2020年02月09日

昨日の科研研究会に関する吉村報告

 昨日、大阪大学箕面キャンパスで伊藤科研-第13回研究会「海外における平安文学」を開催しました。その詳細な内容を、記録係をつとめた吉村君がまとめてくれましたので、以下に引用して報告します。

 

伊藤科研 第13回「海外における平安文学」研究会報告



■日時:2020年2月8日(土)14:00〜18:00

■場所:大阪大学箕面キャンパス 日本語日本文化教育センター1階 多目的ホール

■プログラム

・14:00~14:05 挨拶(伊藤鉄也)

・14:05~14:20 自己紹介

・14:20~14:40 研究発表「Transcreation(翻訳創造)としてのウェイリー訳−原典とadaptationの間を見つめる−」(緑川眞知子)

・14:40~15:00 研究発表「20世紀初頭のフランスにおける『枕草子』受容」(常田槙子)

・15:00〜15:20 研究発表「『万葉集』のドイツ語訳における序詞の受容−同音類音反復式の序詞を中心に−」(フィットレル・アーロン)

・休憩(20分)

・15:40~16:00 研究報告「百人一首のフランス語訳についての考察と翻訳実践」(飯塚ひろみ)

・16:00〜16:20 研究報告「中国での国際シンポジウムを終えて」(伊藤鉄也、須藤圭)

・16:20〜16:50 共同討議「平安文学を翻訳すること」(参会者全員)

・16:50~17:00 挨拶、連絡事項(伊藤鉄也)

・17:00〜 科研運用に関する打ち合わせ
 
 
■議事録

・研究発表「Transcreation(翻訳創造)としてのウェイリー訳−原典とadaptationの間を見つめる−」(緑川眞知子)
 ウェイリーの言葉とされる「transcreation」という点からのウェイリー訳の考察であった。
 具体的には絵合巻を取り上げ、「大臣もいという(優)におほえ給て」という部分の訳し方に着目された。ウェイリーはこの部分を「Genji felt smmewhat shy」と訳している。「shy」は「いう(優)に」に対応していると考えられる。ウェイリー訳の日本語訳である佐復訳と姉妹訳において、この部分はそれぞれ「源氏はいくぶん気恥ずかしく感じ、」「ゲンジもいささか気遅れがして」と訳されており、誤訳のように思われる。しかし当時の辞書にもこの語は載っていた事から単に訳し間違えたとは考えにくく、むしろ自分の中でロジックが通じるように意図的にこのような訳としたのではないか、という発表であった。

・研究発表「20世紀初頭のフランスにおける『枕草子』受容」(常田槙子)
 20世紀初頭のフランスにおける『枕草子』の翻訳者とその人間関係、随筆の定義等を踏まえながらそれぞれの訳を比較検討するものであった。石川とルヴォンは「随筆」を「筆に任せて」書かれた特殊なジャンルだとしているが、この考えはボジャールには引き継がれていないとのことであった。また石川によって随筆がフランス語でいう「印象派文学」であるという点に着目しての考察があった。それぞれの訳の比較には「春はあけぼの」の章段が取り上げられた。
 その他、「あはれ」という語の訳され方の特徴や『枕草子』を随筆というジャンルに入れる事の問題点等にも言及された。

・研究発表「『万葉集』のドイツ語訳における序詞の受容−同音類音反復式の序詞を中心に−」(フィットレル・アーロン)
 『万葉集』のドイツ語訳における同音反復の序詞について、翻訳者が見たと考えられる注釈等を踏まえつつ、具体例を示しながらその特徴を考察するものであった。序詞の訳し方を、序詞と心情部の関係を内容的にまたは文法的につなげるかどうか大きく二つに分けた上で、原典の歌の特徴からさらに細かく分けて考察された。具体例を一つずつ取り上げ、翻訳者の傾向などについても言及があった。

・研究報告「百人一首のフランス語訳についての考察と翻訳実践」(飯塚ひろみ)
 百人一首歌のうち5首を取り上げ、先行する4種類のフランス語訳における手法を考察した上で、飯塚氏によるフランス語訳の実践を紹介するものであった。先行訳はそれぞれ5行書きや冒頭大文字などの型がある。しかし飯塚氏は何のために、誰のために訳すべきであるのかが現時点では不明であるいう点を踏まえ、型を定めずに訳を実践された。具体的には枕詞をあえて訳出しない、説明的な訳を付け加えて6行にする事でフランスの6行詩に近づける、など様々な試みがあった。

・研究報告「中国での国際シンポジウムを終えて」(伊藤鉄也、須藤圭)
 2019年12月20日から22日に行われた「2019年度中日比較文学国際研究会」の報告であった。
 分科会では中古・中世・近世に受容された『源氏物語』から翻訳についての発表が行われた。
 中古では様々な物語や和歌が『源氏物語』に影響を受けたことについて、翻訳においてどのように向き合うことができるかということに言及された。中世では古註釈の影響を翻訳にどのように組み込んでいくかということに言及された。近世では『源氏物語』の俗語訳者の「翻訳意識」を探るために、用いられた用語や比喩などを考察したものであった。

