2026年04月11日

百年プロジェクト『源氏物語』の[変体仮名翻字版]のデータベース構築を敢行中

 中之島での社会人講座がなくなって最初の第2土曜日です。
 今週は気候も変則的だったこともあり、体調管理が難しくちょうどいい休養日を過ごすことになりました。昨日と一昨日の寒さが緩み、今日は気持ちのいい1日でした。

 『源氏物語』の翻字データの整理も、膨大な資料の山を背負って、右往左往しながら進めています。ただし、[変体仮名翻字版]の翻字データの凡例が何度も追加され、補訂の工程も複雑になっています。従来のデータに手を入れながら、これまでのデータをすべて統一するのは至難の技であることを、あらためて実感しています。何とかして、効率よく再構築する手順を決めなければなりません。

 そこで、これまでに[変体仮名翻字版]として作成してきたデータを第1グループとすることにします。そして、今年に入ってから整理し出したデータを[変体仮名翻字版-2026]として第2グループにしようと思います。

 第1グループは、これまで[変体仮名翻字版-2023]として作成してきたもの以前の[変体仮名翻字版]が該当します。
 第2グループの[変体仮名翻字版-2026]は、先月索引を作成した[ハーバード本「須磨」]と[ハーバード本「蜻蛉」]、そして[相愛大学本「帚木(断簡)」]です。まだ、3巻分しかありません。このグループのデータを、今後は鋭意増やしていくことになります。
 それ以外の第3グループは、『源氏物語別本集成 正・続』(全22巻、桜楓社・おうふう、1989年〜2010年)で使用した、現行五十音図の文字の範囲に限定して作成して来た、[変体仮名]を含まない旧版の翻字データ群です。

 今週から、『国立歴史民俗博物館蔵『源氏物語』「鈴虫」』(伊藤鉄也・阿部江美子・淺川槙子編著、新典社、2015年10月)のデータの補訂を進めています。これは、[変体仮名翻字版-2023]以前で今から10年前の変体仮名バージョンのデータです。これを、[変体仮名翻字版-2026]に置き換えているところです。半丁(1頁分)で30箇所以上は手を入れるので、データの書き換えの手間は想像を絶するものがあります。幸い、写本の読み誤りはほとんどありません。字母にするかどうかで、膨大な訂正が入るのです。
 例えば、「お・せ・つ・て・な・ね・の・も」などは、その半数以上がその字母である「於・世・川・弖・奈・祢・乃・毛」に置き換えるので、1文字ずつの対処が必要です。一括置換をするわけにもいかず、とにかくコツコツと手作業で仮名文字の変換を繰り返してしています。中でも、「な←→奈」と「も←→毛」は字形をよく見る必要があり、微妙な線の張り出し具合や角度や丸まっているか否かなどの判断をしていくので、原本の画像を拡大して確認するなど、修訂に手間がかかっています。

 区切りのいいところで手を置き、気分転換に温泉へ行くことにしました。一番近くにある「伏見 力の湯」です。
 相変わらず、若者が多くて活気があります。こちらは、何を急ぐこともないので、のんびりと露天風呂に浸かって来ました。

 さて、また気分一心で翻字データの整理にかかります。
 [変体仮名翻字版-2026]のデータベースの構築は、100年で完成するかどうかもわからない『源氏物語』の翻字データベースです。とにかく一歩でも前に進んで行けば、4世代先までには完成していることでしょう。そのためにも、NPO法人〈源氏物語電子資料館〉の組織と人脈は、大切に守り伝えていかなければならないと思っています。
 お手伝いしてくださる方の新たな加入も、周囲に働きかけることで増えてほしいものです。
 いい出会いがある新年度になるように、今後を大いに楽しみにしています。




posted by genjiito at 23:45| Comment(0) | ◎情報社会

2026年04月10日

歩行分析AI測定に関する結果の報告

 今日は集会所で歩行測定をしてもらいました。
 参会者全員が受けました。各自が自分を見つめ直す、いい機会となりました。

 今日は何があるのか知らないままに会場に入った時に、主宰者のNさんから足が痛いの? と声を掛けられました。今日は雨のせいか右足が上がらなくて、という会話を交わしました。このことが、今にして思えば、今日のイベントに少なからず影響を与えたようです。つまり、普通に見せようという気持ちがいつもよりも強かった、ということです。これが良かったのかどうなのか、とにかく以下は歩行測定の報告です。

 ノートパソコンと iPad とハンディプリンタを駆使しての、簡易版ながら専門的な知見が導入されたAI測定を受けたのです。ただし、通信回線が不調で、実施してくださった「ひかりサロン 安心プラス向島」からお越しのMさんと助手のお2人は苦労なさっていました。ご苦労さまでした。そして、ありがとうございました。

 使用したソフトは「歩行分析AI、CareWiz トルト」でした。初めて聞く名前だったので、これについて生成AI氏に訊ねたところ、以下の回答を得ました。

CareWiz トルトは、主に介護サービス事業者・医療機関・福祉用具事業者向けの機能訓練支援AIです。スマートフォンで高齢者の歩行の様子を撮影し、その動画をAIで解析して、歩行機能を可視化するサービスとして案内されています。公式では、理学療法士の知見を基に開発されたと説明されています。

 さらに具体的な説明があったので、それも引きます。

導入事例や関連発表を見る限り、現場で重視されているのは次の点です。
 ・スマホやタブレットで撮影できること
 ・結果が点数化・見える化されること
 ・家族やケアマネへの説明材料にしやすいこと
 ・従来の評価をすべて置き換えるというより、補助ツールとして組み合わせて使うこと
実際、導入事例では「歩行状態の把握や資料作成の時間短縮」「動画と評価結果を使った説明のしやすさ」「スタッフ間の共通言語化」などが挙げられています。

 ただし、当然のことながら、次のような注意点もしっかりと明記されています。

利用規約では、AI解析結果はあくまで動画に基づく推測・評価であり、専門家が観察した結果と同一である保証はないとされています。また、医療行為としての診察・診断目的には使えない、疾患リスクの推測や予防を直接行うものではないとも明記されています。撮影・共有にあたっては、被撮影者の同意取得も必要です。

 この生成AI氏の回答の最後には、まとめとして分かり易い次の文章が添えられています。

要するに、CareWiz トルトは「歩行をスマホ動画で測って、AIで見える化し、介護・リハビリ・福祉用具提案・情報共有を助ける業務支援ツール」です。
ただし、診断機器ではなく、現場のアセスメント支援ツールとして理解するのが正確です。

 さらに生成AI氏からのアドバイスとしては、今回と次回での変化などを参考にするとよい、とのことでした。
 いつかまた、この歩行測定をしてもらいたいものです。

 なお、「2025年1月の発表では、CareWiz トルトは歩行だけでなく口腔機能の可視化にも対応し、機能訓練計画書作成の効率化やLIFE連携の支援にも使えるとされています。」とあります。口の働きの可視化も可能とのことなので、脳梗塞のリハビリ中の私も、どこかでこのテストをしてみたいと思います。この次に京大病院の脳神経内科での診察時に、主治医に聞いてみましょう。

 さて、私の測定結果についてです。もちろん、いただいたプリントにも、「歩行分析はあくまでも目安であり、ご利用者の状態を断定するものではありません。」とありますので、参考までの報告です。

 一人ずついただいたプリントを見ると、私は20点満点中18点、と非常に良好な結果でした。
 ただし、私は2年半前に脳梗塞で入院治療をしていることもあり、今もリハビリ中です。そのため、今回の5メートルの歩行では、うまく誤魔化せた、というのが正直なところです。また、冒頭に記したように、今日は右足がいつもよりも不調でした。そのため、普通に歩こうという気持ちが強かったことも、この結果に反映していると思われます。

 私は右半身に今も麻痺が残っているので、今日は歩く時に意識して右足を上げ、前に突き出すようにして、しかも自然に見えるように歩きました。これが10メートル以上歩いていたら、とてもこんなに良い結果ではなかったと思います。その意味でも、AIさんを誤魔化したことになり、もう少し正直に、何も意識せずに歩いたらどうだったのかと思い返しています。

 脳梗塞で即入院となった時には、京大病院から提示されたリハビリのプログラムの3倍以上の量はやりました。暇さえあれば、専門書を買ってきてもらって構音訓練をし、なぞり書きの本で文字を書く練習をし、スクワットを病室や休憩室でやり足腰を鍛えていました。今、喋ることができ、手で文字が何とか書け、車イスを使わずに歩けるのは、まさにこの入院時の初期段階からの自主的なハードな訓練の成果だと思っています。とにかく、寝る暇を惜しんでやっていたのですから。

 日々、妻と共にウォーキングに励んでいます。その時に、私は右半身を意識しすぎるためか、左側に寄って歩いているそうです。そのせいもあって、妻はいつも左側にいてくれます。
 今回は、そうしたことも意識して5メートルを歩いたので、うまくAIの判定をいい方に誤誘導させたようです。

 以下、「歩行分析結果 2026/4/10 分析」とあるプリントから、分析結果を抽出します。

260410_鉄也歩行写真.jpg

260410_歩行テスト.jpg

【今回の注目ポイント】
ふらつき(横ゆれ)がほとんどなく良い感じですね!
体幹が安定しバランスが取れた歩き方ができています!

【総合コメント】
今回の点数は18点と安定した歩行です! 次は満点を目指しましょう!
体調に合わせて、環境調整や見守りが必要かなど検討しながら無理のない範囲で訓練を継続していきましょう。

【改善ポイント】
歩行速度の低下があり、屋外を歩くときは転倒に注意が必要です。
歩行の推進力と土台となる下肢の筋力を強化していきましょう!
以下の運動は、余裕があれば立ってやってみましょう。
オススメは、[B.立ち上がり運動][D.かかと上げ運動]です。
(具体的なトレーニングの写真付きの資料2枚をいただきました。)

【今回の合計得点】 18/20点
20点満点で歩行の全体的な状態を表す。
18点以上で高い歩行能力を持っている状態。

【速度】 3点 5.8秒/5m
5mを何秒で歩けるかを表す。
秒数が短いほど良く、3.85秒より速いと良い歩行状態。
5秒以上 横断歩道を渡りきるのは難しい速度。
屋外での転倒に注意が必要。

【リズム】 5点 ばらつき度 4.71%
歩行のテンポのばらつきを表す。
値が低いほどリズムの良い歩行状態。
5%未満で安定した歩行状態。

【ふらつき】 5点 頭部ふらつき 無し
頭と体の左右への揺れの大きさを表す。
大・中・小・なしの4段階。
ふらつきなしまたは小がバランスの取れた歩行状態。

【左右差】 5点 左50.8% 右49.2%
左右の足で支える時間の割合を表す。
左右とも50%に近いほど良い歩行状態。



 ちなみに、妻の結果は次の通りでした。

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【今回の注目ポイント】
ブレ抑えた滑らか歩行!
バランス能力が優秀です!

【総合コメント】
今回の点数は17点と少し注意が必要な歩行状態です。
屋外を歩く際には転倒に注意しましょう。
転倒に注意しながら無理のない範囲で活動量を増やしていきましょう。

【改善ポイント】
歩行のリズムにばらつきが多少あり、屋外では不安定になりやすい状態です。
砂利道など屋外の歩行でも、足を上手くコントロールできる力を高める運動がおすすめです。以下の運動は余裕があれば立ってやってみましょう。
オススメは、[リズム足踏み運動][リズムかかと上げ運動]です。


 私の結果と比べると、妻は歩く速度が速かったことが高く評価されています。
 ただし、歩く時の「リズム」にばらつきがあり、転倒に注意が必要だとのことです。この「左右差」について、私はやはり右足で支える時間が短い結果が出ていました。その私よりも、妻の「左右差」が大きかったことが、今回のばらつきに関する注意に関係があるのかもしれません。
 そういえば、昔のことながら、今から50数年前に大学で同級生だった頃に、教室の移動で一緒に階段を降りる時に、妻はよく踏み外して転んでいました。今はそのようなことはありません。しかし、昔の習性がこんな時にひょっこりと顔を見せるのかも知れません。

 いずれにしても、毎日8,000歩をノルマとして一緒に歩いているので、こうしたことはお互いに気をつけて歩き続けていくことにします。




posted by genjiito at 22:50| Comment(0) | *福祉介護

2026年04月09日

大阪府立中之島図書館での社会人講座が取り止めになった事情

 今月から、毎月第2土曜日は大阪府立中之島図書館での『源氏物語』と『百人一首』の講座がなくなりました。

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 そのため、今週はのんびりとした日々を送っています。これまで遅々として進んでいなかった、『源氏物語』の本文データベースの[変体仮名翻字版]の整理をしています。社会人講座があると、その準備に直前の3日は教材研究にかけています。それがなくなるので、こうして積み残しの仕事ができるので助かります。
 大阪での社会人講座がなくなったので、現在は大阪駅前の施設で再開する計画を練っています。ただし、すこし休んでからとの思いもあり、夏ごろに始めようかと思っています。

 さて、大阪府立中之島図書館での講座がなくなったことに関して、いろいろと問い合わせをいただいています。そんな中で、読売新聞オンラインに「大阪・中之島図書館の指定管理者に応募ゼロ、府「直営」に逆戻りでイベント・市民講座が大幅縮小に…人件費高騰が影響か」(2026/03/26)と題する、その背景を記事にしたものを見かけたので、参考までにとりあげます。
 なお、私は「指定管理者 ShoPro・長谷工・TRC共同事業体/指定管理者代表企業 株式会社小学館集英社プロダクション」と契約を結んで、2022年4月から先月までの4年間、『源氏物語』と『百人一首』の講座を担当していました。特に担当者の岩田さんにはスタートする前からおんぶに抱っこで、何から何までお世話になっていました。サポートしてくださっていた山口さんにもお礼申し上げます。ありがとうございました。

 記事を生成AI氏に要約してもらうと、以下のようになります。

 大阪府立中之島図書館では、2026年度以降の指定管理者を2度公募したものの、いずれも応募がなく、4月から大阪府の直営に戻ることになった。背景には人件費高騰があり、提示額を引き上げても採算が合わないと判断されたとみられる。指定管理者制度の下では、文学講座、朗読劇のワークショップ、建物ガイドツアーなど多彩な催しが行われ、2024年度は約400回、約7万人が参加した。しかし直営化に伴い、今後はビジネス支援セミナーなどを除いて、文化事業や市民向けイベントは大幅に縮小される見通しである。一方、本の貸し出しなど通常の図書館業務には影響がないという。

 関係者から私が聞いていることの中には、大阪府立中之島図書館は建物が重要文化財の指定を受けていることもあり、その保全のためにも経費がかかるのだそうです。
 淀屋橋に直結し、大阪駅からも歩いて行け、政治経済の中心地であったところから、私が日比谷図書文化館で開催している社会人講座とよく似た環境でした。しかし、大阪府の姿勢が文化事業を継続することに理解を示さないのであれば、これは致し方のないことです。
 心機一転、また新たな方策を練って、一人でも多くの方が変体仮名を読めるようになる講座の開設に動きたいと思います。会社関係の施設で、交通の便の良いところで、こうした講座を引き受けていただけるところがあれば連絡をお願いします。もしなければ、京都駅前と宇治駅前で実施している形態で、NPO法人〈源氏物語電子資料館〉が主宰の自主講座で当座を凌ぐことになります。
 関係者のご理解とご協力をお待ちしています。




posted by genjiito at 15:04| Comment(0) | ■講座学習

2026年04月08日

京洛逍遥(972)下鴨神社に欅を獻木し半木の道と植物園へ

 新年度が始まり、今年も無病息災と日々の安寧をお祈りするために、下鴨神社へお参りしました。糺の森に足を踏み入れると、太古の息吹が森厳な雰囲気の木立の間から伝わってきます。

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 糺の森の参道を歩いていると、木の間隠れに最近獻木された標識が多く目につきました。そして、大きな木が樹齢を全うしたのか、完全に空洞になっているのを見かけました。

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 昨秋は、結婚50周年を記念して、檜皮葺き屋根の葺き替えに使う檜皮(ひわだ)の奉納をしました。下鴨神社の崇敬会からのお知らせに、糺の森を守り伝える活動の一環として、自然環境保護への支援を、ということが報じられていたことを思い出し、我が家も獻木をしようと思い立ちました。

 社務所で担当の方に詳しい説明を聞きました。樹種は、カエデ(モミジ)・ケヤキ・カツラ・エノキ・ムクノキの5種類から選んでほしいとのことです。
 私は、以前から欅の木に興味がありました。井上靖の小説の影響です。

「京洛逍遙(149)賀茂川畔の欅並木」(2010年07月07日)

 そこで、すぐに「ケヤキ」にしました。
 今回お願いしたのは、次の成木です。
 ・幹周 20cm 前後
 ・樹高 4〜5m
 ・樹齢 7〜10年
 木に添えるプレートは、妻との連名です。

 ちょうど、明後日までに申し込むと、今月の29日に下鴨神社の境内(糺の森馬場)で開催される「糺の森市民植樹祭」に間に合うとのことです。ただし、この社務所では現金しか受け付けられないと。それでは早速にと、スマホで振込の手続をしようとしたところ、振り込み先の受け取り人の口座名がとてつもなく長いのです。
「公益財団法人世界遺産賀茂祖神社境内糺の森保存会 理事長奥正之」
 しかも、これをカタカナで入力するのです。
「コウエキザイダンホウジンセカイイサンカモミオヤジンジャケイダイタダスノモリホゾンカイ リジチョウオクマサユキ」
 しかし、この文字列を「〜カモミオヤジンジャケイダ」まで入力すると、以降の文字はスマホが受け付けてくれません。長すぎるのです。

 担当の方は、銀行の窓口で手続をすればいいとおっしゃいます。偶然にも、この下鴨神社の口座は近くの京都銀行下鴨支店です。私は宇治に転居する5年前まではこの近くに住んでいた関係で、下鴨神社と同じ支店に口座をもっており、そこからスマホで振り込もうとしていました。銀行は近いのと、この地域には15年も住んでいたので勝手知ったる場所でもあり、銀行に急ぎました。閉店まで、あと30分もありません。

 銀行の窓口で口座名が長いことなどを説明すると、キャッシュカードがあればATMでも出来るとのことで、行員の方が一緒に手続をしてくださいました。ところが、ATMが受け付けてくれません。振込詐欺の保護から、10万円以上の振込には口座にロックがかかるのだそうです。事情が事情なので、すぐに店内の奥で私の口座のロックを解除してくださり、再度ATMで振込が完了しました。銀行の方は、ひたすらご理解をと頭を下げておられました。それだけ、危機管理がなされていると言えるのです。
 送金が無事に終わったことを確認していただいてから、銀行を出ました。ちょうど午後3時で閉店スレスレの時間でした。私にはよくあることです。それにしても、ドッと疲れました。

 銀行を出ると北大路通りなので、そのまま西へ歩いてかつて住んでいた家のそばを通り、賀茂川に沿って桜並木が続く半木の道へ行きました。

 近くの和菓子屋さんの長生堂は、変わることなくありました。我が家にお客さんがお出でになった時には、いつもここに走って来て特注のお菓子をいただいていました。

260408_長生堂.jpg


 北大路橋から北に延びる半木の道は、みごとな桜並木となっています。毎日のように散策していた河原なので、妻との思い出話も弾みます。この先の木陰にあるベンチで、よくお弁当を食べたものです。

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 途中から、すぐ横の府立植物園に入りました。半木の道は、この植物園に沿って延びているのです。

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 園内の散策路に入ると、風景が一変します。次の写真の中央奥の左には、水車小屋が見えます。海外でこのブログをご覧になっている方々も多いので、少しサプライズを。

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 北大路駅に行くために、トントンと呼んでいた飛び石の真ん中が、土砂が堆積して島になっていました。水不足の影響もあるのでしょう。初めて見ました。

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 半木の道の対岸である右岸から植物園を見やると、桜並木が賀茂川の水面に映えてきれいです。ただし、桜の迫力が感じられなかったのは、桜の枝が細っていたからでしょうか。木の数も相当減ったように思われます。

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 パノラマで撮った写真もアップします。

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posted by genjiito at 23:34| Comment(0) | ◎京洛逍遥

2026年04月07日

集会所で卓球バレーを楽しむ

 今日は寒い1日でした。
 そんな中、集会所で卓球バレーをしました。
 これまでにも何度かやっているので、ルールで迷うことはありません。
 参考までに、ニッタクのホームページから、このゲームの概要を引きます。

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 アウトになるのは、だいたい次の4つのパターンです。

(1)速い玉が飛んできた時
(2)ネット際で力強く打った時
(3)慌てて3回で返せなかった時
(4)みんなでお見合いをした時

 手に持った細長い木の板で、転がってきたピンポン球を打ち返すという単純なゲームです。
 しかし、何度もラリーが続くと、結構身体が温かくなります。
 ワイワイガヤガヤ、楽しい時間を過ごしました。




posted by genjiito at 18:46| Comment(0) | *福祉介護

2026年04月06日

古都散策(79)久しぶりにお茶のお稽古をした後は西大寺へ

 先月の3月16日は発熱のため、お茶のお稽古は休みました。今日は9日以来の、ほぼ1ヶ月ぶりのお茶のお稽古となります。自宅では、折々にお茶を点てています。しかし、それはお作法などは関係なく、ただお茶と和菓子を楽しんでいるだけです。

 先月からは、薄茶のお稽古において持ち運びの動きを最小限にした、道庫を利用したお点前に取り組んでいます。お点前をする手前座に座ったままで、左側の道庫という場所に茶道具をあらかじめ置いてお点前をするのです。手足にやや違和感が残る私にとっては、ありがたいお作法です。

 今日も、うっかり手順を忘れることはあっても、何とかお点前の流れはわかって来ました。細かな所作について、先生からはいろいろとアドバイスをいただきます。今日は、柄杓の置き方で気をつけることを教わりました。
 右膝にはタオルを敷いているので、右左に身体を動かす時には膝を滑らせることでスムースに動けます。今日は、左に向く時に難儀をしたので、次回は左右両膝に小さなタオルを敷くことにします。

 妻は、盆略手前でお盆を使わないバージョンのお稽古をしていました。茶巾を置く小さな皿を置いておくといいので、次回からは持参することにします。
 袱紗さばきには、今日も四苦八苦していました。朝から自宅で少し練習をしてから、出掛けて来ました。しかし、まだ慣れないこともあり、ああでもないこうでもないと、袱紗と格闘しています。道具の置き場所も、少しずつ教えてもらっていました。
 とにかく、理屈ではなくて何回も繰り返すことで、身体に覚えさせることです。

 今月の『淡交タイムス』(茶道裏千家淡交会発行、第621号)の巻頭で、家元は次のようにおっしゃっています。

 皆さんは点前に臨むとき、「いい格好をしよう」「先生に褒められたい」などと要らないことを考えていませんか。(中略)
 邪心を抱かず、いつもどおりの自分の姿で点前に臨めば、たとえ手順を間違っても、良いしくじり方ができます。自分に足りないものも見えてきます。

 茶道のお稽古で向き合うのは、あくまでも「自分自身」なのです。遅々として進まなくても自分と向き合うことが大事であり、お稽古の一々はあまり気に病むことはないのです。気が楽になります。

 南禅寺の近くにある、松下幸之助がパナソニックの迎賓館として造った「真々庵」へ行った時の写真が出てきました。2011年のことです。非公開にもかかわらず、その「松下真々庵」へ縁あって行った時のものです。錚々たる先生方の中に、まだ初心者の私がいる記念写真です。

 あの時は、樋野支配人に東山を借景にした回遊式の庭園を案内していただきました。また、お茶室では緊張しながらお抹茶をいただきました。さらには、地下に収蔵されていた人間国宝の方々の作品を、丁寧に解説してくださったことを、今でもはっきりと覚えています。

「京洛逍遥(208)「真々庵」でPHPを考える」(2011年12月22日)"http://genjiito.sblo.jp/article/178945894.html"

 その写真を、森田先生に見てもらい、どのような事情で私が付いて行ったのかをお聞きしました。奈良西大寺で開講されている近鉄文化サロンで森田先生が受け持ちの教室に引き続き、次の時間はお仲間の西浦先生が担当されています。その西浦先生のご縁で、15年前に「真々庵」へ行ったということがわかりました。
 帰りに、入口で西浦先生と出会えたので、写真を見てもらい当日の背景となる話をお聞きすることができました。奇遇が奇遇を呼び、それが積み重なって、私などが同席できたのです。またとない幸運だったのです。

 近鉄西大寺駅のすぐ南に、真言律宗の西大寺があります。巨大な茶碗で抹茶を飲む「大茶盛式」が有名です。孝謙上皇(重祚して称徳天皇)が、東大寺に対して平城京の西を守るお寺として創建したお寺です。

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 過去のブログを見ると、2010年の秋に開催された西大寺チャリティー茶会に参加していました。今日訪れたのは、それ以来ということのようです。
 お寺の拝観時間も終わる頃だったので、境内を巡るだけにしました。西大寺駅には毎週来るので、またいつかのんびりと来ましょう。

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posted by genjiito at 23:43| Comment(0) | ・古都散策

2026年04月05日

京洛逍遥(971)宇治川の桜と陶器まつり

 昨日の雨も上がり、コートのいらない好天です。
 宇治川の中ノ島で開催中の、さくらまつりと炭山の陶器まつりに行きました。
 途中で、春の到来を告げる多くの花と出会いました。

 チューリップ、椿、ボケと、いろいろな色合いで楽しませてくれます。

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 朝霧橋の手前にある匂宮と浮舟の像の横に、光源氏という椿が咲いていました。あるのは知っていました。しかし、花開いているのは初めて見ました。

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 妻から、宇治十帖には光源氏が出てこないのに、どうして光源氏という椿を植えているのか、という問いを受けました。いろいろと思いを巡らせても、もっともらしい答えが出て来ません。深く考えるな、というところでしょうか。

 その像のうしろから、朝霧橋越しに対岸の中ノ島と塔ノ島のさくらまつりと陶器まつりの会場の賑わいを望みました。

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 陶器まつりで、いい形と色の丼があったので2ついただきました。
 妻は、ベランダで育てる花をいろいろと手に入れていました。

 塔ノ島の喜撰橋は、あまり紹介していませんでした。『百人一首』にゆかりがあり、私のブログの名前「たつみのいほり」にも関係する喜撰法師です。

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 今日も、平等院では大勢の人が並んでいるので、垣根越しに失礼しました。この宇治に来て、まだ平等院にはお参りしていません。何度も来ているのに、住民になると入る機会がなくなっているのは、観光客との距離感を感じているからでしょうか。

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 橘橋の下を、観光客のための川船が行き来していました。

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 この船を見るといつも、2012年10月にケンブリッジ大学のジョン・コーツ先生とご一緒に乗って食事をいただいたことを思い出します。この後で、ご一緒に平等院に入りました。それ以来、入っていないことになります。

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 コーツ先生は、2022年5月9日に77歳でお亡くなりになりました。そのことは、次の記事で詳しく報告しています。

「昨日お亡くなりになったジョン・コーツ先生を偲んで」(2022年05月10日)"http://genjiito.sblo.jp/article/189525993.html"

 宇治へ行く前には、我が家で先生とお茶を楽しみました。日本の文化に詳しい先生でした。

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 明日はお茶のお稽古に行く日です。
 一期一会の気持ちを忘れないためにも、これからもお茶のお稽古を続けていくつもりです。




posted by genjiito at 23:59| Comment(0) | ◎京洛逍遥

2026年04月04日

宇治で相愛本『源氏物語 橋姫』の変体仮名を読む会(10)

 小雨が冷たい一日でした。
 宇治駅前のシェア型書店HONBAKO京都宇治の店内は、本を見に来る方が増えています。今日も満員でした。
 本棚も、賑やかになってきました。多彩な本が並んでいるので、これまでに見たこともない本との出会いが楽しめます。

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 2階のシェアスペースで、今日も以下の内容を、意見を出し合いながらしました。

・京都の佐藤さんと、東京の木村さんからいただいた街中の変体仮名を確認する。
・「ハ行転呼音」を、中学生にもわかる説明文で理解する。
・「須磨」の有名な文章を、関弘子さんの平安朝復元朗読で聴く。
・字母の使われ方で、これまでにわかってきたことを確認する。
・相愛本「橋姫」10丁裏5行目〜11丁裏6行目までの2頁分を確認する。
 (第7回に配布した資料と第9回の資料を使う)

 「ハ行転呼音」は、前回の話の中でP音考について触れたので、それを再確認することにしました。その際、説明は中学生にもわかることを注意して行ないました。一言で言うと、「私は学校へ行きます。」の「は」と「へ」を、口で言う時にはなぜ「わ」とか「え」と言っているのかを説明できるようにする、という意図で取り上げたものです。これは、子供にどうして?と聞かれた時に、親が説明できない実状を踏まえての問題提起となっています。

 配布したプリントには、次の説明文を載せました。これは、ChatGPT Plus に「ハ行転呼音」について中学生にもわかるような説明文を作成してほしい、というリクエストを行ない、その結果を私が少し手を入れて整理したものです。
 もっと内容は盛りだくさんになるはずです。しかし、中学生に親が説明するという設定での回答を元にしているので、その事情をまずはご了解願います。

[ハ行転呼音とは何か](中学生向けの説明として)

ハ行転呼音(はぎょうてんこおん)とは、昔の日本語で、ハ行の音が変化して、ワ行に近い音になったことをいいます。今の日本語では、ハ行は「は・ひ・ふ・へ・ほ」と読みます。しかし、この音は昔からずっと同じだったわけではありません。
 長い歴史の中で、だいたい次のように変わってきたと考えられています。

1 いちばん古いころは P音に近かった
 日本語のハ行の音は、今のようなH音ではなく、もっと古い時代には「パ・ピ・プ・ペ・ポ」のようなP音に近かったと考えられています。つまり、今の「はひふへほ」は、昔には「ぱ・ぴ・ぷ・ぺ・ぽ」に近い音だった、ということです。

2 そのあとF音に近い発音になった
 次の段階では、このP音が少し弱くなって、英語のFに少し似た音になりました。ただし、英語の fan の f とは少し違い、日本語では上下のくちびるを使って出すF音のような音だったと考えられています。これが、「ファ・フィ・フ・フェ・フォ」に少し近い段階です。今でも「ふ」だけは、完全なH音ではなく、口の形が少しF音に近い感じで発音されます。

3 さらに今のH音に近づいた
 その後ハ行の音はさらに変化して、今の「は・ひ・ふ・へ・ほ」のようなH音に近づきました。つまりハ行の歴史を大まかに言えば、「P音→F音→H音」という流れで変わってきたのです。

4 ところが、言葉の中ではさらに弱くなった
 ここで大事なのは、ハ行の音がいつも同じように変化したわけではない、ということです。
 語のはじめでは比較的しっかりした音が残りやすかったのですが、言葉の中や助詞では音が弱くなりやすくなりました。その結果、F音に近かったハ行の音がさらに弱まって、
  は→わ  ひ→い  ふ→う  へ→え  ほ→お
のように、ワ行や母音に近い音で発音されることが起こりました。これをハ行転呼音といいます。

5 なぜ書き方と読み方がずれるのか
 文字づかいは古い形を残した。
 発音は時代とともに変わったので、今のようなずれが生まれました。

6 まとめ
 ハ行の音の歴史を簡単にまとめると、次のようになります。
 とても古い時代には、ハ行はP音に近かった。その後、少し弱まってF音に近くなった。さらに変化して、今のH音に近づいた。
 ただし、言葉の中(語中)や助詞(語尾)ではさらに弱まり、「は→わ」、「へ→え」のような変化が起こった。その名残が、「私は学校へ行きます。」の「は」「へ」の読み方に残っている。

 これで、本日の参会者はほぼ了解してくださいました。
 それでは、ということで、引き続き「須磨」巻の有名なくだりを、関弘子さんによる平安朝復元をした朗読を聴いてもらうことで、平安時代の発音を疑似体験してもらったのです。

須磨には、いとど心づくしの秋風に、海はすこし遠けれど、行平の中納言の、関吹き越ゆると言ひけむ浦波、夜々はげにいと近く聞こえて、またなくあはれなるものは、かかる所の秋なりけり。」(伊井春樹先生作成の校訂本文より)

 「須磨には」の「は」や、「海は」の「は」が「ファ」に、また「言ひ」の「ひ」が「フィ」と聴こえるところに注意をして聴きました。

 続いて、字母の使われ方で新しくわかってきたことを報告しました。例として、「あはれ」の場合を資料には引きました。

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 「あはれ」について、仮名文字の表記が相愛本「帚木」(断簡)では次のようになっています。

(1)相愛本(断簡) 池田本
  あ者れけ奈り  あ八れ【也】
  あ者れ尓    満して
  あ者れの    あ八れの

 これが、ハーバード本『須磨』と池田本『須磨』では次のようになります。
 10桁の数字は『源氏物語別本集成 正・続』で用いた文節番号です。

(2)ハーバード本「須磨」 文節番号 池田本「須磨」

あはれ 120821-000 あ八れの三
あ者れ 120239-000 あ八れと
あ八れ 121647-000 ナシ
あ者れ可り 122154-000 ナシ
あはれと 122820-000 あ者れと
あ者れと 122995-000 あ者れと
あ者れと 123010-000 あ者れ耳
あ者れと 125099-000 あ八れと
あ八れと 120604-000 あ八れと
あはれなり 121317-000 あ八連な里
あ八れな里 122423-000 あ八れ【也】
あはれなる 122832-000 あ八れなる
あは礼なる 124205-000 あ八れなる
あ者れなる 121119-000 あ者れなる
あ者れなる 122056-000 あ八れなる
あ者れなる 123050-000 あ者れなる
あ者れ奈る 121024-000 あ八れなる
あ者れ奈る 124020-000 あ者れなる
あ八れなる 123370-000 あ八れなる
あ八礼奈る 120155-000 あ八連なる
阿者れなる 121167-000 あ八れなる
あ八れなる越 120077-000 あ八連なる越
あ者れなれと 122902-000 可奈し遣れと
あ八れなれとて 120311-000 あ八連奈れとて
あ者れ奈れ者 124099-000 あ者れな連八
あはれ尓 122381-000 あ八れ尓
あはれ尓 122778-000 ナシ
あ者れ尓 120269-000 あ者れ尓
あ者れ尓 120639-000 あ八連に
あ者れ尓 122001-000 あ八れ尓
あ者れ尓 122769-000 あ八れ尓
あ者れ尓 123211-000 あ八連に
あ者れ尓 123232-000 あ者れ尓
あ者れ尓 123976-000 あ者れ尓
あ者れ尓 124667-000 あ者れ尓
あ者れ尓 124789-001 あ八れ尓
あはれ尓て 124277-000 あ八れ尓
あはれ毛 123122-000 ナシ
あ者れを 121250-000 あ八れ
あ者れをも 120197-000 あ八れをも
あ者れを毛 122738-000 あ八れをも
あ者れ奈れ八 123033-000 あ八れなれ半

 ハーバード本「蜻蛉」と池田本「蜻蛉」では次のようになっています。

(3)ハーバード本「蜻蛉」 文節番号 池田本「蜻蛉」

「あ者れ 523917-000 「あ者連
あ者れ 526236-000 あ者連
あ者れと 520607-000 あ者連と
あ者れと 523024-000 あ者連登
あ八れと 523070-000 あ者連と
あ者れなと 525275-000 あ者連なと
あ者れなり 521637-000 あ者連なり
あ者れなり 522066-000 あ者連なり
あ者れなり 522167-000 あ者連なり
あ者れなり 522352-001 あ者連なり
あ八れなり 522361-000 あ者連なり
あ者れなり 523300-000 あ者連なり
あ者れなり 525386-000 ナシ/落丁
あ者れなりける 521783-000 あ者連なりける
あ者れなり介る 525475-000 ナシ/落丁
あ者れなりし 523950-000 あ者連那りし
あ者れなる 520551-000 あ者連那る
あ者れな累 526062-000 あ者連那りける
あ者れなる尓 525944-000 あ者連なる尓
あ者れ尓 521489-000 あ者れ尓
あ者れ尓 522028-000 あ者連耳
あ八れ二 522460-000 ナシ/落丁
いとあ者れ尓 522005-000 いとあ者連尓
ものあ八れなり 521964-000【物】あ者連なり
【物】あ者れなる523844-000ものあ者連なる
ものあ者れなる 523931-000 ものあ者連那る
ものゝあ者れも 521621-000 ものゝあ者連も

 これらを整理すると、暫定的な結論ながら、次のようになります。

 (1)の相愛本「帚木」では「あ者れ」と表記され、池田本「帚木」では「あ八れ」と表記されています。もちろんこの「帚木」は断簡のため、用例数が少ないので現状の確認に留まります。

 これが(2)のハーバード本「須磨」と池田本「須磨」の場合は、ハーバード本は「あ者れ」が優勢で、池田本は「あ八れ」が優勢といえます。
  ハーバード本 「者」=26例/「八」=7例
  池 田 本  「者」=11例/「八」=26例

 また、(3)を加えて通覧すると、ハーバード本の「須磨」と「蜻蛉」には「あ者連」と「連」を使った表記がまったくないのに対して、池田本「須磨」には「あ八連」が42例中6例、「蜻蛉」には「あ者連」が24例中23例と、「連」が頻出します。
 つまり、相愛本「帚木」とハーバード本「須磨」「蜻蛉」は「あ者れ」が優勢です。これに対して、池田本の「帚木」は「あ八れ」、「須磨」は「あ八れ」「あ八連」、「蜻蛉」は「あ者連」が主な表記となっているのです。

 「あはれ」という言葉を表記するにあたって、「は」と「れ」にどのような仮名文字を当てて書いているのかを見ると、写本の分別にヒントを与えてくれることになります。
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 これも、今後ともこの宇治で相愛大本「橋姫」を変体仮名に注目して写本を読んでいく際に、語彙の用字で字母の選定のされかたに気をつけて見ていきましょう、という問題提起で確認を得ました。

 さて、この会でのメインとなる、古写本に書き写された変体仮名の確認に移ります。
 今日は、10丁裏5行目から11丁裏6行目までを、第7回と第11回に配布した資料とで確認を進めました。
 問題とした箇所を箇条書きで列記します。

(1)10丁裏5行目末尾の「月」と、次行の行頭の「徒き」について
 同じ言葉が、漢字と仮名で重複して書写されています。これは、親本に存在した重複書写をそのまま書き写したものである、としました。そして、親本かそれ以前の写本の段階で、まず行末に「月」と書き、行が変わった行頭には、記憶に残っていた言葉を自分の頭に入っていた言葉を音の記憶で「徒き」と書いたのではないか、としたのです。これは、改行されて筆を持つ手も、料紙を見つめる目も動いたために、頭の中で文字をコピーすることから離れた書き写しの行為となったためと判断します。親本かそれ以前の書写者は、漢字で「月」と書きながらも、日常的には「徒き」と仮名文字で表記する習慣があったか、記憶した文字列を書きつける時に、つい仮名文字で書いたのではないでしょうか。こうした例は、これまでにもあったので、今後はその用例を集積しておきたいと思います。あくまでも仮定の説明です。

