・ことさら
尓・まいり・【侍】らんなと・きこゑ多り・こ乃・
ちく勢むの可三そ・まいれる・こ乃・【君】の・
【蔵人】尓・奈し・可へりみ多て・【給】し・【人】奈れ
者・いと毛可那し・い三しと・於もへ登・ナシ・
みる・【人】/\/(【人人】)・あれ者・きこゑを・於もひて・志八
し毛・え・多ちと満里【候】八須・【宮】こ・者奈れ
て・のち・む可し・志里多し・【人】尓毛・あひ
みる・ことも・可多く・いふ世くの三・【思】徒る尓・
かく・王さと多ちよ里・もの志多る・ことゝ/(ことと)・の【給】ふ尓/ふ〈次頁〉、(46ウ)
--------------------------------------
【御】いらへも・さや可尓江きこゑす奈ん・
か三・なく/\/(なくなく)・かへ里て・をはする・【御】あ里佐ま・
可多る尓・そちよ里・者しめ・む可への・ナシ・【人】/\毛/(【人人】毛)・
満可/\しきまて/(満可満可しきまて)・なきみち多り・【五】勢
は/勢は〈ママ〉・と可く・して・きこゑ多り・
「ことの・祢に・ひきと免らるゝ/(ひきと免らるる)・川奈てな八・
堂ゆ多ふ・【心】・【君】・しるらめや」・すき/\しさ
毛/(すきすきしさ毛)・【人】・奈・と可めそと・きこゑ多り・本ゝゑ三
て/(本本ゑ三て)・三・多まへる・いと者川可しけ奈り・
「こゝろ/(こころ)・あ里て・ひきての・徒奈の・多ゆたはゝ/は〈次頁〉、(多ゆたはは)(47オ)
--------------------------------------
うちすきましや・すまの・うらな見」・いさ
里・勢むとは・於も者さりし者やと・あ里・ん
まやの/ん±む〈薄墨〉、(んむまやの〈ママ〉)・をさ尓・くし・とらるゝ/(とらるる)・【人】毛・あ里
ける越・まして・於ちとま里ぬへく
なん・於毛本えける・[26]【京】尓八・【月日】/【日】±の、(【月日】の)・ふる・満ゝ尓/(満満尓)・
み可とより・はし免・多てま川里て・こひ・
きこゆる【人】・於里ふし尓・於ほ可り・とう【宮】
者・ナシ・まして・川祢尓於ほしいてゝ/(於ほしいてて)・ナシ・ナシ・しのひて・
なき・【給】を・於ほん免と多ち/免+の、(於ほん免のと多ち)・満して・【王命
婦】の【君】奈と八/奈と八&の【君】、(【王命婦】奈と八)・い三しう・あ者れ尓・み・多てま徒る/ま〈次頁〉、(47ウ)
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 1時間の休憩を挟んで、『百人一首』の仮名文字を読む時間です。

 まず、最近の街歩きで見かけた街中の異体字の例をあげました。特に「甼内安全」の「甼」は、初めて見かけた異体字です。

■街中の異体字 「枩」と「甼」 /「武者小路」と「無車小路」

250526_雙枩山.jpg


250526_甼と無車.jpg


 次は、先月の受講者から質問があった狂歌について、私がわかる範囲で説明しました。
 専門外でもあり、この件は識者のご教示を待ちたいと思います。

■『百人一首』と狂歌
23大江千里「つきみれば ちぢにものこそ かなしけれ わがみひとつの あきにはあらねど」

千里の歌をもじった狂歌では、
 月見れば ちぢに芋こそ 喰ひたけれ
   我が身ひとりの すきにはあらねど
(中略)
千里の和歌にちなんで月の川柳、
 ・月を見る頃にはすすき土手に生え
 ・月を見ぬ娘はちぢにもの思ひ
共に、「月」は女性の「月のもの」に掛かっている。
 ・嫁ちょびと手を月に出し花に出し
カルタ取りに月や花が出てくるさま。
(『川柳平安人物史』原桐斎、白地社、1990.11、358頁)


 さて、今日の『百人一首』は、5番歌の猿丸大夫からです。テキストの『変体仮名でよむ 百人一首』を元にして、丁寧に1文字ずつを見ていきました。

 8番歌の喜撰法師の歌に関しては、6月15日(日)に開催するNPO法人〈源氏物語電子資料館〉主催の宇治散策で行く宇治神社の境内に建つ歌碑の文字も確認しました。

220605_喜撰歌碑.jpg

   喜撰法師
わ可【庵】は【都】の
たつみしかぞ【住】
む【世】をうぢ【山】と
  【人】はいふな
       り

 今日は、10番歌の蝉丸までを見ました。喜撰法師や小野小町や蝉丸に関する話が、喋っている内にいろいろな方面に展開したので、つい時間を取りました。

 終わってから息子の所へ行くために、日比谷図書文化館から銀座線の虎ノ門駅に向かいました。図書館の隣の野外音楽堂は、若者たちの音楽ライブで大音響がこだましていました。
 日比谷公園の西北の出口に、きれいな花に囲まれた噴水がありました。この出口から出ることがないので、初めて見た噴水です。