・共同討議「平安文学を翻訳すること」(参会者全員)
*まず吉海氏から、昔は日本文学の翻訳というと英訳が主であった。しかし、現在は様々な言語に翻訳されていることがわかっていること、ネットや動画により日本文学が広く享受されるようになっていること、翻訳機の登場、原典と異なる訳であっても読者に享受されること等々、これからの学問について言及された。翻訳機については現在写真による翻訳ができるものがあることや、AIによる劇的な精度向上が進んでいるということが、伊藤氏や須藤氏から報告された。

*緑川氏の発表について、ウェイリー訳に辞書は影響を与えたのか、誰に向けて書かれたのか等の質問があった。辞書についてはウェイリーの環境等から考えると見たはずであろうとのことであった。想定されていた読者としてはブルームスベリーの人々が第一ではないか、とのことであった。またウェイリー訳は原典のリライトであり、その訳し戻しはリライトのリライトであるとのことであった。これについてモハンマド氏から、インドではすべてウェイリーの重訳であることが報告された。しかし、ウェイリー訳の問題点についても言及し、翻訳の目的や方法を考えていくことや対象となる読者の社会的背景を踏まえることの必要について言及された。また機械翻訳については、どの程度文学に使うことができるのかについての疑問も呈された。

*常田氏の発表について、吉海氏から『枕草子』は随筆というジャンルに入れない方が良いという事について、さらなる言及があった。常田氏はこれに賛同し、同様に『枕草子』をエッセイとする学生がいるという問題についても言及された。

*飯塚氏の発表について、伊藤氏から各国語訳で同様の取り組みを行うことでそれぞれの特徴を掴むことができるのではないか、という言及があった。

 
 
 
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2020年02月08日

盛会だった第13回の科研研究会「海外における平安文学」

 研究会に先立ち、本日の参加者の中で翻訳本の資料などを見たい方々のために、私の研究室にある書籍を見ていただきました。引き続き午後1時半から、大阪大学箕面キャンパスにある外国学図書館で書庫の見学を行いました。各国の新聞や雑誌の貴重な資料や、翻訳本の書架などを見ていだきました。

 2時からは、場所を日本語日本文化教育センターに移して、研究会を開きました。

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 今回は、フィットレル・アーロン先生の研究会(日本学術振興会外国人特別研究員P19302「古典和歌の翻訳、および和歌と西洋詩の比較研究」)との合同開催です。
 まずは、自己紹介からです。大阪大学に所属を移して最初の研究会なので、参会のみなさまはほとんどが初めての方々です。少し緊張気味に始まりました。

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 プログラムは以下の通りです。

(1)研究発表 緑川眞知子先生/「Transcreation(翻訳創造)としてのウェイリー訳―原典とadaptationの間をみつめる―」

(2)研究発表 常田槙子先生/「20世紀初頭のフランスにおける『枕草子』受容」

(3)研究発表 フィットレル・アーロン先生/ 「『万葉集』のドイツ語訳における序詞の受容―同音類音反復式の序詞を中心に―」

(4)研究報告 飯塚ひろみ先生/「百人一首のフランス語訳についての考察と翻訳実践」

(5)研究報告 伊藤鉄也先生、須藤圭先生/「中国での国際シンポジウムを終えて」

(6)共同討議 「平安文学を翻訳すること」(参会者全員)


 それぞれの発表内容は、明日に譲ります。

 今日は、タイムキーパーを置いたこともあり、時間通りに進みました。こんなことは、滅多にないことです。みなさまの運営への協力に感謝しています。

 共同討議は、本日のゲストでもある吉海直人さんから発言してもらいました。それに続いて、いろいろと発表の核心に触れる質問があり、充実した質疑応答が展開しました。30分という時間は短かすぎました。
 すべてが終わってからは、千里中央駅に移動して、懇親会でまた翻訳についての話題で盛り上がりました。
 本日、多彩な問題提起がなされた稔り多い研究会となったことは、ひとえに参加者の皆様のご協力とご理解があってのことです。寒い中、また遠路遥々ありがとうございました。
 次回は、6月に開催する予定です。また、お集まりくださることを、楽しみにお待ちしています。
 
 
 
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2020年01月17日

伊藤科研「海外における平安文学」第13回研究会のご案内

 昨年4月から、科学研究費補助金による基盤研究(A)「海外における平安文学及び多言語翻訳に関する研究」(課題番号:17H00912、研究代表者:伊藤鉄也)は、基盤研究機関を大阪大学に移しました。本研究の研究期間は4年間です。しかし、3年目に研究代表者が転属したことにより準備に手間取り、本年度の研究会がようやく下記の通り開催できる運びとなりました。
 本研究会の第1回は、2014年2月3日でした(https://genjiito.org/report/studyreport01/)。現研究テーマの前身である基盤研究(A)「海外における源氏物語を中心とした平安文学及び各国語翻訳に関する総合的調査研究」(課題番号:25244012、研究代表者:伊藤鉄也)を順調に引き継ぎ、今回が通算で13回目となります。これまでの研究会の報告は、ホームページ「海外平安文学情報」の中の「研究会報告一覧」(https://genjiito.org/aboutkaken/allreports/)を参照願います。
 今回の研究会は、研究協力者でもあるフィットレル・アーロン先生(大阪大学・招へい研究員)の研究会と合同で開催することになりました。
 本科研では、若手の育成と支援を課題の1つに掲げています。大学の学部生や大学院生の参加を歓迎します。平安文学に関する翻訳の問題は、まだまだ未開拓の分野です。多言語ということもあり、学際的・隣接諸学との連携が欠かせません。このテーマは、一人で研究できることではありません。本科研では、コラボレーションという共同研究の手法で取り組んでいます。そのためにも、この研究会を情報収集活動の1つとして、また研究方法と事例報告の1つとして、参会者に対して有益な情報提供と、みんなで考える機会の提示となれば幸いです。
 自由参加の、開かれた研究会であり続けたいと思っています。参加希望の連絡などは、本ブログのコメント欄をご利用ください。