(2)10丁裏6行目の次のナゾリは、「ぬ&無=む」としました

260404_相愛「橋姫」10丁裏6行目のナゾリ.jpg

 ここは、「まをならむ八や」とある箇所です。まず「ならぬ」と書いてしまい、「ぬ」が間違いだと気付いたために、その上から「無」とナゾリ書きをし、さらに念押しの意味で「む」を右横に傍記した例です。

(3)11丁表5行目の「れ葉」のナゾリでは、下の文字は不明としました

260404_相愛「橋姫」11丁表5行目のナゾリ.jpg


 「葉」をナゾッた箇所の下の文字がわかりません。試しに、「葉」の点画をコンピュータで消してみました。

260404_相愛「橋姫」11丁表5行目のナゾリ加工.jpg


 しかし、これでもどんな文字が下に書かれていたのかは、私には推測できません。後日の課題とします。

 今日は、相愛本「橋姫」の10丁裏5行目から11丁裏6行目までを確認しました。[変体仮名翻字版]で示すと、次のようになります。

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相愛大学本『源氏物語 橋姫』第一〇丁裏〜第一一丁裏 [変体仮名翻字]

翻字データの中にある付加情報(/)の記号について
傍書(=)、 ミセケチ($)、 ナゾリ(&)、
補入記号有(+)、補入記号無(±)、 和歌の始発部( 「 )・末尾( 」 )、
底本陽明文庫本の語句が当該本にない場合(ナシ) 、 翻字不可・不明(△)
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(前略)・本の可奈りし・【月】
徒き可けの・三をり/を±と、(三をとり)・世春は・まをならむ八や/ぬ&無=む・
遣者い・あ里さま八・ナシ・さ八可りならんをそ・あ
らま本しき・【程】と・【思】【給】へ・【侍】へきなと・きこゑ・
堂まえ八・者て/\八/(者て者て八)・ま免多ちて・いと・祢
堂く・於ほろ遣乃・ひと尓・【心】・ゆるさぬ・【人】能/(10ウ)
--------------------------------------
可く・ふ可く・【思】へる越・をろ可なら春/可〈判読〉・ゆ可しう・を
本春・【事】・可きりなく・なり【給】ぬ・な越・ま多/\/(ま多ま多)・よく・ナシ・
介しき・三・【給】と・【人】を・春ゝ免/(春春免)・【給】弖・可きり・
ある・【身】の・【程】・よ多遣さ越・い登王し幾まて・
心もとなしと・於ほい堂れ葉/△&葉・ナシ/+を可しうて・い弖や・うるさ
くそ・【侍】・し者し・【世中】尓・ナシ・とゝ免しと/(とと免しと)・【思】・【給】
ふる・や/〈ママ〉・ある・【身】尓て・な越さり【事】毛・徒ゝま
しきなり/(徒徒ましきなり)・毛し・古ゝろな可ら/(古古ろな可ら)・可な者
ぬ・こゝろ川きそ免奈葉/(こゝろ川きそ免奈葉)・於ほきに・ナシ・多
可ふへき・【事】とゝ/(【事】とと)・ナシ・きこゑ・給へ八・い弖・あ奈/(11オ)
--------------------------------------
【事】/\し/(【事事】し)・礼いの・をとろ/\しき/(をとろをとろしき)・ひし
里【事】葉・み者てし可奈登て・王らひ・
【給】ふ・こゝろの/(こころの)・うち尓八・可乃・ふる【人】の・本の免
可しゝ/(本の免可しし)・すち那と能・いとゝ/(いとと)・をとろ可され
て・毛乃あ者れなる尓・を可し登・みる・【事】
毛・めや春しと・きく・あ多里尓も・【何】八可り・
古ゝろ尓も/(古古ろ尓も)・とまらさり介り・【十月】尓・なりて・
(後略)/(11ウ)
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 今日も、いろいろな問題提起をし、いろいろな疑問点や質問に答えた2時間でした。
 次回は、5月2日(土)です。

 鎌倉時代に書写された、現存する写本の中でも最も古い格式の高いものとして、この「橋姫」に書き写された文字を字母に拘って読んでいます。
 ほとんど試みられていない[変体仮名翻字版]という方式で本文を確認して読んでいくことにより、より平安時代の物語を読む感触を体感しながら進めています。ひいては、その翻字データがNPO法人〈源氏物語電子資料館〉が目標に掲げる、100年計画の壮大な『源氏物語』の本文データベースに成長していくことになります。その過程に関わっていただくことで、古写本が読める方を一人でも多く育っていただこう、ということにもつながります。
 こうした取り組みに、興味と関心をお持ちの方や、たまたま宇治を訪れたので、ということでのスポット参加も歓迎します。一人でも多くの方が、自由に変体仮名を読めるようになっていただきたい、との思いから気長に取り組んでいるNPO活動です。

 なお、今日は妻が「お店番」として、リバティプリントの生地で手作りしたブックカバーの試作品と、生地を多数並べて、今後の作品展示のデモンストレーションをしました。勉強会には参加せずに、一日中ホールにいてリバティの説明などをしていたようです。リバティファンの方がお出でになり、いろいろと話ができたようです。これも、本を仲立ちとして多彩なコミュニティを展開しようという、このシェア型書店HONBAKO京都宇治の主旨の元での支援活動となるものです。

 次は、6月6日(土)に作品を持ち込む予定となっているようです。本以外でのコミュニティ活動も、こうして展開していますので、よろしかったら立ち寄ってみてください。

 帰る時には、JR宇治駅前の桜は淡いきれいな桃色に咲き拡がっていました。

260404_駅の桜.jpg


 今日と明日は、宇治川で「宇治川さくらまつり・炭山陶器まつり」が開催されています。
 ここでいただいた陶器が、我が家には多くあります。
 明日の午後には雨が上がるようです。ブラブラと宇治川を散策なさるのも一興かと思い、お薦めします。




posted by genjiito at 23:32| Comment(0) | ■講座学習

2026年04月03日

氏名の由来を聞いて親しみを増すことになる

 今日は集会所で、参会者が各自の苗字と名前の謂れなどを話しました。
 女性が多数なので、日頃は聞かない旧姓のことを、特に興味深く伺いました。
 旧姓を聞いて、イメージが大きく変わる方もいらっしゃいます。
 苗字は自分ではどうしようもないものなのでともかくとして、名前には親の気持ちが込められていて、話としてはおもしろく聞けました。
 さらには、戦前の生まれの方には時代の色や願いがあり、これまた、それが社会情勢を反映していて、人の思いや社会とのつながりを感じました。
 多分に個人情報にもなるので、あまり深くは聞けないものの、一人一人が生きて来られた背景が垣間見えて、その方の素顔がまた違って見えたりもします。
 私は、名前が「鉃」の漢字であり、「鉄」ではないことを言いました。
 妻は、旧姓が「桃井」なので「ピンクちゃん」と呼ばれていたことを話していました。
 そういえば、私は小さい時から今に至るまで、ずっと「テッチャン」です。
 相手によって、「テ」か「チ」にアクセントがあります。
 関係によって、アクセントの位置がずれるのも、おもしろいことです。
 こうしたあだ名を話題にしても、盛り上がることでしょう。
 私は、女性の名前に、それが高齢者であれば変体仮名の影響があるのかと思っていました。
 しかし、今日のところは、特に興味を持った仮名文字はありませんでした。
 漢字に意味を持たせる、という命名に留まっていました。
 日頃なにげなくお目にかかっている方の背景を名前を通して知ると、明日以降の見方や接し方に親近感を抱くことでしょう。
 プライバシーに気をつけながら、お互いが気心の知れた集まりであれば、こうした話題が和やかなお付き合いにつながるようです。
 都合の悪いことは触れなければいいにもかかわらず、意外とあっけらかんとおっしゃっていたことに驚きました。
 この集まりでのお付き合いが長いと、気心を許して心置きなく話せるのでしょう。
 楽しい話題が、これからのみなさんとの集いにつながることとなりました。




posted by genjiito at 20:15| Comment(0) | *福祉介護

2026年04月02日

またまた点滴の付き添いで思ったこと

 今日も、宇治徳洲会病院へ行きました。隔週で妻のレカネマブ(レケンビ)の点滴治療の付き添いです。いつものように、帰宅するまでに6時間かかりました。お決まりのルーティンなので、毎回もっと要領よくすればいいのに、と素人としては思います。とにかく、人手が足りないのと、段取りが良くないので手間と時間がかかっています。

 付き添いで来ているので、ベッドの横に座って様子を見るのが私の役割です。しかし、今日はイスがなかったので付き添うことができず、外のソファーで点滴が終わるのを1時間半も待っていました。看護師さんにイスがないことを言っても、別室に取りに行ってもらえるわけでもないので、外で待つしかないのです。
 この観察室には、ベッドが16台あります。しかし、折り畳みイスは5脚しかありません。肘当てが付いたどっしりとしたイスが2台あります。しかし、それはベッドの間が狭すぎて、残念ながら入らないのです。

 点滴が終わると、さらに30分間はベッドの上で安静です。帰りの最終バスの出発時間を気にしながら、また、その後の会計での支払いも気にしながら、じっと時計と睨めっこです。
 京大病院では、お昼を過ぎているので館内で食事をしながらのんびりと30分を、という対応でした。館内にいて、何か変調があればすぐに連絡を、とのことだったのです。
 比べてはいけないと思います。しかし、この宇治徳洲会病院でも点滴が終わるのが13時なので、妻は9時から13時まで、空腹に耐えるのが大変な苦行となっています。おにぎりでも持参すればいいのでしょうが。

 何とかバスには間に合いました。
 今日も、忍耐の1日でした。




posted by genjiito at 21:37| Comment(0) | *健康雑記

2026年04月01日

宇治で古写本『源氏物語 橋姫』の変体仮名を読む会(第10回)のご案内

 本日の京都新聞山城版「まちかど[宇治]」に、NPO法人〈源氏物語電子資料館〉が主催する、「宇治で古写本『源氏物語 橋姫』の変体仮名を読む会」の案内記事を掲載していただきました。

260401_NPO新聞.jpg


 会場は、JR宇治駅から歩いて3分(京都府宇治市宇治宇文字2-38)、宇治警察署の裏にあるシェア型書店HONBAKO京都宇治で、2階のシェアスペースをお借りして開催しています。
 宇治の地で、宇治十帖の初巻である第45帖「橋姫」に書かれた、鎌倉時代の文字を読み進めています。変体仮名は初めてだという方のご参加も大歓迎です。いつでもどうぞ。

 扱う古写本は、相愛大学の春曙文庫が所蔵する『源氏物語 「橋姫」』(断簡)。
 写本の画像は、国文学研究資料館の国書データベースで公開中のものを使い、資料はすべて、当日の会場で配布します。


 今回は、10丁裏5行目「本の可奈りし・【月】」とあるところから確認を進めます。

260401_相愛本橋姫10uL5.jpg


 遅々として進みません。質問や疑問点に答えながら、気長にのんびりと取り組んでいます。

 開催日時は、毎月第1土曜日の午後2時〜4時。
 一人でも多くの方が、日本の文化資産である変体仮名が読めるようになることを願って開催するものです。
 『源氏物語』の内容は扱わず、仮名文字を読むことを主眼としており、毎回読み切りです。
 参加費は2,000円。

 毎回の勉強会の様子は、この[たつみのいほりより](http://genjiito.sblo.jp/)で報告しています。前回3月の活動内容は、以下の記事で確認できます。

「宇治で相愛本『源氏物語 橋姫』の変体仮名を読む会(9)」

 本ブログのコメント欄を通して、参加希望の旨をお知らせいただけると、資料を用意してお待ちしています。上記、京都新聞に掲載されているメールアドレスでも大丈夫です。
 お知り合いの方へのご紹介も、よろしくお願いします。

 なお、昨年12月に引き続き今回も 12:00 〜 16:30 の間に、「お店番」として妻が担当者となって「Handmade モモ」がブックカバーを出品します。

251204_モモの広告.jpg


 今回は、すべてリバティプリントを使った布製のブックカバーのチャリティ販売です。

260401_ブックカバー1.jpg

 よろしかったら、シェア型書店HONBAKO京都宇治の入口近くのテーブルに作品を何点か並べていますので、お手に取ってご覧ください。




posted by genjiito at 19:34| Comment(0) | ◎NPO活動

2026年03月31日

集会所で景品付きのお楽しみ会をした後は少し教育論議を

 今日は3月31日。明日からは4月。新年度になります。
 集会所では、年度末の楽しい企画が用意されていました。

 まずは、射的でお菓子をゲットします。Tさんも元気に参加です。
 元気すぎて銃身が上向きになるので、主宰者のNさんが横から少し押し下げるように手助けをしておられます。

260331_Tさんの射的.jpg

 目の前の標的は、何とすべてチョコレート菓子。これは、買い出しに行かれた方が、後でそういえばと気付いたのだそうです。みなさん、気持ちは若者です。

 射的で手に入れたお菓子には番号の札が貼ってあり、その番号の景品がもう一つもらえます。今回は、いつもよりも豪華な品揃えでした。

260331_景品.jpg

 私は9番でキッチンペーパータオルが、妻は16番で洗濯洗剤のジェルボールでした。
 ちなみに、Tさんはティッシュペーパーのボックス5個でした。

 終わりに、各自が去年と今年のことを話すことになりました。みなさん、この集まりが日々の活力の源になっていることを、感謝の念と共におっしゃっていました。火曜日と金曜日が来るのが楽しみだと。一人ではないことを実感するからでしょう。
 Tさんは、この4ヶ月間お休みだったことを踏まえて、また参加できるようになった喜びを話されました。100歳とは思えない、しっかりとした口調と内容に、元教員だった時の面影を感じ取りました。

 最後に、今後の話になった時に、もっと地域との交流を大切にした活動に結びつけられないか、ということで意見交換をしました。若者に参加してもらうことや、異文化交流の大切さです。
 しかし私は、生涯学習や福祉と介護への理解のない人を気軽に呼び込むことに対する懸念を述べました。やはり、それなりの意識と教育を受けた方に参加してもらわないと、無責任で放漫な対応になります。例えば、学生であればいいのではなくて、来る前と来た後のフォローが学校側でなされないと、お互いのためにもよくないと思うからです。その背景に、高齢者に関する問題意識をしっかりと持った専任教員がいて、教育の一環として学生を送り出す、ということは重要な点です。責任者が不在のサークル活動の延長であったり、興味本位からの参加にはノーと言う必要があります。
 その点からも、地域の学校にこうした態勢が整えられているのかは、事前によく調べておく必要があります。若ければ誰でもいい、ではない問題が内在しているからです。

 このことは今後とも話題にすべきです。
 ただし、この集まりに参加しておられる方々は、共に楽しく過ごすということに対する、その意義深さと高い認識をお持ちの方が多いのがこの集まりの特徴だと言えます。これは、取りまとめ役であるNさんの功績です。それに対応できる若者であれば大歓迎です。
 それだけに、以前ここに来た、高齢者を見下した対応をした学生のような参加は、不愉快さしか残りません。あの学生にもよくないことです。学校側が、それなりの教育やアドバイスをして送り込むべきなのに、それがまったくなされないままの参加となっていました。この点について妻が、若者であれば誰でもいいわけではない、という観点からフォローをしてくれました。

 今日も、教育などというと理屈っぽくて堅苦しくなる、との意見がありました。しかし、やはり制度やシステムを踏まえた呼びかけでないと、やることなすことが無責任で空回りをします。特に、この集まりが温かな雰囲気で運営されているので、その現状の自覚なしに、それを壊すような闖入者にはこちら側も十分に気を配る必要があります。

 帰りは、Tさんを4人で送り届けました。息子さんが玄関口に出て来られたので、少し言葉を交わしました。4ヶ月のお休みを経て先週からの復帰だっただけに、安心して送り出していただけるように、こちらも万全の態勢でお迎えしていることをお伝えしました。
 次の金曜日にお逢いするのが、また待ち遠しくなりました。




posted by genjiito at 19:53| Comment(0) | *福祉介護

2026年03月30日

京洛逍遥(970)近所の公園で見かけた春の気配(2026年3月末)

 近鉄桃山御陵前駅から西向きに80mも歩くと、道沿いのすぐ左に京阪伏見桃山駅があります。その京阪の踏み切りからさらに西に延びる伏見大手筋商店街を、今日はブラブラと散策してきました。
 お茶や和菓子は、いつもここで調達しています。京焼や清水焼のお茶碗がいろいろと並んでいました。しかし、手にしてみて、何となくよそよそしさを感じたので、今日は遠慮しました。
 反対方向の東側には、伏見城大手門遺構が迎えてくれる御香宮神社があります。
 生温い風が吹いていたので、もうコートはいりません。

 最初は、龍馬通りから宇治川の派流に出て、酒蔵沿いの川端に連なる桜並木を見に行くつもりでした。しかし、もう少し咲き誇るまで待とうということになり、この商店街だけを気ままに歩くことにしました。

 坂本龍馬が避難した材木小屋跡がある大手橋までの700mの間に、銀行の店舗が7つもあります。年度末になると、NPOがらみで送金や入金などの用事がたくさんあるので、ここはとにかく便利な街です。三井住友銀行の店舗が一昨年移転し、先週からATMも京阪の改札口の前に移動していました。大手が撤退していく中で、三菱UFJ銀行は健在です。

 帰りには、中央公園をこれまた気ままに歩きました。椿から桜に入れ替わるところです。画像をクリックすると精細表示となり、色が鮮やかになります。お楽しみください。

260330_椿の道.jpg

260330_桜と柳.jpg

 次の写真は、左下に紫色のカキツバタが、右上に白いミズバショウが咲いています。これからみごとな姿を見せてくれるようです。

260330_カキツバタとミズバショウ.jpg


 ユキヤナギも拡がっています。高い木々の中で、地面に沿って咲いています。

260330_ユキヤナギと椿.jpg

 みかけない花を見つけました。生成AI氏に聞くと、キバナホウチャクソウだと教えてくれました。初めて聞く名前です。春に、黄色い筒状や鐘形の花が下向きに咲くのだそうです。

260330_キバナホウチャクソウ.jpg

 妻は、タンポポを見つけては春が来たと喜んでいます。
 八重咲きの椿もみごとでした。

260330_桃色の椿.jpg


 桜は、これから満開を迎えるところです。
 しばらく楽しめそうです。

260330_桜と親子.jpg





posted by genjiito at 20:50| Comment(0) | ◎京洛逍遥

2026年03月29日

清張復読(89)「鷗外の婢」(『黒の図説』より)

■「鷗外の婢」
 森鷗外がどのような女性に好感を持っていたのか、というテーマで話は構成されています。鷗外の小倉時代の日記を手がかりにして、背景を考証的に語ります。

 末松謙澄が『源氏物語』を英訳したことが話題にのぼります。しかし、ここではまったく展開する文脈ではないので、簡単に終わっています。清張が『源氏物語』に言及した資料として、当該箇所を以下に引用しておきます。この小説とは接点がないものであり、あくまでも私の興味と関心からのメモです。

 鷗外が、詩才のほうが数段上だという末松青萍の「神代帝都考序」には、
「神代帝都実在豊地挙証明マ亦頗悉其詳・・・・」
 といった文句が見えるが、青萍は伊藤博文の女婿末松謙澄のこと。彼は福岡県京都郡の生まれだから、鷗外のいうように同郷のよしみから序文の責をふさいだのであろう。末松は伊藤内閣の農商務大臣や逓信大臣をつとめた。晩年は枢密顧問官か何かで、あまり振るわなかったが、明治十二年英国ケンブリッジ大学在学中に『源氏物語』の初めのほうを英訳し、技芸士の学位を得て帰朝した。『源氏物語』の英訳は末松が最初である。木村毅氏の話によると、立派な英文で英国でも評価されているという。
 末松には妙に「愛国精神」があって源氏の英訳も、日本にもこういう立派な長編小説があるというのを英国人に見せたかったからだという。明治十年代の日本は英国人もあまり知らなかったからだが、「国威発揚」の気持ちは旺盛だった。その旺盛なあまり、十三世紀の前半にヨーロッパを震撼させたジンギスハンは源義経のことなりというのを英文で発表した。
 末松はこれを匿名にし「グリフィスの説に従い」ともったいをつけたが、グリフィスは架空の学者名である。その英文を慶応出身の内田弥八というひとが日本訳にし『義経再興記』となった。水谷部全一郎の「成吉思汗ハ源義経也」はそれからタネをとった。末松は源義経とジンギスハンと音が似ていることと、義経が奥州から蝦夷に渡ったという江戸時代の巷説を、蒙古まで行かせて、その珍説を発明したのである。
 愛国心は郷土愛から発展する。京都郡生まれの末松が、豊前国を神代帝都に比定する著書に序文を寄せるのは、鷗外が想像するように、あながち著者に対する義理ばかりではないと思われた。(178頁)

 『古事記』や『日本書紀』の話が、九州の取材をしている主人公の関心事として出てきます。清張の古代史通の片鱗が見られます。邪馬台国に関しても、清張は結構突っ込んだ論点に言及しています。
 なお、登場人物に戸上忠右衛門という人が出てきます。私の父は忠右衛門と言ったので、同じ名ということでチェックをしておきました。ところが、この忠右衛門が物語の中で重要な役割を持っていたのです。
 妊娠した愛人を北九州から鳥取県の米子に移す話になると、清張の世界です。清張の父が米子に出されたことと関係するからです。
 後半になって、歴史家が古代史を道楽で語ってくれます。このことが、その後の話と深い関係にあることに発展していきます。古代と近代が、やっと結びつくのでした。
 そして、母娘二代が殺されたと思われることへと展開します。
 ただし、戦国時代の白骨54体が、4年前に殺された女の埋葬場所の下から現れたところから、話が混乱し出しました。そして、物語の綴じ目も素っ気ない感じがしました。最後は、急いで終わらせようとしたようです。もっと読者に説明をすべきだったと思われます。【3】


初出誌:「週刊朝日」1969年9月〜12月

底本︰『松本清張全集10』(文藝春秋社、1973.5.20)




posted by genjiito at 21:05| Comment(0) | □清張復読

2026年03月28日

[私見追補]キャンパスプラザ京都で相愛大学本『源氏物語 藤裏葉(断簡)』を読む(第2回)

 キャンパスプラザ京都(京都市大学のまち交流センター)の入口ホールには、いつものように本日のイベントの案内が表示されています。モニタの下のキーボードにお人形さんが置かれていたので、写し込んでおきました。

260328_案内板.jpg

 今日の最初の話題は、「教科書に見る平安朝・小学校−国語(9)日本書籍(その2)」です。これは、過日の「中之島で最終回となる『百人一首』と『源氏物語 蜻蛉』の報告」(2026年03月14日)"http://genjiito.sblo.jp/article/191653402.html"の前半部で紹介したことなので、ここでは省略します。

 次に、国宝『寝覚物語絵巻』(断片)発見のニュースを、京都新聞の記事を使ってお話しました。京都の古書店が公開したものです。こうしたものがまだ出て来るので、『源氏物語』の平安時代に書写された写本の一部が出現する可能性があることを、期待をもって説明しました。

 次は、ハーバード本と池田本の「須磨」「蜻蛉」における変体仮名索引が出揃ったので、その確認をしました。加えて、前回確認した、相愛本「帚木」(断簡) の語句索引も参照しました。

 例えば、「あはれ」という語句については、その仮名文字の表記が相愛本「帚木」では次のように異なっています。

(1)相愛本「帚木」(断簡)  池田本「帚木」
あ者れけ奈り  あ八れ【也】
あ者れ尓  満して
あ者れの  あ八れの

 これが、ハーバード本『須磨』と池田本『須磨』では次のようになります。10桁の数字は『源氏物語別本集成 正・続』で用いた文節番号です。

(2)ハーバード本「須磨」_変体 文節番号 池田本「須磨」_変体
あはれ120821-000あ八れの三
あ者れ120239-000あ八れと
あ八れ121647-000ナシ
あ者れ可り 122154-000ナシ
あはれと122820-000あ者れと
あ者れと122995-000あ者れと
あ者れと123010-000あ者れ耳
あ者れと125099-000あ八れと
あ八れと120604-000あ八れと
あはれなり 121317-000あ八連な里
あ八れな里 122423-000あ八れ【也】
あはれなる 122832-000あ八れなる
あは礼なる124205-000あ八れなる
あ者れなる121119-000あ者れなる
あ者れなる122056-000あ八れなる
あ者れなる123050-000あ者れなる
あ者れ奈る121024-000あ八れなる
あ者れ奈る124020-000あ者れなる
あ八れなる123370-000あ八れなる
あ八礼奈る120155-000あ八連なる
阿者れなる121167-000あ八れなる
あ八れなる越120077-000 あ八連なる越
あ者れなれと122902-000 可奈し遣れと
あ八れなれとて 120311-000 あ八連奈れとて
あ者れ奈れ者124099-000 あ者れな連八
あはれ尓122381-000あ八れ尓
あはれ尓122778-000ナシ
あ者れ尓120269-000あ者れ尓
あ者れ尓120639-000あ八連に
あ者れ尓122001-000あ八れ尓
あ者れ尓122769-000あ八れ尓
あ者れ尓123211-000あ八連に
あ者れ尓123232-000あ者れ尓
あ者れ尓123976-000あ者れ尓
あ者れ尓124667-000あ者れ尓
あ者れ尓124789-001あ八れ尓
あはれ尓て124277-000あ八れ尓
あはれ毛123122-000ナシ
あ者れを121250-000あ八れ
あ者れをも120197-000あ八れをも
あ者れを毛122738-000あ八れをも
いとあ者れ奈れ八123033-000 い登あ八れなれ半

 これが、ハーバード本「蜻蛉」と池田本「蜻蛉」では次のようになっています。

(3)ハーバード本「蜻蛉」_変体 文節番号 池田本「蜻蛉」_変体
「あ者れ523917-000「あ者連
あ者れ526236-000あ者連
あ者れと520607-000あ者連と
あ者れと523024-000あ者連登
あ八れと523070-000あ者連と
あ者れなと525275-000あ者連なと
あ者れなり521637-000あ者連なり
あ者れなり522066-000あ者連なり
あ者れなり522167-000あ者連なり
あ者れなり522352-001あ者連なり
あ八れなり522361-000あ者連なり
あ者れなり523300-000あ者連なり
あ者れなり525386-000ナシ/落丁
あ者れなりける521783-000あ者連なりける
あ者れなり介る525475-000ナシ/落丁
あ者れなりし523950-000あ者連那りし
あ者れなる520551-000あ者連那る
あ者れな累/し&累、(あ者れなし)526062-000あ者連那りけるさやう那る
あ者れなる尓525944-000あ者連なる尓
あ者れ尓521489-000あ者れ尓
あ者れ尓/者〈判読〉522028-000あ者連耳
あ八れ二522460-000ナシ/落丁
いとあ者れ尓522005-000いとあ者連尓
ものあ八れなり521964-000【物】あ者連なり
【物】あ者れなる523844-000ものあ者連なる
ものあ者れなる523931-000ものあ者連那る
ものゝあ者れも/(もののあ者れも)521621-000ものゝあ者連も/(もののあ者連も)

 これらを整理すると、暫定的な結論ながら、次のようになります。

 (1)の相愛本「帚木」では「あ者れ」と表記され、池田本「帚木」では「あ八れ」と表記されています。もちろんこの「帚木」は断簡のため、用例数が少ないので現状の確認に留まります。

 これが(2)のハーバード本「須磨」と池田本「須磨」の場合は、ハーバード本は「あ者れ」が優勢で、池田本は「あ八れ」が優勢といえます。
  ハーバード本 「者」=26例/「八」=7例
  池田本 「者」=11例/「八」=26例

 また、(3)を加えて通覧すると、ハーバード本の「須磨」と「蜻蛉」には「あ者連」と「連」を使った表記がまったくないのに対して、池田本「須磨」には「あ八連」が42例中6例、「蜻蛉」には「あ者連」が24例中23例と、「連」が頻出します。
 つまり、相愛本「帚木」とハーバード本「須磨」「蜻蛉」は「あ者れ」が優勢です。これに対して、池田本の「帚木」は「あ八れ」、「須磨」は「あ八れ」「あ八連」、「蜻蛉」は「あ者連」が主な表記となっているのです。

 「あはれ」という言葉を表記するにあたって、「は」と「れ」にどのような仮名文字を当てて書くのかを見ると、写本の分別にヒントを与えてくれることになります。

 こうして、字母にこだわって作成した[変体仮名翻字版]は、写本の分別に有効な指針を与えてくれるのです。今後ともさらなる[変体仮名翻字版]の翻字を進めながら、用例を積み上げることが大切になってきます。

 この他で、こうした変体仮名の使い分けで写本の分別に役立つ例をあげます。

※「なみた」の表記は大体「三多」で固定。ただし、ハーバード本「須磨」は「奈」を使い、「蜻蛉」の池田本では「み多」を使っている。
な三多123062-000な三た
な三多124861-000な三多
奈三多123393-000な三多
な三多くみ123273-000 な三多く満世
な三多なら須そ124690-000な三多曽
奈三多尓120301-000な三多尓
奈三多乃123596-000な三多乃
那三多乃121544-000な三多乃
奈三多乃三古そ121354-000 な三堂能三こ曽
奈三多毛123695-000な三多裳
な三多を124872-000な三多を
な三多越121124-000な三多を
奈三多越124213-000な三多を
 ◆ハーバード本「蜻蛉」は同じ「三多」、池田本は「み多」
な三多521386-000なみ多
な三多二521232-000な三多尓
な三多に523445-000なみ多尓
な三多の521530-000なみ多能
な三多の521558-000なみ多能

 次の「けに」では、「け・介・遣・気」に注目すると、写本毎にその用字の傾向が顕著です。
※ハーバード本は「け・介」を用いる。対して、池田本は「遣・気」を用いる。
け尓121023-000遣尓そ
け尓121322-000遣に
け尓121825-000遣に
け尓121829-000遣尓
け尓123430-000遣に
け尓124443-000ナシ
介尓122268-000け尓
介尓122649-001遣尓
介尓123142-000遣に
介尓123365-000遣に
介尓123495-001遣尓
遣尓124546-000遣に
 ◆池田本「蜻蛉」では「気」を使う
介尓520549-000気尓
け尓521092-000気尓
け尓521548-000気尓
け尓522207-000気尓
け尓523519-000気尓
け尓524764-000気尓
け尓524812-000ナシ/落丁
け尓と526335-000け尓と
け尓や522401-000気尓や

 次は「恋し」です。
※ハーバード本は「【恋】・こひ」と表記し、池田本は「古・日」を使う。
【恋】し可らんと121996-000い可尓と
【恋】志き123607-000 こひしき
こひしき123612-000古ひしき
【恋】しき尓124646-000 【恋】しき尓
【恋】しく122686-000古ひしく
【恋】しく124621-000古ひしく
こひしく123677-000古ひしく
こひしく123703-000古ひしく
こひしく123737-000【恋】しく
こひしく124672-000古ひしく
こひしく毛122779-000 古ひしう毛
 ◆ハーバード本「蜻蛉」では「こひし」のみ
こひしう521315-000こ日しく
こひしう522317-000こ日しく
こひしう525190-000ナシ/落丁
こひしき524506-000【恋】しき
こひしき524613-000こ日しきを
こひしき525479-000ナシ/落丁
こひしく521392-000こ日しく
こひしや525290-000こ日しや

 次は「むすめ」です。
※ハーバード本は「須・春」を使い、池田本は「す」を使う。
む須免124537-000むす免
む須免可ち尓て123771-000 むす免可ち尓て
む春免と毛八123791-000 むす免多ち八
むす免なり124500-000 みむす免な里
む須免越124324-000むすめを
 ◆ハーバード本「蜻蛉」では「春」を使う
む春免523527-000むすめ
む春めなり介りと523546-000  むすめなり気りと
む春めの523265-000むすめの

 他にも、さまざまな変体仮名の用例が写本の分別に示唆を与えてくれます。ただし、今は「須磨」と「蜻蛉」のハーバード本と池田本を見ただけの段階であり、さらに多くの写本の[変体仮名翻字版]を作成すると、文字の使われ方や変体仮名の選定において、多様な諸相が見えてくることでしょう。

 まだまだ緒に就いたばかりの変体仮名の使われ方の検討です。
 今後とも、さらなるデータの積み上げにより、興味深いことが浮き彫りになることでしょう。とにかく今は、[変体仮名翻字版]を一巻でも多くデータ化することに専念することが喫緊の課題です。
 手助けしていただける方の参加を楽しみにしています。

 今日は、こうした[変体仮名翻字版]を用いての仮名文字の使われ方や文字種の選定に関して、話し合いながら進めました。
 最後の結論では、ハーバード本というグループであっても、その中の巻々の写本に書き写された文字は、それぞれに文字の組み合わせの傾向が違うということでした。いろいろな文字を選びながら書かれた系統の違う写本が、たまたまハーバード本のグループに寄り集まって1つの写本群になっているに過ぎない、ということです。一言でいえば、ハーバード本のグループの写本群は、いわゆる「取り合わせ本」だった、と考えられるのです。
 このグループの写本群が書写に用いた用紙は、書家の宮川保子さんがおっしゃるように装飾料紙を含むものだったので、一揃えの写本群と思われます。ただし、そこに書き写された本文は、種々雑多な伝流諸本だったと思われます。もちろん、これはまだ想像の域を出ないものであり、今後の検討で明らかになることです。現時点での、想像を逞しくした仮説、ということで留めておきます。

 とすると、源流にある草稿本に書かれていた文字列は、どのような仮名文字を組み合わせたものだったのでしょうか。違う字母で語句が書かれた物語の本文は、どこから違う字母で表記される写本に分かれてきたのか、また、なぜそのような文字使いの違う写本が写し伝えられてきたのか、ますます不可解で渾沌とした世界に身を置くことになったことを、実感として共有することになりました。
 私がかねてより提示している、異文は傍記された本文注記が本行に取り込まれることで発生する、という仮説があります。それは、あるいはこうしたさまざまな写本の流転の中で形成されていく、ということの蓋然性を支える実態の解明につながるのかもしれません。
 この変体仮名をよむ会を続ける中で、その真相に迫りたいとの思いをますます強くしました。

 なお、この字母の索引を前にして、ああでもない、こうでもない、と思案しているうちに、時間が来ました。
 予定していた相愛大学本「藤裏葉(断簡)」(第3丁表〜第4丁裏まで)は、すべてを次回に回すことで散会しました。

 帰りに、京都駅の伊勢丹沿いの道端に、満開の真っ白なコブシが咲いていました。無機質なビルの壁を背景に、みごとな自然が飛び込んで来たのです。写真では、その美しさが伝わらないものの、思い出すよすがにと思って、シャッターを切りました。

260328_コブシ.jpg

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 参考までに、本日使用した検討用の索引のすべてを公開します。
 A4版のプリント6枚分です。
 この資料の中から、わかりやすい例を本日のブログで適宜とりあげました。その際、以下の用例を引用するあたり、さらに説明文を整理して提示していることをお断わりしておきます。
 興味と関心をお持ちの方には、以下のデータを通覧してのアドバイスなどをいただけると幸いです。

260328_相愛「藤裏葉」(2)_1.jpg


 260328_相愛「藤裏葉」(2)_2.jpg


 260328_相愛「藤裏葉」(2)_3.jpg


260328_相愛「藤裏葉」(2)_4.jpg


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260328_相愛「藤裏葉」(2)_6.jpg





posted by genjiito at 23:53| Comment(0) | ■講座学習

2026年03月27日

100歳のTさんが集会所での集まりに復帰

 雲一つないポカポカ陽気の今日、100歳のTさんが4ヶ月ぶりに集会所で開催しているハーモニーという集いに参加されました。昨年の12月に腰を痛めて以来、一人では初めての外出だそうです。いつもと変わらない様子なので、みなさん安堵なさっていました。
 耳が少し遠いだけで、ごく普通にお話ができました。みなさんの名前もよく覚えておられます。神経痛の痛さがきつかったことを、詳しく話してくださいました。

 今日は、炊き込みごはんを作って、みんなで楽しくいただく日です。
 盛り付けのお手伝いをしました。もっとも、お皿に乗せただけですが。

260327_盛り付け.jpg

 ここに、各自が作った出汁巻き玉子を乗せて完成です。

260327_出汁巻き.jpg

260327_炊き込み.jpg

 今日は、98歳のNさん(写真左)が100歳のTさん(写真中)の右隣に座っておられたので、元気をもらえる記念写真が撮れました。右端は、この集まりを主宰なさっているNさんです。期せずして、Tさん回復のお祝いのお食事会となりました。

260327_3人揃い踏み.jpg

 帰り道、ユキヤナギがみごとに咲いていました。Tさんが押しておられるシルバーカー(手押し車)は、昨日届いたばかりで今日初めて外歩きに使ったとのことです。

260327_谷口帰り道.jpg

 これからまた、Tさんをお迎えしてみんなで楽しく集まれることになりました。福をいただきたいと言って、背中を擦りに来る方もおられます。心が和む時間が過ぎた集まりでした。




posted by genjiito at 18:57| Comment(0) | *福祉介護

2026年03月26日

セカンドオピニオンを拒絶した歯医者さんのこと

 今日は、妻が駅前の歯医者さんへ行く予約が入っていた日でした。しかし、そのF歯科は私がセカンドオピニオンをお願いしに行った時、初対面の患者であるにもかかわらず私の診察を即座に拒絶された歯医者さんです。

 そのことについては、以下の2つの記事で簡単に触れています。ブログのタイトルと、その記事の中での当該箇所の文章の一部を引きます。「ある別の歯科」とか、「妻が行っている歯科」とあるのが、ここで問題にするF歯科です。

(1)「私の歯科医療に関する文章は脅迫文だそうです」(2025年12月01日)