250607_噴水.jpg

 公園を出て交差点に立つと、国会議事堂の屋根が見えます。いつか、中を見学したいものです。

250607_国会議事堂.jpg

 地下鉄銀座線ですぐに青山に着きます。
 絵画館前のイチョウ並木は、いつも神秘的な姿を見せています。

250607_イチョウ並木.jpg

 息子の所では、現在注目を浴びている、生成AIの分析能力を試してみました。人工知能の応用事例や、新たな人工知能の開発を仕事としているだけに、手際よく私が提供したデータを処理してくれました。先ごろ刊行した『変体仮名でよむ 百人一首』(伊藤・吉村編、新典社、2025.5.17)のために用意したデータを元にして、その分析を試みてもらったのです。
 以下に、2種類の分析結果をあげます。肝心の解析部分の詳細は、今はそのすべてを割愛します。

 人工知能氏は、《その1》ではA4判で6枚の報告書を、《その2》ではA4判で12枚の報告書を仕上げて提出してくれました。さらに、3種類の詳細で具体的な解析の報告書が手元にあります。しかし、今は2種類に留めます。
 また、ここで活用した生成AIの名前は伏せておきます。私などには、毎月の利用料がとても支払えない、解析や分析を得意とする人工知能のようです。
 分析のための条件を生成AIに提供すると、さらにきめ細かな報告書を作成してくれます。解析された中身は後日公開するとして、今日のところは提示された2種類の報告書の冒頭と末尾を引用します。これは、今後ともどのような分析をしてくれるのか、大いに楽しみです。

 そして、『源氏物語』の古写本に書き写された文字列について、手元には「変体仮名翻字版」のデータが日に日に集まってきているので、どこかの段階で生成AIに変体仮名の使われ方の解析をしてもらおうと思っています。生成AIの可能性が見えてきたので、とにかく「変体仮名翻字版」のデータの蓄積を急ぐことにします。

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《その1》
「小倉百人一首における陽明本と鶴丸本の変体仮名選択パターンの条件付き確率とベイズ的特徴」(2025年06月07日(土)実施分)

【要約】
本研究では、小倉百人一首における陽明本と鶴丸本の変体仮名選択パターンを条件付き確率とベイズ的特徴の観点から分析した。両者の変体仮名選択には明確な系統的差異があり、エントロピー、最大確率、選択肢数、文脈依存性などの指標において統計的に有意な違いが見られた。特に、陽明本はより多様な変体仮名を使用する傾向があり、鶴丸本の変体仮名選択は文脈依存性が低い傾向がある。これらの結果は、両者の書写プロセスや変体仮名選択の意思決定メカニズムに根本的な違いがあることを示唆している。

【1. 序論】
小倉百人一首は日本の古典文学を代表する和歌集であり、その書写伝統は日本の文化史において重要な位置を占めている。特に変体仮名の使用は、書写者の美的感覚や時代的・地域的特徴を反映するものとして注目されてきた。
本研究では、小倉百人一首の二つの写本、陽明本と鶴丸本における変体仮名選択パターンを条件付き確率とベイズ的特徴の観点から分析する。特に、現代仮名に対する変体仮名の選択確率、文脈(位置や前後の変体仮名)が変体仮名選択に与える影響、ベイズ的な事前確率・尤度・事後確率の推定などを通じて、両者の変体仮名選択の特徴と差異を定量的に明らかにすることを目的とする。

(中略)