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■「海外における平安文学」第13回研究会■


 ◆フィットレル・アーロン先生の研究会との共同開催

・日時:2020年2月8日(土)14:00〜18:00
・場所:大阪大学箕面キャンパス
   (大阪府箕面市粟生間谷東8丁目1−1)
    総合研究棟6階
・アクセス:〇大阪モノレール 彩都西駅下車 西へ徒歩15分
      〇阪急バス ・千里中央発 「間谷住宅行」(所要時間30〜40分)
            ・北千里発  「間谷住宅行」(所要時間25〜35分)
            間谷住宅4 下車すぐ
       詳細は https://www.osaka-u.ac.jp/ja/access/accessmap.html#map03 をご覧ください。
       但し、阪急バス「阪大外国語学部前行」は土曜日は運休しております。

・当日の予定: 14:00~15:00 大阪大学箕面キャンパス 外国学図書館 見学
        15:00~18:00 研究会

・発表、報告:
  (1)研究発表 緑川眞知子先生
    「Transcreation(翻訳創造)としてのウェイリー訳
       ―原典とadaptationの間をみつめる―」
  (2)研究発表 常田槙子先生
    「20世紀初頭のフランスにおける『枕草子』受容」
  (3)研究発表 フィットレル・アーロン先生
    「『万葉集』のドイツ語訳における序詞の受容
       ―同音類音反復式の序詞を中心に―」
  (4)研究報告 飯塚ひろみ先生
    「百人一首のフランス語訳についての考察と翻訳実践」
  (5)活動報告 伊藤鉄也、小川陽子先生、須藤圭先生、庄婕淳先生
    「中国での国際シンポジウムを終えて」
  (6)共同討議 「平安文学を翻訳すること」(参会者全員) 
 ※研究発表は、1人20分の予定
 ※研究会後に千里中央駅付近で懇親会を予定

 
 
 
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2019年12月27日

中国語による翻訳本の整理に関するアルバイトを募集中(その6)

 すでに5度、私の科研で多言語翻訳に関するアルバイトを募集していることを、本ブログに掲載して来ました。
 前回は、「平安文学の翻訳本整理に関するアルバイトを募集中(その5)」(2019年10月31日)でした。
 おかげさまで、上記ブログで募集した中で、「ベトナム語」と「情報整理」の仕事に関しては、すばらしい方との出会いがあり、すでに業務についていただいています。
 そこで今回は、今週、中国広州で入手した中国語訳の翻訳本を整理してくださる方を募ります。
 対象となる翻訳本については、「今回中国で手に入った中国語訳の平安文学関連の本たち」(2019年12月25日)に画像で掲載したものと、『平安文学翻訳本集成〈2018〉』に掲載している手持ちの中国語訳の書籍数十冊です。
 仕事に関する、〈内容〉〈時給〉〈日時〉〈場所〉〈連絡先〉は、上記のブログのポスターに掲載されている通りです。

 中国語の運用および翻訳そして情報の整理ができる方について、お知り合いをも含めて、この情報を拡散していただけると幸いです。他大学の学生さんや、社会人の方も歓迎します。連絡をお待ちしています。
 面談の日時は、新年の火曜日と水曜日、午前11時から16時の間になります。
 希望される方は、本ブログのコメント欄を利用して連絡をいただければ、折り返し面談に関してメールを差し上げます。
 
 
 
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2019年12月25日

今回中国で手に入った中国語訳の平安文学関連の本たち

 今回の旅では、どの国でもそうであるように、書店で平安文学に関する本を探す時間も確保しました。広州の中心街にある巨大な書店で、30冊以上の本が見つかりました。本は、出会った時に手に入れておかないと、また次はないと思っています。そこで、その時に書店にあったほとんどの本を、いただいて来ました。
 以下の写真でわかるように、谷崎潤一郎や井上靖や松本清張なども含まれています。今後の調査研究に関連してくるであろうこうした本も、見つけ次第に購入しています。今回は、谷崎潤一郎の『春琴抄』が8種類も一度に集まりました。いろいろな活用ができそうです。
 昨夜、帰国してすぐに関空から大学宛に送った本が、今日のお昼には箕面の研究室に届きました。早速、翻訳本のリストに追加するための作業に入りました。この本を、ホームページ「海外平安文学情報」(http://genjiito.org)に追加して公開するまでには、いましばらくの時間をください。
 中国には、まだまだ平安文学関連の翻訳本があります。今後とも、気長にそうした本の収集にあたります。
 もしお手元に、『平安文学翻訳本集成〈2018〉』に掲載されていない表紙の翻訳本をお持ちでしたら、提供していただけると助かります。大切に保管し、原本とその情報を、次世代に引き継いで行きます。調査研究の対象としておられる方には、箕面キャンパスの研究室で閲覧していただいて、原本による研究ができるような研究支援もしています。