 ちなみに、先週の11月27日に弁護士さんとの無料法律相談の折にいただいたアドバイスにより、セカンドオピニオンを受けるためにある別の歯科へ行きました。その際、別の歯科で問題となっていることの説明に、A院長のことを記したブログに書いた文章を印刷して持参しました。もちろん、具体的な固有名詞はすべて記号化したものです。しかし、そのセカンドオピニオンを受けるために行った歯科の院長はそれを開封もせず、さらには私の口の中を見ることもなく、診察台に横になってセカンドオピニオンを受ける態勢で待つ私に、冒頭から「あなたのことは引き受けられない」、とはっきりとおっしゃいました。誠実な先生と伺っていたのに、煩わしさを背負い込みたくないとの判断からか、診察を断わられました。それでは、セカンドオピニオンが受けられる歯医者さんはありますか、と尋ねると、自分で探してもらうしかない、とのことでした。
 初対面にもかかわらず、あまりにも突き放した言い方だったので、なぜあのような冷たい対応をなさったのか不可解です。あらかじめ書かされた問診票には、妻がここで診察を受けていることを書きました。既往歴や服用している薬や生活習慣などの問いにも答えました。あの問診票は、セカンドオピニオンを受けるのに必要なものだったのでしょうか。そして、時間をかけて書いた問診票は、その後どうなったのでしょうか。個人的なことを書いているので返してほしい、と言うこともできずに惨めな思いで帰って来ました。
 とにかく門前払いだったので、何も聞いてもらえなかったことが、今も残念な思いでいます。

(2)「新しい歯医者さんでの後始末が今日終わりました」(2025年12月30日)

 これまでの治療のすべてをA院長は放擲されたので、途方に暮れた私は、妻が行っている歯科の院長のもとにセカンドオピニオンを求めて行きました。しかし、それは明確に拒否されました。そこの院長は私が持参した書面を開封もせず、私の口の中を見もしないで「あなたのことは引き受けられない」とおっしゃったからです。不可解なことです。その背景には、何かありそうです。

 なお、ここには書かなかったことが1つあります。それは、F歯科に予約の電話を入れた11月18日から、実際に診察ができる日(28日)の連絡があるまでに、何と10日もあったことです。この10日間に、なぜセカンドオピニオンのために来たのかを、F歯科の院長は調べておられたのでしょう。そして、私に対して無慈悲な対応をされたお仲間(?)のA歯科の院長と打ち合わせがあったのだろう、と私は邪推しています。そうでなければ、インフォームドコンセントについて無知なA歯科と、セカンドオピニオンの意義を理解できないF歯科の対応が連携していることに、合理的な説明がつきません。

 さて、妻は今日F歯科に電話をして、夫が診察を拒否されたこともあり、今後はF歯科には行かないことにした、と電話連絡をしたのです。ただし、いい歯医者さんだと思っているけれども、夫の対応を見て別の歯科に行くことにした、と受け付けの方に伝えたとのことです。

 思い返すと、妻はA歯科の受け付けで、少し予約の時間に遅れたというだけで面罵されたことから、F歯科に移ったのです。そして、F歯科の受け付けで、なぜウチに来たのかと問われ、A歯科での待合室での冷酷な扱いを受けてショックだったことを話したのだそうです。
 その、A歯科からF歯科に移った妻が良いというので、私はセカンドオピニオンを受けにF歯科へ行ったのです。ところが、上記のような門前払いを私は喰らうことになりました。

 診察を拒否したり放置をするA歯科とF歯科の組み合わせは、我が家にとっては鬼門にあたるようです。そして、患者を選別する医師が今の日本にいることを学びました。しかも、F歯科の場合は、タクシーに例えると、明確な根拠のある乗車拒否だといえるでしょう。今どき、という驚きがあります。

 我が家の周りには、4軒の歯科があります。これで、2軒の歯科が我が家の選択から外れました。医師とは名ばかりの歯科医院だからです。
 ちなみに、2023年における我が国の歯科医院(診療所)は6万6843軒。一方、日本フランチャイズチェーン協会が発表しているコンビニは5万5936軒。この厚生労働省の発表によると、歯科医院の方が1万軒以上も多いのです。街を歩いていて、これは納得の数字です。




posted by genjiito at 22:35| Comment(0) | *身辺雑記

2026年03月25日

キャンパスプラザ京都で相愛大学本『源氏物語 藤裏葉(断簡)』を読む会(No.2)のご案内

 京都新聞「まちかど」欄(京都市、22日)に、NPO法人〈源氏物語電子資料館〉が主催する、相愛大学蔵源氏物語「藤裏葉(断簡)」(春曙文庫)の本文を変体仮名で読む会の案内記事が掲載されました。

 前回より、これまでの第2巻「帚木(断簡)」が終わったことを受けて、第33巻「藤裏葉(断簡)」を読むことになりました。今回は、その2回目になります。
 ただし、前回終わった相愛大学本「帚木(断簡)」の本文が、現在読まれている大島本とはあまりにも違いすぎるので、その本文の内容の違いも最初に確認しています。


 会場は、キャンパスプラザ京都(京都市大学のまち交流センター)の5階にある第4演習室です。毎回部屋が違うのでお気をつけください。
 時間は、午後2時半から4時まで。
 資料は会場で配布するため、準備の都合上、本ブログのコメント欄を通して参加希望の旨をお知らせください。参加費は2,000円です。
 前回の勉強会の様子は、以下のブログで報告しています。

「キャンパスプラザ京都で相愛本「藤裏葉」を読む(第1回)」
(2026年02月28日)

 一人でも多くの方が、日本の文化資産である変体仮名が読めるようになることを願って開催するものです。
 資料はすべて、当日の会場で配布します。
 会場は、京都駅から JR の高架沿いに西へ歩いて5分の所にあります。
 変体仮名は初めてだという方のご参加も大歓迎です。




posted by genjiito at 21:39| Comment(0) | ◎NPO活動

2026年03月24日

集会所でゲームのストラックアウトを楽しむ

 今日は、ストラックアウトというピッチングゲームをしました。これは初めてやるゲームです。数字の書かれた的に向かってボールを投げ、的であるパネルを打ち抜くものです。

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 ボールが当たるとパネルが外れて落ちます。その落ちたパネルに書いてある数字の合計で得点を競います。
 ただし、持参されたものが簡易版だったこともあり、フレームに当たっだけでもパネルが落ちたりしました。ある時には、パネルに当たらなかったにもかかわらず、3枚もパネルが落ちたのです。
 これは、パネルの固定の仕方が悪かったことと、プラスチックのパネルを嵌め込む箇所が変形していたために固定する枠にユルユルで、しっかりと挟めていないことが原因です。

 初心者というか高齢者の集まりなので、これはこれで意外性があっていいかもしれません。しかし、偶然の反応よりも、やはり基本的な反応を平等にする器具のほうがよかったように思いました。

 いずれにしても、今日の集会所に集まった方々は楽しむことをよくご存知で、単純なゲームなのに疲れた、とおっしゃっていました。おもしろかったのです。

 こうして、みなさんといろいろなゲームをして楽しんでいます。

 そうした中、途中で一人の男性が血圧が低くて大変だと言うことで、別室の和室で休んでもらうことになりました。この集まりでは、高齢の利用者や疾患をお持ちの方は、最初に血圧などを測って記録を取っておられます。その時の健康担当の保健婦のSさん(?)が、迅速で適切な処置をしてくださいました。本人も落ち着いたこともあり、しばらくして家族との連絡もつき、無事に帰宅なさいました。

 血圧が下がった時には頭を下げ、足を上げ、ベルトを緩め、右か左に向いて寝ていただくことがいい、ということをその場で教えてもらいました。私が座布団を5枚敷き、毛布を掛けるお手伝いをした後に、頭にもう一枚の座布団をあてがおうとした時に教わったことです。
 緊急の場面での心得として、知っていたはずでも実際に体験したことが次に活きた対処としてつながります。ありがたいことを学びました。ありがとうございます。




posted by genjiito at 21:15| Comment(0) | *福祉介護

2026年03月23日

墓参のために艶やかな意匠の近鉄電車に乗って河内高安へ

 昨夜からの雨もあがりました。春のお彼岸が今日までなので、お墓参りに行きました。
 昨日まで東京にいたので、やっと間に合ったのです。
 甘いものが好きだった両親のために、家からの和菓子に加えて、乗り換え駅で伊勢の赤福餅も買いました。近鉄の主要駅には、必ず赤福があるのです。売り切れることが多いこの名物餅も、午前中であればほぼ確実に手に入ります。また、近鉄電車だけでお墓がある最寄り駅の信貴山口駅に行けるといっても、4回も乗り換えるので半日仕事です。駅前からは、待合所から電話をして、送迎バスをお願いします。

 乗り換え駅である近鉄奈良線のホームに入ってきた神戸三宮行きの電車は、奈良をピーアールする鮮やかなラッピングカーでした。

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 車内は、鹿さんをあしらった吊り皮や、鹿にポイントを絞った室礼でした。なかなか思い切った意匠なので、地味な奈良のイメージを一新させようという意気込みが伝わってきます。

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 車内の床に目をやると、なんと爽やかな若草山をイメージする配色と春の草花で埋め尽くされているではないですか。これは、これまでの近鉄らしくない、すばらしいセンスです。

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 折しも、鹿さんが奈良公園から一路西へと移動して、大阪との県境に聳える生駒山を越え、さらには東大阪市を経て大阪市内に出没しています。近鉄にとっては予想外のニュースとはいえ、なかなかタイムリーな企画となっています。

 我が家のお墓は、急な坂の上にあります。

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 今日は、体調がよくないのか息が上がりました。足腰が熱を持ってきて、休み休み登りました。歳と共に体力の衰えを感じさせられます。この坂を、80歳を超した母は、フーフー言いながらも元気に登っていたことが思い出されます。

 今日お供えした花は、妻がベランダでお墓用に育てている花たちです。

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 我々が京都に引っ越しをする前、奈良の生駒に母と共にいた頃のことです。母は妻が庭で丹精込めて育てていた仏さまのためのお花を、自分の和室から下駄を履いて庭に降りて、いい花がいっぱいで仏壇が華やぐと喜んで摘んでいました。今日も、あの頃の花の賑わいが伝わったでしょうか。

 帰りの電車を待っている時に、今度は来る時とはまたイメージが異なるデザインに包まれた電車が来ました。この電車は、花園ラグビー場がある駅までなのでパスです。しかし、じっくりとそのレベルの高い表現力を堪能しました。

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 近鉄は、なかなか楽しい発想で利用者を楽しませようとしています。我が家も近鉄の京都線にあるので、地元民として応援することにします。




posted by genjiito at 23:06| Comment(0) | ・ブラリと

2026年03月22日

江戸漫歩(185)初めて行った大森の山王花清水公園

 昨日は、日比谷から京浜東北線で大森に直行しました。
 大森は、私が高校を卒業してすぐの3月から、妻と出会う直前の1月までの2年間、住み込みで新聞配達をしながら生活をしていたところです。
 これまでにも、以下の記事で大森での2年間の思い出を語っています。私にとっては、忘れられない地です。仕事を始めてすぐに大病で大手術をしたこと、新聞を配っていた地域のこと、火事で焼け出されて命以外は何もなくなった時のこと、成人式に出られなかったこと、を綴っています。

(1)「江戸漫歩(174)18歳の時の思い出の地「大森」を歩く」(2025年01月19日)"http://genjiito.sblo.jp/article/191218501.html"

(2)「成人の日に自分史を重ね合わせて」(2022年01月10日)"http://genjiito.sblo.jp/article/189261976.html"

 昨夜のブログを見た姉から、今朝方、大手術の付き添いに大阪から来てくれた時のことを思い出してのメッセージが来ました。

大森散歩中ですか?
何十年前かな?牧田総合病院にて床に寝泊まりする事一二週間、一人しかいない弟がこのまま助からなくなるのではとの不安を抱きながら付き添っていた日々。

 姉は、火事ですべての物を失った私を、父と共に励ますために大森に来てくれたこともあります。一人で生きているようでいて、実はいろいろと支えられながら今があることを実感しています。

 昨夜、ホテルに行く道すがら、1軒の本屋さんの前で足が止まりました。

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 この本屋さんは、火事で多くの本を失った私を、いろいろと助けてもらったお店です。高校時代から本を買い集めていて、そのほとんどを東京に持って来ていました。住み込みで働いていた販売所の狭い部屋は、本で埋まっていました。そんな私のこれからを考えてか、新聞販売所の方が「持っていた本は好きなだけ買ったらいい」と、ありがたい配慮をしてくださいました。その時に、この本屋さんを通して、段ボール何箱分もの本を買っていただきました。その時に、届いた本に挟まれていた注文票などが今もあります。過日、整理していた本に挟まれていたのを見かけたので、また見つかったらいつか紹介します。

 今日は、本年1月の記事で紹介したところからスタートしました。19歳前後だった自分の姿を確認するためです。
 ホテルのすぐ裏にある鷲神社(焼け出されて数日、板の間に寝起き)→住み込みで働いていた新聞販売所→大手術をした牧田病院→配達区域だった山王2丁目
 そして今日は、山王2丁目の奥にあり、初めて行く山王花清水公園へ足を向けました。春を待つ植物たちの中に身を置き、スナックを摘みながら、花好きな妻の話や秋田での思い出話を聞いていました。ポカポカ陽気を浴びながら、のんびりとした時を過ごしました。桜は少し早いのか、咲き初めでした。

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 帰りは、56年ほど前に新聞を配達し終えての帰り道だったところを、当時を思い出しながら大森駅まで歩きました。「馬込文士村」と言われていた地域でもあるので、レリーフに刻まれた次の作家たちの名前には、妻も一々反応していました。

尾ア士郎・川端康成・萩原朔太郎・稲垣足穂・北原白秋・室生犀星
佐多稲子・村岡花子・吉屋信子・宇野千代などなど

 知らない小路をキョロキョロ、ウロウロしながら散策するのが大好きな妻は、私の思い出語りを聞きながら、また妻は自分の思い出話を語るなどして、住宅街歩きを楽しみました。




posted by genjiito at 22:26| Comment(0) | ・江戸漫歩

2026年03月21日

日比谷で「須磨」(34)と『百人一首』(11)を読む

 早朝、新幹線で東京に着く直前の品川あたりで、日比谷図書文化館から電話がありました。今日の資料がまだ来ていないとの担当者からの連絡です。昨日の午後、メールに添付して2種類のPDF版の資料を送ったはずです。しかし、それが届いていないとのことなのです。昨年の12月にも、送ったのに届いていない、ということがありました。それ以外では不着の連絡はないので、この日比谷図書文化館とのやりとりに限定されている不具合のようです。

 その理由を調べる前に、とにかく3時間後に始まる講座のための資料を送らなければなりません。幸い、9時半には東京駅に着きました。大急ぎで、改札内にある待合室のパソコン用スペースから、昨日作って今日使用する予定だった送れなかったという資料を、日比谷図書文化館の事務方に無事に送り届けました。日比谷でお世話になって12年。この間、メールに添付してのファイルが届かなかったことはありません。これは、今後のためにも対策が必要です。

 東京駅から1駅戻った有楽町駅で降り、銀座を少し散歩しました。マロニエ通りの手前の銀座インズで、桜が咲いているのを見つけました。

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 昼食は、いつものようにマロニエゲート銀座2の7階にある「くら寿司 グローバル旗艦店 銀座」です。2024年4月にオープンした、242席の大型店舗です。京都三条にある和風の白い暖簾に囲まれた、清潔感の漂うお店も、行きつけの場所にしています。体調に合わせていただけて、デザートが豊富なので気に入っています。
 しかし、今日はタッチパネルの調子が悪くて、充電不足のエラーが頻繁に出ました。お店の方に言うと、3人が来られ、結局は欠陥品であるパネルの取り換えもなくそのままとなりました。この近辺にはいくつもの回転寿司屋があるので、こんな対応ではイメージがダウンします。生き残ってほしいお店なので、対応の仕方を再検討すべきです。

 日比谷シャンテ前(千代田区有楽町)にある「日比谷ゴジラスクエア」にいる、私が大好きなゴジラが、今日は桜の開花を祝っているかのような姿に見えました。確か東京は昨日、開花宣言があったはずです。

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 日比谷図書文化館の入口には、いつものように今日の講座の掲示がなされていました。

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 今日も、最初は「ハーバード大学本『源氏物語 須磨』の変体仮名を読む」です。
 まず、来月からは新年度となり、今日までよんで来たハーバード本「須磨」の次に、相愛大学本「宿木」の断簡を取り扱うことを予告としてお話しました。
 冒頭部分の文字の様子だけは、サッと見てもらいました。

 次に、国宝『寝覚物語絵巻』(断片)が発見されたニュースです。今でもこうした国宝級のものが出て来ることの楽しさを、話題にしました。

 続いて、「須磨」巻が終わったので、平安朝復元として関弘子さんが朗読しておられる音声を、会場に流しました。テキストの40丁裏で、小見出しが「須磨での源氏の生活で供人たちと都をしのぶ」(96頁)という箇所を、平安朝の雰囲気で読んでおられるところです。ハ行音は、奈良時代にはP音で発音され、平安時代にはF音に変化し、室町時代以降に現在のようにH音になったという、いわゆるP音考の話を少ししました。「パパ」が「ファファ」になり、そして「ハハ」になった、という話です。そして、この「ファ」だけでもいいので、集中して聞いていただきました。次のような文章で、赤字にした部分に耳を澄ませてもらいました。

「須磨に、いとど心づくしの秋風に、海すこし遠けれど、行平の中納言の、関吹き越ゆると言けむ浦波、夜々げにいと近く聞こえて、またなくあれなるもの、かかる所の秋なりけり。」

 そして、終わったばかりの「須磨」巻で確認をした、変体仮名を正確に読み込んでの語彙索引を、プリントに沿って確認しました。これは、昨日の本ブログで報告したものと同じ資料を使いました。
 ただし、昨日の報告では大急ぎで作成した資料であると言うこともあり、説明に不正確なところがありました。ただし、掲出したデータの補訂はありません。
 今夜は東京にいるので、京都に帰った明日以降に、昨日の不備を正した補正版に入れ替えます。また、用例が欠脱していた箇所の指摘も受けたので、それも追補して提示します。いま少しお待ちください。

 字母を正確に再現した翻字をすると、どのようなことがわかるのかを説明し、納得していただけました。これを受けて、[変体仮名翻字版]の翻字を4月から再開することもお伝えしました。今月中に、新しい凡例を公開しますので、それに沿った[変体仮名翻字版]の作成に取り組みます。ただし、謝金をお渡しする方式ではなく、NPO法人〈源氏物語電子資料館〉のホームページに作業担当者のお名前を明記し、長く感謝の気持ちを伝えていく方針にしたことも、お話しました。これは、昨年のNPOの総会でも了承された活動方針の変更でもあります。
 このお話をした後に、新たにお手伝いしてくださる方が見つかりました。京都に帰ってから、資料を取り揃えてお送りすることになりました。
 100年は掛かるプロジェクトの再始動です。関係するみなさまのご協力を、よろしくお願いします。

 次の『百人一首』の講座までに1時間の休憩があります。この前半の30分は、資料の提供を受けたり、翻字に関する質問にお答えしたりしました。
 それが終わると、すぐに地下のラウンジに移動し、鎌倉時代の臨模本の作成にあたっておられる宮川さんと面談をし、相愛大学本『源氏物語』(断簡)に関する試作版を受け取りました。また、それに関する質問書に加えて、『国立歴史民俗博物館蔵『源氏物語』「鈴虫」』の臨模本の清書本を受け取りました。これは、私が宮川さんからいただいていた臨模本をお貸ししていたことがあり、それを私が持っているようにとのことから、再度私の手元に戻ったものです。
 途中から、館内で緑に包まれた日比谷公園を見ながら読書をしていた妻が同席しました。そして、私が後半の講座に行った後は、宮川さんとのお話が、いろいろと弾んだようです。これは、今年の1月に宮川さんのご自宅を訪問したことがあり、親しくお話ができたとのことでした。

 さて、後半は「『百人一首』を2種類の変体仮名で読む」です。
 今日は、77番歌の崇徳院の歌からです。
 そのことに関連して、映画『春の雪』(妻夫木聡+竹内結子[2020年40歳没]/原作:三島由紀夫)が『百人一首』のこの歌を冒頭から登場させ、中盤や後半にもこの崇徳院の歌が深く関わっています。そのため、まずはこの映画の冒頭部分をスクリーンに映写しました。
 画面には、「【瀬】を者やみ 以者尓せ可 留ゝ【瀧川】の〜」というカルタが大写しになります。

 次に、78番歌の源兼昌の歌碑(関守稲荷神社)をプリントに印刷して置いたので、その歌が刻まれた歌碑の変体仮名を確認しました。
 この歌碑については、「目が見えない方々と須磨で『源氏物語』の散策をしました」(2017年07月22日、http://genjiito.sblo.jp/article/180419553.html)で詳しく報告しています。

 今日は、85番歌の俊恵法師までを確認しました。
 4月以降も、引き続きこの『百人一首』をよみ続けます。

 日比谷公園から新橋駅に、のんびりと歩いて行きました。内幸町からは、ビルの合間から国会議事堂が望めます。

 今日は、息子が出張中のため、大森駅にあるホテルを取っています。ここは、私が高校を卒業してから2年間、新聞配達をして学校に通っていたところです。かつて、このことは実際に歩いて報告をしました。明日も、なつかしい所を妻に説明をしながら再訪しようと思います。
 駅前から、シャープな姿の月が天空に輝いているのが見えました。

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posted by genjiito at 23:57| Comment(0) | ■講座学習

2026年03月20日

鎌倉期古写本における変体仮名の組み合わせ方の特徴

 東京の千代田区立日比谷図書文化館と大阪の大阪府立中之島図書館で開催していた社会人講座で、ハーバード大学本「須磨」と「蜻蛉」の「変体仮名翻字版」が終了したことを受けて、そのデータの整理を終えました。
 明日のブログで、日比谷図書文化館で確認する講座の報告を公開する前に、資料の分量が多いこともあり、前日となる今日ここにアップします。

 平仮名は、現在は1900年(明治33年)に、それまで約300種あった仮名文字が、1字1音の約50種に整理されました。我々が教わった五十音図がそれです。

 この明治期の文部省による言語統制により、五十音図から外された仮名文字は「変体仮名」と呼ばれるようになったのです。このことにより、日本語の仮名文字という文化資産が日常生活から次第に遠ざかり、それまで仮名文字で表記されていた多くの文字や文章が読めなくなりました。

 NPO法人〈源氏物語電子資料館〉は、変体仮名が書かれたものとして脇に置かれたり、読めなくなった文字で書かれた写本などを対象として[変体仮名翻字版]で復活させる事業に取り組んでいます。京都・大阪・東京で展開する「変体仮名をよむ会」が、その具体的な活動となっています。

 今回、ハーバード大学本「須磨」と「蜻蛉」の「変体仮名翻字版」が揃ったところで、その実態をわかりやすく紹介することにしました。公開にあたっては、NPO法人〈源氏物語電子資料館〉が『源氏物語』の本文として読むのに最適だと推奨している、いわゆる大島本ではなくて池田本の[変体仮名翻字版]を、参考までに対照できるような資料を作りました。

 これによって、ハーバード大学本「須磨」と「蜻蛉」で字母の使い分けがどのようになされているのかが具体的にわかる事例の提示を、出来たばかりの索引を活用してここに公開します。
 このデータによる索引の活用により、使われている文字の組み合わせが、少しずつわかり出しました。

 本日の報告は、まだまだ緒に就いたばかりのものです。
 NPO法人〈源氏物語電子資料館〉では、古写本を[変体仮名翻字版]の形式で翻字資料を作成し続けています。それが、鎌倉時代の仮名文字の使われ方の実態に近付くための近道だと思っているからです。今後とも気長に活動を続けていきたいと思っています。

 以下、長々と文字列の比較が続きます。可能な限り、小見出しを立てて列記しました。どのような字母を組み合わせて語句が構成されているのか、多彩なパターンの中から何かルールらしきものが見えて来ないかと、試行錯誤を繰り返しているところです。こうした文字の分野において、これまで具体例が少なくて進展していませんでした。[変体仮名翻字版]がこうした分野での、さらなる研究に資する資料となれば幸いです。

 なお、以下に資料を画像にしたものを7枚並べます。各画像をクリックすると、精細表示となり、文字が読みやすくなります。
 また、資料の中にある10桁の数字は、『源氏物語別本集成 正・続』(全22巻、桜楓社・おうふう、1989(平成元)年〜2010(平成22)年)で使用している文節番号です。本文の確認に活用してください。

 セピアカラーの文字を拾い読みしていくと、各文字列を比較している意味とポイントがわかるようにしたつもりです。簡略な資料として、当座のお役に立てばとの思いからの公開です。
 とにかく、ようやくこうした資料を公表できることになりました。多くの方々の意見を集約する中で、鎌倉期の古写本の仮名文字の使われ方や文字列の組み合わせ方を、新たな視点で解明していきたいと思っています。

 これまで、この翻字資料の作成に関わっていただいた多くの方々に、あらためてお礼を申し上げます。
 そして、引き続きご協力のほどを、よろしくお願いします。


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posted by genjiito at 22:06| Comment(0) | ■変体仮名

2026年03月19日

病院での点滴治療の合間に考えたこと

 今朝は熱もなく、スッキリと目覚めました。この3日間は、得難い休息日でした。
 今日は、宇治徳洲会病院で妻が月2回の点滴を受ける日です。
 点滴前に本人の状況を確認する、担当医の問診があります。先週の京大病院で受けた検査の結果を、先生に口頭で伝えました。
 [参照]「京大病院で妻に朗報あり」(2026年03月12日)"http://genjiito.sblo.jp/article/191651268.html"
 数値を聴いて先生は、これ以上よくなることは考えられないものの、この一年間で認知機能がほとんど下降しなかったことは、レカネマブ(レケンビ)による点滴治療がよく効いていたということである、とおっしゃいました。取り組んで良かったと思います。
 「高齢者総合機能評価(CGA)」と「認知症の重症度(CDR)」の数値に関する説明も、簡単にしてくださいました。脳内のアミロイド β の量が減っているのかどうかは、半年後の今年9月の最終検査に負うことになります。
 その後の治療のことは、その9月で一旦このレカネマブ(レケンビ)の点滴治療が終わるので、それから京大病院の主治医と相談して考えることになっています。

 次は、1階の観察室で点滴を受けます。今日も、狭くて硬いベッドでは背中が痛いので、最初に布団1枚を半分に折って敷いてもらいました。

 ベッドの横の台の上には、レカネマブ(レケンビ)が入った透明の点滴用のビニール袋と、最後に血管の中をきれいにする生理食塩水が入った小さな点滴用のビニール袋が、金属のトレーの上に乗っていました。病院からもらう診療明細書には、注射に関する項目に次のように記されているものです。

*レケンビ点滴静注 500mg 5mL 1瓶
*生理食塩液バッグ「フソー」250 mL 1袋
*大塚生食注 50mL 1瓶

 注射針とチューブもその液体が入った袋の下に置かれています。看護師さんがすぐにどこかへ行かれたので、このトレーをこのまま放置していていいのか不安になりました。無造作に置かれている薬品と道具の写真を撮ろうかと思いました。しかし、あまりにも信頼していないことになるので、思いとどまりました。

 最近、埼玉県立小児医療センターで、注射後に重度の障害を発症し、男性患者3人のうち10代男性1人が死亡した、というニュースが話題になっています。
 「髄腔内(ずいくうない)注射」という、標準的な治療法だったそうです。しかし、なぜそのような医療過誤が起きたのか、原因の特定にはいまだ至っていません。注射に至る工程や手順には、今のところは問題は確認されていなそうです。
 使われるはずがなかった、神経障害などを引き起こす劇薬の抗がん剤が検出されているので、どこかの段階で注射器の液体の中に入ったのです。薬品の管理と手順に間違いがなかったのであれば、注射に至る引き継ぎが十分になされていなかったのでは、と素人ながら疑問を持っています。

 そんな事故が現在進行形で報じられているので、今日は特に薬品と道具に目が行きました。
 これまでにも何度も書いたように、この病院は看護師さんが不足していて、毎回ドタバタ劇を見せられています。
 複数の患者のことに関わり、集中できない中で、看護師さんは大忙しです。妻の点滴治療はこの病院では他になされていない性格のもののようで、作業手順書を見ながら取り組んでおられます。特に、レケンビ点滴が1時間で終わり、大塚の生食注射で血管をきれいにする時には、いつも針の入れ替えと手元のコックの操作で混乱しておられます。

 これまでに京大病院で12回、この宇治徳洲会病院ですでに12回の点滴を真横で見てきた私は、この治療の手順を熟知しているので、横で見ていて何か言いたくなります。しかし、ジッと我慢をしています。途中で別の薬剤が、何かの間違いによって追加で注入されることのないように、チラチラと見ています。

 看護師さん、信用していなくてすみません。現実に、医療過誤の話をいろいろと聞いているので、妻と話をしながら、点滴治療の様子をみながら付き添いをしているのです。

 今日も、両隣には大変な症状の方がおられました。他にベッドが空いているので、もう少し離してほしいところです。しかし、少人数の看護師さんたちで患者の様子を見るためには、まとめて視野の中に入っている方が助かるのでしょう。
 その対応の合理的な理由は理解できるものの、亡くなられる直前の方の近くや、苦しさで呻き声を上げておられる方の横では、妻も平常心で点滴治療は受けられません。このことは、どの段階で誰に言えばいいのか、次回には思い切って提案してみます。

 とにかく、無事に終わり、帰宅したのは午後2時15分でした。朝は9時25分に家を出たので、約5時間の付き添いでした。前回よりも1時間短くなったのは、病院内で効率的な移動ができたからだと思われます。病院の方々の熱意と努力には感謝しています。しかし、もっと効率的な書類の回し方や個別の対応の方策はあるので、解決策は数多くあります。

 しかし、その前に看護師さんたちの入れ替わりが激しいと聞いているので、作業手順の熟知熟達が医療行為の手順の効率化の上で考慮に入れられないとしたら、やはり人間が走り回るしかないのかもしれません。

 今後の高齢化社会を見据えて、何か名案を考えなくては、病院側も患者側もストレスが溜まるだけです。門外漢ながら、これは大変な問題だぞ、と思うようになりました。




posted by genjiito at 21:29| Comment(0) | *健康雑記

2026年03月18日

長い間大きな勘違いをしていた英国銀婚旅行のこと

 昨年は、金婚記念の年でした。その25年前の2001年7月から8月にかけて、イギリスへ妻と1週間の銀婚記念旅行に行きました。
 そのことに関して、2人共に月日のことで大きな勘違いをしていたことが、なんと今日わかりました。

 実は妻とは、2003年7月29日に関西空港からアムステルダム経由でロンドンへ行き、8月6日にマンチェスターからアムステルダム経由で関西空港に帰ってきた時の写真が、パソコンで管理しているアルバムにあります。当時、イギリスの大学にいた娘の所に行った旅でした。
 そのことと、その2年前の2001年に銀婚記念旅行として行ったイギリス行きの記憶とがゴチャゴチャになっていたのです。妻は、イギリスへ行ったのは1回だけだとずっと言っていました。私は何十回も行っていたので、ついそのまま理解していました。それが、実際には違っていたのです。

 この2001年の銀婚旅行の時の写真は、フイルムカメラとビデオカメラで撮影していたようです。デジタルカメラで撮影していなかったために、パソコンで管理しているアルバムには1枚もなかったのです。その自分の勘違いに、なかなか気付きませんでした。

 見つかったフイルムカメラの写真を、今ここで2枚ほどあげます。残りは、ビデオの映像と共にいつかデジタル化して紹介します。

 銀婚旅行ではロンドンでレンタカーを借り、コッツウォールズの蜂蜜色の古い村々とみごとな花と庭園を楽しみながら、気儘に走って北上しました。
 コッツウォールズへ行くことは、妻の長年の夢でした。花好きの妻は、イングリッシュ・ガーデンに今も憧れています。

 花が咲き誇る庭園があると、そこに車を停めて休憩です。

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 花に囲まれた民宿(B&B)を見かけると、そこに飛び込んでは泊まるという旅でした。

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 あらかじめ決めていたのは、往復の旅券と、出入り口となるロンドンにあるホテルラッセルでした。ホテルラッセルは、アーサー・ウェイリーが『源氏物語』を英訳したブルームズベリーにあります。それ以外は、ほとんど予定も予約もない旅だったので、いろいろなトラブルがありました。海外で使える携帯電話もなかったので、よくぞ無事に帰ってこられたものだと、今となっては驚くばかりのことが連続でした。私も妻も英語がサッパリなのに、それでも何とかなったのです。

 後日の写真の整理と旅行記のためにも、忘れない内に旅程を整理しておきます。

01/7/26 自宅→関空発(18:30)→(21:30)香港(23:55)→
01/7/27 →ロンドン︰ヒースロー着(5:45) Hotel ラッセル 泊
01/7/28 ロンドン︰レンタカー / オックスフォード B&B 泊
01/7/29 バイブリー B&B 泊
01/7/30 ストラッドフォードアポンエイボン B&B 泊
01/7/31 ケンブリッジ B&B 泊
01/8/01 ケンブリッジ B&B 泊
01/8/02 ロンドン︰レンタカー / Hotel ラッセル 泊
01/8/03 ロンドン︰ヒースロー発(18:35)→
01/8/04 →(13:20)香港(16:20)→関空着(21:00)→自宅

 書き残しておくことが満載の銀婚旅行でした。
 写真の整理ができたら、いつか書くことにします。




posted by genjiito at 21:06| Comment(0) | *回想追憶

2026年03月17日

音楽を聴きながら1日中うつらうつら

 今日も、朝から微熱がありました。さらには、腹痛も。
 腹痛は消化管のない私にとっては、年がら年中のことなので心配はありません。微熱が気掛かりでした。
 38度を越えるとお医者さんに行きます。しかし、37.5度前後なので悩ましいのです。
 結局、夕方まで熱による気怠さに苦しめられました。

 終日、音楽を聴いていました。音楽づけの1日というのは、入院体験が豊富な私にもめったにないことです。
 iPhoneの中に入っている、歌詞のない軽いものです。

「ポールモーリア」「パーシー・フェイス」「バート・バカラック」「ビリー・ボーン」「フランシス・レイ」「ヘンリー・マンシーニ」「マントバーニー」「リチャード・クレイダーマン」「レイモン・ルフェーブル」

 プレイリストを見ると、なんと322曲もあったのです。うつらうつらと聴いていたので、聴き流していたというのが正しいようです。

 「ムーン・リバー」「時の過ぎ行くままに(As Time Goes By)」「男と女」「エンターテイナー」「シバの女王」は大好きな曲です。「シバの女王」以外は映画と共に親しんだ曲なので、この曲が流れていたシーンが思い出されます。今の若い人は知らない曲なのでしょうが。

 慌ただしく時間が流れていく日々の中で、こうした時を持つのもリフレッシュのためにいいものです。




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2026年03月16日

体温が乱高下したために休息日とする

 今朝は起き抜けから、身体が熱っぽいのでじっとしていました。よくあることです。少し休んでいると、いつの間にか熱は下がります。

 しかし、今日はなかなか下がりません。測ると、38.2度です。熱冷ましと栄養ドリンクを飲んで様子を見ても、一向に良くならないのです。

 今日はお茶のお稽古の日なので、早々に先生にお休みの連絡を入れました。

 先週の土曜日のことでした。中之島図書館での社会人講座の前に、近所の外科へ行きました。数日来、左足の親指が鬱血して黒くなっており、痛みもあったので診てもらいました。昨年9月に、左足の親指を捻って腫れ上がった場所です。
 先生は、脳梗塞で血液サラサラの薬を飲んでいるので、その関係で滲み出した血が皮膚の下を移動しているのではないか、とのことでした。足のレントゲン写真を撮っても、骨に異常はありません。湿布をして様子を見ることになりました。

 その左足のつま先の痛みに加えて発熱なので、今日のお茶のお稽古は無理です。思いきって休むことにしました。

 一日中、体温は37〜38度を上下していました。予定していた仕事のことも気になります。しかし、とにかく身体を休めることを最優先にしてのお休みにしました。




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2026年03月15日

美術館「えき」KYOTO で「ヤマザキマリの世界」を観る

 京都駅の上にある美術館「えき」KYOTO で、「ヤマザキマリの世界」と題する展覧会をやっていました。小さい頃には絵描きさんになりたかった、という妻の希望で、「ヤマザキマリの世界」展を観て来ました。
 美術館「えき」KYOTO のホームページから、今回の展覧会の情報を引きます。

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展覧会概要
14歳で初めてヨーロッパを旅して以来、国境のない生き方を続けるヤマザキマリ。イタリアで学び、その後さまざまな文化圏で暮らしながら培ってきた知識と経験は、古代ローマと現代日本の入浴文化をクロスオーバーさせた代表作『テルマエ・ロマエ』などの漫画や、多くのエッセイのなかにさまざまな形であらわれています。
この度、活動のインスピレーションの源泉がどこにあるかを探るため、「漫画家・画家・著述家」という三つの側面から、その広大な世界を網羅する展覧会を開催します。

【ヤマザキマリプロフィール】
漫画家・文筆家・画家。
日本女子大学 国際文化学部国際文化学科 特別招聘教授、東京造形大学客員教授。1967年東京生まれ。
84年にイタリアに渡り、フィレンツェの国立アカデミア美術学院で美術史・油絵を専攻。比較文学研究者のイタリア人との結婚を機にエジプト、シリア、ポルトガル、アメリカなどの国々に暮らす。2010年『テルマエ・ロマエ』でマンガ大賞2010受賞、第14回手塚治虫文化賞短編賞受賞。2015年度芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞。2017年イタリア共和国星勲章コメンダトーレ綬章。2024年『プリニウス』(とり・みきと共著)第28回手塚治虫文化賞のマンガ大賞受賞。著書に『ヴィオラ母さん』『ムスコ物語』など。現在、『続テルマエ・ロマエ』を集英社「少年ジャンプ+」で連載中、コミックスも好評発売中。

 妻は、ヤマザキさんが4歳、9歳、12歳、16歳、19歳で描いた絵や創作の素描や完成した作品などを、時間をかけて注視していました。憧れの人だったようです。
 確かに、デッサンからマンガの1コマが描き上げられる過程を見ると、工房の現場に立ち合ったかのような気持ちになります。この過程にさらなる試行錯誤があったであろうことを思うと、マンガの1ページにどれだけのエネルギーが注ぎ込まれているのかがわかります。とてつもない思考過程があるようです。また、画家としても輝かしい作品を発表しておられることを知りました。

 私は、掲示されている説明文のパネルを読みながら、イタリアの各地に行ったことを思い出しました。イタリアには、13回は行っています。その内の半分は、単身で調査や研究発表で行ったので、説明に出て来るイタリアの地名や人名を見ると、現地でお世話になった方々のことが思い合わされて、懐かしさから時空を飛んでイタリアを駆け巡っていた頃が呼び覚まされました。また、映画『テルマエ・ロマエ』は、機中で2回は観ました。物語の展開と、その発想のユニークさに惹かれたことを思い出しました。