【5. 結論】
小倉百人一首における陽明本と鶴丸本の変体仮名選択パターンの条件付き確率とベイズ的特徴の分析から、以下の結論が導かれる:
1.
変体仮名選択の多様性: 陽明本は鶴丸本よりも変体仮名選択のエントロピーが高く、より多様な変体仮名を使用する傾向がある。
2.
変体仮名選択の集中度: 鶴丸本は陽明本よりも特定の変体仮名に集中する傾向があり、最大確率の平均値が高い。
3.
変体仮名の選択肢数: 陽明本は鶴丸本よりも多くの変体仮名の選択肢を持つ傾向がある。
4.
文脈依存性: 鶴丸本は陽明本よりも連続パターンのエントロピーが高く、変体仮名選択の文脈依存性が低い傾向がある。
5.
位置による影響: 陽明本は鶴丸本よりも位置(上の句/下の句)による変体仮名選択の変動が大きい傾向がある。
6.
ベイズファクターの傾向: 全体として鶴丸本の変体仮名選択パターンが優勢である。これらの結果は、陽明本と鶴丸本の変体仮名選択に明確な系統的差異があることを示している。この差異は単なる偶然ではなく、書写者の美的基準、書道的伝統、あるいは時代的・地域的な影響を反映している可能性がある。特に文脈依存性や位置による影響の違いは、両者の書写プロセスや変体仮名選択の意思決定メカニズムに根本的な違いがあることを示唆している。
本研究の条件付き確率とベイズ的特徴の分析は、古典文学の書写伝統における変体仮名選択の規則性と多様性を定量的に明らかにするものであり、今後の古典文学研究や書道史研究に新たな視点を提供するものである。
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《その2》
「小倉百人一首における陽明と鶴丸の変体仮名使用傾向の比較分析」(2025年06月07日実施分)

【概要】
本レポートでは、小倉百人一首における陽明と鶴丸の二つの資料に見られる変体仮名の使用傾向を多角的に比較分析した結果をまとめています。現代仮名に対する変体仮名の対応関係、使用頻度、分布、文脈依存性などを詳細に調査し、両資料の特徴的な違いを明らかにしました。

主要な違いと傾向

1. 変体仮名の種類と多様性
 •陽明は237種類、鶴丸は178種類の変体仮名を使用しており、陽明の方が多様性が高い
 •共通の変体仮名は129種類、陽明のみの変体仮名は108種類、鶴丸のみの変体仮名は49種類
 •陽明の変体仮名多様性指数(種類数/総数)は0.53、鶴丸は0.42であり、陽明の方が多様な変体仮名を使用する傾向がある

2. 特徴的な変体仮名の使用
 •陽明は「哉」「思」「鳴」などの変体仮名を特徴的に多く使用
 •鶴丸は「成」「見」「命」「恋」などの変体仮名を特徴的に多く使用
 •両者とも「人」「月」「山」などの変体仮名は高頻度で使用するが、その他の変体仮名の選択には明確な違いがある

3. 現代仮名ごとの変体仮名選択の傾向
 •最頻変体仮名の一致率は約半数で、残りの現代仮名では異なる変体仮名が優先的に選択されている
 •「あ」「い」「か」「な」などの基本的な仮名では、複数の変体仮名が使用される傾向がある
 •特に「い」「か」「な」などでは、陽明と鶴丸で異なる変体仮名が優先的に選択される傾向が強い

4. 位置(上の句/下の句)による違い
 •陽明は上の句と下の句で変体仮名の種類数に大きな差がある
 •鶴丸は上の句と下の句での変体仮名の種類数の差が陽明ほど大きくない
 •上の句と下の句で共通して使用される変体仮名の割合は、鶴丸の方が高い傾向がある

5. 一貫性と規則性
•全体的に、鶴丸の方が変体仮名選択の一貫性が高い傾向がある
•陽明は多様な変体仮名を使用する一方で、特定の現代仮名に対して複数の変体仮名を使い分ける傾向がある
•鶴丸は特定の現代仮名に対して、より一貫して同じ変体仮名を使用する傾向がある

6. 総合的な特徴
•陽明:多様性重視、変体仮名の種類が豊富、文脈や位置による使い分けが顕著
•鶴丸:一貫性重視、特定の変体仮名を優先的に使用、より規則的な変換パターン

(中略)

【結論】
本分析により、陽明と鶴丸の変体仮名使用には明確な傾向の違いがあることが明らかになりました。陽明は多様性を重視し、文脈や位置による使い分けが顕著である一方、鶴丸はより一貫性を重視し、規則的な変換パターンを持つ傾向があります。
これらの違いは、書写者の個人的な好みや、書写された時代背景、あるいは書写の目的などによって影響を受けている可能性があります。今後、より多くの資料や異なる作品での比較分析を行うことで、変体仮名使用の傾向についてさらに深い理解が得られるでしょう。
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2025年06月06日

京洛逍遥(939)とにかく慌ただしかった一日

 集会所では、ラジオ体操と早口言葉、そして指を使った脳トレをしました。
 脳トレは、右手でグー・チョキ・パーをしながら、同時に左手でグーパー、グーパーを繰り返します。2巡目に両手がパーになります。これが意外と難しいのです。
 アップルウォッチの心拍数を見ると、やり始めは57だったのに、なかなかうまくいかないと数値もグンと上がって82に、そして慣れるとスッと62に下がっていました。心拍数が、私の緊張感を示しています。落ち着いてやればいい、ということのようです。