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2019年12月21日

広東外大での学術フォーラムの初日

 早朝より、学術フォーラムの会場である広東外語外貿大学へ行きました。

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 定刻に開幕式が始まります。
 ヘッドホーンを通して、中国語が日本語に同時通訳されていたので、内容はよくわかりました。同時通訳を担当した学生さんは、専門用語が多い内容だけに、大変だったかと思います。しかし、その通訳の効果は素晴らしいものがあります。ぜひとも今後も続けたいただきたいと思います。
 以下、プログラムを挙げながら、私に関わることに絞って書きます。

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 4番目に私が挨拶をしました。

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 ポイントは、会議の手引きの表紙にある、日本側の組織の役割です。大阪大学国際教育交流センター、特定非営利活動法人〈源氏物語電子資料館〉、伊藤科研《海外平安文学情報》について、概略を手短に話しました。
 その後、休憩を挟んで、4名の基調講演です。
 午前最後の4番目に、私が「世界中で読み継がれる〈平安文学〉」の題してお話をしました。

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 持ち時間は30 分です。みなさん時間厳守で、順調に進んでいたので、予定した内容を組み替えながらも制限時間内に、少し余裕を持って終えました。
 ここで強調したことは、以下の点です。

・コラボレーションで取り組む。
・調査では人と会うことを大事にし、直接足を運んで面談を心がける
・翻訳本とその情報を悉皆調査する。
・詳細な翻訳史年表を常時公開する。
・36種類の言語で翻訳された翻訳分を、日本語に訳し戻しする。
・訳し戻された日本語文を比較検討する。
・日本の文化がどう変容して伝わっているかを考察する。
・若い研究者へのバトンタッチを常に意識してあたる。


 今回の成果は新年3月ころに、『海外平安文学研究ジャーナル《中国編》』という電子ジャーナルに掲載して電子版として発行します、いましばらくお待ちください。
 夕食前に、白雲区江夏村方面を散策しました。小さいながら、楽しいお店がたくさんありました。
 途中で、おかしな点字ブロックを見かけました。

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 また、一人カラオケのボックスを見かけました。

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 これはアイデアです。日本にすでにあるのでしょうか。

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 夕食後は、テーブルを囲んでのディスカッションです。
 みなさまは中国語で討議をなさるので、私には同時通訳の方を一人付けてくださいました。

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 通訳の方は私のすぐ横で、発言者が話された内容を整理しながら、わかりやすい日本語でささやいてくださいます。こんな時には、今流行のポケット翻訳機を使うことも可能です。しかし、通訳していただいている間に生まれた疑問を、その場でいつでも通訳者に尋ねられることは、AI翻訳にはできないことです。人間だからこそできるのです。私だけのために同時通訳者が付いてくださったことにより、さまざまなことを考えるきっかけをいただきました。ご高配に感謝します。貴重な体験をすることができました。
 
 
 
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2019年11月24日

翻訳文を日本語に訳し戻すにあたっての方針

 一昨日、平安文学に関する翻訳文を日本語に訳し戻すことを書きました。

「平安文学の翻訳から見たポケット翻訳機への期待」(2019年11月22日)

 今から33年前に、文学研究にコンピュータを導入する意義と具体例を、『新・文学資料整理術パソコン奮戦記』という本にまとめました。その時、コンピュータに文学などわかるはずがない、という批判をいただきました。電気で動く単なる機械に、過剰なまでの期待をもってのご意見でした。
 私が提示したのは、情報文具とい道具をどう文学研究に活用するか、という問題提起でした。それを、コンピュータが人間の思考活動に対峙するものとして、あるいは置き換わるものとして捉えられたのです。この反応は数年続きました。今なら、そんなことを言う人はもういないと思います。

 一昨日、平安文学の翻訳文を日本語に訳し戻すことを書きました。いらっしゃらないとは思うものの、機械翻訳など使い物にならない! 何を愚かなことを! とおっしゃる方がおられるのではと危惧します。そこで、訳し戻しは文学的な表現で日本語に戻すものではないことを、あらためてここで確認しておきます。無用な批判を避けるためです。

 現在、訳し戻しをお願いする時に、次の方針を提示しています。

■訳し戻しの依頼内容■



〈概要〉
 世界各国37種類の言語で翻訳された『源氏物語』に関する翻訳書を整理し、その中から特定の巻を日本語に訳し戻して比較検討の基礎資料とするのが、今回の翻訳依頼の主旨です。
 この各国語翻訳を日本語に一元化したものを通して、日本文化が変容して伝えられていく諸相と実態を確認し、研究者等との共同研究で考察していきます。各国にどのような表現で『源氏物語』が、ひいては日本文化が伝えられているのか、ということを調査研究しようとするものです。
 日本文学を通して日本文化が海外にどう伝わっているか、ということが本研究で最終的に取り組む課題となります。
 そのため、文学的な名訳は求めません。
 現地にお住まいの方に伝わる感覚で、現地の方々が理解できるレベルでの、ごく普通の逐語訳にしてください。日本語を母語とする人に向けての日本語訳ではないことを、充分に理解して取り組んでいただきたいと思います。

〈注意事項〉
(A)日本語へ訳し戻すにあたっての各国語訳の本文資料は、PDFでお渡しします。それを日本語に訳し戻していただき、プレーンテキストで返信してください。