 出口には、ヤマザキマリさんのたくさんの出版物が並んでいました。『テルマエ・ロマエ』しか知らなかったので、いろいろと読みたくなります。新たな作家との出会いに、新鮮な楽しみをいただきました。




posted by genjiito at 22:37| Comment(0) | ・ブラリと

2026年03月14日

中之島で最終回となる『百人一首』と『源氏物語 蜻蛉』の報告

 東京の日比谷図書文化館で実施していた古写本『源氏物語』の変体仮名をよむ講座が、大阪でも開催できないか、ということで検討が進んでいました。そして、2022年3月からスタートした大阪府立中之島図書館(重要文化財)での「新古典塾 平安文学」の講座が、今日で残念ながら最終回となりました。これまでに、多くの参加者がありました。スタッフの方々も、この集まりを支えてくださいました。みなさま、4年という短い間、ご理解とご協力をありがとうございました。

 淀屋橋駅の上から、最終日を迎えた中之島図書館を写しました。奥に写っているレンガ色の建物は、中之島の中央公会堂です。

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 この重要文化財の建物の中で、変体仮名を読む講座が4年の長きにわたり開催できたことは幸運でした。
 今回、諸般の事情で打ち切りとなります。しかし、来年以降に、また再開となるような気がしています。しばしのお休み、としておきましょう。行政の中で文化イベントの意義を説き、理解を得ることの難しさを、今回のことで痛感しています。

 さて、今日も『百人一首』からです。77番の崇徳院から、テキストに掲載しているカルタに書かれた変体仮名を読みます。
 その前に、崇徳院の歌ということで、三島由紀夫の『春の雪』を映画化した映像を見てもらい、この歌の役割を実感してもらうことにしました。妻夫木聡と竹内結子[2020年40歳没]が主演の映画です。
 映画には、「【瀬】を者やみ 以者尓せ可 留ゝ【瀧川】の〜」と書かれたカルタが、冒頭を始めとして何箇所かに出て来ます。ただし、私が持参したパソコンの調子が悪く、今日はうまくスクリーンに映写できませんでした。そこで、急遽、配布したプリントの記事と写真を使って、言葉で説明をしました。

 テキストの『百人一首』を使っての変体仮名の確認では、88番歌の皇嘉門院別当の「難波江の葦のかりねの一夜ゆへ 身を尽くしてや恋わたるべき」までを終えました。「八八」で末広がりのおめでたい所で一旦止めておきましょう、という苦しい言い訳をして、最後まで出来なかったお詫びとしました。また、この歌には「難波江」と「澪標」という大阪を象徴する言葉があるので、これまた切れのいいところとなります、という弁解も加えました。
 またの機会があれば、次の89番歌である式子内親王の歌からよむことになります。

 30分の休憩を置いて、次はハーバード大学蔵『源氏物語 「蜻蛉」』です。
 これは、すでに巻末まで本文の確認は終わっており、前回は字母索引の一部を提示する中で、いろいろな字母が使われている傾向を見ました。

 今日は、まず小学校の国語の教科書に平仮名がどのように取り扱われているのかを、私の調査の中間報告を交えてお話しました。
 配布したプリントの資料を引きます。

■「教科書に見る平安朝・小学校−国語(9)日本書籍(その2)」

※日本書籍が作成した小学校国語の教科書(127冊の内)で、五年生と六年生の教材を確認します。

昭和40年度用  5/1 「日本の文字」に平仮名とカタカナの字母表
昭和43年度用  5.1 「日本の文字」に平仮名とカタカナの字母表
昭和49年度用 5下 「日本の文字」に平仮名とカタカナの字母表
昭和52年度用 5下 「日本の文字」に平仮名とカタカナの字母表
昭和55年度用 6年上 「日本の文字とことば」に平仮名と『源氏物語』のこと。字母表あり。

*これまでの仮名の説明では『万葉集』だけが引かれており、6年生の「日本の文字とことば」で『源氏物語』に触れるのは珍しい。

「今、わたしたちの使っているひらがなのもとになった漢字、くずした形の表を、次のページに示しておきましょう。ひらがなは、平安時代の婦人たちのあいだで発達したものらしく、古くは「おんな手」とよばれていたようです。「源氏物語」などは、このひらがなによって書かれたけっ作です。
 むかしは、同じ音を表すにもいくつかのひらがながあったのですが、明治時代になってから、今日の形に統一されました。そば屋ののれんに残る「楚者゛」という字は、むかしのひらがなのなごりです。」

 なお、ここに掲載された表では「字母」ではなくて「ひらがなの字源」となっています。
 昭和58年度用 6年上 「日本の文字とことば」に平仮名と『源氏物語』のこと。字母表あり。巻頭に変体仮名で書かれた暖簾のカラー写真を掲載。

昭和54年6年用・志る古・生楚者.jpg


昭和61年度用

6年上 「日本の文字とことば」は書き換えられている。字源(字母)表はそのまま。『源氏物語』のことが消える。

「ひらがなは、平安時代(八〜十二世紀)から女性に主に使われ始め、作りあげられたので「おんな文字」とか「おんな手」とよばれました。」

 「紙の歴史と文化」の項目が充実し、和紙の価値について詳しく書かれ、紙による文化の育成を強調しています。ただし、写本については触れられていません。

「平安時代の半ばごろからさかんになった絵巻物も、和紙に書かれたみごとな芸術品です。
(中略)「紙は文化のバロメーターである。」といいます。紙の消費量が文化の高さの尺度になるというのです。テレビなど映像文化の発展にもすばらしいものがありますが、紙による文化を守り育てていくことの大切さも忘れてはなりません。」

 この教科書では、「昭和58年度用6年上」に変体仮名が用いられている暖簾の写真が、教科書の巻頭に置かれていました。

 こうした、変体仮名の扱われ方を確認した後、最終回にあたって私が1番強調したかった内容を取り上げました。それは、「誤解されている「変体仮名」 『相棒21上』(朝日文庫、2023年10月)」と題するものです。映像資料を提示して、ドラマの中で、現行の平仮名と変体仮名の違いがまったくわからずに、混乱したままで放映された例をスクリーンに映写して再確認をしました。脚本家、監督、出演者、制作スタッフ、果ては杜撰な小道具としての変体仮名の表などなど。どなたも間違いに気付かれなかったのです。

 また、放映後1年経ってから文庫本に収録された脚本の小説化においても、この誤解されたままの混乱が活字として固定化しています。右京の台詞にあった「『えつ』は平仮名でもカタカナでもない、変体仮名だったんですよ」というのがそれです。『えつ』は明らかに現行五十音図の中にある平仮名です。この台本とその小説化においては、共に変体仮名がまったく作成側に理解されていないことが明らかです。日常的に日本語を使って日本で生活する者として、こうした愚かなことが堂々と社会に撒き散らされたことは、非常に残念な出来事です。

 なお、こうしたことは既に2026年03月07日の「宇治で相愛本『源氏物語 橋姫』の変体仮名を読む会(9)」(http://genjiito.sblo.jp/article/191646277.html)で詳細に報告しているので、詳しくはそちらに譲ります。

 続いて、『国文学解釈と鑑賞別冊 源氏物語の鑑賞と基礎知識 No.28 蜻蛉』(伊藤編著、至文堂、2003年)に掲載した「石山寺散策−源氏のゆかりの地を訪ねて−」を印刷したプリントを見ながら、石山寺を中心にして宇治との関わりの確認をしました。これまでこの講座では、古写本に書き写された文字を読解することに特化した内容でした。最終回なので、前回と同様に物語の内容に関することにも話を展開させたのです。

 最後に、受講者のすべてが『源氏物語 千年のかがやき 立川移転記念 特別展示図録』(国文学研究資料館編、2008年10月、思文閣出版)をお持ちだということなので、この展覧会を主体的に担当した者の一人として、当時の会場で来場者にお渡ししていた小冊子「見どころ案内」を、本日の参会者に配布しました。『源氏物語 千年のかがやき』を補う内容が満載の冊子なので、折々に見ていただきたいと思ってお渡ししました。

 大阪府立中之島図書館における『百人一首』と『源氏物語 蜻蛉』の変体仮名をよむ講座は、以上で大過なく終了することができました。

 講座に参加して熱心に勉強をなさった多くの受講者のみなさま、お疲れさまでした。
 また、会場の用意や連絡などで奔走してくださった小学館集英社プロダクションの岩田さまを始めとするスタッフのみなさまにも、この場をお借りしてお礼申し上げます。大変お世話になりました。
 こうした文化事業への理解が深まることで、またの機会が得られれば、装いも新たに変体仮名を読む集いを持ちたいと願ってやみません。
 そのような日が来ることを心待ちにして、しばしの休会となります。
 みなさま、ありがとうございました。




posted by genjiito at 21:33| Comment(0) | ■講座学習

2026年03月13日

税務署の職員の方に感謝

 昨夜から一睡もせずに、ただひたすら確定申告の書類を作成していました。明け方も5時を過ぎると、眠たさなどまったく感じることはなく、目の前の申請書の作成に集中していました。

 私は、こうした書類作りが大の苦手です。しかも年に1度のことなので、資料を揃えて整理をし、手順よく空欄を埋めていくことには、どうも心躍るシーンがありません。今年こそは早めに終えようと思いながらも、やはり締め切りギリギリになりました。しかも、去年は殊の外多忙だったので、申請しないままに持ち越していたのです。

 慣れない書類作りは、お昼前に終わりました。2年分なので、疲れはピークです。完璧な書類ではないことを承知しつつも、とにかく税務署に持参することを急ぎました。

 そうそう。明日の大阪府立中之島図書館での『源氏物語』と『百人一首』の講座で使用する資料も、まだ完成していませんでした。ほぼ出来上がっていたので、これも丁寧に確認して書式を整え、そのPDF版を図書館の担当者にメールに添付して送りました。

 一昨年の確定申告は、提出締め切りの最終日である3月15日に持参したためか、税務署の玄関前は長蛇の列でした。それが、今年の締め切り日は16日(月)となっていたせいもあり、3日前の今日は来庁者が少なく、すぐに対応してもらえました。入り口近くには、長い列ができることを想定してか、カラーコーンとロープが用意されていました。

 書類は出来上がったとはいえ、いろいろと不安な箇所があるので、相談しながら作成できる会場に行きました。待つ順番は2人目だったので、すぐに対応してもらえました。若い女性でした。
 まず、第一表の「基礎控除」の欄について、今回提出する令和7年度と、その前年の令和6年度では算出根拠が違うということで、早速訂正が入りました。今年から方針が違っていることに気付かなかったのです。

 また、「税金の計算」の各項目は、1つが違うと連鎖反応で次々と修正が入ります。
 幸い、第二表には訂正がなかったので、持参した申告書に修正した数字を書いて出来上がりとなりました。

 今回担当してくださった女性は、私以外にも3人の方の相談や点検をしておられました。聖徳太子は10人の話を聞き分けた、と言われています。この方も、4人の書類を手際よく確認し、訂正箇所と正しい金額を指示しておられました。かといって、忙しさを強調するかのような身振りや言葉遣いはなく、一人一人に誠意をもったやりとりです。この迅速で適切な対応には、とにかく感心しました。

 税務署にこのようにテキパキとした対応ができる方がおられるとは、先入観がじゃまをしていたのか意外だったので、あらためて感謝の念を抱きました。ほとんど意味がわからずに数字を記入している私などを相手にして、「もーっ!!」という気持ちは感じさせない姿は、まさにプロです。というか、お人柄でしょうか。
 おかげさまで、無事に仕上がった確定申告書を提出することが出来ました。
 懇切丁寧な対応を、ありがとうございました。




posted by genjiito at 23:58| Comment(0) | *身辺雑記

2026年03月12日

京大病院で妻に朗報あり

 今日の大文字は、春に向かっているせいか少し霞んで見えました。

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 入院中の子どもたちの院内学級の畑には、チューリップが姿を見せています。

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 今日は、レカネマブ(レケンビ)の治療に入ってちょうど1年目なので、この間に妻の脳内に出血など何か変化が起きていないか、点滴の副作用はないか、ということを調べてくださいました。
 先ずはその確認として、MRIの検査です。ベッドに横になり、円筒形の中に頭を入れて、頭部の断層写真を撮ります。これで、脳内に出血や水分が漏れ出していないかを見るのだそうです。

 次は、CGA(高齢者総合機能評価)のテストで、担当の先生と対面での問診です。
 まず私が、最近の妻の様子や半年前からの状況と、何か変化がないかということを聞かれました。概ね大きな変化がないと答えました。この私に対する面談では、1年前と半年前の2回の記録を見ながら、日常生活に関する質問が中心になされました。

 一通り終わると、変わって妻が聞かれる、という段取りです。
 妻には、認知機能検査と心理検査があったようです。今日も、担当の先生と妻は笑い転げながらの問診でした。廊下にある待ち合いのソファーにいた私は、前回と同じ様子だったので、大丈夫かと思うほどに2人は盛り上がっていました。

 最後は、検査結果を基にした主治医の診察です。
 今日の断層写真の説明を受け、半年前とほとんど変わらないことがわかりました。つまり、新しい出血や水分の漏れはなかったのです。そして、テストでもこの1年間でほとんど変化がなかったのです。というよりも、かえって少し良くなったようです。
 アミロイドβ の減少については、今日の検査項目には入っていませんでした。

 CGAテストの結果は、「認知機能(MMSE:30点満点)」が今回は24点。半年前が23点、1年前が24点でした。この1年間にほとんど変化はなく、かえって昨秋からは少し良くなっているとのことです。23点以下で認知症の可能性を疑うという指標があるので、まさにボーダーラインすれすれの状態だということです。

 また、「認知症の重症度(CDR)」については、昨年からずっと「2.5」なのだそうです。つまり、他にもいろいろな検査項目や数値がある中で、今日のところ妻は「軽度認知症の初期レベル」だと考えていいようです。そうであれば、日常的に身の回りにいらっしゃる高齢者の方々と同じように、少し物忘れが見られる状態だと考えてよさそうです。

 なお、治療を開始してからほとんど変化がなく、昨秋から数値が少し良くなっている理由の一つに、今年から始めたお茶のお稽古がいい意味で影響しているとのことでした。本人も楽しいと言って毎週通っているので、いいタイミングで取り組んだことを先生も非常にいいことだと喜んでくださいました。

 この調子で、これからも適度に刺激のある日々を送ろうと思います。
 認知機能が1年間で特に低下はしていないことがわかり、お互いに安堵の帰宅となりました。




posted by genjiito at 19:29| Comment(0) | *健康雑記

2026年03月11日

京都駅前での源氏講座の新年度の開催予定日とリカレント教育の意義

 キャンパスプラザ京都(京都市大学のまち交流センター)では、昨日から新年度の施設使用日時の予約受付が始まりました。例年はその初日に、一番小さな演習室を確保するために朝一番で行っていました。しかし、今年は何かと雑務に取り紛れていたために、受付開始の2日目である今日行きました。予定していた毎月第4土曜日の午後2時半から4時までは、1度に予約出来る6月までの毎月分を確保できました。

2026年4月25日(土)第3演習室
2026年5月23日(土)第5講習室
2026年6月27日(土)第5講習室

 予定していた部屋が取れなければ、街中のレンタルルームを探すことになります。しかし、1日遅れにもかかわらず、少し利用料金の高い講習室になった月があったものの、無事に6月まではキャンパスプラザ京都で開催できます。ホッとしています。

 この施設の予約は、京都市内にある大学が優先的に部屋を確保でき、私などのNPO法人は残りの空いている部屋を借りることになります。そのため、4月から6月分については、毎年受付初日に並んで予約を取っていました。

 今回、いくつもの部屋が空いていたということは、各大学共に学内の教室で新年度早々の授業は事足りる状況にある、ということでしょうか。
 学生数が減ったのか、講座数が減ったのか、小人数講座が減ったのか、はたまた年度当初であっても学生の授業参加は減っているのか、いろいろな背景があることでしょう。
 教員の成り手が少なくなったために、教職課程の必須科目を減らして教員免許を取りやすくした、という事情もあります。
 資格を取得するためには、大学へ行かざるを得ないという事情もあることでしょう。

 さらには、社会人がもう一度大学などで学び直す「リカレント教育」とか「学び直し」と言われる生き方が広まりつつある今、大学で学ぶことの意義が問い直されています。確かに、大学を飛ばして実社会で学ぶことを優先する、体験尊重の機運もあります。
 学生の減少とともに、社会人教育がますます社会における存在意義を主張しています。今後は、生成AIの存在も、大学のあり方を問い直すことでしょう。

 このキャンパスプラザ京都も、多様な選択肢としての学びの場となっていくことが期待されます。
 まさに、NPO法人〈源氏物語電子資料館〉が公開で『源氏物語』を読んでいる活動は、この学び直しとしての「リカレント教育」の役割を担っていくものだとも言えます。

 大阪府立中之島図書館での『源氏物語』と『百人一首』の講座が、指定管理者の都合で閉会となりました。これで、NPO法人〈源氏物語電子資料館〉が社会人教育の一環として変体仮名が読める人を一人でも増やそう、という活動は、次の3会場となりました。

(第1土曜日)《シェア型書店HONBAKO京都宇治》
第3土曜日《千代田区立日比谷図書文化館》
第4土曜日《キャンパスプラザ京都(京都市大学のまち交流センター)》

 第2土曜日が空いたために、今は他のどこかで新たに開講できないかと思案中です。
 魅力的な提案があれば、ぜひお知らせください。




posted by genjiito at 23:18| Comment(0) | ◎NPO活動

2026年03月10日

集会所でモルックを楽しむ

 これまでにも何度かやったことのある、モルックをしました。
 ルールも進行の手順もわかって来たので、みなさんハイレベルなモルック投げをしておられました。

260310_モルック.jpg

 モルックを寝かせて投げるのではなく、縦にして高い得点が書かれたピンをワンポイントで狙う場面が何度もありました。しかも、狙った1本のピンだけを確実に飛ばすシーンが何回もあったので、参加者のゲームへの対応が格段に良くなってきたことを実感しました。
 私も、狙ったところに投げることができました。ただし、投げる順番が早かったので、際どい時に投げるチャンスは残念ながらありませんでしたが。




posted by genjiito at 21:44| Comment(0) | *福祉介護

2026年03月09日

古都散策(78)お茶のお稽古帰りに平城宮跡へ

 近鉄西大寺駅を北口側に降りると、安倍元首相が撃たれたロータリーに出ます。その少し東側に奈良ファミリーがあり、その中にお茶のお稽古場があります。次の写真の矢印から入ります。

260309_西大寺駅前.jpg

 今日は、先週初めて教えていただいた、道庫(どうこ)のお稽古をしました。茶道具はあらかじめ点前座の周りに用意しておき、手ぶらで手前座に進み、手ぶらで出ていくという、まったく省エネのお点前です。手足に不安が残っている私には、まさにピッタリのやり方です。

 以前、といっても2013年12月に、丸卓(まるじょく)を使ったお手前を教わりました。そのお点前はあまり動かなくてもいいので、お客様とお話しをする時には最適です。以来、私はこの丸卓を使った入子点ばかりを練習していました。最初の成果は、次の記事の写真の通りです。

「京洛逍遥(300)初春のお茶の後は下鴨神社へ初詣」(2014年01月02日)"http://genjiito.sblo.jp/article/178971847.html"

 この手前座の左側の襖を開けて、そこに道具を置くと道庫のお点前となるのです。
 やることは、運びの薄茶と同じです。ただし、道具の持ち出しと、道具を仕舞う手間が簡素化されているのです。丸卓を使った時の動きの少ないお点前の、さらに動きが少ないものとなります。お客様とのお話に専念できるので、気を使わないお茶席となりそうです。私にとって、快適な環境でのお茶が点てられそうです。

 妻は、盆略手前でお盆を使わないバージョンのお稽古をしていました。まだまだ、もたもたしています。しかし、少しずつでも前に向かって進んでいるようです。今日も、張り詰めた緊張感がよかった、と言っています。楽しみながら、続けていけそうです。
 茶道は歴史があるだけに、その場その場に応じた、いろいろなやり方があることを知りました。

 今日の帰りは、東大寺や三笠山に向かって歩き、平城宮跡の発掘調査を行なっている奈良国立文化財研究所の前を通って、平城宮跡に行きました。2010年文化庁が復元した第一次大極殿が目印です。

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 これが復元される前までは、奈良の生駒に住んでいたこともあり、お正月になると子どもたちと母をつれて凧揚げに来たものです。とにかく、気持ちのいい原っぱでした。今は、その南に第一次朝堂院も復元され、さらに南には朱雀門の威容が望めます。ちょうど、朱雀門の前を近鉄電車が通過するところでした。

260309_朝堂院.jpg

 平城宮という史蹟の中を電車が通り抜けるのですから、車窓からも異文化体験ができます。
 ここは少しずつ復元されているので、ますます楽しみな場所です。
 太陽が沈む前だったので、腰を下ろして持参のお茶をいただきました。この広場での野点は、時代的にも地域の風土からも似合わないようです。




posted by genjiito at 22:13| Comment(0) | ・古都散策

2026年03月08日

清張復読(88)「分離の時間」(『黒の図説』より)

■「分離の時間」
 盛り上がりのない、退屈な話でした。
 代議士がホテルで殺されます。その男は、色情異常者(同性愛、ホモ)だったのではないか、ということから話が始まります。
 犯人を追う2人のマスコミ関係者は、推論に推論を長々と重ねます。読んでいて、作者に引き摺り回されていることが感じられ、物語への興味が半減して行きました。
 登場人物が展開する推理劇を、読者はお付き合いさせられることになります。読者が物語の中に入り込むことはなく、あくまでも第三者の立場で話に付き合わさせられるのです。迷惑の受け身です。
 清張が推理を楽しむことに終始するので、話が長く感じられたようです。何か新しい実験を清張がしていた、とも思われません。政財界のスキャンダルを盛り込むと、清張お得意の社会派の作品になったはずです。長編にできなままに終わったのかな、と思っています。
 なお、銀座にほど近い京橋四丁目から六本木の麻布市兵衛町まで、変死体で発見された男がタクシーに乗ったと思われることが、冒頭で話題になります。その記述がある箇所には、1頁分の大きな地図が挿入されています。皇居から国会議事堂、そして東京タワー周辺に至る地図です。

260308_東京周辺図.jpg

 ところが、この地図が作品の中で活かされることは1度もありません。最初に出て来た地図なので、その中に書かれている地名やアメリカ大使館・ソ連大使館、帝国ホテル・ホテルオークラなどに加えて、有楽町駅や新橋駅と高速道路網の各線の位置を、私はこの地図で再確認しました。私が毎月行く千代田区立日比谷図書文化館の周辺の地図なので、しっかりと頭に叩き込みました。物語の舞台として後々重要になる、作者からのヒントが隠されていると思ったからです。しかし、最後までこの地図が作品の内容に関係することはありませんでした。
 この地図は、一体何だったのでしょうか。そこで私が思い至ったことは、作者が当初はこの地図が事件の展開に合わせて読者を誘導する働きをさせるつもりだったのではないか、ということです。東京の中でも、有楽町や新橋から国会議事堂周辺の官庁街の位置関係は、地方の読者にはよくわからないと思い、そのことを考慮して周辺地図が置かれたのではないでしょうか。しかし、その配慮は作品の制作過程で何かの事情によって巧く活かされないままに終わった、と思っています。これだけの大きくて正確な地図は、清張にはめずらしいからです。
 この作品の当初の構想はどういうもので、ここに至る生成過程が知りたくなりました。【2】

初出誌︰「週刊朝日」1969年5月〜9月

底本︰『松本清張全集10』(文藝春秋社、1973.5.20)

※参考資料:『松本清張事典 決定版』(郷原宏、角川学芸出版、平成17年4月)では、本作について次のように言っています。

「同性愛がらみの事件を扱った異色の社会派サスペンス。」(158頁)




posted by genjiito at 20:47| Comment(0) | □清張復読

2026年03月07日

宇治で相愛本『源氏物語 橋姫』の変体仮名を読む会(9)

 今日のJR宇治駅前広場では、「ミモザ・マルシェ」と銘打ったイベントが開催されていました。今日の勉強会の会場であるシェア型書店HONBAKO京都宇治も、ミモザにちなんで「黄色い本」の古本を並べていました。この駅前での宣伝効果があったようで、今日は書店にも来店者が途切れず大盛況です。

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 さて、2階のフリースペースでの『源氏物語』の変体仮名を読む会は、まずは[誤解されている「変体仮名」]と題して、2022年12月7日に放映されたドラマ『相棒 コイノイタミ』において、「変体仮名」に関して大きな勘違いをした内容だったことを取り上げました。また、その1年後に刊行された『相棒21上』(第8話、朝日文庫、2023年10月)には、その勘違いがそのまま活字化されていたことを、次の引用文を提示してお話しました。

「本書は二〇二二年十月十二日〜二〇二三年三月十五日にテレビ朝日系列で放送された「相棒 シーズン21」の第一話〜第八話の脚本をもとに、全七話に構成して小説化したものです。小説化にあたり、変更がありますことをご了承ください。」(2頁)

「右京と薫は遺体が横たわっていた場所にしゃがみこんだ。カーペットの上に、文字のようなものが書きなぐられている。遺体の下から見つかったもので、いまわの際に被害者が残した血文字だと思われた。
「なるほど。たしかに『えつ』と読めますねえ」
右京の言うとおり、それが文字だとするとひらがなの「え」と「つ」のように見えた。」(362頁)

「問題は被害者が残した血文字の『えつ』。このダイイングメッセージがなにを意味するかです。」(364頁)

「右京はその頃、〈慶明大学〉を訪ね、櫂象仙研究の第一人者である機部昭夫教授と面会していた。
 教授室で待っていると、磯部が数冊の書物を持って現れた。
「お待たせしました。こちらが櫂象仙の資料です。こちらが当時の文献、こちらが最新の研究書です」(380頁)

「可能性を次々否定されて薫がしょんぼりするなか、右京は借りてきた資料の中の古文書を手に取った。
 しばらくして、右京の眼鏡の奥の目がキラリと輝いた。
「亀山くん、大久保さんの残したダイイングメッセージの意味がわかりました」(384頁)

「おや、衣川さんならば、すぐにピンとくると思ったのですがねえ。『えつ』は平仮名でもカタカナでもない、変体仮名だったんですよ」
「変体仮名?」衣川には予想外の答えだった。
変体仮名とは現在使われている平仮名とは字体の異なる平仮名で、平安時代から明治時代まで様々な場面で使われてきました。古文書にも、古美術品を納めた箱や書き付けの類にも変体仮名が多く用いられています」(387頁)

「あんたたちには馴染みのあるものなんでしょうがね」薫が尻ポケットから折りたたんだ紙片を取り出した。広げると変体仮名と現代の文字の対応表が現れた。「いやあ、ややこしいことしてくれましたよ。『え』は漢字の『衣』を崩したもの、『つ』は漢字の『川』を崩したもの」
 右京がとどめを刺す。
「すなわち『えつ』とは衣川さん、あなたのことだったんですよ」
 衣川がその場にくずおれたとき、パトカーのサイレンが聞こえた。」(389頁)

 ここではその説明を繰り返す余裕はないので、資料だけを上に引いておきました。要は、「『えつ』は平仮名でもカタカナでもない、変体仮名だったんですよ」(387頁)とあることに尽きます。「えつ」は変体仮名ではなく、現在の五十音図の中にもあるれっきとした平仮名です。変体仮名とは、1900年(明治33年)にその五十音図からはずされた200数十字の仮名文字なのです。ドラマでも、活字化された本でも、共に間違った理解のままの表現となっています。つまり、このドラマでは「変体仮名」は直接は関係ないのに、その詳しい説明があるのです。「字母」ということであれば、平仮名「えつ」の字母は「衣川」なのでいいのです。しかし、そこに「変体仮名」という概念が間違って引き摺り出され、その用語に関する蘊蓄が縷々語られたことが、脚本における失態だったのです。

 本日、印刷物として提示した画像も、参考までに引いておきます。説明及び出典は、ここでは省略します。

260307_相棒の画像.jpg

 前回に引き続き丹念に仮名文字を追いかけ、折々に参会者から出て来る質問に答えながら進めました。今日の勉強会は前回同様にお2人の女性から、疑問に思われたことなどに関して次々と質問が出ました。これがあるので、この集いは活気があり楽しい勉強会になっています。さまざまな話題で参会者のみなさんと盛り上がりました。前回は和気靄々と会話を交わしながらも、実質的には3行しか進めませんでした。今日は、少し多くて1頁半ほど進みました。
 9丁裏の最終行から次丁にかけての重複書写から、10丁裏5行目までを確認したのです。
 以下に示したのが、今日の成果です。

--------------------------------------
(1)相愛大学本『源氏物語 橋姫』第九丁裏〜第九丁裏七行目 [変体仮名翻字]

翻字データの中にある付加情報(/)の記号について
傍書(=)、 ミセケチ($)、 ナゾリ(&)、
補入記号有(+)、補入記号無(±)、 和歌の始発部( 「 )・末尾( 」 )、
底本陽明文庫本の語句が当該本にない場合(ナシ) 、 翻字不可・不明(△)


【給】ふ・さ弖・そ乃・【返事】・【有】介ん葉・【何】と可・三世・【給】身世【給】八さりし/身〈次頁〉、身世【給】〈重複〉、(9ウ)
----(後掲写真参照)----------------------------------
まろならまし可八と・うら見・【給】ふ・
さ可し・い登・さま/\尓/(さまさま尓)・【御】らん春へ可んめる・八し
をた尓そ・三世さ世・【給】者ぬ・可乃・王多り葉・ナシ・いとむ
しん尓・う毛れ多累・三尓・しひ古免弖/古〈ママ〉・やむ
へき・介者ひ尓毛・【侍】ら祢八・可なら春・【御】らん世さ
世八や登・【思】・【給】れ登・い可て可八・堂川祢よら世・【給】へき・
可や春幾【程】こそ・春まゝ本しく八/(春まま本しく八)・い登・よくて・
春きぬへ幾・よ尓て・【侍】介れ・可くろえ・於ほ可免
累【哉】・さ累・可多尓・三登ころ・あ里ぬへき・【女】・毛能
を毛はしく・うちしのひ多累・春見可登ん/(10オ)
--------------------------------------
やまさとめい多累・くまさなと尓/さ〈ママ〉・をのつ
可ら・【侍】らんめり・古乃・きこゑさ春・王多り葉・い登・
よ川可ぬ・ひし里さま尓て・こち/\しうそ/(こちこちしうそ)・
あらんと・登し古ろ・【思】あ奈川里て・ナシ・三ゝ越多
尓こそ/△&そ、(三三越多尓こそ)・とゝ免/(とと免)・さりつれ・本の可奈りし・【月】
--------------------------------------

 今日のポイントを、1点だけあげます。

260307_相愛橋姫9u身世重複.jpg

・9丁裏の丁末にある「三世【給】」と、次丁10丁表の冒頭にある「身世【給】」の重複書写文字に関しては、次のように説明しました。
 「三」と「身」の違いについては、親本は「三」であったのに、書写道具の糸罫を移動させ、親本と書写用紙もずらす行為をしている内に、手と目と筆が離れたことで集中力が途切れて気が散り、覚えた文字列の中の字母「三」が「身」入れ替わったということを想定してみました。書写時に、自分が日常的に使い慣れた「身」を書いたと思われます。これは、同じことが親本の段階で発生し、それをそのまま書写したと結果だとも言ってもいいでしょう。

 ちょうど終了した時に、この勉強会を見学したいという方が4人ほどお越しになりました。活動内容に興味を持っていただけるのは、一人でも多くの方が日本の文化資産である変体仮名が読めるようになることを願って開催するのが主旨の本会にとっては、ありがたいことです。実際に質問に答えながら、変体仮名をよむおもしろさを説明しました。また、参会者の方々も、昔の仮名文字をよむのは楽しいし、おもしろいですよ、と援護射撃をしてくださいました。主宰者として、ホッとしました。

 帰りに、すぐ近くのスナックの看板を見て、日本語のおもしろさを再認識しました。

260307_Ai乃.jpg

 アルファベットと漢字と平仮名で、お店の名前が表記されているのです。海外の方が、パズル感覚で日本の文字を楽しく勉強しておられる背景には、こうした文字の多彩な表現力と組み合わせの妙があるからなのでしょう。私の文字のコレクションに、この例も加えておきます。




posted by genjiito at 23:49| Comment(0) | ■講座学習

2026年03月06日

集会所でジェンガを楽しむ

 今日は、ラジオ体操とお口の体操の後、牛乳パックで作った四角い輪っかを1個ずつ積み上げる、手作りのジェンガをしました。
 他の会場では、40個以上を積み上げたところがあるとのこと。
 それでは、と慎重に箸で摘んで縦に積み上げました。しかし、30個が精々です。
 私の両側の方も奮闘しておられます。

260306_ジェンガ1.jpg

 40個以上も積み上げるためには、1個の輪っかの厚さを薄くすることで、可能な限り積み上げた高さを低くする必要があります。高いと、それだけバランスが崩れやすくて倒れるからです。
 また、牛乳パックを切り分ける時にも、可能な限り直線で同じ厚さに切ることです。そうしないと、積み上げているうちに傾いてくるからです。この微調整は、なかなか難しいのです。

 思いの他、自分との闘いとなり、おもしろく楽しめます。
 次回は、是非とも40個にチャレンジしたいものです。




posted by genjiito at 19:17| Comment(0) | *福祉介護

2026年03月05日

[その2]宇治徳洲会病院に付き添って

 毎月2回、妻はレカネマブ(レケンビ)の点滴でアミロイドβ をなくす治療を、今は宇治徳洲会病院で受けています。毎回それに、私は付き添っています。

 最初の診察で、担当の先生が京大病院の主治医と会う機会があったとのことで、現在の状況をお話して来られたようです。今の担当医も京大病院からの先生なので、情報交換をしておられるようです。
 宇治徳洲会病院で処方されたドネペジルという薬の副作用が酷かったために、京大病院に変えたことに関連して、今の穏やかで朗らかな様子からは想像できないことなので驚いている、とのことでした。薬の副作用は、とにかく恐ろしいものであることを、我々は身をもって体験しました。一年半前のことを思うと、今の平穏な日々が嘘のようです。

 さて、点滴治療の前に、私が看護師さんに一つお願いしたことがあります。それは、点滴を受けるベッドが硬すぎていつも身体が痛くなるので、掛け布団を一枚下に敷いてもらえないか、ということです。いつも点滴の一時間半は、妻が苦痛に耐えていることをご存知なので、すぐにもう一枚の掛け布団を持って来て敷いてくださいました。お願いしてみるものです。というよりも、みなさんが同じ状況で横になっておられるので、この配慮はすべての方に必要だと思います。硬くてすみませんね、で済ませるのではなくて、ぜひ少しでも苦痛がない環境で対処ができるように検討していただきたいことです。

 いつもは、背中が痛いので気を紛らわせるためにも、妻の横でお話をしていました。しかし、今日はすぐに寝入ったので、私は外の待ち合いのソファーで持参していた写本の校正の仕事をしていました。集中できたので、予定の分量はすべて終えました。相愛大学本『源氏物語 橋姫』(断簡)の「変体仮名翻字版」は、無事に完成しました。

 点滴が終わったのが午後1時過ぎだったので、会計をしてからティルームで軽くお腹を満たし、それから送迎バスで帰りました。
 帰宅は、やはり3時頃になります。あと半年は、こうした治療が続きます。
 来週は、京大病院でMRIや血液検査と共に問診によるテストもあります。さて、アミロイドβはどれくらい消すことができたのでしょうか。検査とテストの結果を元にして、この一年間の治療の中間報告があります。最近は調子がいいようなので、おそらく、あまり進行していないという話ではないか、という流れになることを願っています。




posted by genjiito at 22:08| Comment(0) | *健康雑記

[その1]宇治で古写本『源氏物語 橋姫』の変体仮名を読む会(第9回)のご案内

 本日の京都新聞山城版「まちかど[宇治]」に、NPO法人〈源氏物語電子資料館〉が主催する、「宇治で古写本『源氏物語 橋姫』の変体仮名を読む会」の案内記事を掲載していただきました。

260305_NPO告知.jpg


 会場は、JR宇治駅から歩いて3分(京都府宇治市宇治宇文字2-38)、宇治警察署の裏にあるシェア型書店HONBAKO京都宇治で、2階のシェアスペースをお借りします。
 宇治の地で、宇治十帖の初巻である第45帖「橋姫」に書かれた、鎌倉時代の文字を読み進めています。変体仮名は初めてだという方のご参加も大歓迎です。

 扱う古写本は、相愛大学の春曙文庫が所蔵する『源氏物語 「橋姫」』(断簡)。
 写本の画像は、国文学研究資料館の国書データベースで公開中のものを使い、資料はすべて、当日の会場で配布します。


 今回は、11丁裏から確認を進めます。

 開催日時は、毎月第1土曜日の午後2時〜4時。
 一人でも多くの方が、日本の文化資産である変体仮名が読めるようになることを願って開催するものです。

 『源氏物語』の内容は扱わず、仮名文字を読むことを主眼としており、毎回読み切りです。
 参加費は2,000円。
 次回は、4月4日(土)です。

 毎回の勉強会の様子は、この[たつみのいほりより](http://genjiito.sblo.jp/)で報告しています。前回2月の活動内容は、以下の記事で確認できます。

「宇治で相愛本『源氏物語 橋姫』の変体仮名を読む会(8)」

 本ブログのコメント欄を通して、参加希望の旨をお知らせいただけると、資料を用意してお待ちしています。
 お知り合いの方へのご紹介も、よろしくお願いします。




posted by genjiito at 21:17| Comment(0) | ◎NPO活動

2026年03月04日

日比谷で『源氏物語』と『百人一首』の変体仮名をよむ講座の紹介

 東京都千代田区立日比谷図書文化館で開催している「古文書塾 てらこや」の、令和8年度の募集案内が出来ました。

260304_てらこや募集.jpg

 私が担当している2つの講座は、次の要領で実施します。
 画像をクリックすると精細表示となり、文字が読みやすくなります。

260304_日比谷(1).jpg

 まず『源氏物語』から。
 これまでハーバード大学蔵『源氏物語』「須磨」をよんで来ました。それがこの3月末で終了することを受けて、令和8年4月からは相愛大学本『源氏物語 宿木』(断簡)をよみ始めます。

260304_日比谷(2).jpg

 次に『百人一首』は、これまでの続きとしてよみ進めます。

260304_日比谷(3).jpg


 会場は日比谷公園の中にある野外音楽堂の隣にあり、皇居・国会議事堂・帝国ホテルに囲まれた、至便の地でもあります。
 一人でも多くの方が、日本の文化資産である変体仮名が読めるようになることを願って開催するものです。
 お知り合いの方へのご紹介も、よろしくお願いします。




posted by genjiito at 21:57| Comment(0) | ◎NPO活動

2026年03月03日

京都式の雛飾りがある集会所で体操をした後は自宅でお茶のおさらい

 集会所の玄関には、お内裏さまとお雛さまが飾ってあります。京都生まれの方や、洛中に住んでおられた方が何人かおられるので、お飾りも「京都方式」がきっちりと置かれています。