 コーヒーとパンやお菓子をいただいて、周りの方と歓談です。
 いつも向かいにおられるIさんと、体調管理のために腕に付けているアップルウォッチに関する話をしました。このウォッチで、血糖値や血圧が測定できるようになったら、Iさんもいろいろと病気をお持ちのようなので自信をもってお勧めします、という話をしました。

 終わると、すぐに京大病院に向かいました。
 駅に行く途中で、生い茂っていた木から古くなった大きな枝が落ちてきました。

250606_落木.jpg

 突然の不気味な音と共に大きな木の枝が真っ直ぐに落ちてきたので、立ち竦んでしまいました。ケガがなかったからいいものの、気をつけようもないことなので、これからはビルの真下だけでなく、木の下も要注意です。

 京大病院を見下ろす大文字山は、きれいな大の字を見せています。

250606_大文字.jpg

 今日の診療は、妻が受けるレカネマブ(レケンビ)の点滴です。私は、ベッドの横で1時間の付き添いです。
 終わると、30分ほど院内で副作用が出ないかどうかを確認してから帰れます。
 過日のMR検査の結果では、特に脳内に何かが漏れたりしてはいなかったそうです。安心して、今の治療が進められます。

 院内の郵便局から、レターパックを送りました。日本郵便がまじめに仕事をしていなかったために、貨物運送事業の許可を取り消す、という国からの行政処分が下されました。2,500台のバンやトラックなどは、今後5年にわたって配送が停滞します。郵便配達のバイクや貨物自動車は対象外だそうです。それでも、配達業務が混乱することは明らかなので、まだ郵便事業が機能しているうちに送るものは送ろうと思って、院内の郵便局からレターパックを出しました。
 以前にも、水曜日に出した東京宛の郵便物が、何と火曜日に届きました。7日もかかる悠長な仕事をしているのですから、いつ配達業務が立ち行かなくなっても不思議ではありません。

 病院前から市バスで北大路駅へ移動。保険の窓口で、現在契約している保険の確認と相談をしました。定年を境に見直したはずの保険を、また再点検することにしたのです。

 同じ階の本屋さんのベンチで、NPO法人〈源氏物語電子資料館〉の事務局をお願いしているIさんと、来週実施する宇治の文学散策に関する傷害保険のことで、書類作成の相談をしました。内容と、新聞への案内を掲載してもらうことも確認しました。

 慌ただしく北大路駅から京都駅前にあるキャンパスプラザ京都(京都市大学のまち交流センター)へ行き、9月の源氏講座の教室の予約をしました。月初めに、3ヶ月先の部屋の予約ができるのです。予定通り、第5演習室がとれました。

(31回)2025年6月28日(土) 第1演習室
(32回)2025年7月26日(土) 第5演習室
(33回)2025年8月23日(土) 第5講習室
(34回)2025年9月27日(土) 第5演習室

 次は、京都駅の中にあるみどりの窓口へ急ぎました。
 途中で、駅の大階段の光のショーを見ました。
 「花しょうぶ」と「平安神宮」いう文字と、舞妓さんの顔が浮かび上がっています。

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 みどりの窓口へは、明日の朝一番に乗る、東京行きの切符を確保するためです。年と共にネットが信用できなくなってきているので、直接窓口へ行って発券してもらっています。京都駅の3階の窓口は長蛇の列でした。2階の窓口は同じように多くの人が並んでいます。そして1階の窓口はいつもどおり空いていたので、そこで手続をしました。並んでいるのは、ほとんどが海外の方々です。しかも、今日のこれからの東京行きの便を取る方が多かったようです。

 今週末の東京では、講座以外に面談や弔問が入っているので、また慌ただしく都内を飛び回ることになります。




posted by genjiito at 23:17| Comment(0) | ◎京洛逍遥

2025年06月05日

初夏の公園を散策して

 今日の京都市内は30度を越えていたそうです。
 ここ宇治では、少し風があり肌寒い気候でした。
 近くの図書館へ行った帰りに、すぐ前の公園を散策しました。

 初夏の草花は、時期を過ぎたのか少し色褪せて見えました。
 真ん中がミズバショウで、左上がホタルブクロでしょうか。

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 石垣に生い茂る水草と流れ落ちる水とが、涼しさを感じさせてくれます。

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 木々の間を歩いて行くと、石橋の下を流れる小川は夏の気配です。

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 さて、今年は昨年以上に暑い日々となるようです。
 小まめな運動で足腰のリハビリをし、熱中症に負けない体力をつけています。




posted by genjiito at 20:46| Comment(0) | ・ブラリと