(B)受け取ってから1ヶ月ほどで完成したものを返送してください。完成した日本語訳を公開するときには、訳者のお名前を公表させていただくことをご了承ください。

(C)人選は、各言語につき2名(原則としてネイティブの方1名と日本語を母語とする方1名)を、本科研の研究代表者である伊藤鉄也が適任と思う方にお願いします。

(D)お渡しした資料のうち、「刊記」「まえがき」「序章」「あとがき」等を参照し、当該翻訳文が(1)何時(2)どこの国で刊行(3)誰が(4)どのようなテキストを基にして(5)どのような方針で訳したのか、を整理した文章を、A4版1枚くらいを目安にした分量で、訳し戻し文とは別のファイルで提出してください。

(E)「脚注・後注」も、翻訳者が読者に日本文化をどう伝えようとしているのか、という貴重な資料となります。これも日本語に訳し戻して、訳し戻し文とは別ファイルとして提出してください。

(F)訳し戻しをしていただくにあたり、問題と思われた、もしくは手間取った、または苦労した箇所に関するメモも、訳し戻し文とは別ファイルとして提出してください。日本文化がどのように伝えられているのか、ということを検討する上で、大切な資料になるためです。

(G)文学作品の翻訳書を日本語に訳し戻した著作物や、多言語翻訳を担当した方には、その翻訳に関わる権利を、本科研の共同研究の成果として公開するものであることを理解していただき、作成者個人の権利以外は本科研の基盤研究機関である大阪大学に委譲することを原則とします。これは、日本学術振興会に研究計画を申請した際に申告したことです。


 ここに明示している通り、名訳を期待しているのではなくて、文化の変容を検討するために、可能な限り原語に忠実に日本語へ移し替えてもらうことに力点があります。訳し戻されたものが、日本語として多少おかしくても構わないのです。日本の文化が相手の国にどのような言葉として伝えられようとしたのかを知る資料になればいいのです。
 その意味では、ポケット翻訳機は格好の情報文具となりそうです。
 このテーマが、おもしろい展開となることを期待しています。
 
 
 
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2019年11月13日

東欧で来年9月に国際日本文学研究交流集会を検討中

 現在取り組んでいる科研の成果の公開と、研究交流を目的とした国際日本文学研究交流集会を、来年9月に実施したいと思います。
 2020年9月16日〜19日に、第31回EAJRS(日本資料専門家欧州協会)の会議が、ロシアのサンクトペテルブルグで開催されます。可能であればそこで、翻訳本に関する研究報告をする予定です。
 その後、ハンガリーに移動して、9月20日〜23日の間にカーロリ大学と地方の公共機関等の施設で、国際日本文学研究交流集会を2箇所で開きます。その集会は、平安文学の中でも、〈物語〉と〈和歌〉を中心とした共同討議ができる集まりにしたいと思います。
 ハンガリーの集会に、近隣に在住の方々や、興味と関心をお持ちの方の参加を呼びかけるつもりです。スロベニア、クロアチア、セルビア、ルーマニア、ウクライナなどの国々の方を思い浮かべています。
 まだ、プランをメモとして書き出し、身近な方々と話を始めたところです。基本的には、日本語による発表と討議を行います。一般の方々にも理解していただけるように、通訳と現地語の資料は付けたいところです。この初発の段階から、共同研究としての意見交換をする中で、内容をより具体的に煮詰めていきたいと思います。
 こうした計画について、ご意見やアイデアをお寄せいただけると幸いです。
 
 
 
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2019年10月31日

平安文学の翻訳本整理に関するアルバイトを募集中(その5)

 すでに4度、私の科研で多言語翻訳に関するアルバイトを募集していることを、本ブログに掲載して来ました。
 おかげさまで、すばらしい方との出会いがあり、すでに業務についていただいています。
 そこで、今回はさらに、「日本語による情報の整理をしていただける方」を募ります。
 この科研のテーマで調査を進めていると、膨大な情報が集まります。それらのデータをエクセルなどで整理するのに、人手が足りなくなりました。外国語が得意な方というのではなく、さらなる情報収集と集まった情報を整理していただける方を求めています。もちろん、この研究は多言語・異文化・学際的な領域を対象としているため、作業内容は多岐にわたります。
 有象無象の情報を整理することに興味のある方、文学関連の情報を収集することに興味のある方に来ていただけると助かります。

 今回は、大阪大学外国学図書館(箕面キャンパス)の斜め向かいに建つ、総合研究棟の1階エレベータ横の掲示板に、次のポスターを掲示していただいています。

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 〈内容〉〈時給〉〈日時〉〈場所〉〈連絡先〉は、掲示されている通りです。前回よりも〈時給〉が少し上がりました。

 翻訳については、在宅で取り組んでいただくことも可能です。翻訳に興味と関心があり、アラビア語・クロアチア語・スロベニア語・フィンランド語・ベトナム語・ポルトガル語・リトアニア語などの言語に長けた方の協力を求めています。

 上記言語の運用および翻訳そして情報の整理ができる方について、お知り合いをも含めて、この情報を拡散していただけると幸いです。他大学の学生さんや、社会人の方も歓迎します。連絡をお待ちしています。
 希望される方は、本ブログのコメント欄を利用して連絡をいただければ、折り返し面談に関してメールを差し上げます。
 
 
 