260303_雛飾り.jpg

 お内裏さまが、向かって右におられるのが「京都式」です。関西でもかつてはお内裏さまは向かって右でした。しかし、明治時代以降は天皇が欧風化に伴い西洋にならって左側に立たれるようになってから、今の関東式に移行してきたと聞いています。しかし、天皇の遷都を認めない京都人がおられる現在、お内裏さまの立ち位置も従来の日本式を守っておられるとか。
 とはいうものの、いろいろな記事には、左右に意味はないということでお茶を濁しておられます。これは、エスカレーターの右に立つか左に立つかという問題とはまた違う、興味深い問題です。
 なお、この雛飾りの左右の問題は、次の記事でも取り上げています。

「集会所での雛祭りの後は四条で貝合を見る」(2023年03月03日)"http://genjiito.sblo.jp/article/190210447.html"

 今日の集会所では、頭・口・手・足を動かす軽い運動をしました。インストラクターのT先生が楽しい方だったので、和気靄々とした雰囲気の中でできました。
 イスに座ったままでも、いろいろなことができる事がわかりました。しかも、先生の進め方がうまかったので、あっという間に終わりました。折々に思い出しては、出来る時に出来ることをしたいと思います。
 こうした講習会は、実用的で役に立ちます。

 ただし一点だけ気になりました。それは、先生が「右足を〜」「左足を〜」とか「右を向いて〜」とか「左を向いて〜」とおっしゃる時です。見よう見まねでやっている参会者は、先生ご自身の側からの左右ではなくて、その指示とは逆の方向で先生の模範演技が見えているのです。先生は、口で言うのとは逆の動作をした方が、それを見てまねる我々は混乱しません。
 このことは、昨秋の「インストラクターが左右の動きを指示する時」(2025年10月17日)"http://genjiito.sblo.jp/article/191519288.html"という記事で、次のように書いたことです。

この左右のズレが何度もあると、次第にやっているこちらも混乱します。「右を向いて」という時に、みなさんの前で模範演技をする方は、「左」を向いてもらった方が、こちらとしては動きやすいのです。「右を向いて」「左を向いて」という動作が多い時は、「みなさんから向かって右」とか「左」と言うことが、特に注意すべき確認事項だと思いました。

 かつて、コナミスポーツクラブの奈良・東京・川崎・京都にあるフィットネスジムに通っていた時のこと。エアロビクスのインストラクターの先生はすべて、この左右の動きは必ず生徒側から見ての左右を口にしておられました。

 今日の集会所でのことです。
 帰りに言葉掛けをする時があったので、このことを言おうと思いました。しかし、慌ただしくバタバタしていたので、言わずじまいでした。いつかまた、何かの折に言おうかな、と思っています。テンポよく、わかりやすくて楽しいパフォーマンスをなさる方なので、余計にこの点が気になりました。

 帰ってからは、昨日のお稽古で教わったことを、妻と一緒におさらいをしました。
 お茶をもっとやりたい、という気持ちが強かったので、鉄は熱い時に打て、という言葉そのままに、昨日のおさらいをしました。
 驚くほど、よく覚えています。昨日先生はこうおっしゃっていた、と私の言うことを直してくれます。自分では知っているつもりでも、実際に相手に説明する時にはアヤフヤなところがあるものです。私にとっても、いい学びの機会です。

 妻は真剣に学ぼうとしているようで、途中から額に汗を滲ませて、真剣勝負だと言いながら何度も同じことを繰り返しています。久しぶりに、気魄を感じました。

 おいしいお菓子を口にしながら、たのしいお雛祭りとなりました。




posted by genjiito at 23:53| Comment(0) | *福祉介護

2026年03月02日

古都散策(77)お茶のお稽古帰りに唐招提寺へ

 今日のお稽古は、突然のことながら、テーブルでの立礼ではなくて、畳の上でのお稽古となりました。運びの薄茶のお稽古をしませんか、とのことだったので、とにかくやってみることにしたのです。そして、先生のおかげで何とかできたのです。脳梗塞を患った私には意外なことであり、畳の上でのお稽古はかつてのようにはできないだろうと思っていただけに、何事もやってみるものです。

 そして、お点前の最後に、「道庫」という初めてのことをしました。お点前で使った茶碗や棗や建水などを、本来は持って下がります。しかし、そのところを、お点前をした手前座に座ったままで、道具は左側の道庫という場所に置いてお仕舞いとするのです。今日は、私がお点前をした手前座の左側が襖だったので、お仕舞いの時に道具を清め終わった後、襖を開けて道庫とされる場所に道具を置き、襖を閉めることでお点前の終了となるのです。非常に効率のよい動きとなるので、立ったり座ったりという、お茶室内を出入りする回数が少なくなります。私のように、足や手の調子がよくない者には、うってつけのお点前となります。

 そういえば、以前は私の動きが最小限になるようにと、先生は丸卓を使ったお点前を教えてくださいました。
 長い歴史を持つ茶道なので、身体が思うように動かない方のために、いろいろなお点前が考えられているようです。その一つを、運びのお点前の最後に体験させていただきました。
 この道庫を取り込んだお点前は、先程からネットでいろいろと調べていると、最初に道具を持ち出すところから始めることが出来るようなので、次回はこの方法のバリエーションでお稽古ができないかを、先生に相談しようと思っています。

 まだ、身体の右側に違和感がありました。しかし、正座をしての動作で右足に体重がかかるのを避けることと、右手を左側に延ばす時の身体の傾け加減がわかると、動きはスムーズに見えるようです。小さな座布団を右足に当てるといいそうです。次回は用意して来ます。
 なお、右手で柄杓を取る時と、茶巾で茶碗を拭く時に、手首が少し震えて強張りました。これも、回を重ねることで何とかなりそうです。

 妻は、前回の続きで盆略手前をしていました。袱紗さばきも先生に手を取って教えてもらうことで、形になってきています。少しずつ感触が摑めるようになったこともあってか、先生に褒められながら楽しくお点前らしい動きになっています。おもしろいことが一番の収穫です。
 帰りには、楽しい、おもしろいという言葉をしきりに言っていたので、まずは安堵しています。

 今日の帰りには、前回と同じように西ノ京駅で降り、今回は薬師寺には寄らずに真っ直ぐ北へ歩いて唐招提寺へ行きました。

260302_唐招提寺への道.jpg

 突き当たりに唐招提寺があります。歩いて10分もかかりません。

260302_唐招提寺バス停.jpg


 南大門から入り、閉まる直前の新宝蔵に急ぎました。ここは、昨日から拝観が始まっているからです。国宝や重文の仏さまを、時間をかけてじっくりと拝見しました。

 唐招提寺については、次の記事に詳しく書いています。

「古都散策(28)唐招提寺の落慶法要」(2009年11月08日)"http://genjiito.sblo.jp/article/178934242.html"

 現在の金堂と講堂は、こんな姿を見せていました。

260303_金堂.jpg


 鑑真和上御廟では、庭の苔の色に魅せられました。何とも表現しがたい、淡い緑なのです。

260303_鑑真の庭の緑.jpg


 この御廟と井上靖の『天平の甍』のことは、つぎの2本の記事に譲ります。瓊花はこの5月前後に咲くそうです。

「古都散策(30)『天平の甍』の文学碑」(2009年11月13日)"http://genjiito.sblo.jp/article/178934247.html"

「【復元】古都散策(2)唐招提寺」(2009年11月14日)"http://genjiito.sblo.jp/article/178934248.html"

 唐招提寺から帰るのには、来た道を戻って西ノ京駅からが早いことは知りつつも、今日はブラブラと一つ西大寺駅寄りの尼ケ辻駅に向かって北へと歩きました。

 途中で、子育てのために20年間住んでいた生駒方面を見やると、生駒山のテレビ塔が望めました。

260303_生駒山.jpg


 尼ケ辻駅の手前に垂仁天皇陵があり、多くの鷺が賑やかに談笑中でした。のんびりとした大和の田園地帯です。

260303_垂仁陵.jpg


260303_御陵の鷺.jpg

 この御陵の横を歩いている時に小雨が降り出したので、尼ケ辻駅へと急ぎました。この次の駅が西大寺です。
 お茶のお稽古の場所からすぐ近くで、こうしたいろいろな歴史と文化が体験できます。これも、楽しみの一つとなっています。




posted by genjiito at 23:56| Comment(0) | ・古都散策

2026年03月01日

京洛逍遥(969)東寺のガラクタ市(2026年3月)

 今日から弥生。定年退職後は、歳を重ねるにつれて月日が早く進むように感じます。のんびりとした老後の生活が来るものだと思っていたので、これは予想外の展開です。忙しく毎日バタバタしているのは、あくまでも自分自身の生き様のせいですが……

 月初めの日曜日は、東寺のガラクタ市。陽ざしの柔らかさに誘われて、ブラリと出かけました。暖かかったので、コートは要りません。

260301_東寺南大門.jpg

 妻は今日、かつての同僚たち5人と、恒例となっているお喋り散策の日です。今日は宇治市内を食べ歩くとのことで、早々に出掛けていました。

 先月21日の弘法市に来たばかりなので、新鮮味がなく、まためぼしいものもありません。ブラブラと、境内を散策して来ました。

260301_ガラクタ市.jpg

 相変わらず、お茶道具に目が行きます。1月の弘法市で出会った『百人一首』の100首の和歌と歌人100人を書いた茶碗は、今日も見当たりませんでした。出会いがあれば買おうと思っていたので、残念です。

 出店には、実にさまざまな物が並んでいます。ガラクタ市は食べ物屋さんがほとんど出ていないので、食べ歩きの方に服を汚されることもなく、書画や骨董をじっくりと楽しめます。今日は戦時中の手紙類がたくさん出ていたので、おもしろく拝読しました。手紙は、返信の方が想像を逞しくして読むことになるので、つい時間を取られます。戦前のものは変体仮名が散見されるので、その使われ方がいい勉強になります。人さまのプライバシーを覗き込むようで気が引けます。しかし、教材だと思って見ているので、ご寛恕のほどを願います。

 今日も、来場者の半数以上が海外からの方です。しかも、ほとんどの方が日本語で品物の説明や値段を確認しておられました。ここに来ておられるのは、日本に慣れた方々なのでしょう。日本の歴史と文化と生活を実感できる、生きた文化交流の場となっています。
 東寺は京都駅から歩いて15分。お薦めの散策路であり観光地です。

 夕方には妻が帰ってきたので、明日のお茶のお稽古のおさらいをしました。
 始めたばかりの妻には、まずは袱紗さばきが難しいようです。これだけで、40分は練習をしました。おもしろがってのことなので、楽しい楽しいの連発でした。そして、肩が凝ってきたとも。気長に続けよう、を合い言葉にやっているので、おもしろさを優先しています。

 まだ盆略手前をやっているので、シンプルです。しかし、教える立場の私にとっては、自分の記憶のあやふやさを痛感し、何度もやり直します。やっと茶筅を振る頃には、鉄瓶のお湯が冷めかかっていました。それでも、いい抹茶を使ってのお遊びなので、宇治の香りのするおいしいお茶が点てられました。お茶がおいしい、ということが大事だとおもっています。

 さて、明日はしっかりと先生に教わってきます。




posted by genjiito at 22:39| Comment(0) | ◎京洛逍遥

2026年02月28日

キャンパスプラザ京都で相愛本「藤裏葉」を読む(第1回)

 キャンパスプラザ京都(京都市大学のまち交流センター)の玄関ホールには、いつものように本日のイベントの案内が表示されています。

260228_パネル.jpg


 今日の講座は、5階の第5演習室です。

 前回で相愛大学本『源氏物語 帚木』(断簡)が終わり、字母索引を提示してどのような変体仮名で語句が表記されているかを確認しました。そこで今日は、大阪府立中之島図書館で読んでいたハーバード大学本『源氏物語 蜻蛉』が過日終わったことを受けて、その「蜻蛉」の変体仮名の表記と「帚木」を比べてみました。
 例えば、次の2例(江・ゑ・君)はどうでしょうか。
 まず、相愛本「帚木」と池田本「帚木」を比べます。相愛本「帚木」の「江」「ゑ」「き三」は、池田本「帚木」には見られない文字遣いです。表記されている字母に偏りがあることがわかります。

《江・ゑ》(池田本にはナシ)
きこ江志らせんとて  き古えしら世むとてなん
きこ江寿  堂て須
きこ江ぬにしも  き古えぬ尓盤
きこ江よと  き古えよと
きこ江んも  き古えん
きこゑ  き古えなと
きこゑす  き古え須
きこゑむと  【申】さむと

《君》
き三は  あこは
き三毛  きみ八
き三越  古き三
こきみ  き三
こきみは  ナシ
こき三わ八  こ越

 次に、ハーバード本「蜻蛉」と池田本「蜻蛉」の文字表記の違いを列記します。ここでも、「帚木」の場合と同じように、表記されている語彙に用いられている字母が、明らかに区別されていることがわかります。

《江・ゑ》(池田本にはナシ)
きこ江521044-000きこえ
きこ江522366-000きこえ
きこ江させ523007-000きこえさ世
きこ江させ526277-000ナシ/落丁
きこ江させ526311-000ナシ/落丁
きこ江さ勢/え【給】&江さ勢、江=え、(きこえ【給】)526311-004ナシ/落丁
きこ江し523363-000きこえし
きこ江ても523026-000きこえて毛
きこ江めと524570-000きこえめと
きこ江越多に520868-000きこえを多尓/こ〈次頁〉、(11オ)
きこゑし520968-000きこえし
きこゑしものをなと522351-000きこえし【物】をなと
きこゑて520866-000きこえて
きこゑて526048-000きこえて
きこゑをきて521835-000きこえをきて
きこゑん520030-000きこえむ登


《君》
き三多ち522081-000【君】多ち
き三多ちなと524774-000【君】多ちなと
き三多ちなん524337-000【君】多ちならむ
き三多ち尓520525-000【君】多ち尓
き三多ちの524805-000ナシ/落丁
き三多ちをも522236-000【君】多ち毛/ち±を
き三に523461-000【君】尓
き三にも526296-000ナシ/落丁
きみ者521594-000【君】八
きみ者可りや525478-000ナシ/落丁
き三も521991-000【君】も
【君】を526337-000【君】越
き三越八524872-000ナシ/落丁

 こうした例を根拠にして、鎌倉時代の写本に書写されている文字は、それぞれに見られる字母に偏りがあることが判明しました。まだ数例を指摘できる段階に留まっています。今後は、さらに検討を進めることで、単語を表記する際の文字遣いの傾向が明らかになっていくことでしょう。
 また、相愛本「帚木」とハーバード本「蜻蛉」の字母の選択され方がよく似ていることもわかりました。この、鎌倉時代に『源氏物語』が書写されていた環境において、字母に着目することによってその周縁の用字選択の傾向の親疎がわかりだしました。これは、「変体仮名翻字版」のデータが増えることで、さらにおもしろいことがわかる感触を得たことになります。

 次に、書写された本文の内容の確認をして、現在の流布本の大島本との違いも見ました。
 相愛大学本『源氏物語』(断簡)に関しては、その所蔵者であった田中重太郎先生は、「源氏物語本文について」(清少納言と「ほのかなり」と、『平安文学研究』第42輯、昭和44年6月号)で次のような感想を記しておられました。

 架蔵の鎌倉初期書写の源氏物語断簡(昭和三十九年十月刊)を読みかえしていると、こんな本文の源氏物語がすくなくとも平安末期にはあって、読まれていたのだと思い、いま行われている源氏物語の本文と読みあわせると、そらおそろしい気がして来る。

 田中先生が「そらおそろしい気がして来る」とおっしゃった相愛大学本『源氏物語』(断簡)は、一体どのように語られる物語なのかということの確認です。今後は、相愛本「帚木」の本文の確認を毎回少しずつ進める予定です。今日は、その第1回目です。

 まず、相愛大本「帚木」の語り出しの部分を校訂本文(案)にしてあげます。これは、『新編日本古典文学全集』(小学館)「帚木」(98〜102頁)の部分です。

〜て寝たるべき。
「中将の君は、いとこにぞ。人げ遠かき心地してもの難しきひ」と言ふなれば、長押の下に人々臥していとふなり。「下になむ行き(陽)おりて、ただ今なんまうのぼらんとはべりつ」と言ふ。
  (伊藤の小見出し︰30源氏、空蝉の部屋に忍び入る)
 みな静まりぬる気配なれば、掛金を放ちて(陽)こころみに引きみれば、あなたよりは鎖さざりけり。几帳を障子口にさして唐櫃だつもの置きて、乱りがはしき◇を分け入りたまひて、気配するほどによりたまへれば、いとささやかにて臥したり。火はほの暗きに、なま煩はしけれど、上なる衣を押しやり給に女は呼びつる人と思ひけり。いと忍びて(陽)、「中将召しつれば◇人知れぬ思ひのしるしある心地して」といふを、とかうも思ひわかれず、ものに襲はるる心地して、「やや(陽穂)」とおびゆればと、顔に袖の触りて、音も聞こえず。「うちつけに、深からぬ心◇とおぼさんも、ことわりなれど、年ごろ思ひわたる心のうちも聞こえ知らせんとて◇。かかるをりを待ち出でたるも、さらに浅うはあらじと思ひなしたまへ」と、いとやはらかに◇、鬼神も荒だたずまじき御気配なれば、はしたなうあさましう、「ここにはさべき人もはべらずなど違へにこそはべめれ」と言ふも言ふも、息の下なり。

 この場面のいくつかを見ましょう。いずれも、陽明本も同じ本文を伝えるものの、諸本とは相愛本が異なっている例です。

(1)相愛本が「下になむ行きおりて」(陽明本も同じ)とするところは、大島本では「下に湯におりて」となっています。『新編全集』の現代語訳では、「下屋にお湯を使いに出まして」とあります。相愛本よりも大島本の方が、「お湯を使いに」と具体的な表現となっています。

(2)相愛本が「掛金を放ちてこころみに引きみれば」(陽明本も同じ)とするところは、大島本では「掛金をこころみに引きあげたまへれば」となっています。相愛本の「放ちて〜引きみれば」という行文は、この場の雰囲気の表現としては緊張感に欠け、意を尽くしていません。大島本の「引きあげ」の方が、光源氏が空蝉がいる部屋の掛金を外して忍び入る状況がよくわかる表現となっています。

(3)相愛本が「几帳を障子口にさして」とするところを、大島本では「几帳を障子口には立てて」となっています。『新編全集』の現代語訳では、「几帳を襖の入口に立てて」とあります。相愛本の「さして」は「鎖して」で、通れないようにする・閉める、という意味かと思われます。ここは大島本のように、「几帳を襖の入口に立てて」という表現が、この場の状況を簡潔に語る表現となっています。

(4)相愛本が「気配するほどによりたまへれば、いとささやかにて臥したり。」とするところを、大島本では「ただ独りいとささやかにて臥したり」となっています。『新編全集』の現代語訳では、「ただ一人でほんとに小柄な感じで寝ている」とあります。相愛本が光源氏の行動を「寄る」という表現で語るところを、大島本は「ただ独り」と簡潔に語ることでその場の状況を表現しています。

(5)光源氏が空蝉を口説く場面で、相愛本が「いと忍びて」(陽明本も同じ)という言葉を添えているのに対して、大島本はその言葉がありません。光源氏が忍び入った状況においては、この言葉は不要でしょう。

(6)光源氏が空蝉の寝所に押し入った時の空蝉の描写が異なります。
 相愛本は「はしたなうあさましう、「ここにはさべき人もはべらず、など違へにこそはべめれ」と言ふも言ふも、息の下なり」と語ります。
 それに対して、大島本はより詳しく、「はしたなく、(空蝉)「ここに人」ともえののしらず。心地、はた、わびしくあるまじきことと思へば、あさましく、(空蝉)「人違へにこそはべるめれ」と言ふも息の下なり」と語ります。『新編全集』の現代語訳では、「無愛想に、「ここに誰か」と騒ぎたてることもできない。でもやはり、気持はやりきれなく、あってはならぬことと思うので、あまりのことに、「人違いでございましょう」と言うのもやっとのことである。」とあります。窮地に陥っている空蝉の心情にまで立ち入って、その困惑ぶりを活写しています。光源氏が忍び入った状況が、リアルに表現されているのです。

 以上、ほんの一例をあげました。もたもたした感が否めない相愛本の表現に対して、大島本は簡潔な文章で臨場感を持って語ります。こうした違いは、どこから来るのでしょうか。

 この相愛大学本『源氏物語』(断簡)の臨模本の作成に着手しておられる書家の宮川保子さんは、ハーバード大学本『源氏物語』の「須磨」と「蜻蛉」を作成した時の経験から、この相愛本は草稿本・下書き本のような印象を持った、とおっしゃいました。
 それを聞いてから私は、この相愛大学本『源氏物語』(断簡)は、あるいは鎌倉時代に『源氏物語』の草稿本の一つを書き写したものではないか、という可能性を考えるようになりました。
 すでに本文の内容を対比したように、相愛本よりも大島本の方が表現は練られている、と言えるでしょう。このことは、相愛本の本文が草稿の姿を留めているかもしれない、ということと関係しそうです。この証明は難しいとしても、ここまでに書いた本文の違いの検討は、ピンボケではなさそうです。
 今後とも、こうしたことを意識して、相愛本「帚木」の本文の内容についても講座の中で取り上げていくつもりです。

 本日の後半は、相愛大学本「藤裏葉(断簡)」の第1丁表〜第2丁裏までを、「変体仮名翻字版」で確認しました。この本文の確認には、NPO法人〈源氏物語電子資料館〉の会員で古写本の翻字作業に協力してくださっている辻 義孝氏が「変体仮名翻字版」の素案を作り、それを私が確認するというステップで進めているものです。

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■相愛大学本「藤裏葉(断簡)」(今回:第1丁表〜第2丁裏まで)
  [変体仮名翻字版] (翻字:辻 義孝/確認:伊藤鉄也)
   ・翻字データの中にある付加情報(/)の記号について
     傍書(=)、 ミセケチ($)、 ナゾリ(&)、
     補入記号有(+)、補入記号無(±)、 和歌の始発部( 「 )・末尾( 」 )、
     底本陽明文庫本の語句が当該本にない場合(ナシ) 、 翻字不可・不明(△)
    ※「宇(う)」が特徴的な字形となっている。
    ※「【見】」に「三」を使う傾向がある。(ハーバード本「蜻蛉」と同様)
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奈/[330723]ココカラ残存・三る・【人】可らや・【色】毛・ますらん」・つき/\/(つきつき)・す
む奈可礼堂免礼と・ゑ日の・満きれ尓・八可/\し
可ら弖/(八可八可し可ら弖)・古れよ里/〈墨ヨゴレ〉・まさらす・【七日】乃・【夜】・ゆふ
川くよ・可遣・本乃可奈る尓・い遣乃・可ゝ三/(可可三)・のと可
尓・す三王堂れり三累尓・ま堂・本能可奈る・古
すゑと毛・さ宇/\しき/(さ宇さ宇しき)・ころ奈る尓・い堂宇・遣し
き者三・よこ堂者れる・ま川の・こち堂き・本と
尓八・あらぬ尓・可ゝれる/(可可れる)・者那の・さま・よのつ祢
奈らす・を毛しろ新・れいの・【弁少将】・こゑ・いと・
那つ可新う弖・あし可き越・う堂ふ・をとゝ/(をとと)、(1オ)
--------------------------------------
遣や介く毛・川可宇ま川累もの可奈と・
うち三堂れ・堂まひ弖・とし・へ尓介累・古乃・
いゑのと・うちく八へ・堂まへる・いと・を毛新
ろし・を可しき・本と尓・三多れ可八しき・
【御】あそひ尓弖・毛の越毛ひ・乃こらす・奈
里ぬ免り・や宇/\/(や宇や宇)・【夜】・ふ遣【行】・本と尓・
い堂宇・そらなや三・新弖・三堂り【心】ち・い
と・堂え可堂く・ま可てむ・そら毛・本と/\
新くこそ/(本と本と新くこそ)・者むへりぬへ介れと・ゝ乃井【所】/(と乃井【所】)・
ゆつ里・堂まひ弖むやと・【中将】尓・うれへ・【給】/(1ウ)
--------------------------------------
をとゝ/(をとと)・あそむや・そ乃・【御】や春三ところ・毛
と免よ・をき那・い堂う・ゑい・すゝ身弖/(すす身弖)・
むらい奈礼八・ま可里いりぬと・い日すてゝ/(い日すてて)・
い里・堂満日ぬ・【中将】・八奈の・可遣の・堂ひ祢よ・い可
尓そや・くるしき・新るへ尓そ/そ&そ・者へるやと・乃多
まへ八・ま川尓・【契】礼るは・あ多なる・者那可八・
ゆゝしや八と弖/(ゆゆしや八と弖)・世免・【給】・【中将】八・【心】の・うちに・祢多
乃・王さやと・【思】・【所】・あれと・【人】さまの・於もふ・さま
尓・め弖堂き尓・可う毛・あ里者てなむと・
こゝろよ勢王多る/(こころよ勢王多る)・【事】奈れ八・う新ろやすく/(2オ)
--------------------------------------
【道】日き川・をとこき三は・ゆ免可と・於ほえ・
【給】尓毛・【我】・三・いとゝ/(いとと)・八川可新うそ・於ほえ・【給】遣む
か新・をむ奈八・伊と・者川可しと・於もひし三
て・毛乃し・堂まふ毛・祢日満される・【御】【有】さ
ま・いとゝ/(いとと)・あ可ぬ・ところ・奈く・めや春新・よ
乃・堂免し尓毛・奈里ぬへ可里川累・三越・【心】毛
て古楚・可う満弖・於ほしゆるさ累免れ・あ八
礼を・し里・堂ま者ぬ毛・さま・ことなる・王さ可
奈ゝと/(王さ可奈奈と)・宇ら三・き古え・【給】・【少将】の・すゝ三い多し
川る/(すす三い多し川る)・あし可き乃・於もゝき八/(於ももき八)・三ゝ/(三三)・とゝ免/(とと免)・堂まひ川や/ま〈次頁〉、(2ウ)
--------------------------------------

 今日から始まった相愛本「藤裏葉」の確認では、いろいろなことがわかりました。
 例えば、次の2例は、まず確認しておくものです。

※「【見】」に「三」を使う傾向がある。(ハーバード本「蜻蛉」と同様)
 1丁表1行目「三る」

260228_相愛本「藤裏葉」1oL1三る.jpg



※「宇(う)」が特徴的な字形となっている。
 1丁表6行目「宇」


260228_1oL6宇.jpg


 また、ああでもない、こうでもない、という四苦八苦、試行錯誤の翻字が始まりました。
 気長に、根気強く続けていきます。
 興味と関心をお持ちの方は、ぜひ毎月第4土曜日の午後、キャンパスプラザ京都(京都市大学のまち交流センター)で一緒に考えませんか。連絡をお待ちしています。




posted by genjiito at 23:57| Comment(0) | ■講座学習

2026年02月27日

集会所でお口の体操の後は伏見の力の湯へ

 今日は、ラジオ体操の後にお口の体操をしました。
 いつもと違って、「あいうえお」の一音ずつをそれぞれ数回発声したり、手拍子を入れたりします。さらには、「浦島太郎」と「もしもし亀よ」を交互に歌いました。これは、頭の中が混乱するので、相当難易度の高い脳トレです。
 おジャミを隣の方に送る競争も賑やかにやり、身体も頭脳も十分に温まりました。

 午後は、明日の『源氏物語』の講座で配布する資料作りに専念です。校訂本文を作り、異文を調べ、索引を再編集し、現代語訳を準備しと、勉強部屋と書庫を行ったり来たりして慌ただしいことが、ここ数日続いています。

 第1と第4土曜日は、講座で使用するプリント類を自宅で印刷して会場に持参するため、土曜日の朝に慌ただしく必要枚数を印刷します。家のプリンタは大忙しです。紙もインクも、大量に使います。プリンタは酷使しているので、そろそろ言うことを聞かなくなりそうです。早めの対処を、と思いながらも簡単なメンテナンスだけで使い続けています。いつか慌てふためくだろうことを覚悟しながらの、綱渡り状態となっています。

 第2と第3土曜日は、会場となっている千代田区立日比谷図書文化館と大阪府立中之島図書館の指定管理者である(株)小学館集英社プロダクションの担当者が、毎回印刷してくださいます。そのため、前日金曜日の午後に、講座で使用するレジメをメールに添付して送っておくと、印刷して当日の受講者に配布してくださいます。もっとも、中之島図書館の講座が来月で終わりとなるので、第2土曜日は次年度の当座は休業日となります。

 明日は第4土曜日なので、今夜中に資料作成を終え、明朝は印刷をした資料を綴じたりして、午後のキャンパスプラザ京都に持参します。

 私は仕事の詰めは夜中にやるので、毎週木曜日と金曜日は明け方までコンピュータに向かっています。早朝の3時半に朝刊がポストに入る「コトン」という音が聞こえるので、その後に寝ることが多くなっています。

 今回は、明日の講座で使う資料が夕刻にはほとんどできたので、霧雨の中を気分転換も兼ねて伏見にある温泉に行って来ました。「伏見 力の湯」は、これまでに何度も行っています。運んで来た温泉ながら、肌がツルツルとして気持ちがいいのです。今日も、リフレッシュには最適でした。

 さて、これから明日の講座で使用する資料の最終確認をして、明朝の印刷に備えようと思います。今回の資料は、ワンセットが14枚あります。もう2、3枚追加しようと思いながらも、次回にしようか思案中。いずれにしろ、珍しく朝刊が届く前に寝ることになりそうです。




posted by genjiito at 23:53| Comment(0) | *身辺雑記

2026年02月26日

郵便物の配達にあまりにも日数がかかること

 所用があって京大病院へ行きました。
 大文字の木々はまだ冬の色です。

260226_大文字山.jpg

 昨日のことです。
 郵便局にスマートレターを持って行きました。料金のことで聞きたかったからです。
 そして、東京にはいつ届きますか? と聞くと、これは普通郵便扱いなので来週の月曜日です、とのこと。我が耳を疑いました。6日もかかるのです。水曜日に出すと土曜日に先方に届き、土日が配達はお休みなので月曜日の配達だそうです。今週中に届けるためには、火曜日に投函すべきだった、ということです。速達か宅配便にすべきだったようです。

 そう言えば、以前にも同じ経験があったことを思い出しました。次の記事で、まったく同じことがあったのです。

「時代遅れの郵便事情にあらためて驚く」(2025年05月14日)"http://genjiito.sblo.jp/article/191351856.html"

 その前には、「京洛逍遥(767)郵便物の発送と天気の急変のこと」(2022年02月22日)"http://genjiito.sblo.jp/article/189353480.html"の中で、次のようなことがあったことを記録しています。ちょうど4年前のことです。

 昨年秋から、郵便物は中一日以上を空けての配達となりました。そのために、郵便物を送る場合には到着日と用途を検討することになります。
 今日の大事な書類は、普通で送ると「明後日以降」に届くということでした。この「以降」というのが曲者で、明後日の保障ができない、と言うことです。
 そこで、明日確実に届く方法を聞くと、260円を足して速達にすればいいそうです。それでは、と言って手帳に入れている切手を取り出している時でした。持参の切手を使われるのでしたら、もう局の印紙を貼ってしまったので、それを剥がすので貼り足してください、とのことです。配達は遅いのに、これは早業で対処してくださったのです。余計なことを、と思いながらも、気の弱い私は、それではと言って現金を手渡しました。

 さらに、その数日前にも、今回とよく似た体験をしていました。私も懲りない面々の仲間のようです。

「驚くべき郵便配達制度の後退と前島密への問いかけ」(2022年02月05日)"http://genjiito.sblo.jp/article/189317782.html"

 日本郵便はいろいろと問題を起こしたために、使える運搬車両が制限されています。今回はそのせいばかりではなくて、これまでにも同じことがあったのです。それにしても、相変わらず人を小馬鹿にした仕事ぶりです。
 この組織は、公共性が高いということで、何をしても守られているようです。親方日の丸の一例だと思われます。
 生成AIが活躍する時代に、日本郵便は社会の隙間で、既得権を盾に生き残っていくのでしょう。これでいいのかな、と思いました。

 過去の郵便事情に関する私のブログの記事を読んでいたら、以下のものがありました。日本郵便のこれまでの実状を確認するためにも、列記しておきます。ご笑覧を。

「郵便制度変革の時代に」(2020年10月16日)"http://genjiito.sblo.jp/article/188033549.html"

「再録(26)郵便局のズサンな転送業務〈2002.4.27〉」(2016年08月30日)"http://genjiito.sblo.jp/article/179012925.html"

「迷走する「ゆうパック」で届いたハンガリー語訳源氏」(2010年08月02日)"http://genjiito.sblo.jp/article/178934828.html"




posted by genjiito at 23:56| Comment(0) | *身辺雑記

2026年02月25日

研究仲間の専任への就職を祝して

 「世界の中の和歌―多言語翻訳を通して見る日本文化の受容と変容―」という研究テーマで精力的に取り組む研究仲間のFさんから、公立大学に専任職として就職することになった、という嬉しい知らせをもらいました。

 ハンガリー語が母語のFさんは、今はW大学に所属して独自の視点から翻訳文化に関する科研の成果を、次々と公開しておられます。
 こうした研究者が国内で活躍中であることの紹介を兼ねて、お祝いの言葉の一部を引きます。
 Fさんの、今後ますますの活躍を願っています。

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嬉しい知らせを、ありがとうございます。
よかったですね。

長く高校の教員をしていた私は、40歳の3ヶ月前に、OM短期大学(現OK大学)の専任講師になりました。
その時、お世話して下さったI先生からいただいた言葉は、次の2つでした。
(1)科研を取ること
(2)事務方を大事に
科研は、着任の翌年から『源氏物語』の本文研究で取れ、以来、今につながっています。
その短大では初めてのことだったので、事務方と一緒に科研に取り組みました。
K研究資料館に呼ばれるまでの7年間は、教育と研究に邁進しました。

科研三昧だったK研究資料館を定年退職してOK大学に出戻った時は、同時に大型A科研を取った時でもありました。
その時には、事務方がどうしていいのかわからない中を、AさんがわざわざOK大学の近くに住み込んで、科研の立ち上げをしてくれました。
Fさんにも、OK大学に来てもらいましたね。
OS大学で科研に取り組んでいた時にも、Fさんとは近くの研究室にいました。
私の研究生活は、科研での共同研究に尽きます。

Fさんも、これからが本領発揮となることでしょう。
雑音に惑わされることなく、目標を見定めて進んでください。
(中略)
何かあれば、遠慮なく連絡をください。

Fさんの、ますますのご活躍をお祈りしています。
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posted by genjiito at 21:43| Comment(0) | ■科研研究

2026年02月24日

キャンパスプラザ京都で相愛大学蔵源氏物語「帚木(断簡)」を読む会(No.6)のご案内

 一昨日の京都新聞「まちかど」欄(京都市)に、NPO法人〈源氏物語電子資料館〉が主催する、相愛大学蔵源氏物語「藤裏葉(断簡)」(春曙文庫)の本文を変体仮名で読む会の案内記事が掲載されました。

260223_NPO新聞告知.jpg

 今回の会から、これまでの「帚木」から巻が変わり、第33巻「藤裏葉(断簡)」を読むことになります。
 ただし、前回終わった相愛大学本「帚木(断簡)」の本文が、現在読まれている大島本とあまりにも違いすぎるので、その本文の内容の違いを確認することも、最初に行ないます。

 会場は、キャンパスプラザ京都(京都市大学のまち交流センター)の5階にある第5演習室です。
 なお、この会では『源氏物語』の内容は扱いません。
 前回の勉強会の様子は、以下のブログで報告しています。

「キャンパスプラザ京都で相愛大学本『源氏物語 帚木(断簡)』を読む(第5回)」

 一人でも多くの方が、日本の文化資産である変体仮名が読めるようになることを願って開催するものです。
 資料はすべて、当日の会場で配布します。
 会場は、京都駅から JR の線路沿いに歩いて5分の所です。
 本ブログのコメント欄を通して、参加希望の旨をお知らせいただけると、資料を用意してお待ちしています。




posted by genjiito at 12:35| Comment(0) | ◎NPO活動

2026年02月23日

京洛逍遥(968)宇治川派流の桜並木と龍馬通り

 ポカポカ陽気に誘われて、宇治川派流にある桜並木の様子を見に行ってきました。
 まだ固い蕾です。

260223_派流の桜.jpg

 河岸には、龍馬とお龍の像があります。この明日を見ている二人の姿は、夢があって大好きです。

260223_龍馬とお龍.jpg

 この川縁に座って、おやつをいただきました。桜が咲き出したらまた来ます。

 目の前の酒蔵の向こうに、池田屋があります。ブラリと立ち寄ると、何度か来た庭なのに、石碑の文面に変体仮名が散りばめられていることに気づきました。明治37年のものです。
 冒頭の1行目だけを翻字しておきます。長文なので、全文の翻字は後日としましす。

【山城國伏見町】の【寺田屋】盤【昔】より【淀川舩客】能【旅宿】を【業】とせ里【其第六代】乃【主人伊助】能【妻】

 龍馬通りの入口にあるお店で、「龍馬漬け」を見かけました。

260223_龍馬漬け.jpg


 最近、妻は行く先々でいろいろの方に話しかけています。今日も、お店の方に「龍馬漬け」のことを聞いていました。
 元は、この通りは南浜商店街と言っていたそうです。それを龍馬の人気にあやかって、龍馬通りになったとか。この大根漬けも、その関係で名前を付けたとのことでした。
 お店には、ジョン万次郎の写真と説明が飾られていました。各お店が、龍馬の時代の著名な人物の写真と解説文をそれぞれに掲げ、この通りの雰囲気作りをなさっているようです。
 ジョン万次郎の説明を伺いました。海外の方に留まらず、日本の観光客にも、この地域と明治維新前後のことが知れ渡るのは、観光地としてもいいことです。しかも、今日のおじさんには、住民としての誇りが感じられました。わかってほしい、という気持ちは伝わるものです。いい方と出会えました。
 この龍馬漬けが、帰ってから挽いて淹れたコーヒーと合うのです。龍馬がこの漬け物をこよなく愛したかどうかは今はさて措き、伏見の水はお酒のみならずコーヒーとも合うようです。

 龍馬通りは、酒蔵巡りと歴史探訪ができる、楽しい散策路です。




posted by genjiito at 22:18| Comment(0) | ◎京洛逍遥

2026年02月22日

江戸漫歩(184)渋谷道玄坂を散策し蚤の市を楽しむ

 今朝の絵画館前のイチョウ並木は、まだ冬支度のままです。

260222_絵画館前.jpg

 青山通りを渋谷に向かって歩いていると、青山学院大学の近くの植え込みで、赤い木の実を啄ばむ小鳥と出会いました。

260222_ヒヨドリ.jpg

 生成AI氏に聞くと、ヒヨドリが赤い実のコトネアスターを食べている所だ、とのことです。大都会の真ん中で、自然観察をすることになりました。

 宮益坂から西に向かって渋谷駅へと歩くと、学生時代の通学路だったこともあり、懐かしい場所が至る所にあります。当時はなかなか行けなかった、茶亭「羽當」やサラダの「赤ヒョウタン」などなど。

 あまり寄り道をせずに、JR渋谷駅を潜ると、今や観光名所になっている忠犬ハチ公がいます。海外の方々の写真撮影で大賑わいです。

260222_ハチ公.jpg

 渋谷の交差点を渡って道玄坂を登ると、百軒店の通りがありました。学部生時代に所属していた王朝文学研究会が終わると、指導教授によく連れて来られた飲み屋さん街です。50年も前のこと。今はすっかりきれいな区域になっています。

260222_百軒店.jpg

 道玄坂を散策していたら、近くで蚤の市があることを知り、行って来ました。
 南平台にある渋谷ガーデンタワー 野外広場 で開催される「渋谷 蚤の市(Shibuya Antique Market)」は、都内でも人気の都市型の屋外マーケットだそうです。

260222_蚤の市.jpg

 京都では、昨日21日が弘法市、次の25日が天神市と、毎月末は連日の骨董市が楽しめます。
 お江戸の掘り出し物市というと、かつて住んでいた門前仲町の富岡八幡宮の骨董市によく行きました。それ以外を知らないので、この蚤の市はどんなところなのか興味の赴くままに行ったのです。

 アクセサリーやガラス物など、戦後のきれいな小物が多い市でした。妻が狂喜する帯地やハギレはほんの少しです。総体的に手づくり市の雰囲気です。「Antique Marke」という語感とは違う、マンション暮らしの若者を対象にした、少しおしゃれな市でしょうか。値段も高目だったので、何もいただかずに帰ることとなりました。
 ここは探すのではなくて、部屋に飾るのに好適な小物との出会いを楽しむマーケットのようです。
 出店数は99店だとのことでした。




posted by genjiito at 18:38| Comment(0) | ・江戸漫歩

2026年02月21日

日比谷で「須磨」(33)と『百人一首』(10)を読んだ後は、AIの文学研究参加を体験する

 今日の東京は暖かさが伝わってくる気候でした。
 今朝5時起きで出掛けて来たので、東京には10時頃には着いています。有楽町駅の南にある交通会館の前ではマルシェと銘打って、東北などの名産品を売る小さなお店がたくさん並んでいました。
 交通会館には、アンテナショップとして「秋田ふるさと館」があり、時々妻の故郷のかおりに惹かれて立ち寄っています。

260221_秋田ふるさと館.jpg

 千代田区立日比谷図書文化館の入口には、今日の案内が出ています。

260221_掲示板.jpg


 まず、「ハーバード大学本『源氏物語 須磨』の変体仮名を読む」からです。
 テキストである『ハーバード大学美術館蔵『源氏物語』「須磨」』(伊藤編著、新典社、2013年)は、残っている6頁半を確認するとこの巻は終わりです。

 先週は、大阪府立中之島図書館で読み進めていた『ハーバード大学美術館蔵『源氏物語』「蜻蛉」』(伊藤編著、新典社、2014年)が終わったので、その索引をまずはブログに提示して字母の使い分けを報告しました。
 時期を同じくして、この日比谷図書文化館での「須磨」も、今日で終わりました。来月には、この「須磨」の索引を提示して、変体仮名が語句の中でどのように確認できるかを報告することになりました。

 今日の収穫を一つだけあげると、巻末部分にあるナゾリの文字が判明したことがあります。

260221_63オL3計&里.jpg

 これは、写本の紙面には「那里け里」と書いてある所です。2文字目の「里」の下には「計」と書かれていることが読み取れます。この、まずは「計」の字が書かれ、そこで書写は中断し、その下に書かれた「計」の上から「里」をなぞっているのです。これを、現在作成中の「変体仮名翻字版」で表記すると、「那里け里/計&前里」となります。この「計」が判読できるまでに、15年という長い時間がかかりました。実に気の長いことをやっているのです。

 以下に、本日確認した60丁表〜63丁表(巻末)までの「変体仮名翻字版」をアップします。

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■ハーバード大学蔵『源氏物語 須磨』60丁表〜63丁表 巻末まで

翻字データの中にある付加情報(/)の記号について
傍書(=)、 ミセケチ($)、 ナゾリ(&)、
補入記号有(+)、補入記号無(±)、 和歌の始発部( 「 )・末尾( 」 )、
底本陽明文庫本の語句が当該本にない場合(ナシ)、 翻字不可・不明(△)

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「堂川き/き=可〈左傍記〉、(堂川可)・なき・【雲】井尓・ひとり・祢をそ・
奈く・徒者佐・奈らへし・とも越・こひ川ゝ」
と/(こひ川川」と)・ある・こと・可ゝる/(可可る)・【事】の・於里に毛・可多し
け奈く・奈れ・きこゑさせ・ならひて・いとゝ
毛と/ゝ〈ママ、諸本し〉、(いとと毛と)・くやしく・【思】・【給】へらるゝ/(【給】へらるる)・をり毛・於ほ
くなむとく/後く〈ママ、諸本ナシ〉・志めや可尓毛・あら須・可へり・【給】
ひぬる・奈こり・いと・可那しくて・奈可めくらし・
【給】・[33]【三月】乃・川ひ多ち尓・いてき多る・みのひ・
介ふなん・かく・於ほす・こと・ある・【人】八・みそ
き・し・【給】へきと・奈まさ可しき/(60オ)
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【人】・きこゆれ八・う三乃・徒ら尓も/尓&尓、尓$二、(徒ら二も)・ゆ可しう
て・いて・【給】・いと・越ろそ可尓・せむしやう八可り
越/せ〈左濁点〉、む=【軟障也】、し〈濁点〉、う&う・ひきめくらして・於者須・その・く尓・可よ
ひし希る・【陰陽師】/=オムミヤウシ・めして・者らへ・勢せ
勢/せ〈ママ、諸本さ〉・【給】・こと/\しき/(ことことしき)・【人】可多なと・徒くりて・
ふ祢尓・の勢て・な可すを・み・【給】も・【身】尓・
よそへられ弖・
「しらさり志・う三の者ら尓/±【大】、(【大】う三乃者ら尓)・可れきて/±な、(な可れきて)・
ひと可多尓やは・【物】八・可那しき」とて・井・多
まへる・【御】さ満・さる八れに/い&に、(さる八れい)・いてゝ/(いてて)・いふ・よし/し〈次頁〉、(60ウ)
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奈く・【見】ゆ・う三乃・越毛て□/□〈空白〉・
うら/\と/(うらうらと)・奈き・王多りて・ゆくへ毛・志
らぬ尓・きし・可多・ゆく・さき・於毛本し
徒ゝけられて/(於毛本し徒徒けられて)・
「や於よろ徒・【神】毛・あ者れと・【思】らん・
を可勢累・川三乃・それと・奈けれ八」と・能
【給】ふ・【程】尓・に者可尓・【風】・いみしく・ふきい
てゝ/(ふきいてて)・そら・可きくれぬ・【御】八らへを毛・志八てす・
堂ち佐者き堂り/△&者・ひち可さあ免
と可・ふりて・いと・あ八多ゝし遣れ八/(あ八多多し遣れ八)・三那・可へ里・【給】奈んと/奈〈次頁〉、(61オ)
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する尓・可さ毛・とりあえす・さる・
【心】毛・奈き尓・よろ川・ふきちらして・
【又】奈き・可せなり・奈三・いと・い可免
しく・堂ちきて・【人】/\の/(【人人】の)・あし毛・
そらなり・う三の・於もて八・ふ春満を・ひ
き者り多らん・やう尓・ひ可り・三ちて・
【神】・奈りひら免きて・於ち可ゝ
累/(於ち可可累)・こゝち/(ここち)・して・いと・いみし・
可らふして・堂とりきて・満多・可ゝる/(可可る)・
免八・三す毛・ある可那・【風】なと・ふけけと/けけ〈ママ〉、後け〈次頁〉、(61ウ)
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介しき徒きてこそ・あれ・あさ
ましく・めつら可なりと・まとふ尓
【神】・な越・やま春・奈り三ちて・あ
免乃・あし・あ多る・【所】八・と越里ぬへ
く・八ら免きを川・可くて・よは・ゝて
ぬる尓やと/(はてぬる尓やと)・【心】本そく・【思】まとふ尓・き
み八・のとや可尓・きやう・うちしゆして・
於者須・ひ・くれぬれ八・【神】八・すこし・
奈りし徒まりて・【風】・【猶】・【夜】毛・ふく・
於ほく・堂て徒る・くわんの・しるしなるへし/な〈次頁〉、(62オ)
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いま・し八し・可くあらは・
奈三尓・ひ可れ弖・いりぬへ可り介り・
堂可し本と・いふ・毛乃尓奈ん/乃&乃・登
里毛あえす・【人】・そこな者るとは・
きけと・いと・可ゝ累/(可可累)・【事】八・三き可す
と・いひあへ里・[34]あ可【月】可多尓・うち
や春三て/△&三・【君】毛・いさゝ可/(いささ可)・祢・【給】へれ八・
その・さ満とん・三へぬ・毛の・きて・奈
と可・【宮】より・免す尓・まいり・【給】者ぬとて・
そ免きあ里くと・三ゆる尓・於とろきて/き〈次頁〉、(62ウ)
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佐ら八・う三乃・【中】乃・【龍王】乃・い多
く・毛の免て・する・毛の尓て・三いれ
堂る那里け里と/計&前里、(三いれ堂る那計け里と)・於ほす尓・いとゝ/(いとと)・
毛乃む川可しく・こ乃・す満井・
堂へ可多く・於ほしなりぬ/(63オ)
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 これで、ハーバード大学美術館蔵『源氏物語』「須磨」の「変体仮名翻字版」の確認は終了しました。

 最後に、本文の末尾以降の料紙に捺された朱印の説明をしました。

260103_月明+拝土.jpg

■「月明荘」(テキスト143頁)と「拝土蔵書」(150頁)の朱印の説明

「月明荘」
 反町茂雄(1901〜1991)
 昭和期の書誌学者、古書籍商。弘文荘代表取締役、文庫の会会長、東京古典会会長、明治古典会会長を歴任。自身を描いた「一古書肆の思い出」(平凡社、1986-1992) や「定本・天理図書館の善本稀書」などを著した。

「拝土蔵書」
 ドナルド・ハイド(1909年〜1966年)
 アメリカの著名な弁護士であり、世界屈指の稀覯本・写本コレクター。1966年に56歳で逝去。収集したコレクションは現在も研究者に広く活用されている。

 「須磨」の最後となる次回の講座では、今日で終わった「須磨」の語句索引を提示して、変体仮名の使われ方の確認をします。

 1時間の休憩の後、今度は「『百人一首』を2種類の変体仮名で読む」の講座となります。

 最初は、大阪府立中之島図書館で取り上げた資料と同じものを使って、『百人一首』が書かれた茶碗二客と徳利を紹介しました。
 一つは、東寺の初弘法で見かけた全百首が書かれた茶碗と、山部赤人の歌が書かれた茶碗、そして僧正遍昭の歌が書かれた徳利です。もう一つは、ハーバード大学にある『百人一首』です。『百人一首』が、さまざまな分野で意匠の一つとして活用されている例として見てもらいました。

 メインテーマである『変体仮名でよむ 百人一首』は、65番歌の相模の歌からです。和歌の背景を含めてお話をしながら進めたので、76番歌の藤原忠通まで確認しました。

 帰りは、地下鉄銀座線の虎ノ門駅までブラブラと歩きました。途中で、夕陽を浴びる国会議事堂がきれいに見えました。

260222_国会議事堂.jpg


 駅の上にあるカフェで喉を潤してから息子の所へ向かいました。3つ目の駅なので、ものの5分です。便利なところにいるので助かります。

 息子には、研究で使える開発エージェントツールとして10日前に公開されたという、「OpenAI製 : Codex」と「Anthropic製 : Claude Code」を使い、過日公開したハーバード本「蜻蛉」のフルデータを使って、詳細な分析方法を教えてもらいました。その詳細な分析能力には驚きました。語学と統計学を専門とする若手の研究助手が、ゆうに50人はこの研究の助っ人として付いてくれていることを体感しました。しかも、ものの30分もしない内に、発見といえるレベルでの提案をいくつもしてくれます。

 ただし、データを誤解して解析している部分があったので、その修正を指示しました。それは、AI氏がカタカナのデータを対象にしていたことです。AI氏に確認したところ、扱った文字体系であるユニコードの蔭に隠された部分のデータを読み取っての、画面を見ていただけでは見えない所に起因する誤判断でした。表面的には見えない、コンピュータが扱う文字コードの問題がその背景にあることがわかったのです。AI氏に仕事を依頼した時には、その過程をしっかりと見張っていないと、とんでもない結果を含んだ報告をしてくる可能性があります。やはり、専門家としての人の目と直感が必要だ、といういい勉強になりました。

 それにしても、思った通り、従来の文学研究は、こうしたツールを使いこなせば、近日中に予想だにしなかった驚異的な変化を見せることでしょう。
 今私が取り組んでいるのは、文学研究の基礎となる本文、テキストを操作する段階での研究です。活字化された校訂本文だけを読んでの研究は、私の視野には入っていません。これが、読みの問題にも入り込むと、人間は何をしたらいいのか、白紙に立ち返って研究とは何かを考えさせられるはずです。

 おもしろい時代が来ました。勝手に、思いつきで本文を読んでいた文学研究は、これから別次元の世界には入っていくであろうことを実感させられました。
 そのためにも、自分が今読んでいる本文は、どのようなものであるのかを充分に理解していないと、足下を掬われます。
 このAIを活用した手法について行けない人は、研究ではなくて評論文や感想文の世界からいかに脱するかで、立ち往生をすることでしょう。

 新しい研究が始まる予感がすることを、まずは慶事として取り上げて、今日の体験をこうして文字にして記し残しておきたいと思います。




posted by genjiito at 23:57| Comment(0) | ◎情報社会

2026年02月20日

冬に関連する言葉でビンゴを楽しむ

 今日の集会所では、冬に関連する言葉を書き出す、ビンゴゲームをしました。
 配られた紙には、5×5の25個のマス目があります。
 すぐに埋まると思って取り組んだものの、出てきそうでいて、意外と出てきません。
 私はランダムではなく、食べ物・屋外・屋内・草花・遊び、に関する言葉を思い出しながら書き出しました。

 頭の中はフル回転です。必至にあれやこれやと思い出そうとするので、脳トレとして効果が期待できるゲームです。

 そういえば、50年以上も前のことながら、ブレーンストーミングと言って、目の前の大きな紙に思いつくままに単語を書き上げ、それをグループ分けをすることをしました。小さなカードに書いて並べたこともあります。やっているうちに、新しい発想やテーマが思い浮かぶという手法で、これによって研究テーマを絞ったものです。この発想を促す手法は、今はどういう評価を得ているのでしょうか。これは、私が論文を書く時の原点でした。

 さて、私が出した「おしくらまんじゅう」「雪合戦」、妻の「焚き火」「かまくら」などは、共に出雲と秋田という雪国で育った者としての生活感覚からのものです。

 「どてら」が、高齢の男性から出ました。関西では「丹前」と言い、関東では「どてら」と呼ばれていたものだそうです。しかし、妻とこのことを話すと、出雲と秋田では共に「綿入れ」と言っていたものです。秋田は、柳田國男の「方言周圏論」という文化的中心地から同心円状に分布する文化圏になります。京都の雅な文化が残っている地域なので、関西とのつながりは頷けます。

 なお、若い女性は「ドテラ」と言うと、エッセンシャルオイルで有名な、東京の六本木にある「doTERRA CPTG Essential Oils Japan(ドテラ・ジャパン)」がまず思い浮かぶそうです。イメージがまったく違うので、これはこれで楽しい連想ゲームになります。

 「赤ギレ」が女性から出ました。これも、生活に密着したこととして思いつかれたようです。

 「冬眠」や「スノボ」などは、言葉は知っていても、それが自分の生活の中から生まれたものではなさそうです。特に、ここは高齢者が集う場所なので、マスコミからのものです。

 いろいろな言葉が出る中で、なかなか興味のある連想が多彩に提示されました。その言葉を思いついた背景を聞いてみると、さらに盛り上がったことでしょう。
 高齢者という、年代が固まった集団だからこそ、かけはなれたイメージの言葉が出ないので楽しめます。おもしろいゲームだと思いました。




posted by genjiito at 21:41| Comment(0) | *福祉介護

2026年02月19日

点滴に付き添う中で医師や看護師の不足について思うこと

 朝から、宇治徳洲会病院へ送迎バスで行きました。
 今日は、スムースに診察をしてもらえ、引き続き観察室での点滴も手際よく順番が回ってきました。受付票をいかに早く受付窓口に提出するかが勝負です。

 前回までの点滴の痕が、妻の左右の腕に6箇所も紫色の痣となって残っていました。看護師さんには、なかなか言いにくいことです。運良く、今日はかなり薄くなっていたので、何も言わずに点滴を受けたようです。私の身にしては、家庭内暴力の痕跡だといわれないか、他人事ではない問題でもあります。

 針を挿す時には付き添いは外で待つように、とのことになっています。京大病院ではそのような制限がなかったので、どのような経緯で点滴の準備や手順でなされているのか、私にはわかりません。

 頃合いを見計らって、妻が横になっているベッドに行きました。相変わらず、プラスチックの細長い板にシーツが掛かっているだけなので、今日も背中が痛い痛いと言っています。着ていたダウンのコートを肩の下に敷いていました。
 隣で点滴を受けている方とも、背中が痛い話に終始していたようです。定期的に受診をしていて、毎回1時間半も横たわるのは、この病院では妻だけのようです。次からは近くにある掛け布団を借りて、下に敷いて対処しようか、と相談をしました。

 レケンビの点滴は250cc です。1時間過ぎて終了のブザーが鳴っても、看護師さんは忙しいので来てもらえません。点滴の容器が空になり、空気がチューブを伝って降りて来ます。降り切った頃に、こちらから通りかかりの看護師さんを呼んで、終わりの対処をしてもらいました。

 次は、生理食塩水を点滴のチューブに流して、最後に血管などのお掃除(?)です。ところが、そのチューブをどうしたらいいのか担当の看護師さんにはわからないため、シートになっていたレケンビの手順書を見ながら、いろいろと抜き差しをしておられます。ピストン式の注射器を、チューブの中間部分にある差し込み口に入れられました。私はもうこの点滴に20回ほど立ち会っているので、それはまだ早いですよ、と言いたくても言うわけにはいきません。その注射器をチューブに差し込んだまま、生理食塩水の針をレケンビの口に差し込まれました。

 しかし、思ったようには生理食塩水の液体は流れ出てくれません。私には、どうすればいいのかわかっていても、正しい手順を言うわけにはいきません。

 四苦八苦しておられる内に、ようやく点滴が落ち出しました。ところが次に、生理食塩水のセットの終わり方がわからないために、また針や調整用のスライダーをいじっておられます。どうすればいいのかわかっている私の方が、ハラハラします。

 京大病院では5分ほどで終わる最後の仕上げの作業に、ここでは25分もかかりました。しかも、あと30分はベッドで休んでいるように、とのことでした。京大病院では、と言いかけてグッと我慢しました。

 点滴が終わってから1時間後に発車する帰りの送迎バスには、これでは間に合いません。点滴の事後処理が1時間もかかるという、なんとものんびりとした手際の悪い対応でした。いろいろな事をしながらの対処なので、仕方がないと諦めました。

 終わるや否や会計の窓口へ行き、月初めに今月の数万円を支払っていて今日は0円のはずなので、このまま送迎バスに乗りたいことを伝えると、コンピュータで確認をして OK が出ました。

 看護師さんの話では、このレケンビの点滴は他にはいらっしゃらないようで、とにかく手順書を見て一々ワンステップごとに確認しながら、他の看護師さんと相談もしながらの対処となっています。不平不満を言うまいと思っても、高度医療に及び腰のスタッフの方には、言うだけ酷な話です。あと半年、とにかく患者の身としては辛抱するしかありません。

 そんな折に、医師不足が深刻な近畿大学奈良病院の事例を知ることになりました。

 私が旧満洲で両親がいたハルピンで調査を終え、母たちが戦後に引き揚げるために留め置かれていた長春で仕事を終え、地域を案内していただいていた時に、母は自宅で子供たちに囲まれて談笑している時に、突然意識不明となりました。母がいた長春の牢獄のような場所を、長春の先生に案内していただいていた、ちょうどその時でした。詳しくは、次の記事にまとめていますので、お読みいただけると経緯がわかります。

「【復元】母子の絆の不可思議さ」(2010年04月29日)"http://genjiito.sblo.jp/article/178934547.html"

 意識を失った母が入院したのは、近畿大学奈良病院でした。その病院が、過日、奈良県からの救命救急センターの指定を辞退したとのことです。
 その事情を、病院のホームページから引きます。

近畿大学奈良病院(奈良県生駒市)は、平成15年(2003年)4月1日に奈良県より救命救急センターの指定を受け、令和7年度(2025年度)も12月までに救命救急センターにおいて3,355名の入院患者を受け入れています。
これまで地域における高度救急医療を担ってまいりましたが、全国的に救命救急医が不足するなかで、体制維持に必要な人材の確保が難しいという課題を抱えていました。近畿大学病院(大阪府堺市)からの医師派遣も困難な状況であり、私立大学病院等に救命救急医の公募をかけるなどの取り組みも行ったものの、十分な人員を確保するには至りませんでした。
このような状況を踏まえ、救命救急センターを安定的に維持することが難しいと判断し、本日、奈良県へ指定辞退届出書を提出しました。これにより、令和8年(2026年)3月31日をもって、救命救急センターの指定を辞退することとなりました。令和8年(2026年)4月1日からは、ICU 8床を休床し、救命救急センター24床を継続的な高度管理を要する重症患者対象の病棟「ハイケアユニット(HCU)」に転換して、重症患者の受け入れ自体は継続します。
今後も地域医療への貢献を重要な使命として、持続可能で質の高い医療提供体制の構築に努めてまいります。

令和8年(2026年)1月14日 学校法人近畿大学

 医師不足は、今後とも拡大して大きな問題となることは必至です。また、国公立の病院の赤字経営も見過ごすことができません。ひいては、民間病院も同じことが起きています。
 昨日の記事と連接するように、病院のありようが患者である私の中でも大きな課題となっています。

 お医者さんと看護師さんの問題は、その問題点に直面することが多いので、無視はできないことはわかっていても、患者の身ではどうしようもありません。最小限の心得としては、病気にならず、病院に頼らないことでしょうか。しかし、体調がおかしくなって命を助けていただいた経験がたびたびある私には、何とも言いようのない複雑な心境になります。




posted by genjiito at 22:26| Comment(0) | *健康雑記

2026年02月18日

(追補)ワークマンのメディヒールウェアに衣替え完了

 京都駅八条口にあるイオンモールKYOTO店へ散策に行き、ワークマン女子で冬物を買い揃えました。今回の買い増しで、これまで愛用していたユニクロのヒートテックは、すべてがワークマンの衣類に入れ替わります。妻も同じように、部屋着はすべてをワークマンの衣類に入れ替えました。

 2010年1月に真冬のモンゴルに行くことになったことを機会に、冬の衣類はユニクロのヒートテックのお世話になって来ました。それから15年後の昨秋より、ユニクロからワークマンの衣類に順次移行していました。特にワークマンのメディヒールウェアは、一般医療機器として商品化された疲労回復のルームウェアとして人気があります。入荷してもすぐになくなるので、いつお店に行っても品薄状態が続いています。

 今日も何とか、売れ残りの商品を何点か手に入れることが出来ました。色やサイズは我慢です。
 「着て、寝る。癒やされる。」という謳い文句で店頭に並んでいるメディヒールの疲労回復ウェアは、その効果の程はよくわからないものの、確かにぐっすりと眠れています。

 私も妻も、健康管理のためにアップルウォッチを着けて寝ています。「ヘルスケア」と有料の「AutoSleep」というアプリで、日々の体調は円グラフや棒グラフで時々確認しています。膨大な情報が提供されているので、睡眠の専門家ではない私には、おおよその傾向しかわかりません。しかし、おおむね良好のようです。

 そんな中でのユニクロからワークマンへの衣類の総入れ替えは、アップルウォッチが示すように、目に見える形で日々の体調や睡眠に影響しているように思われます。睡眠の質の分析結果を見る限りでは、素人判断ながら睡眠は確かに良い方向に向かっているようです。

 もう過去の話なので書いておきます。
 京大病院での睡眠時無呼吸症候群の診察は、CPAPという機械を患者が使うことが大前提であり、その計測結果をメディアとしてのSDメモリに保存したものの受け渡しをするだけ、というのが実態でした。ほとんど指導がないという無責任な対応だったので、こちらから機械を使わない治療方法を訊ねたところ、歯科でマウスピースを作るように手配され、そのまま冷たく診察が打ち切られました。この機械を使った治療は、苦しくて続かないので、多くの方が途中で脱落しておられるのが実状のようです。
 この診察が打ち切られた時のことは、「過日の終夜睡眠検査の結果報告を受けて」(2024年01月29日)"http://genjiito.sblo.jp/article/190755382.html"に詳しく書いていますので、興味がある方はご笑覧を。

 また、使用していた機器も最初の会社のものに欠陥が見つかったとのことで、次に国内の機械を使いました。それも苦しさを我慢することが強いられる機械でした。
 さらには、CPAPのデータを、私が自宅で計測している Apple Watch のデータと照合したいとお願いしても、素人が余計なことをするなということなのか、無視されました。私が渡すSDカードのデータを読み取るアプリがほしいと言っても、主治医の先生はメーカーと相談するように、ということで放置されました。メーカーに相談すると、非協力的でデータは個人では読めないという回答から進みません。主治医にデータの詳しい情報がほしいというと、私が渡したSDカードに入っているデータの一部をプリントアウトしてくださいました。ただし、すべてが英語で専門的なことしか書いてないので、手も足もでません。もちろん、そのデータの説明も、聞いたことしか答えてもらえませんでした。私の睡眠時のデータは、先生とメーカーの独占状態にあり、インフォームドコンセントなとどとは無縁の診察でした。また、アップルウォッチではどのようなデータが得られているのかも、まったく興味がないようでした。

 私の主治医だったT先生は、今は京大病院にはいらっしゃいません。というよりも、他の先生方がそうであるように、何年かで職場を異動されるので、その時を待っていたのです。今必要であれば、あらためて呼吸器科を受診し、別の先生の診察をしてもらうつもりです。
 もしアップルウォッチが睡眠時無呼吸症候群の兆候を検知した場合には、すぐに京大病院へ行くつもりです。幸い、これまでに1度もそのような通知は受けていません。

 昨年末に体験した、近所の歯医者さんに診療に関する説明をお願いしたところ、あなたとは信頼関係がないので治療はしないと、それまでの治療が途中だったものや他の治療の約束をすべて反故にして、私を突き放して無責任な対応で逃げられました。インフォームドコンセントなどどこ吹く風、という態度です。京大病院のあの呼吸器科の先生も、このA歯医医院の院長さんも、よく似た対応だったのです。医療と患者の関係に留まらず、お医者さんの役割がよくわからない出来事となっています。

 患者の立場からは大いに疑問がある医師がおられることは確かであり、このブログでその事実の報告と実態は書いてきました。もっとも、大多数の病院の先生方は、患者のことを思って対処してくださっていることは、これまでに私が何度も命を助けていただいているので知っています。
 中には、患者の敵のような、自分のことしか考えない医師も少なからずおられる、ということに留めておきましょう。

 京大病院の呼吸器科の先生から見放された後は、アップルウォッチが提示する睡眠時無呼吸症候群の検知システムを参照する日々に切り替え、今のところは特に問題となる症状は出ていません。手に着けているだけでいい時計が、身体の変化を検知して教えてくれるのです。これを使わない手はありません。心電図や心拍数なども、時々見ています。後は、なかなか実現しない血糖値の測定を心待ちにしているところです。

 さて、ワークマンのメディヒールウェアには、「一般医療機器の届け出をした疲労回復ウェアです。」として、以下の説明が付されています。

身体から放出される遠赤外線を、独自の技術で繊維に練りこんだ高純度のセラミックスが輻射することによる遠赤外線の血行促進作用により、疲労を回復する環境を整えます。

 確かに「効果には個人差があります。」と添え書きがあります。しかし、この効能が確かなのかどうなのか試す気持ちもあって、今回衣類の入れ替えをしてみました。効果の程は、今後の報告とします。
 といっても、同じような機能の衣類を、最近は複数の他社が「疲労回復ウェア」として販売しだしました。競うことはいいことです。まずは、このワークマンの製品を10年程使ってみましょう。その頃に私は80歳以上になっているので、また時流に応じたものを検討することになるのでしょう。
 もっとも、メディヒールウェアの説明書には、耐用期間は2年だと書いてあります。意外に短いので、買い替えるうちにまた別の改良版が開発されていることでしょう。

 大好きな「様子見」という楽しみが増えました。日常の身体の変化を体感しながらの生活を、これからの日々の中で満喫したいと思っています。




posted by genjiito at 22:31| Comment(0) | *健康雑記

2026年02月17日

《承前》ハーバード大学本「蜻蛉」の字母索引からわかること(後編)

 一昨日報告した「ハーバード大学本「蜻蛉」の字母索引(前編)」を受けての「後編」は、「3月14日」にアップすると記しました。しかし、データは手元にあるので、最終確認の前であってもこの段階で公開することにします。

 ここで着目する仮名文字は、「気」・「古」・「春」・「日」・「満」・「三」・「須」・「万」・「連」・「者」であり、漢字では「候」・「宮」・「給」・「侍」・「文」・「程」・「山」・「我」・「宰相」・「式部卿」・「大将殿」・「女房」・「母君」・「御子」などです。

 この後編でも、一昨日の前編で述べた次の言葉が、そのまま適用できます。

「掲出した語を通覧すれば、ハーバード本と池田本に明らかな仮名文字の使い分けがなされていることがわかるはずです。現行の五十音図で『源氏物語』の資料を作成していた時にはわからなかったことが、「変体仮名翻字版」による資料で検討すると初めてわかった、ということの報告でもあります。」

 なお、用例の末尾に追記した《物語》という語彙に関しては、ほぼ「もの可多り」に収斂される表記となっています。私が興味を持っていた語彙なので、あえて末尾に取り上げています。

 一昨日と今日の2回にわたって報告した、ハーバード本と池田本に明らかな文字の使い分けがなされていると思われる用例のリストは以上とします。
 手元にある「蜻蛉」の本文データベースは、現在「6797文節」に区切られたデータ群として、16種類の写本毎に管理しています。最終文節番号は「526457-000」です。この内、「変体仮名翻字版」に移行できているのはハーバード大学本と池田本だけなので、この「蜻蛉」の本文データベースが意義を持つまでには、まだまだ遠い道のりが待っています。

 『源氏物語』の本文の正確なデータベースを思い立ったのは、1980年2月に電動式ひらがなタイプライタを購入してからです。なんと46年前のことであり、いまだにこんな所でバタバタしています。もう少しデータを整理したら次世代にバトンタッチをし、このデータ群を引き継いで育ててもらうつもりです。NPO法人〈源氏物語電子資料館〉をはじめとする関係者のみなさま、よろしくお願いします。

 写本における文字の表記には多様なパターンがあり、語彙と表記は一概にはまとめきれません。しかし、今回2回にわたって例示したものは、比較的その文字遣いの違いがわかりやすいものに絞りました。一見バラバラに見え、例外が多い中でも、特定の文字に拘って通覧すると、そこに一定の傾向見えます。検討に値する資料がまったくなかったためにわからなかった、古写本に書き写された文字の検討も、こうしてみるとおもしろい問題提起につながっていくものだといえるでしょう。

 今後の見通しとしては、あくまでも鎌倉時代に書写された古写本に拘り、基礎資料としての「変体仮名翻字版」の作成に専念します。そして、翻字を終えた一巻毎に、字母の使われ方がわかる索引を公開していくつもりです。
 次は、ハーバード大学本「須磨」が、来月中には千代田区立日比谷図書文化館での講座で確認が終わるので、4月中には「須磨」の字母索引を提示できるはずです。続いて、相愛大学(春曙文庫)本『源氏物語』(断簡)の「変体仮名翻字版」の整理をします。
 すでに公刊している、『国立歴史民俗博物館蔵『源氏物語』「鈴虫」』(伊藤鉄也・阿部江美子・淺川槙子 編著、新典社、2015年10月)と、『国文学研究資料館蔵 橋本本『源氏物語』「若紫」』(伊藤鉄也・淺川槙子編、新典社、2016.10)が、それに続きます。

 鎌倉時代の『源氏物語』に書写された文字の使われ方の全体像は、依然としてわかりません。興味と関心をお持ちの方からのご意見をいただきながら、いましばらく資料作成とその整理にあたります。孤立無援に近い状態での翻字作業なので、若手の方の参加が得られることを楽しみにしています。

 現在は、こうした資料を作成する上での基準となる「変体仮名翻字版」の「凡例」の公開を準備中です。


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■ ハーバード本「蜻蛉」の語彙索引(後編)■
 (伊藤が抽出した語彙集)

ハーバード変体仮名 文節番号 池田本_変体仮名

《気色》「気」に注目
けしき 521405-000 【気】しき
介しき 522011-000 【気】しき
介しき 522610-000 【気】しき八
けしき 522678-000 【気】しき
介しき 524740-000 【気】しき
介しき/八&介、し〈次頁〉、(54オ) 525213-000 ナシ/落丁
介しき尓て 520859-000 【気】しき尓て
けしき尓て 522784-000 【気】しき尓て
けしき尓ても 525150-000 ナシ/落丁
けしきの 521775-000【気】しきの/(21ウ)
介しきの三 524677-000 【気】しき能み
介しき八 522026-000 【気】しき八
介し支八 526421-000 【気】しき八
けしき八万せ 525510-000 ナシ/落丁
介しき八三て 521819-000  【気】しき八み弖
介しきみよ/よ〈ママ〉 520254-000 介しきみ
けしきも 521103-000 【気】しきも
けしきもこそ 520676-000  【気】しきもこ楚
介しき越堂に 520128-000 介しきを多尓


《下衆》「気・介」に注目
けすけすしうなと 521021-005 気す/\しく/う±なと、(気す気すしく)
けすなと八 520743-000 気すなとを
け春尓 524564-000 気す尓
けすの 520329-000 介春の
けす八 520311-000 介春八
介春は 525030-000 気す八
けすをんな尓 520202-000 介春【女】尓


《げに》「気」に注目
介尓 520549-000 気尓
け尓 521092-000 気尓
け尓 521548-000 気尓
け尓 522207-000 気尓
け尓 523519-000 気尓
け尓 524764-000 気尓
け尓 524812-000 ナシ/落丁
け尓と 526335-000 け尓と
け尓や 522401-000 気尓や


《けはい》「気」に注目
け者い 523761-000 【気】者日
介者い 524778-000 【気】者ひ
け者い 525962-000 【気】者ひ
け者い 526230-000 【気】者日/者〈次頁〉、(69オ)
け者い尓 520957-000 【気】八日尓
け者い尓は 524115-000 【気】者日尓八
け者いの 522159-000 【気】者日の
け者いの 526379-000 【気】者日能
け者いは 522682-000 【気】者日八
介者いも 524820-000 ナシ/落丁
け者い越 522109-000 【気】八日を
け者いなとの 521313-000 【気】者ひなとの


《ここ》「古」に注目
古ゝ尓/(古古尓) 520085-000 こゝ尓/(ここ尓)
古ゝ尓/(古古尓) 521193-000 こゝ尓/(ここ尓)
古ゝに/(古古に) 521980-000 こゝ尓/(ここ尓)
こゝ尓/(ここ)、尓〈次頁〉、(22ウ) 522149-000 こゝ尓/(ここ尓)
古ゝに/(古古に) 522865-000 【心】尓
古ゝに/(古古に)  523046-000 こゝに/(ここに)
古ゝ尓て/(古古尓て) 520755-000 こゝ尓て/(ここ尓て)
古ゝ尓八/(古古尓八) 520664-000 こゝに八/(ここに八)
古ゝの/(古古の) 521098-000 こゝ能/(ここ能)
古ゝの/(古古の) 521215-000 こゝの/(ここの)
古ゝは/(古古は) 522085-000 こゝ八/(ここ八)
古ゝ万て/(古古万て) 524337-004 こゝまて/(ここまて)
古ゝら/(古古ら) 523940-000 こゝ羅/(ここ羅)
古ゝら/(古古ら) 524175-000 こゝら/(ここら)


《心やすく》「春」に注目
【心】や春き八 525723-000  【心】やすく八
【心】や春く 521741-000【心】やすく
【心】や春く 525225-000【心】やすく
こゝろや春くて/(こころや春くて)521260-000【人】も
【心】や春くて  522087-000 【心】やすくて
【心】や春く者  525818-000 【心】やすく八
【心】や春しと 524868-000 ナシ/落丁


《さすかに》「春」に注目
佐す可尓 520180-000 さす可尓
さ春可尓 520623-000 さす可尓
さ春可尓 521842-000 さす可尓
さす可尓 523029-000 さす可耳
さ春可尓 523975-000 さす可尓
さ春可尓 524855-000 ナシ/落丁
さ春か尓 525208-000 ナシ/落丁


《娘》「春」に注目
む春免 523527-000 むすめ
む春めなり介りと 523546-000  むすめなり気りと
む春めの 523265-000 むすめの


《やすからす》「春」に注目
や春可ら春 521035-000 やす可らす
や春から春 524290-000 やす可らす
や春可ら須 524381-000 やす可らす
や春可らすと多に 526027-000 やす可らすと多尓毛


《恋し》「日」に注目
こひしう 521315-000 こ日しく
こひしう 522317-000 こ日しく
こひしう 525190-000 ナシ/落丁
こひしき 524506-000 【恋】しき
こひしき 524613-000 こ日しきを
こひしき 525479-000 ナシ/落丁
こひしく 521392-000 こ日しく
こひしや 525290-000 こ日しや