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2019年10月23日

箕面の研究室にフィットレル先生の来訪を受けて

 大阪大学の日本語日本文化教育センターで招聘研究員(日本古典文学専門)をなさっているフィットレル・アーロンさんが、私の研究室にお出でになりました。日本語日本文化教育センターは、私がいる箕面キャンパスの総合研究棟からすぐ近くの坂の途中に建っています。中国からの庄婕淳さんに次いで、研究者としては2人目の来訪者です。部屋が少しずつ片付いているので、こうしてお出でになってもそれなりの対応がどうにかできるようになりました。
 今日も、たくさんの楽しい話に花が咲きました。フィトレルさんは『更級日記』をハンガリー語に翻訳したことに引き続いて、『百人一首』や「三十六歌仙」に興味をもっているとのことです。フィットレルさんのことは、「平安文学のハンガリー語訳に関する最新情報(フィットレル版)」(2018年06月18日)で紹介しました。

 明々後日26日(土)に、NPO主催の京都でのイベントの話をすると、すでに私のブログをお読みだったこともあってか、参加したいとのことです。フィットレルさんのお仲間で、『百人一首』のハンガリー語訳をなさったカーロイ・オルショヤさんにも、声を掛けてみるとのことです。可能であれば連れて来てもらえそうです。
 そのカーロイさんは、『百人一首』のハンガリー語訳をした方なので、来年の2月にこの私の科研の研究会があれば2人で発表をしたい、とのことです。また、来春発行を予定している『海外平安文学研究ジャーナル 8号』に、2人とも研究論文(資料解説)を投稿したい、とおっしゃってくださいました。ありがたいことです。フィットレルさんには、現在編集が最終段階となっているジャーナルの第7号にも執筆していただいているので、楽しみが増えます。
 さらには、ハンガリー語訳『源氏物語』を日本語に訳し戻すことも、引き受けてもらえました。『十帖源氏』もハンガリー語に翻訳したいとのことです。まずは、ハンガリー語訳『源氏物語』の「若紫」「須磨」「明石」の3巻分のコピーをお渡ししました。
 また1つ、完成が楽しみな翻訳資料が増えます。

 科研(A)として取り組んでいる「海外における平安文学及び多言語翻訳に関する研究」(課題番号︰17H00912)は、途切れることなく情報が集まり、その整理が進んでいます。
 今夏、アルバイトの募集の第2期分を公開しました。
「平安文学の翻訳本に関するアルバイト募集のポスター(その4)」(2019年08月23日)
 今も、この中の「クロアチア語」「スロベニア語」に加えて「ドイツ語」の情報を収集して整理してもらえるアルバイターを探し求めています。

 さらには、諸外国の言語に堪能な方というよりも、集まっている膨大な情報を整理してもらえるアルバイトの方を探し求めています。日本語が読み書きできて、エクセルが普通に使えれば大丈夫です。条件などは、上記2019年08月23日の記事を参照してください。
 いずれにしても、アルバイトのことに関しては、このブログのコメント欄などを活用して連絡をいただければ、私から詳しくお答えします。
 
 
 
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2019年10月18日

ルーマニア語が母語のロマン・パシュカ先生と出町柳で面談

 不思議なご縁で、京都大学のパシュカ・ロマン先生を知ることとなりました。
 簡単な人物紹介は、京都大学のホームページ(http://www.cape.bun.kyoto-u.ac.jp/member/#a_member_pasca)で見ることができます。
 今日は、出町柳でお目にかかり、いろいろと有意義な話を伺う機会が得られました。
 お話の中心は、持参したイオン・スクンピエル氏著「日本ルーマニア関係133年」の巻末資料「ルーマニアで出版されている日本関連書籍」のリストと、在ルーマニア日本大使館のフロレンティナ・トマさん作成の「ルーマニア語に翻訳されている日本文学作品」を見ながらの翻訳書の確認でした。
 今年の3月にルーマニアへ調査旅行で行ったことは、「カンテミール大学訪問後は書店へ」(2019年03月09日)に書いた通りです。その記事にある、カンテミール大学で会った先生方は、みなさんロマン先生のお仲間だったのです。また、翌日の「ブカレスト大学で『百人一首』に関する基調講演」(2019年03月10日)に書いたことも、ロマン先生がブカレスト大学のご出身ということもあり、私がその時に名刺交換した先生方もこれまたお仲間なのです。世界は狭いものだと、いつものことながら実感しました。
 ロマン先生は、『枕草子』のルーマニア語訳に関わっておられました。これについては、古文から訳された1977年版と、それを改訂した2004年版がそうです。1977年版は、時代の趨勢もあり、検閲でカットされたものだったようです。それを、ロマン先生は元版の訳者であるチョンカ先生と相談して補われたのが2004年版だ、とのことでした。これとは別に、2015年版は、英訳からルーマニア語訳にしたものです。オックスフォード大学の先生が関わっておられるようです。これらも、今後の調査で明らかにしていくつもりです。なお、チョンカ先生は現在はドイツにお住まいのようです。機会を得て、その背景などを直接伺いたいものです。
 『源氏物語』に関しては、2017年に刊行されたホンドル先生のルーマニア語訳『源氏物語』以外に、「【速報】1969年版ルーマニア語訳『源氏物語』との出会い」(2019年03月08日)があったことは、すでに報告しました。それに加えて、今日はさらにもう一冊の『源氏物語』に関する情報がいただけました。それは、1985年にEPLUから刊行されたルーマニア語訳『源氏物語』です。これは、フランス語からの重訳のようです。ただし、「葵」巻までのようなので、1969年版のアーサー・ウェイリーの英訳からルーマニア語に訳した『源氏物語』とどのような関係にあるのか、今後さらに調査を進めて行きます。
 今日のロマン先生のお話から、ルーマニアの共産主義時代における出版物に関する影響を考える必要性を痛感しました。私には荷の重いこととはいえ、多分野の方々とのコラボレーションを通して、問題点を浮き彫りにしていきたいと思っています。ご意見などをお寄せいただけると幸いです。
 ホンドル先生のルーマニア語訳『源氏物語』「若紫」巻のコピーをお渡しし、日本語への訳し戻しをお願いしました。
 こうして、ルーマニア語に翻訳された平安文学の調査研究も、少しずつ前進しています。成果が見える形で報告できることを、今から楽しみにしています。
 