《忍び》「日」に注目
しのひ 520653-000 しのひ
しのひ阿万りて 523915-000 志の日あまりて
しのひ多る/る〈次頁〉、(32ウ)523123-001 しの日多る
しのひ多る/のひ多る〈墨ヨゴレ〉523759-000 し能日多る
しのひて 520871-000 しの日て
しのひて 522346-000 しの日て
しのひて 522528-000 しの日て
しのひて 522951-000 しの日て
しのひて 523293-000 【御】つ可日
しのひて 523676-000 し能日弖
しのひて 523862-000 し能日弖
しのひて 524952-000 し能日て
しのひて 524969-000 しの日て
しのひてと 520986-000 しの日てと
しの日や可尓525954-000し能日や可耳/能〈次頁〉、(66オ)


《たくひ》「日」に注目
多くい 521857-000  多く日/(22ウ)
多くい 523542-000 多くひ
多くひ 520695-000 多く日
多くひなき 522231-000 多く日なき
多くひの 523648-000 多く日の


《ひ》「日」に注目
ひ 524491-000 日
【日】 524573-000 【日】八
ひ可【事】も 520312-000 日可こと毛
ひ可/\しう 520621-000飛可/\しく/(飛可飛可しく)
ひ可三多るへしと 521473-000  日可み多るへしと
飛かれ多る 524171-000 飛可連多る
ひき可け 525472-000 ナシ/落丁
ひきすふる 526102-000 日きすさふる
ひきつくろひ多る 522328-000  日きつくろ日多る
ひきなしてけるよ/て〈行末左〉 524335-000 日きなしてけるよ
ひき者て 526179-000 ナシ/落丁
ひきゆるかすへ介れ八/す〈虫損〉 526338-000 日きゆる可すへけ連八
ひきよせ弖 525809-000 日きよ世弖
ひけしてなと八 523977-000 日気して毛
ひころ 520241-000 【日】ころ
ひころ 520575-000 【日】ころ
ひころ 522308-000 日とゝころ/\/(日とところ日とところ)
飛ころ 522378-000 【日】ころ
ひころの 520780-000 【日】ころの
飛ころも/飛〈判読〉&飛 520397-000 日ころ毛
ひころも 520860-000 【日】ころ毛
ひころも 523323-000 【日】ころ毛
ひさしく 522814-000 日さしく
ひさしく 524544-000 日さしく
ひさしにも 524044-000 日さし毛
ひし里に 524360-000 日し里耳/(52オ)
ひし里乃 526406-000 日し里能/△△&里能
ひ多ちの可み/ち〈次頁〉、(37オ) 523573-000 日多ちの可み
飛多ちのか三 523730-000 日多ちの可見
ひ多ちのさきの可見 524942-000 日多ち能さき能可み
ひとり 522036-000 日とり
ひとりこち 521976-000 日とりこち
ひとりこち 526456-000 ナシ
日とりの 523555-000 日とりの
ひとり越 521722-000 日とり越


《姫君・姫宮》「日」に注目
ひめきみ 524053-000 日め【宮】
ひめきみ 526398-000 日め【君】
飛免き三乃/免&飛 520005-000 飛免【君】の
ひめ三や 526086-000 ひめ【宮】
ひめ三やの 524664-000 日め【宮】の
飛め三やの/(56ウ) 525458-000ナシ/落丁
ひめ【宮】の三 525390-000 ナシ/落丁
飛免【宮】を 525437-000 ナシ/落丁


《こまかに》「満」に注目
こ万可に 522223-000 こ満可尓
こまか尓 522532-000 こ満可尓
こ万可尓 523209-000 ナシ/落丁
こまか尓 523339-000 こ満可尓
こ万や可なる 524588-000 こ満や可那る
こ万や可に 524886-001 ナシ/落丁
こ万や可尓 525689-000 ナシ/落丁


《候ふ》「佐」と「候」に注目
佐ふら八せんとなん/八&八、なん〈行末左〉 523515-000 さふら八世むなん/む±と
佐ふら八ぬ 522942-000 も【候】八ぬ
【候】八ぬ 525538-000 【候】八ぬ
佐ふら八ん尓 522469-000 ナシ/落丁
さふらひ 520216-000 【候】
佐ふらひ 525465-000 ナシ/落丁
佐ふら婦 522773-000 【候】
佐ふら婦へき 524720-000 【候】へき
さふらへと 525336-000 【候】へ登/(61オ)


《住む》「三」に注目
す三可の/三〈次頁〉、(66オ) 526361-000 す見可の
す三介る 524301-000 す見ける
春三川ゝ/(春三川川) 525542-000 す見つゝ/(す見つつ)
す三の 526266-000 す見能
す三八てゝ/(す三八てて) 524376-000 す見者てゝ/(す見者てて)
す三よき 525535-000 す見よき


《涙》「三」に注目
な三多 521386-000 なみ多
な三多二 521232-000 な三多尓
な三多に 523445-000 なみ多尓
な三多の 521530-000 なみ多能
な三多の 521558-000 なみ多能


《皆》「三」に注目
三な 520763-000 みな
三奈 521912-000 みな
三な 522026-001 みな
三な 523512-000 みな
三な 524014-000 みな
三な 524047-000 みな
三な 524079-000 みな
三な 524138-000 みな
三な 525540-000 みな
三な 525609-000 みな
三な 525647-000 ナシ/落丁
三な 525994-000 みな
三な 526114-000 みな
三な【人】 526280-000 ナシ/落丁
三な【人】ともを者 525300-000  みな【人】と毛八
三奈【人】八 521537-000 みな【人】八


《宮》「三」に注目
三や 521058-000 【宮】
【宮】 521370-000 【宮】
三や 521504-000 【宮】
【宮】/【宮】±八(【宮】八) 521999-000【宮】八
【宮】 525569-000 【宮】
三や 525596-000 【宮】
【宮】こそ 524950-000 【宮】こそ
三やと 525393-000 ナシ/落丁
三やなれ八 522915-000 【宮】な連八
【宮】尓 523789-000 【宮】尓
【宮】尓八 525993-000 【宮】尓八
三やにも 520174-000 【宮】尓毛
【宮】尓も 521544-000 【宮】尓毛
三や尓も 521814-000 【宮】尓も
【宮】の 521284-000 【宮】の
【宮】の 521458-000 【宮】の
三や能 522903-000 【宮】の
【宮】の 524938-000 ナシ/落丁
【宮】の 525433-000 ナシ/落丁
【宮】の 525969-000 【宮】の
三やのうへ尓 525188-001 ナシ/落丁
【宮】のうへ能 522949-000 【宮】のうへ能
【宮】の【上】の 523087-000 【宮】のうへの
三やのうへも 523771-000 【宮】のうへ毛
三やのきみなと 525469-000 ナシ/落丁
三やのきみ尓/多&き、(三やの多み尓) 525589-000 【宮】の【君】尓
【宮】のき三は/(64ウ)526223-000みやの【君】八
【宮】八 522356-000 【宮】八
【宮】八 523842-000 【宮】八
三や八 525264-000 【宮】八
三や八 525621-000 ナシ/落丁
【宮】八 525686-000 ナシ/落丁
三や八 526187-000 ナシ/落丁
三やひ可尓 524822-000 ナシ/落丁
【宮】も 521922-000 【宮】尓も
三やも 522044-000 【宮】毛
【宮】も 522676-000 【宮】も
三やも 523888-000 【宮】毛
三やも 524581-000 【宮】毛
【宮】も 524911-000 ナシ/落丁
三やも 524967-000 【宮】も
三やも 524994-000 【宮】毛
【宮】より八 523691-000 【宮】より八
三やり 524807-000 ナシ/落丁
三やり川ゝ/(三やり川川) 520803-000 みや里つゝ/(みや里つつ)
【宮】を 523022-000 【宮】を
【宮】を 524982-000 【宮】を
三やをしも 521075-000 【宮】越し裳
【宮】をそ 524899-000 ナシ/落丁
三やをも 525238-000 【宮】をも


《せす》「せ須」に注目
せ須 520759-000 世す
せ須 525829-000 世す
せ須 526120-000 世す


《たてまつる》「万」に注目
多て万つらさらまし 525171-000 ナシ/落丁
たて万つらし 520469-000 多てまつらし
多て万つらし 521768-000 多てまつらし
多て万川らし 525697-000 多てまつらし志八し
多て万つらしと 525702-000 多てまつらしと
たて万つら須 520199-000 多てまつら春
多て万つら春 522138-000 多てまつらす
多て万つらすやは 523528-000 多てまつらすや八
多て万川らせ 522757-000 多てまつら世
たて万川らせ 525106-000 ナシ/落丁
多て万川らぬ 524465-000 多てまつらぬ
多て万つらぬ可 520437-000 多てまつらぬ可
多て万つらぬ尓や 525064-000 多てまつらぬ尓や
多て万つらぬ越 522918-000 多てまつらぬ/ぬ〈次頁〉、(35オ)
多て万川ら八やと 524384-000 多てまつら八屋と
多てま川ら八やと 526221-000 多てまつら八と
多て万川らましか八と 524524-000 多てまつら満し可八登
多て万川ら免 526005-000 多弖まつらめ
多て万つ【覧】 520850-000 多てまつらむ
多て万つらん 522324-000 多てまつらむ
多て万つらん 524923-000 ナシ/落丁
多て万つらん 526029-000 多てまつらむ
たて万つらんと 520451-000 多てまつらむと
多てまつらんと 520490-000 多弖まつらむと
多てまつらんと 520599-000 【給】八むとなん
多て万つらんと 523462-000 多てまつらむと
多て万つり 522234-000 多てまつり
多て万つり 524478-000 多てまつり
多て万つり 524498-000 多てまつりなと
多て万つり 524533-000 多てまつり
堂てまつり介ん/介=て 520087-000 多てまつりてむ
たて万川里し 524271-000 多てまつりし
多て万川里し 524276-000 多てまつりし
多て万つりし/く&て、(多く万つりし) 525401-000 ナシ/落丁
たてまつり多らん 520479-000 多弖まつり多羅ん
多て万つりて 522154-000 多てまつり【給】て
たてまつりても 520443-000 多てまつりても
たてま川里奈可ら 521892-000 多てまつりな可ら
多てまつり王多れ登/は&登 520149-000 多て万つ里わ多れと
多てま川る 520116-000 多てま川る
たて万川ると 520547-000 多弖まつると
多てまつるなと 520338-000 多てま川るなりな登/り=な登〈行末左〉
多て万つる尓/尓〈次頁〉、(58ウ) 525661-000 ナシ/落丁
多て万つるらんと 520566-000 い多弖まつり【給】らむと
たてまつれ 520486-000 多てまつ連
多て万つれ 522260-000 多てまつ連
多て万つれ 524422-000 多てまつ連
多て万つれと 522148-000 多てまつ連登


《参り》「万」に注目
万いせ多れと 524239-000 まいら世多れと
万いて 523313-000 まいて
万いらさらんも 521472-000 まいらさらむ毛
万いらせ 523513-000 まいら世
万いらせ 524630-000 まいら世
万いらせ 525112-000 ナシ/落丁
万いら△ 525598-000 まいら世
万いらん 520630-000 まいらむ
万いらんと 520761-000 まいらむと
万いらんとなん 525356-000 まいらむとなん
万いり 521460-000 まい里
万いり 521475-000 万いり
万いり 522267-000 まい里
まいり 522273-000 まいり
まいり 522309-000 まいり
万いり 523619-000 まいり
万いり 523839-000 まい里
万いり 524578-000 万いり
まいり 524626-000 まいり
万いり 525381-000 ナシ/落丁
万いり可よふへき 521815-000  まいり可よふへき
万いりき川ると 522178-000 まいりきつると
万い里ける 522327-001 まいりける
まいりたらん 520519-000 まいり多らむ
万いりたり 521174-000 万いり多り
万いり川とひ多る 525392-000 ナシ/落丁
万いり川る 524847-000 ナシ/落丁
万いり川る八 525973-000 まいりつる八
万いり川累八と 524843-000 ナシ/落丁
万いりて 520970-000 まいりて
万いりて 521163-000 まいりて
万いりて 522206-000 まい里弖
万いりて 522512-000 まいりて
万いりて 524029-000 まい里弖
まいりて 524430-000 まいり弖
まいりても 522185-000 まい里て毛
万いりな可ら 524785-000 まいりな可ら
万いりぬ 525372-000 まい里ぬ
万いりより/(48オ)524637-000 まいりより【給】て
万いる 522342-000 まいる
万いれと 524435-000 まい連といへと
万いれなと 522480-000 ナシ/落丁
万いれりと 522359-000 まいれりと


《まかる》「万」に注目
万可川る 524068-000 ま可つる
万可てて 521501-000 ま可てゝ/(ま可てて)
万可てぬれ八 524080-000 ま可てぬ連八
万かり【入】を 520274-000  ま可里い川累乎毛
まかり多らん越 520281-000 ま可り多らん乎
万かりて 521715-000 ま可りて
ま可りぬ 520231-000 まいりぬ


《尋ね》「ね」に注目
たつね 523337-000 多つ祢
多つね 523650-000 多つ年
多つね/し&つね、(多し) 525450-000 ナシ/落丁
多つねいて 525333-000 多つ年
多川ねしと 523662-000 多つ祢しと
多つね春 523249-000 多つ年す
たつねて 520895-000 多つ年て
多つねて/つ〈次頁〉、(59ウ) 525758-000 多つ年て


《つれ》「連」に注目
つれ/\なる/(つれつれなる) 522530-000 つ連/\なる/(つ連つ連なる)
つれ/\なる越/(つれつれなる越) 526074-000 つ連/\なる越/(つ連つ連なる越)
つれなきと 521632-000 つ連なきと
つれなく 521799-000 つ連なく
つれなくて 521781-000 つ連なくて
つれ奈し川くり多らん 522681-002 つ連なしつくり多らむ


《例》「連」に注目
れいの 520302-000 れいの
れいの 521020-000 連いの
れいの 522098-000 れいの
れいの 523268-000 連いの
れいの 523895-000 連いの
れいの 524111-000 連い
れいの 524289-000 連いの
れいの 524449-000 連いの
れいの 524580-000 連いの
れいの 524895-000 ナシ/落丁
れいの 525297-000 連いの
れいの 525488-000 ナシ/落丁
れいの 525570-000 れいの
れいの 525649-000 ナシ/落丁
れいの 526020-000 れいの
れいの 526080-000 れいの
れいの(63ウ) 526135-000 ナシ/落丁
れいの 526384-000 連いの
礼い乃 526455-000 ナシ
れいより八 524833-001 ナシ/落丁


《のたまふ》「給」に注目
の多万い川る 524460-000 の【給】つる
の多万う尓 526113-000 能【給】尓
能多万者す 522650-000 能【給】八す
の多万者せ介り 525364-000 の【給】八世気り
の多万者せ介れ八 525442-000 ナシ/落丁
の多万者せし可八/多〈次頁〉、(47オ) 524542-000 の多まひし可八
のたま者せて 522176-000 の多ま八世て
の【給】八せね八と 522763-000 の【給】八祢と
ゝ【給】八んとにこそ/(の【給】八んとにこそ) 524851-000 ナシ/落丁
の【給】者ん尓八 525292-000 の【給】八む耳八
の多万ひい川ゝき/(の多万ひい川川き)、ゝ$へ、(の多万ひい川へき) 525271-000 の【給】いつへき
ゝ多まひし免しを/ひ±八、を&免、(の多まひし免しを、の多まひ八し免しを) 523088-000 ゝ多ま日八しめし/(の多ま日八しめし)
能【給】川ゝ/(能【給】川川) 525776-000 の【給】つゝ/(の【給】つつ)
の【給】て 521554-000 能【給】て
の多万ひて 523210-000 ナシ/落丁
の多万ひて 523494-000 能多う日て/う$ま
の多万ひて 524869-000 ナシ/落丁
の多万ひて 526134-000 ナシ/落丁
能【給】尓 526334-000 の【給】尓
能【給】をく 522402-000 能【給】をきく
の多まふ 520108-000 の多まふ
の多万ふ 523485-000 能【給】
の多まふ/ふ〈丁末左〉、(44オ)524253-000 の【給】
の【給】ふ(46オ) 524436-000 能【給】
能多まふ 524548-000 の【給】
能【給】 524563-000 の【給】い可ゝうらみきこえむう多てとの【給】へ八/(い可可)
能【給】ふ 524571-000 の【給】
能【給】ふ 524927-000 ナシ/落丁
能【給】ふ 526343-000 の【給】
能【給】し可と 525027-000 能【給】し可登
能【給】ふ 525028-000 能【給】
能多万ふも 525901-000 の【給】毛
の【給】へ 520497-001 の【給】へ
の【給】へき 524073-000 の【給】へき
能【給】へと 520899-000 の【給】へと
の多万へと 521800-000 の【給】へと
の多万へと 522467-000 ナシ/落丁
能【給】へと 525277-000 の多まへ登
の多万へと 525337-000 能【給】へと
の多まへ八 520258-000 の【給】へ八
の多まへ八 520314-000 の【給】へ八
の多万へ八 522723-000 の【給】へ八
の多万へ八 522930-000 の【給】へ八
乃【給】へ八 524563-005 の【給】へ八
の多万へ八 525736-000 の多まへ八
の【給】へ八 526295-000 ナシ/落丁
の多まへり 521222-000 の【給】へり
のた万へり 523379-000 の多まへり


《侍》「侍」に注目
八んへらねと 521289-000 【待】ら祢と
者んへらん尓 520515-000 【侍】らむ尓
者んへらんもの越と 520292-000 者へらむ乎と/む=乎〈行末左〉
者んへり介れと 524992-000 者へりけ連と
者んへりし可八なと 521817-000 【侍】りし可八なと/(22オ)
者んへり尓しとて 520769-000 者へり尓しとて
者んへりぬへかりし 521707-000  【侍】ぬへ可りし
者んへる 520390-000 【侍】る
八んへるへき 520662-000 【侍】るへき
八んへるも 520632-000 【侍】る毛


《はかなし》「者」に注目
者可奈う 521303-000 八可なく
者可なうて/(11オ) 521007-000 八可なくて
者可なうて 521687-000 八可なくて
者可奈うて 523322-000 八可那くて
者可奈かり介れと 521841-000 八可な可りけ連と
八可なかりし 523037-000 八可那気なりし
八可なき 520756-000 八可なき
八可なき 523586-000 者可那き
者可なき 524816-000 ナシ/落丁
者可奈き 525150-005 ナシ/落丁
者可奈き 525513-000 ナシ/落丁
八可なき 525897-000 者可那き
者可なき 526132-000 ナシ/落丁
八可なく 521920-000 八可那く
八可なく 522605-000 八可那く
八可奈く 525015-000 者可なく
八可なく 525670-000 ナシ/落丁
者可なくて 521747-000 八可那くて
八可な介れ八 522593-000 八可なけ連八
八可なさの 522030-000 八可なさ能
者可奈しや 526415-000 八可那しや


《文》「文」に注目
【文】於も 520791-000 ふ見をも
【文】可なと 522013-000 ふ三可なと
【文】かよ者し者可り二八 521435-000 ふ見可よ八ゝ能み尓八/ゝ$し
【文】を 520057-000 ふみを
【文】を 523881-000 ふ三越


《程》「程」に注目
【程】 520084-000 本と
本と 520414-000 【程】
本と 520837-000 【程】
本と 523350-000 【程】
本と 523474-000 【程】
本と 524172-000 【程】
本と 525212-000 ナシ/落丁
本とこそ 525321-000 【程】こそ
本となき 523969-000 【程】なき
本と【也】 523456-000 【程】なり
本となり介り 522010-000 おりなり気里
本となり介り 522509-000 本となり気り
本となり介り 526099-000 【程】なり気り
本とに 522956-000 【程】尓
本とに/と〈判読〉 523032-000 【程】尓
本とに 523981-000 【程】尓
本と尓 524050-000 【程】
本とに 524265-000 【程】尓
本とに 524298-000 【程】尓
本とに 524966-000 【程】尓
本とに 525573-000 【程】尓
本とに/本&本 525655-000 ナシ/落丁
本と二弖/二〈行末右〉520196-000 本と尓きて
本とにて 525642-001 ナシ/落丁
本と尓八 526141-000 ナシ/落丁
本とにも 521288-001 【程】尓毛
本と者 521822-000 【程】八
本とは 523504-000 【程】八
本とは 523829-000 【程】八
本とも 521298-000 【程】毛
本とも 522551-000 【程】より
本とやと 526155-000 ナシ/落丁
本とより 520112-000 本とより
本とより/八&よ、(29ウ) 522820-000 【程】より
本とを 522693-000 ナシ
本と越 523319-000 【程】を
本と越 523934-000 【程】を
本とをは 522282-000 【程】尓八
本とん 524864-000 ナシ/落丁


《山》「山」に注目
やまか川の 521212-000 【山】可つの
や万さと尓 521686-000 【山】さとに
や万ち越 523074-000 【山】ちを
やまて 525497-000 ナシ/落丁
や万に 524375-000 【山】尓
や万の 520993-000 【山】の
【山】能 526408-000 【山】の


《我》「我」に注目
【我】可 521611-000 わ可
わ可 522462-000 ナシ/落丁
【我】 523027-000 わ可
【我】 523095-000 わ可
わ可 523128-000 わ可
【我】 523549-000 わ可
【我】 523652-000 わ可
【我】 523765-000 わ可
【我】 524453-000 わ可
【我】 525182-000 ナシ/落丁
【我】 525212-001 ナシ/落丁
王可 525245-000 わ可
【我】 526006-000 王可
王可 526025-000 わ可
わ可 526034-000 わ可
わ可 526185-000 ナシ/落丁
【我】 526214-000 わ可
【我】 521264-000 わ可
【我】 522035-000 わ連
【我】 523045-000 わ連
【我】 524519-000 わ連
われなん 522720-000 わ連な無
王れ尓 520105-000 われ尓
王れ尓 525816-000 わ連尓
王れ尓八 522926-000 わ連尓八
王れ尓も 525509-000 ナシ/落丁
王れ八 522864-000 わ連八
【我】も 520889-001 わ連も
王れも 521885-000 わ連も
王れも 522111-000 わ連裳
王れも 523996-000 わ連毛
【我】も 524266-000 わ連毛
王れも 524632-000 わ連も
王れより 522333-000 わ連より
【我】を 520126-000 われを
王れを 520179-000 われを
【我】を 521583-000 わ連を
【我】を 522707-000 わ連越


《宰相》「宰」に注目
【宰相】の 525042-000 さい【将】可
【宰相君】と 523865-000 こさい【将】【君】と
【宰相】の【君】なと 524090-000 さい【将】能【君】なと


《式部卿》「式部卿宮」に注目
【式部卿宮】と 521479-000しきふきやうの【宮】と
【式部卿宮】二 523834-000 しきふきやうに
【式部卿】能【宮】の 525410-000 ナシ/落丁


《大将殿》「との」に注目
【大将殿】 520260-000 【大将殿】
【大将殿】 524064-000 【大将殿】
【大将殿】ゝ/(【大将殿】の) 523599-000 【大将】とのゝ/(【大将】とのの)
【大将殿】ゝ/(【大将殿】の) 523859-000 【大将】とのゝ/(【大将】とのの)
【大将殿】ゝ/ゝ$、(【大将殿】の) 525108-000 ナシ/落丁
【大将殿】八 521133-000 【大将】との八
【大将殿】も 522545-000 【大将殿】も
【大将殿】も 525379-000 ナシ/落丁
【大将殿】や 524954-000 【大将殿】や
【大将殿】より 523292-000 【大将】とのよ里
【大将殿】 521047-000 【大将殿】


《女房》「房」に注目
【女房】 522799-000 【女】八う
【女房】して 524628-000 【女】者うして/(55ウ)
【女房】多に 525721-000 【女】多ち/ち$尓
【女房】二 524027-000 祢う八う尓
【女房】八 525718-000 【女】者う八
【女房】も 524057-000 【女】八う毛


《母君》「者」に注目
者ゝき三 520960-000 めのと
八ゝき三の/(八八き三の) 522452-000 ナシ/落丁
八ゝ【君】乃/(八八【君】乃) 522828-000 八ゝ【君】の/(八八【君】の)
者ゝき三は/(者者き三は) 523261-000 八ゝ【君】八/(八八【君】八)
者ゝきみも/(者者きみも) 520684-000 八ゝきみ毛/(八八きみ毛)
者ゝき三も/(者者き三も) 522104-000 八ゝ【君】毛/(八八【君】毛)
者ゝ【君】も/(者者【君】も) 523687-000 八ゝ【君】毛/(八八【君】毛)


《御子》「みこ」に注目
【御子】 521852-000 みこ
【御子】乃 522559-000 みこの
三古の 524655-000 みこの
【御子】の 526243-000 みこの


※《物語》「可多り」は異同少なし
む可しものの 520718-000 む可しもの可多りの
【物】可多り 521647-000 【物】可多り
ものか多り 524886-000 ナシ/落丁
【物】可多り 526097-000 もの可多り
もの可多りするこそ 524858-000 ナシ/落丁
もの可多りなと 524831-000 ナシ/落丁
もの可多りなと 525712-000 毛の可多りなと
毛の可多里野/ひ&野 520004-000  【物】可多里の
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posted by genjiito at 23:53| Comment(0) | ■変体仮名

2026年02月16日

古都散策(76)お茶のお稽古帰りに薬師寺の玄奘三蔵院伽藍を散策

 今日のお稽古は、まず妻の盆略手前から。
 何をどうしたらいいのか、先週のことはすっかり忘れているので、先生はポイントを押さえたわかりやすい説明で、何となく出来た気にさせながら巧みに進めていかれます。こうした対応に、慣れておられるのでしょう。

 私も盆略手前です。イメージは出来上がっているので、それなりに出来ました。ただし、何箇所かお聞きする所がありました。頭の中はフル回転です。

 私たちはテーブル席で立礼のお稽古を。若い方たちは、目の前の2つの手前座で、自分が取り組み中のお手前を熱心にやっておられます。時々、先生から、そこは違うという指示が飛びます。そのキビキビとしたお手前を見ていると、気持ちがいいものです。若さが羨ましくなります。

 来月大学を卒業で、就職が決まったので今日はお稽古の最後になる、という若い女性のお手前も見ました。3ヶ月前から、ここでお稽古に励んだということでした。運びの御薄のお手前を2回見せてもらいました。よく手順を覚えておられ、先生からの助言も少なかったのには感心しました。この春から、社会人として素晴らしい生活を元気に送られることでしょう。短期間だったとはいえ、このお稽古がきっと生きてくるはずです。そして、機会があればこのお稽古場にも顔を見せて、近況報告をしてほしいものです。
 彼女を励まして送る意味もあってか、先生が同じお点前を見せてくださいました。流れるように自然な動きで進んでいくところを、みんなで見つめていました。

 帰りに、少し寄り道をしました。2つ先の近鉄西ノ京駅で降り、歩いてすぐの薬師寺の冠木門から入ると、紅梅と白梅が迎えてくれます。

260216_薬師寺冠木門内.jpg

 風が冷たかったので、気ままに玄奘三蔵院伽藍だけを散策しました。

 薬師寺には、数年前のお茶会以来なので久しぶりです。
 今から10年半も前の2015年07月に、裏千家淡交会奈良支部が主催する物故者追善法要がこの薬師寺で開催されました。その時の席主が今日の先生であり、今も奈良支部の理事をなさっている森田宗輝先生でした。森田先生が、その時のお茶会を取り仕切っておられたのです。
 まほろば会館の手前にある、慈恩殿でのお茶席に私と妻は参加しました。

 今日は、その慈恩殿の前の紅梅と白梅が咲き誇っています。ちょうどいい時に来ました。

260216_慈恩殿の梅.jpg


 この南の道を隔てた白鳳伽藍には、有名な五重塔があります。大門越しに、東塔と西塔の相輪がかすかに見えています。しかし、ここはもう少し暖かくなってからにします。

260216_薬師寺の塔.jpg

 お稽古の帰りに、こんな寄り道ができることがわかりました。来月のお稽古帰りには、この薬師寺のすぐ北にある唐招提寺に、散歩がてら行くつもりです。




posted by genjiito at 23:38| Comment(0) | ・古都散策

2026年02月15日

[その2]ハーバード大学本「蜻蛉」の字母索引からわかること(前編)

 大阪府立中之島図書館の『源氏物語』の講座で確認した、ハーバード大学美術館蔵『源氏物語 蜻蛉』の「変体仮名翻字版」を元にした字母の使い分けについて、わかったことを以下に報告します。古写本に書き写されている文字を並べ替えて、その分析をいろいろと楽しんでいます。
 今回は、用意した資料の前半をアップします。語彙を文節に切り直し、五十音で読みがなを付けて並べ替えたデータの、「き」までの語彙一覧の中から、明らかに規則的な異同がわかるものを抽出して列記しました。これは、あくまでも昨日の講座の時間内に確認したところまでのものであり、後半は明日以降にアップします。

 ここに公開するデータは、ハーバード大学美術館蔵「蜻蛉」(鎌倉中期)と、天理大学付属天理図書館蔵の池田本「蜻蛉」(南北朝頃)の文字表記を対比する形で列挙したものです。項目としてあげた語彙に関しては、そのすべてを文節番号付きで五十音順に並べています。なお、「蜻蛉」巻に関しては、「変体仮名翻字版」が出来上がっているのはハーバード本と池田本だけであり、しかも池田本は、「変体仮名翻字版」の凡例が何度か変わったこともあり、もう1回最終チェックが必要なデータであることを申し添えておきます。

 以下では、仮名の「連」・「阿」・「日」・「三」・「那」・「を」・「可」・「江」・「ゑ」、漢字の「行」・「文」・「前」・「京」に着目して掲出した語を通覧すれば、ハーバード本と池田本に明らかな仮名文字の使い分けがなされていることがわかるはずです。現行の五十音図で『源氏物語』の資料を作成していた時にはわからなかったことが、「変体仮名翻字版」による資料で検討すると初めてわかった、ということの報告でもあります。

 掲載にあたっては、可能な限り1行に収めるように工夫したために、表示が不自然な箇所があります。しかし、当該の文字に関する用例としては、1例も抜かすことなく、その出現箇所については『源氏物語別本集成 正・続』の文節番号を添えることで確認が容易にできるように配慮しています。

 なお、巻名「かけろふ」について、参考までに関係する表記の用例を明示しておきます。
 3例とも、表記が異なっていました。

《蜻蛉》
閑けろふ(表紙に打ち付け書き) 520000-000 可希ろふ(南北朝頃の書写の取り合わせ本、題簽に墨書き)
可介ろう」 526452-000 可けろふ」/(71ウ)
可遣ろう乃 526440-000 可気ろふの


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■ ハーバード本「蜻蛉」の語彙索引(前編)■
  (伊藤が抽出した語彙集)

ハーバード変体仮名 文節番号 池田本_変体仮名

《あはれ》「連」に注目
「あ者れ 523917-000 「あ者連
あ者れ 526236-000 あ者連
あ者れと 520607-000 あ者連と
あ者れと 523024-000 あ者連登
あ八れと 523070-000 あ者連と
あ者れなと 525275-000 あ者連なと
あ者れなり 521637-000 あ者連なり
あ者れなり 522066-000 あ者連なり
あ者れなり 522167-000 あ者連なり
あ者れなり 522352-001 あ者連なり
あ八れなり 522361-000 あ者連なり
あ者れなり 523300-000 あ者連なり
あ者れなり 525386-000 ナシ/落丁
あ者れなりける 521783-000 あ者連なりける
あ者れなり介る 525475-000 ナシ/落丁
あ者れなりし 523950-000 あ者連那りし
あ者れなる 520551-000 あ者連那る
あ者れな累/し&累、(あ者れなし)526062-000
  あ者連那りけるさやう那る
あ者れなる尓 525944-000 あ者連なる尓
あ者れ尓 521489-000 あ者れ尓
あ者れ尓/者〈判読〉522028-000 あ者連耳
あ八れ二 522460-000 ナシ/落丁
いとあ者れ尓 522005-000 いとあ者連尓
ものあ八れなり 521964-000 【物】あ者連なり
【物】あ者れなる 523844-000 ものあ者連なる
ものあ者れなる 523931-000 ものあ者連那る
ものゝあ者れも/(もののあ者れも)521621-000ものゝあ者連も/(もののあ者連も)


《愛敬つき》「行」に注目
あいきやう徒き 521311-000 あい【行】つき
あいきやうつき 526354-000 あい【行】つき
あいきやう川き多り 524212-000 あひ【行】つき多り


《あらす》「阿・春」に注目
あらす 521521-000 あらす
あら春 521624-000 あらす
阿ら春 522216-000 あらす
阿ら春 524337-006 あらす
阿ら春 524490-000 あらす
あら春 524527-000 あらす
あらす可し 523651-001 あらす可し
阿ら春と 524546-000 あらすと


《あらん》「阿」に注目
阿らん 520296-000 あらむ
あらん 524097-000 あらむ
阿らん 526032-000 あらむ
阿らんと 520189-000 あらむと
阿らんと 520742-000 あらむと
阿らんと 522673-000 あらむと
あらんと 523901-000 あらむと
阿らんと 524294-000 あらむと
阿らんと 525230-000 あら世むと
あらんと 525351-000 あらむと
あらん尓八 520569-000 あらむ耳八
あらん者やと 524199-000 あらむ八やと
阿らんや 526068-000 あらむや


《あらまし》「阿」に注目
阿らましか八 523216-000 ナシ/落丁
阿らまし可八と 525132-000 ナシ/落丁
阿らましと 520884-001 あらましと
阿らましよりも 522419-000 ナシ/落丁


《あり》「阿」に注目
【有】/(1ウ) 520092-000 阿り
阿り 520192-000 あり
阿り 523295-000 あり
阿り 525730-000 あり
阿り 525930-000 あり
あ里可たく 526061-000 あり可多く
阿り可多の 526390-000 あり可多の
ありき 520586-000 ありき
ありきなと 526256-000ありさまなと/さま$起
阿り介り 523811-000 ナシ/±あ里希り
ありけり 525092-000 あり気り
阿り介る 520778-000 あり気る
ありける 524022-000 ありける
阿り介る 524511-000 ありける
阿りける 525567-000 ありける
阿りけると 522893-000 ありけると
阿り介るならんとそ 523132-000 ありけるなら無とそ
阿りける越 520799-000 ありけるを
阿り介れ 521884-000 ありけ連
阿り介れ 524406-000 ありけ連
阿り介れと 520540-000 ありけ連と
あ里介れ八 521423-000 ありけ連八
あ里介ん 521942-000 あり気む
阿り介ん 522373-000 あり気む
阿り介ん 522586-000 あり気む
阿り介んと 521726-000 あり気無と八
あ里介んと 525065-000 あり気むと
阿り介んを 522703-000 あり気む
阿りさ満 520788-000 ありさま/=ま    〈丁末左〉、(10オ)
ありさま 522152-000 ありさま
阿りさ万なとも 520406-000 ありさまなとも
ありさ満なれ八 522871-000 ありさまな連八
阿りさまにそ 524825-000 ナシ/落丁
ありさまにて 525447-000 ナシ/落丁
阿里さ万能 525246-000 ありさまの
ありさ満も 521751-000 ありさま越
ありさ万も/さ〈次頁〉、(28オ)522681-000 ありさまも
阿りさ満を 523405-000 ありさまを
阿りさ万越 525218-000 ナシ/落丁
あ里し 520014-000 あ里新
阿りし 520872-000 ありし
ありし 521112-000 ありし
阿りし 521308-000 ありし
ありし 521390-000 あ里し/里=し〈行末左〉
阿りし 522313-000 ありし
阿りし 522641-000 ありし
阿りし 523595-000 ありし
阿里し 524538-000 ありし
あ里し 524749-000 ありし
あ里し 525295-000 ありし
阿りしかと 520243-000 ありし可と
阿りし【事】 520829-000 ありしこと
ありしさ万なと 522050-000 ありしさまなと
阿りしに 526082-000 ありし尓
阿りしより八 524602-000 ありしより盤
ありそめ介ん 522906-000 ありそめ気む
ありそめ多ら八こそ 523553-000 ありそめ多ら八こ楚
阿り川可春と 524800-000 ナシ/落丁
阿り川ゝ/(阿り川川)524060-000 ありつゝ/(ありつつ)
阿りつる 525958-000 あ里つる
阿りて 520706-000 あり弖
阿りて 523589-007 ありて
阿りて 524608-000 あり
ありて 525430-000 ナシ/落丁
阿りて可 522719-000 あり弖可
阿りと 525176-000 ナシ/落丁
阿りと者 524741-000 ある可と八
阿りなら八ぬ 520753-000 ありなら八ぬ
阿りぬへき 525916-000 ありぬへきおり尓そ
阿りぬへき越 525010-000 あり怒へきを
阿りのまゝ尓/(阿りのまま尓)520839-000 ありのまゝに/(ありのままに)
阿りのまゝ尓も/(阿りのまま尓も)523584-000ありのまゝに毛/(ありのままに毛)、毛〈次頁〉、(42オ)
阿りふる尓 525314-000 ありふる尓


《あれ》「阿」と「連」に注目
あれ 520553-000 あ連
あれ 526198-000 あ連
阿れかし 522464-000 ナシ/落丁
あれ八 521281-000 あ連八
阿れ八 522365-000 あ連八
あれ八 523143-001 ナシ/落丁
阿れ八 523754-000 あ連八
あれ八 525468-000 ナシ/落丁
阿れ八 525887-000 あ連八
阿れ者て八(33オ) 523175-000 ナシ/落丁
阿れ八なんとて 520989-000 あ連八な無とて


《言ひ》「日」に注目
いひ 521039-000 い日
いひ 524945-000 い日
いひ/(52オ) 525033-000 い日
いひ 525047-000 い日
いひあ者せても 520824-000 い日あ者世て
いひ介る 521036-000 いひける
いひける 523710-000 い日ける
井ひける越 523589-001 いひけるを
いひ介れと 520981-000 い日け連と/(12ウ)
いひさ八きて/(9オ)520816-000 い日さ八きて
いひさ者きて/=【思】〈薄墨〉、(【思】さ者きて)526336-000 【思】さわきて
いひしなり介り 526128-000 ナシ/落丁
いひしらぬ 522717-000 い日しらぬ
いひ多るも 523936-000 い日多る毛
いひ川遣須/川+つ 520012-000 いひ徒ゝ介春/(いひ徒徒介春)
いひ川多へす 526297-000 ナシ/落丁
いひつ多へん 520910-000 い日つ多へむ
いひ川ゝくる可/(いひ川川くる可)520491-000 い日つゝくる可/(い日つつくる可)
いひ川ゝ介らるゝなんめりと/(いひ川川介らるるなんめりと)、(7オ)520622-000 い日つゝ気羅るゝなめりと/(い日つつ気羅るるなめりと)
い飛川ゝなん/(い飛川川なん)520762-000 い日つゝなむ/(い日つつなむ)
い飛て 520420-000 い日て
いひて 522213-000 い日て
いひて 523967-000 い日て
いひて 524909-000 ナシ/落丁
いひ弖 525454-000 ナシ/落丁
いひなさん尓も 523548-000 いひなさん尓毛
いひなし 526349-000 い日なし
いひなして 523387-000 世め弖
いひなして 526247-000 い日なして
いひ尓 523953-000 い日尓
いひやふり/ふ〈次頁〉、(40ウ)523896-000 い日やふり
いひやら春 520878-000 い日やらす
いひを可し 521261-000 い日を可し