 
 
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2019年10月16日

愛知文教大学で翻訳本に関する出張授業

 今日は、愛知文教大学で「海外で読まれている平安文学 −翻訳本の表紙を楽しむ−」と題して、出張授業をして来ました。科研の成果を公開することで、若い学生たちに最新の情報を提供し、一緒に考えるきっかけを作り出そう、とするのが目的です。
 配布する資料の冒頭には、次の説明を掲げました。
 これから、このプログラムをメニューの一つとして、全国各地を回って行く予定です。

開催目的:日本古典文学が海外で受け入れられている現状と世界の書籍文化を知る機会の提供

開催基盤:科研(A)「海外における平安文学及び多言語翻訳に関する研究」
     (課題番号︰17H00912、研究代表者・伊藤鉄也・大阪大学)

後援協力:特定非営利活動法人〈源氏物語電子資料館〉

講義補助:吉村仁志(科研運用補助員、同志社大学・3年生)

配布冊子:『平安文学翻訳本集成〈2018〉』(伊藤鉄也 他3名編、2019年3月)
     【ダウンロード先】https://genjiito.org/aboutkaken/allresearchreports/

閲覧資料:『平安文学翻訳本集成〈2018〉』に掲載した翻訳本から20点を適宜選択

情報公開:「海外へいあんぶんがく情報」(http://genjiito.org

講義概要:
 日本の古典文学の中でも、平安文学は多くの国々で翻訳され、広く読まれている。例えば『源氏物語』は36種類の言語で翻訳されている(2019年10月16日現在)。
 今回は、その翻訳本の表紙と中身および収集の来歴を紹介し、そこから見えてくる今後の新しい研究テーマを紹介する。平安文学を翻訳した本の表紙デザインの多彩さを楽しんでいただけるように、20冊を精選して持参した。世界各国の翻訳本を自分の手で触り、目で見て、表紙絵・装訂・用紙・文字の諸相を体感してほしい。そして、日本の古典文学の中でも平安文学が、さまざまな外国語に翻訳されている状況やその意味を考えていただけると幸いである。


 キャリーバッグに詰め込んで持参した翻訳本20冊は、以下のものてす。

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※『平安文学翻訳本集成〈2018〉』での、持参した20冊の図版番号と翻訳言語
  (G=源氏、H=平安 未収=冊子に未収録)
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〈前掲写真の左側〉(英語・日本語・ビルマ語・タミル語・タイ語・チベット語)

【G10、英語】 【H4、英語】 【H14、『蜻蛉日記』、英語】 【H『百人一首』、英語、未収】

【G日本語訳、未収】【G73、ビルマ語】【G38、タミル語】【G『あさきゆめみし』、タイ語、未収】

【G画帖、英語、未収】 【H11、英語】 【H11、チベット語】
--------------------------------------
〈前掲写真の右側〉(中国語)

【H6】 【H39】 【G『あさきゆめみし』(中国語)、未収】

【G解説、日本語、未収】 【G解説。英語、未収】 【G解説書、中国語、未収】

【G45、繁体字】 【G55、簡体字】 【G42】


 名古屋駅でJR中央線に乗り換え、高蔵寺駅からスクールバスで大学へ行きました。気持ちのいい樹々の中に、爽やかな学校がありました。写真左端の建物の2階が、本日の会場でした。

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 まずは、学長室で少しお話をしました。広報のためにブログ用の写真を、とのことだったので、それでは私も訪問した証明写真を、ということで学長と写真を撮り合いしました。大学の広報紙に、この時の写真が掲載されるようです。

 会場は階段教室が用意されていました。

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 学生には、今春発行した『平安文学翻訳本集成〈2018〉』と、お話する内容を分かりやすくまとめたA4カラー版7枚の資料を配布しました。持参した翻訳本20冊は、教室の前の方に並べました。

 約60分間、レジメを基にして写真やホームページを映写しながら、一般の学生であることを意識して説明を進めます。
 まずは、こんな部屋で世界中の翻訳本と情報を整理していますよ、と箕面キャンパスの研究室の様子を映し出しました。

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 今日の受講生は学部1年生で、科目名は「日本の伝統と文化」です。日頃から科研の資料と情報の整理で箕面キャンパスに来ている科研運用補助員の吉村仁君も同行し、会場で手助けをしてもらいました。
 スクリーンに写真や資料を映写しながら、海外での平安文学の研究状況や翻訳本の実態を語りました。おおよそ、次のような進行です。