《いみし》「三」に注目
いみし 520165-000 伊み新
い三し 520423-001 い三し
い三しう 520046-000 い三しく
いみしう 520098-000 い三しう
いみしう 520471-000 いみしく
い三しう 520576-001 いみしく
い三しう 520707-000 いみしく
い三しう 520842-000 いみしく
い三しう 521314-000 いみしく
い三しう 521336-000いみしく/み=しく〈行末左〉
い三しう 522416-001 いみしく
い三志う 522537-000 いみしく
い三しう 523057-000 いみしう
い三しう 523490-000 いみしく
いみしう 525058-000 いみしく
い三しう 525083-000 いみしく
い三しう 525094-000 いみしく
い三しう 525324-000 いみしく
い三しう 525434-000 ナシ/落丁
い身しう楚 526422-000 いみしくこそ
い三しかり川る 520682-000 いみし可りつる
い三しき 521093-000 いみしき
い三しき 521153-000 いみしき
い三しき 521175-000 いみしき
い三しき 521304-000 いみしき
い三しき/三$〈ママ〉、〈墨ヨゴレ〉522688-000 いみしき
い三しき 522958-000 いみしき
い三しき/〈墨合点〉 523391-000 いみしき
い三しき 524024-000 いみしき
い三しき 524331-000 いみしき
い三しき 524441-000 いみしき
い三しき 525016-000 いみしき
い三しきと 522390-000 いみしと
い三しきに 521226-000 いみしき尓
い三しく/(2オ) 520144-000 い三しく
い三しく 522171-000 いみしく
い三しく 523049-000 いみしく
い三しくとも 520693-000 いみしくも
い三しくも 521838-000 いみしく毛
いみし介れと 523806-001 いみしけ連と
い三し希礼八 522857-000 いみしけ連八
い三しと 520384-000 いみしと
い三しと 520963-001 いみしと
い三しと/し=と〈行末左〉521240-000 いみしと
いみしと 525209-000 ナシ/落丁
い三しやなと 525291-000 いみしやなと


《御文》「文」に注目
【御文】八/【御文】&【御文】、【文】=フミ522991-000 【御】ふ見八
【御文】八 524532-000 【御】ふ三八
【御文】も 520197-000 【御】ふ三毛
【御文】も 523600-000 【御】ふ見も
【御文】を 522434-000 ナシ/落丁


《御前》「御・前」に注目
【御】万へとは 524140-000 おまへと八
【御】万へなる 524182-000 おまへなる
【御前】なる/を&なる524437-000 おまへ那る
【御前】尓 525653-000 ナシ/落丁
【御前】尓て 524558-000 【御】まへ尓て
【御】万へ二も 524237-000 おまへ尓毛
【御前】の 525939-000 おまへの
【御】万へを 524754-000 おまへ越


《おのつから》「を」に注目
於の川から 520559-000 越能つ可羅
於の川可ら 521410-000 をのつ可ら
於のつ可ら 521811-000 をのつ可ら
於のつ可ら 522683-000 をのつ可ら
於の川可ら 522727-000 を能つ可ら
於の川可ら 522946-000 をのつ可ら
於の川可ら 525008-000 をのつ可ら
をの川可ら 525262-001 をのつ可ら


《かう》「可」とウ音便に注目
かう 520679-000 可く
ゝう/(かう) 522626-000 ゝく/(可く)
かう 524088-000 可く
かう 524152-000 可く
かう 524377-000 可く
かう 524718-000 可く
かう/う&う 525049-000 可く
可うしも 521319-000 可くし毛


《かかる》「可」に注目
かゝらしと/(かからしと)521905-000 可ゝ羅しと/(可可羅しと)
かゝらぬ/(かからぬ)521603-002 可ゝらぬ/(可可らぬ)
かゝる/(かかる) 520542-000 可ゝる/(可可る)
かゝる/(かかる) 520703-000 可ゝる/(可可る)
かゝる/(かかる) 521012-000 可ゝる/(可可る)
かゝる/(かかる) 521037-000 可ゝる/(可可る)
かゝる/(かかる) 521152-000 かゝる/(かかる)
かゝる/(かかる) 521185-000 可ゝる/(可可る)
かゝる/(かかる) 521277-000 可ゝる/(可可る)
かゝる/(かかる) 521333-000 可ゝる/(可可る)
かゝる/(かかる) 522325-000 可ゝる/(可可る)
かゝる/(かかる) 522513-000 可ゝる/(可可る)
かゝる/(かかる) 522542-000 可ゝる/(可可る)
かゝる/(かかる) 523399-000 可ゝる/(可可る)
かゝる/(かかる) 523647-000 可ゝる/(可可る)
かゝる/(かかる) 523780-000 可ゝる/(可可る)
かゝる/(かかる) 524285-000 可ゝる/(可可る)
かゝる/(かかる) 524920-000 ナシ/落丁
かゝる/(かかる) 525068-000 可ゝる/(可可る)
かゝる/(かかる) 525073-000 かゝる/(かかる)
かゝる/(かかる) 525178-000 ナシ/落丁
かゝる/(かかる) 525258-000 可ゝる/(可可る)
かゝる/(かかる) 525622-000 ナシ/落丁
かゝる/(かかる) 526360-000 可ゝる/(可可る)
かゝれ八/(かかれ八)523591-000 可ゝ連八/(可可連八)


《書く》「可」に注目
可き 522023-000 可き
かき/多&き 523340-000 可き
かき 523882-000 可き
かきあ川め川ゝ/(かきあ川め川川)522554-000 可起あつめつゝ/(可起あつめつつ)
かきすさみ 520794-000 可きすさひ
かき多へては 523805-000 可き堂えて八
かき多り 523451-000 可き多り
かき多り 523930-000 可起多り
かき多りしもの越と 520248-001 ナシ
可き多る/多〈次頁〉、(60ウ)525842-000 可き多る
かき多るも 525125-000 ナシ/落丁
かきつけ 522450-000 ナシ/落丁
かきて 524505-000 可きて
可きても 525144-000 ナシ/落丁
かきをき 520789-000 可起をき


《限り》「可起」に注目
可き里 520035-000 可きり
可きり 520194-000 可き里
可きり 520572-000 可起り
かき里 521863-000 可起り
かきり 523714-000 可起り
かきり 523753-000 可起り
かきり 524768-000 可起り
可きり 525467-000 ナシ/落丁
可きり 525554-000 可起りも
可きり 526392-000 可起り
可き里して 520954-000 可起りして
可きりして 521004-000 可起りして
かきりて 521188-000 可起り弖
かきりなき越 521941-000 可起りなきや/や$越
かきりなく 524259-000 可起りなく
かきりの 522135-000 可起りの
可きり八 521661-000 可起り八
かきり八 523244-000 可起り八


《かく》「可」に注目
かく 520151-000 可く
かく 520308-000 可く
かく 520364-000 かく
かく 520461-000 可く
かく 520592-000 可く
かく 520618-000 可く
かく 520665-000 可く
かく 520735-000 可う
かく 521181-000 可く
かく 521346-000 可く
かく 521402-000 可く
かく 521415-000 可く
かく 522175-000 可く
かく 522298-000 可く
かく 522407-000 可く
かく 522634-000 可く
かく/か〈墨ヨゴレ〉522685-000 可く
かく 522741-000 多まさ可尓毛
かく 523043-000 可く
可く 523390-001 可く
かく 523722-000 可く
かく 523814-000 可く
かく 523992-000 可く
かく 524668-000 かく
かく 525152-000 ナシ/落丁
かく 525449-000 ナシ/落丁
かく 525512-000 ナシ/落丁
かく 525722-000 可う
かく 525922-000 可く
可く 525988-001 ナシ
可く 526109-000 可く
かくさんと 522543-003 可くさむなと
かくさんも 523593-000 可くさむ毛
かくし 520499-000 可くし
かくし 522056-000 可くし
かくし 522848-000 可くし
かくし於き 523792-000 可くしをき
かくし介る/くし&かくし、(くし介る)525059-000 可くしける
かくしけんなと八 521082-000 可くし気無なとそ
かくしそと 522929-000 可くしそと
かくして 521361-000 可くして
かくしても 522616-000 かくして毛
かくしも 520570-000 可くし裳
かくすと 520554-000 可くすと
かくそ 523015-000 可うそ
かく多に 522896-000 可く多尓
かくて 520555-000 可くて
かくて 521257-000 可く
かくて 522772-000 可くて
かくて 523576-000 可くて
可くて 523831-000 可くて
かくて 524238-000 可くて
かくてそ 525099-000 ナシ/落丁
かくても 523671-000 とて毛可くて裳
可くなん/な=ん〈行末左〉521029-000 可くなむ
かくなんと 520232-000 可くなむと
可くなんなと 523709-000 可くなむなと
かくの三 526309-000 ナシ/落丁
かくも 520356-000 八可く裳


《隠す》「可・連」に注目
かくさんと 522543-003 可くさむなと
かくさんも 523593-000 可くさむ毛
かくし 520499-000 可くし
かくし 522056-000 可くし
かくし 522848-000 可くし
かくし於き 523792-000 可くしをき
かくし介る/くし&かくし、(くし介る)525059-000 可くしける
かくしけんなと八 521082-000 可くし気無なとそ
かくしそと 522929-000 可くしそと
かくして 521361-000 可くして
かくしても 522616-000 かくして毛
かくしも 520570-000 可くし裳
かくすと 520554-000 可くすと
かくれ 520863-000 可く連
かくれ 521071-000 かく連
かくれ 524327-000 可く連
かくれなき 521045-000 可くれなき
かくれなきもの可ら 522045-000 可く連なき【物】可ら
かくれぬ 525704-000 可く礼ぬ


《かの》「可」に注目
可の 520042-000 可の
かの 520259-000 可の
かの 520579-000 可の
かの 520726-001 可の
かの 521369-000 可の
かの 521424-000 可の
かの 521709-000 この
かの 522448-000 ナシ/落丁
かの 522487-000 ナシ/落丁
かの 522780-000 可の
可乃 522948-000 この
かの 522967-000 可の
かの 523260-000 可の
かの 523343-000 可の
かの 523460-000 可の
かの 523544-000 可の
かの 523677-000 可能
かの 523812-000 可能
かの 524357-000 可の
かの 524651-000 この
かの 525018-000 可く
かの 525268-000 可の
かの 525912-000 可能の
かの 525978-000 可の
かの/$ 526043-000 ナシ/+可の
可乃 526427-000 可の


《悲し》「那」に注目
可奈しう 520809-000 可那しと
可奈しう 522113-000 可なしく
かなしう 522687-000 可なしく
可なしう/う+【宮】八523801-000 可那しく
可奈しうなん 521757-000 可那しくなん
可なしうなん/う&可 523428-000 可那しくな無
可奈しうも 520439-000 可那しくも
可奈し可らんを 522472-000 ナシ/落丁
可なしき 522248-000 可那しき
可なし介れ 521610-000 可なし気れ
可奈しけれ八 521316-000 可那しけ連八
可なしさ 521116-000 可那しさ
可なしさ者 520692-000 可なしさ八
可なしさ八 521595-000 可那し佐八
可なしさ越も 525270-000 可那しさ越毛
可なしと 525025-000 可那しと


【江】(池田本にはナシ)
きこ江 521044-000 きこえ
きこ江 522366-000 きこえ
きこ江させ 523007-000 きこえさ世
きこ江させ 526277-000 ナシ/落丁
きこ江させ 526311-000 ナシ/落丁
きこ江さ勢/え【給】&江さ勢、江=え、(きこえ【給】)526311-004 ナシ/落丁
きこ江し 523363-000 きこえし
きこ江ても 523026-000 きこえて毛
きこ江めと 524570-000 きこえめと
きこ江越多に 520868-000 きこえを多尓/こ〈次頁〉、(11オ)


【ゑ】(池田本にはナシ)
きこゑし 520968-000 きこえし
きこゑしものをなと 522351-000 きこえし【物】をなと
きこゑて 520866-000 きこえて
きこゑて 526048-000 きこえて
きこゑをきて 521835-000 きこえをきて
きこゑん 520030-000 きこえむ登


《君》「三」に注目
き三多ち 522081-000 【君】多ち
き三多ちなと 524774-000 【君】多ちなと
き三多ちなん 524337-000 【君】多ちならむ
き三多ち尓 520525-000 【君】多ち尓
き三多ちの 524805-000 ナシ/落丁
き三多ちをも 522236-000 【君】多ち毛/ち±を
き三に 523461-000 【君】尓
き三にも 526296-000 ナシ/落丁
きみ者 521594-000 【君】八
きみ者可りや 525478-000 ナシ/落丁
き三も 521991-000 【君】も
【君】を 526337-000 【君】越
き三越八 524872-000 ナシ/落丁


《京》【京】に注目
きやうに 521282-000 【京】尓
【京】尓/尓&尓 523262-000 【京】尓/(38オ)
きやう尓 525327-000 【京】尓なん
きやう尓なと 523589-002 【京】尓なと
きやうの 521030-000 【京】の
きやうより 520013-000 【京】より


20260214_ココマデ中之島図書館にて確認済み


 上記の用例は、まだ用意したものの半分にすぎません。しかし、これらを通覧するだけでも、ハーバード本と池田本に書き写された仮名文字に関して、明らかに使われ方に偏りがあり、それぞれが異なる環境の元で異なる伝流写本の親本を写したものであることが明らかです。
 字母を見ていくことで、こうした違いが明らかになったことは、予見できたこととはいえ、このように明確な分別ができるとは思っていませんでした。やってみるものです。
 データの形式と検討方法に関して、今はまだ我流の域を出ていません。いろいろとご教示をいただくことで、さらに詳細な字母から見た写本の素性を明らかにしていきたいと思っています。

 ここで扱ったデータについては、次のブログにハーバード本「蜻蛉」の全文を対象とした「変体仮名翻字版」のデータをすべて公開しています。上記の報告は、これまで確認して公開したデータを並べ替えて整理したものです。
 疑問箇所については、以下のブログで公開しているデータを確認してください。そして、写本の文字の認定について、お気付きの点があればご教示を、よろしくお願いします。


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■中之島図書館での源氏物語「蜻蛉」の記録(全34回分)■

(1)「2023年度第1回/中之島図書館の新古典塾源氏物語の報告」(2023年04月08日)"http://genjiito.sblo.jp/article/190278008.html"

(2)「中之島図書館での新古典塾の報告-第2回」(2023年05月13日)"http://genjiito.sblo.jp/article/190346272.html"

(3)「中之島での新古典塾の報告-第3回」(2023年06月10日)"http://genjiito.sblo.jp/article/190396611.html"

(4)「中之島での新古典塾の報告-第4回」(2023年07月08日)"http://genjiito.sblo.jp/article/190447803.html"

(5)「中之島での新古典塾の報告-第5回」(2023年09月09日)"http://genjiito.sblo.jp/article/190548858.html"

(6)「中之島での新古典塾の報告-第6回」(2023年10月14日)"http://genjiito.sblo.jp/article/190608753.html"

(7)「中之島での新古典塾2講座の報告-第7回」(2023年11月11日)"http://genjiito.sblo.jp/article/190648153.html"

(8)「中之島での新古典塾2講座の報告-第8回」(2023年12月09日)"http://genjiito.sblo.jp/article/190687506.html"

(9)「中之島での新古典塾2講座の報告-第9回」(2024年01月13日)"http://genjiito.sblo.jp/article/190733994.html"

(10)「中之島での新古典塾2講座の報告-第10回」(2024年02月10日)"http://genjiito.sblo.jp/article/190771161.html"

(11)「中之島での新古典塾2講座の報告-第11回」(2024年03月09日)"http://genjiito.sblo.jp/article/190808595.html"

(12)「中之島での『百人一首』と『源氏物語 蜻蛉』の講座-第12回」(2024年04月13日)"http://genjiito.sblo.jp/article/190855327.html"

(13)「中之島で『百人一首』(第2回)と『源氏物語 蜻蛉』(第13回)」(2024年05月11日)"http://genjiito.sblo.jp/article/190893338.html"

(14)「中之島での平安文学講座は『百人一首』(第3回)と『源氏物語 蜻蛉』(第14回)」(2024年06月08日)"http://genjiito.sblo.jp/article/190931222.html"

(15)「中之島の平安文学講座『百人一首』(第4回)と『源氏物語 蜻蛉』(第15回)」(2024年07月13日)"http://genjiito.sblo.jp/article/190978273.html"

(16)「中之島の平安文学講座『百人一首』(第5回)と『源氏物語 蜻蛉』(第16回)」(2024年08月10日)"http://genjiito.sblo.jp/article/191016417.html"

(17)「中之島で『百人一首』(第6回)と『源氏物語 蜻蛉』(第17回)」(2024年09月14日)"http://genjiito.sblo.jp/article/191060000.html"

(18)「中之島で『百人一首』(第7回)と『源氏物語 蜻蛉』(第18回)」(2024年10月12日)"http://genjiito.sblo.jp/article/191095952.html"

(19)「中之島で『百人一首』(第8回)と『源氏物語 蜻蛉』(第19回)を読む」(2024年11月09日)"http://genjiito.sblo.jp/article/191132845.html"

(20)「中之島の平安文学講座『百人一首』(第9回)と『源氏物語 蜻蛉』(第20回)」(2024年12月14日)"http://genjiito.sblo.jp/article/191177676.html"

(21)「中之島での『百人一首』(第10回)と『源氏物語 蜻蛉』(第21回)の講座」(2025年02月08日)"http://genjiito.sblo.jp/article/191244524.html"

(22)「中之島での『百人一首』(第11回)と『源氏物語 蜻蛉』(第22回)の講座」(2025年03月08日)"http://genjiito.sblo.jp/article/191276196.html"

(23)「中之島での『百人一首』(第12回)と『源氏物語 蜻蛉』(第23回)の講座」(2025年05月10日)"http://genjiito.sblo.jp/article/191348005.html"

(24)「中之島での『百人一首』(第13回)と『源氏物語 蜻蛉』(第24回)の講座」(2025年06月14日)"http://genjiito.sblo.jp/article/191386026.html"

(25)「中之島での『百人一首』(第14回)と『源氏物語 蜻蛉』(第25回)の講座」(2025年07月12日)"http://genjiito.sblo.jp/article/191416719.html"

(26)「中之島での『百人一首』(第15回)と『源氏物語 蜻蛉』(第26回)の講座」(2025年08月09日)"http://genjiito.sblo.jp/article/191449465.html"

(27)「中之島での『百人一首』(第16回)と『源氏物語 蜻蛉』(第27回)の講座」(2025年09月13日)"http://genjiito.sblo.jp/article/191486479.html"

(28)「中之島での『百人一首』(第17回)と『源氏物語 蜻蛉』(第28回)」(2025年10月11日)"http://genjiito.sblo.jp/article/191514185.html"

(29)「中之島での『百人一首』(第18回)と『源氏物語 蜻蛉』(第29回)の講座」(2025年11月08日)"http://genjiito.sblo.jp/article/191539428.html"

(30)「中之島での『百人一首』(第19回)と『源氏物語 蜻蛉』(第30回)」(2025年12月13日)"http://genjiito.sblo.jp/article/191569340.html"

(31)「中之島での『百人一首』(第20回)と『源氏物語 蜻蛉』(第31回)」(2026年01月10日)"http://genjiito.sblo.jp/article/191592716.html"

(32)「[その1]中之島での『百人一首』(第21回)と『源氏物語 蜻蛉』(第32回)」(2026年02月14日)"http://genjiito.sblo.jp/article/191625676.html"

(33)「[その2]ハーバード大学本「蜻蛉」の字母索引からわかること(前編)」(2026年02月15日)"http://genjiito.sblo.jp/article/191626470.html?1771162076"

(34)【追補】「《承前》ハーバード大学本「蜻蛉」の字母索引からわかること(後編)」(2026年02月17日)"http://genjiito.sblo.jp/article/191628185.html"
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posted by genjiito at 22:27| Comment(0) | ■変体仮名

2026年02月14日

[その1]中之島での『百人一首』(第21回)と『源氏物語 蜻蛉』(第32回)

 今日は集まりの冒頭で、事務方から大事な連絡がありました。それは、大阪府立中之島図書館での指定管理者代表企業である(株)小学館集英社プロダクションが次年度の契約の更新を出来なかった関係で、この「新古典塾 平安文学」の講座も次年度からは開講できなくなった、ということです。諸般の事情で、こうした文化事業が継続できなくなったことにより、この講座も打ち切りとなったという報告でした。

 来月でこの講座は最終回となり、さらに受講を希望される方は、伊藤が京都の駅前と宇治で開催している講座への参加を勧めてくださいました。私からは、京都駅前と宇治での活動をお話しして、4月からの参加をお誘いしました。
 こうした事業について疎いので舞台裏は知る由もないものの、重要文化財に指定されている図書館の建物の管理も含めて、指定管理者である共同事業体のご苦労は少しはお聞きしていました。特に、(株)小学館集英社プロダクションのスタッフのみなさまには、2022年3月から4年間にわたり、大変お世話になりました。大阪での変体仮名を読む講座がいつかまた再開できることを楽しみにして、一先ずはここで休会ということになります。
 この場をお借りして、多くの関係者にこれまでのお礼を申し上げます。

 本ブログには、大阪府立中之島図書館での講座の立ち上げについて、以下の4本の記事に書いていますので、このイベントの記録として参考までに紹介します。

「大阪府立中之島図書館で社会人講座が始動します」

「大阪府立中之島図書館で源氏講座の新規募集開始」

「大阪府立中之島図書館での源氏講座は予定通り開催」

「古文書塾「てらこや」の今後の講座のご案内」

 この大阪府立中之島図書館で実施した講座の各回の内容は、すべて本ブログに報告しています。「中之島」と「『源氏物語』」で検索していただけると、そのすべての活動の内容が確認できます。

 この新規事業の立ち上げから実施にあたり、統括責任者である斉藤尚さんと、この講座を担当される指定管理代表企業(株)小学館集英社プロダクションの岩田りえさんには、毎月のこととしてお世話になりました。特に岩田えりさんには、チラシの作成や配布資料のことに始まり会場の用意など、細やかな配慮をいただいたお陰で、ここまで来られました。ありがとうございました。さらには、8回も実施できた「平安文学リレー講座」に関しても、すべて私の希望を叶えていただきました。感謝の念しかありません。また何かの形での再起を心待ちにしています。

 今日の講座の最初は、「変体仮名で書かれた『百人一首』を読む」〔入門講座〕からです。
 最初に、2種類の抹茶茶碗と徳利1本に書かれた『百人一首』を取り上げて、民生品における和歌の活用についてお話をしました。
 また、ハーバード大学のイェンチン図書館が所蔵する、非常に珍しい『百人一首』を紹介しました。
 次の画像をクリックすると精細表示となり、文字が読みやすくなります。

260214_ハーバードの『百人一首』.jpg

 今日は、67番の周防内侍から76番の法性寺入道前関白太政大臣(藤原忠通)までを、2種類の『百人一首』に書かれた変体仮名に注意をしながら読み進めました。
 来月でこの中之島の講座は終わりです。各回10首ほどを見てきたので、あと24首のうち、どうしても14首は確認できそうにありません。これは、各自の自習にお任せ、ということになりそうです。

 30分の休憩をおいて、次は「ハーバード大学本『蜻蛉』巻の仮名文字を読む」です。
 ここでも、最初に事務方の連絡として、中之島での変体仮名を読む講座は来月で終了することが伝えられました。
 何人かが京都での2会場に足を運んでくださることを楽しみにして、参加をお待ちしたいと思います。

 さて、2つ目の講座「ハーバード大学本『蜻蛉』巻の仮名文字を読む」は、前回で本文のすべてを変体仮名で確認し終えました。今日は、その結果を踏まえて私が急遽作成した索引を提示しました。写本に書き写された本文の仮名文字を、字母にこだわって作成した索引を見ながら、文字遣いの傾向を確認しました。いろいろなことがわかってきました。
 ただし、そのことは説明が長くなるので、この記事に続く別立ての項目として報告します。

 今日の『源氏物語』の講座では、索引の確認の前に、以下の2つの話題を取り上げました。

(1)メリッサ・マコーミック編ハーバード大学蔵『源氏物語画帖』
(2)「蜻蛉への招待」(至文堂から刊行した拙著使用)

 ここでマコーミック先生のご著書の紹介をしたのは、今回使用したテキストである『ハーバード大学美術館蔵『源氏物語』「蜻蛉」』(伊藤編著、新典社、2014年)の巻末に、マコーミック先生の解説文を掲載しているので、その関係で私がお手伝いをした本としてこの『源氏物語画帖』をとりあげました。

 また、前回でハーバード大学本「蜻蛉」の写本に書写された文字の確認が終わり、その内容についてはほとんど触れなかったので、最後に「蜻蛉」の概略だけでもお話をして確認することにしました。提示した資料は、私が2003年に至文堂から刊行したシリーズの1冊である、『国文学解釈と鑑賞別冊 源氏物語の鑑賞と基礎知識 No.28 蜻蛉』の巻頭に掲載した序文です。
 参考までにその序文の全文を以下に引き、まとめの報告の一つとします。

 序文 蜻蛉への招待 −巧みな物語展開と描写− 伊藤鉃也

〔あるかなきかの蜻蛉〕
 五二番目の本巻「蜻蛉」は前巻「浮舟」を受けて、浮舟失踪から語り起こされます。薫二十七歳の春から秋、匂宮二十八歳の時の物語です。
 巻名由来は、薫が巻末部で宇治の姫君たちとの縁を回想する場面で詠んだ、次の歌によっています。
  ありと見て手にはとられず見ればまた
    ゆくへもしらず消えしかげろふ
 薫の求愛を拒絶した宇治の大君は、妹を薫に頼んで死んでいきました(総角)。その妹の中の君は、薫が匂宮に譲ります(総角)。そして浮舟は行方不明となり、薫は四十九日の法要を宇治の寺で営んだのです(蜻蛉)。宇治の女性一人一人との契りが悔いの残るものとなり、物思いに沈む夕暮れと憂愁の中に薫がいるところで「蜻蛉」は巻を閉じます。想いをかけた女性はみな、薫の手からするりと逃げて行ってしまったのです。儚さの象徴である蜻蛉が飛びちがうのを見、行方もわからずに消えてしまった蜻蛉を思って、一人きりになった薫は孤独の中で「あるかなきかの」とつぶやくのでした。「蜻蛉」は読まれる機会の少ない巻の一つだと言われています。しかし、なかなか巧みな描写に支えられた語り口がなされており、読み応えのある巻となっています。

〔生き生きとした脇役たち〕
 「蜻蛉」で印象深い場面を追ってみましょう。
 物語始発部分では、浮舟が行方不明となり、宇治では大騒ぎとなりました。そして、浮舟の死骸の見つからないままに、人目を偽って葬送してしまうのです。母女三宮の病気平癒を祈願するために石山寺に参籠中の薫がそのことを知ったのは、その後のことでした。匂宮も浮舟のことを聞き、悲嘆のあまりに床に臥せるありさまです。遺骸なき火葬という趣向が、読者に物語展開の面白さを予感させます。薫と匂宮がこの事実にどう向き合うのか。読者は、じっと成り行きを見守ることを強いられます。脇役たちも活躍します。薫の家司である仲信と、匂宮の従者である時方は、京と宇治を行き交いし、薫の誠実さを認める右近と、浮舟に近侍し匂宮に心惹かれる侍従の君も、浮舟の密葬に奔走します。それだけでなく、浮舟をめぐる秘密の漏洩を留めるためにも活躍し、真相を隠す手だてを尽くすのです。この二人については、薫と匂宮との関係も含めた動きにも、読者としては目が離せません。また、薫と匂宮が浮舟をめぐるさぐり合いを展開する場面では、薫が浮舟と匂宮の関係をあてこするなど、二人の間で心理劇が繰り広げられます。各人各様の思いが輻輳する物語の語り口を、ぜひ堪能していただきたいと思います。

〔視覚と触覚〕
 この巻では、物語の登場人物の視覚と触覚も生きています。
 透き通る単衣と冷ややかな氷が、印象的な場面を演出する小道具となっているからです。明石の中宮が、光源氏や紫の上を供養するために、法華八講を催しました。それが果てて人けが途絶えた頃、くつろぐ女房たちと氷で遊ぶ女一宮の姿を、薫は垣間見てしまいます。薫の視線で語られるこのあたりのカメラワークは、映像的にもみごとです。あこがれの人であった女一宮を、それも白い薄絹の着物姿の姫宮を、薫は思いがけずも見てしまったのです。

 白き薄ものの御衣着たまへる人(女一宮)の、手に氷を持ちながら、かくあらそふをすこし笑みたまへる(女一宮の)御顔、言はむかたなくうつくしげなり。(本書154頁)

 女一宮が手に「氷を持って」とありますが、「氷を握って」とする本文もあります。女房たちは割った氷を、手に、頭に、そして何と胸に当てたりしています。女一宮は、氷の雫を嫌がりもします。薫が思慕し続けた女一宮が、すぐ目の前にいるのです。衣服の色、女性の声と動き、そして氷の感触などを通して、薫の胸が高鳴っていくさまが伝わってくることでしょう。
 翌朝、薫は正妻である女二宮に、薄物の単衣を着るようにし向けます。昨日の衝撃的な場面を、女二宮によって再現しようとするのです。透き通る衣を、薫は女二宮に手づから着せます。袴も女一宮と同じ紅。さらには氷まで持たせるという念の入れようです。薫の執念のなせる態ともいえましょう。なぜそこまで、と思う先には、女一宮がいるのです。

〔すきばみたる気色と物語絵〕
 薫は明石中宮のもとに参上すると、女一宮から妻女二宮へ文をいただくよう求めます。母から娘への見えざる力を利用するわけです。妻を想う振りをしていますが、実は薫自身が、想いを募らせている人の手跡を見たいからなのです。女一宮から女二宮への文通につけ込もうとの奇策です。この薫の「すきばみたる気色(下心)」には、中宮も気づかなかったようだとあります。やがて薫の策が功を奏し、女一宮からの手紙が女二宮のところに届けられます。思惑通り女一宮の手になる文を見た薫は大感激です。中宮からは、いろいろな物語絵が届きました。薫も女一宮に、さらにおもしろそうな物語絵を贈ります。その中に、今は散逸していて確認できないものですが、『芹川の大将』という物語の絵がありました。そこには、男主人公のとほ君が秋の夕暮れに思いあまって女一宮を訪ねる、という場面が描かれていたようです。この物語絵の男に、薫は自分の気持ちをなぞらえます。そして、とほ君の思慕の対象となっている女性の名前が女一宮だけに、薫の想いはいや増しにオーバーラップしていきます。叶わぬ思慕と物語絵とを重ね合わせる薫の心中には、複雑な思いが去来するのでした。
 「蜻蛉」は、いろいろな読み方が可能です。薫が意識の奥底で求め続ける女性に思いを馳せながら読み進むと、宇治の物語の中のさまざまな場面にも行き会うことになるでしょう。

 ハーバード大学美術館蔵『源氏物語』「蜻蛉」の字母索引は、この記事に続いて明日[その2]としてアップします。鎌倉時代の古写本の中でも、ハーバード大学美術館蔵『源氏物語』「蜻蛉」に書き写されている本文について、字母に着目することで新しいことがいろいろとわかってきました。ただいま整理中なので、明日まで、いま少しお待ちください。




posted by genjiito at 23:02| Comment(0) | ■講座学習

2026年02月13日

集会所で介護サービスと脳の老化のお話を聴く

 今日は、宇治のケアハウスの園長さんが集会所にお越しになり、介護サービスと脳の健康について、わかりやすく話をしてくださいました。
 内容としては、これまでにも聞いていたことです。しかし、お話がうまかったので非常にわかりやすく理解できました。

 特別養護老人ホームは「要介護4」の認定を受けた人からだ、ということはあらためて順序立ててわかりました。
 また、ケアハウスは厚生労働省の管轄で、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は国土交通省の管轄であることは、今回初めて知りました。
 ただし、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)に関して、その住まい(ハード面)は国交省が、介護サービス(ソフト面)は厚労省が主導している、という共同管轄の二本立てだ、との説明を生成AIがしてくれました。あるいは、私の聞き間違いだったかもしれません。またいつか再確認してみます。

 肝心の利用料金についても伺えました。
 大雑把に言って、ケアハウスは月12万円、サ高住は月20万円ほどだとのことです。実際に、お小遣いなども含めて、年金の範囲で対処できるのか、具体例を知りたくなりました。いろいろなパターンがあるようです。あくまでもおおよその事としてメモを残しておきます。

 後半は、「脳の健康は毎日の過ごし方がカギ」と題するお話で、「生活習慣を見直して脳の老化をゆるやかに」というテーマでした。要は、脳に刺激を与え続けることに尽きるようです。

 「脳活性化の7習慣」を提示してくださいました。
 (1)新聞の音読
 (2)2日前の日記
 (3)腹式呼吸
 (4)好きな音楽を聴く
 (5)一口30回噛む
 (6)おしゃれ
 (7)笑う
 日々、前向きに生活する具体的な方策が提示されました。

 お話を伺いながら、1点だけ気になったことがあります。失礼ながら、この園長さんは、日常的に共に暮らす家族の中に、認知症の方はいらっしゃらないのかな、という素朴な疑問を持ちました。ケアハウスを経営しておられるので、認知症の方は利用者の中には何人もいらっしゃると思います。第3者として仕事の視線も交えて見るのではなく、実際の生活をする家族の中には、認知症の方はおられないような感触が伝わってきたので、非礼を省みずに書きました。
 日々の家族との交流の中で、もし認知症の方がおられたらあの軽いノリの表現はしないのではないか、と思ったからです。感覚の問題でもあるので、大きな勘違いで間違っていたらお詫びします。
 とにかく、明るく老化を考えるお話でした。ありがとうございました。




posted by genjiito at 22:27| Comment(0) | *福祉介護

2026年02月12日

賀茂川を散策して京大病院へ行き日本語の今後に思いが及ぶ

 今日の診察は午後からだったので、賀茂川を散策しながらのんびりと病院へ行きました。川原には、一昨日の雪が残っていました。川風は冷たくありません。春が来たのかと思うほどに、生暖かい風でした。

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 大文字山は、曇り空だったせいか少し霞んでいます。山の木々の色合いもぼやけています。

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 今日の脳神経内科の診察は、一昨日のMRI検査の結果についての説明でした。脳内の血流などを見ても、特に変わったところはない、とのことです。一本だけ詰まっている血管は、今は無視してもいいそうです。
 最近、時々フラッと身体が揺れることを伝えるのを忘れました。素人判断ながら脳梗塞の再発の徴候ではなさそうなので、もう少し様子を見てからにします。

 その代わり、今年から妻と一緒にお茶のお稽古に行き出したことを報告しました。私の右手首のリハビリはともかく、妻にとってもなかなかいいタイミングでの判断だそうです。この先生も脳神経内科で物忘れ外来を担当しておられ、たまたま妻の主治医ではなかったという先生です。また、宇治徳洲会病院で妻を担当しておられる先生は京大病院の関係者ということで、気軽にアルツハイマーの話ができます。今日の先生も、認知力が衰えて来たら私もお茶を習うことにするつもりだ、とおっしゃっていました。

 帰りは出町柳まで歩いて行き、駅側のファストフード店で一息つくことにしました。
 私の後の高齢の男性が、タッチパネルで注文をしようとしても、なかなか前に進まないようです。何度も画面を行ったり来たりしながら、店員の方にどうなっているんだ、と怒りに任せて苦情を言っておられます。その気持ちは、私も同感です。

 私も、店頭で注文できる場合は、タッチパネルは避けます。注文までの画面の動線が、人間工学的に疑問があるシステムが多いように思います。私なら、こんなシステムは作りません。人が対応すればすぐに完結するものを、わざわざ回りくどいステップを踏んで支払いまで行かされることには大いに問題があると思っています。選択肢が多すぎるのです。店頭でメニューを見ながら、指さしで注文は終わるのに、と思ってしまいます。

 タッチパネルが主流となっているのは、もちろん人件費削減のためであることはわかります。また、この国の人間が減少し働き手がなくなり、さらには高齢化とくれば、人が窓口で対応するのは手間と暇がかかって大変です。この流れはずっと続くことなので、これからどうすればいいのかは大きな問題です。

 最近私は、お店の方が発券まで手伝ってもらえない時は、注文せずに帰ることが多くなりました。といっても、対応してくださる方が外国の方だった場合は、タッチパネルよりも言葉の問題で気疲れをします。非常に後味の悪い注文となります。難しい問題が横たわっています。

 こうした風潮を体験するにつけ、品物を注文することに関する先行きが不透明だと思っています。従業員をしっかりと確保したレストランなどは別として、特にファストフード店においてこの社会は、どこで折り合いをつけることになるのでしょうか。私は表舞台から去りつつある身なので、傍観者としての視点で現在の社会のシステムを見るようになりました。

 移民の方々の力を借りざるを得ない状況にあることは明白です。今から50年前、大学を卒業した時からの持論です。しかし、本格的な論争は水面下で行われているようで、表面に出てきていません。今回の選挙でも、論争までにはいきませんでした。街中で海外の方の接客を見るたびに、こうした問題を早く広く検討すべき時期であることを痛感します。

 私は、これからの方々への日本語教育が鍵を握っていると思っています。とりあえず、中学と高校の国語の先生の育成から手がけることが喫緊の課題です。理系重視の教員確保もわかります。しかし、思考の基礎となる日本語の素養の涵養が、これからの社会を構築するためには優先されるべき課題だと思われます。

 国語科の教員の確保に関しては、「でも・しか」ではなく、日本語の運用能力の大切さを理解した若者の確保が大切です。この日本で生きていく基礎力となる日本語を豊かに育む担い手が、他分野に逃げて行くことに目を瞑ることなく、一人でも多く確保したいものです。現状では、国語科の教員になる若者の日本語運用能力に、根深い疑問が突き付けられています。日本語に対する問題意識が低い、ということです。

 偉そうなことを書きました。この問題は、あらためて整理して報告することにしましょう。




posted by genjiito at 21:08| Comment(0) | *健康雑記