 最初に強調したのは、『源氏物語』が36種類の言語で翻訳されていることです。

【『源氏物語』が翻訳されている36種類の言語一覧】(2019年10月16日 現在)

アッサム語(インド)・アラビア語・イタリア語・ウクライナ語・ウルドゥー語(インド)・英語・エスペラント・オランダ語・オディアー語(インド)・クロアチア語・スウェーデン語・スペイン語・スロベニア語・セルビア語・タミル語(インド)・チェコ語・中国語(簡体字)・中国語(繁体字)・テルグ語(インド)・ドイツ語・トルコ語・(現代)日本語・ハンガリー語・ハングル・パンジャービー語(インド)・ビルマ語・ヒンディー語(インド)・フィンランド語・フランス語・ベトナム語・ポルトガル語・マラヤーラム語(インド)・モンゴル語・リトアニア語・ルーマニア語・ロシア語・(※日本点字訳を予定)


 また、近年は英訳『源氏物語』の訳し戻しがなされています。
 ・『ウェイリー版 源氏物語 全4巻』
  (佐復秀樹訳、平凡社ライブラリー、2008年〜9年)
 ・『源氏物語 A・ウェイリー版 全4巻』
  (毬矢 まりえ, 森山 恵、左右社、2017年〜19年)
 具体的には、次のような訳の違いが見られます。
 「Her lodging was in the wing called Kiritsubo.」の“wing”
  →佐復訳「対」、毬矢訳「本殿から離れたウィング」

 同じように私の科研でも、各国の翻訳を訳し戻していることを報告しました。可能であれば、ネイティブスピーカーと日本人の翻訳者の2人で訳すようにしています。

■平安文学作品の翻訳本を日本語に[訳し戻し]すること(※公開準備中)

 各国語に翻訳された文章を日本語に一元化し、それを通して、日本文化が変容して伝えられていく諸相と実態を確認し、研究者等と共同研究の形で考察していく。各国にどのような表現で平安文学が、ひいては日本文化が伝えられているのか、ということを調査研究しようとするものである。日本文学を通して日本文化が海外にどう伝わっているかの究明が、この研究において最終的に取り組む課題となる。


 また、『十帖源氏』を多言語翻訳する取り組みも紹介しました。

『十帖源氏』の翻訳と研究

 日本側で作成した平易な現代語訳を活用して各国で翻訳を進める
  検索表示画面 http://genjiito.org/10jyougenji/10jyougenji_japan/
  (カーン訳) https://genjiito.org/heian_data/glossary_db_kri_02/
  ※各国の翻訳の訳し戻しを基礎資料として、国際集会で共同討議を行なう
 翻訳しやすい現代日本語訳を東京と京都で作成中
 NPO法人〈源氏物語電子資料館〉のホームページから公開中
  http://genjiemuseum.web.fc2.com/10jyo-kiroku.html


 インドにおける8言語による翻訳の例も、日本の文化を多言語に翻訳することの困難さの事例としてあげました。
 併せて、表紙のデザインにも注目してほしいとも。
 例えば、金閣寺や遊女や浴衣等が描かれた表紙絵からは、日本をイメージするアイテムの性格が、国々によって異なることがわかります。アジア諸国は、欧米とは異なるデザインになっているように思われます。これらは、これからの若者に考えてもらいたいこととして提示しました。

 最後の20分は、実際に持参した翻訳本を手に取って見てもらいました。
 質問の中には、なぜこんなにたくさんの平安文学作品が翻訳されているか、ということがありました。よくわからないと前置きをした上で、読んだ内容が京都へ行くと追体験できることも、人気の一つではないか、と答えました。地名や通りや建物が数多く今も残っているので、千年前の日本の話であっても、イメージを作り上げやすいのだと思われます。再確認や再構築することが容易なのです。虚構と現実とが錯綜する楽しみを実感できることが、海外の多くの方々に読んでもらえる背景にあるのではないでしょうか。
 翻訳することの意味も考えましょう、と問いかけました。翻訳本を通して、日本の文化が他国に言葉の移し替えによって伝わります。その伝わり方を調べることは、自ずと異文化交流につながるのです。国際交流の原点に立つことになります。言葉にこだわることの意味を、学生たちには何とか伝えることができたのではないかと思います。
 久しぶりの授業で緊張しました。しかし、心地よい疲れを味わうこともできました。
 今後とも、この取り組みを続けたいと思います。声をかけてくだされば、こちらから翻訳本を持って伺います。まさに、出前授業です。科研の成果を公開するものなので、金銭的な負担はおかけしません。次は、来年2月に行くところがほぼ決まっています。その前後にも可能ですので、お問い合わせいただければ検討させていただきます。
 
 
 
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2019年09月25日

セルビア語が母語のフィリップさんと淀屋橋で面談

 今日は、多くの方からの嬉しい連絡や情報があり、取り組んでいる科研「海外における平安文学及び多言語翻訳に関する研究」(課題番号︰17H00912)の今後の展開がますます楽しみになりました。

 まず、インドでお世話になった村上明香さんが、無事に博士の学位を取って帰国したとのことです。アラハバード大学に留学し、ウルドゥー語の勉強をしてい彼女のおかげで、ウルドゥー語訳『源氏物語』を見つけることができたことは、「ウルドゥー語訳『源氏物語』の完本発見」(2016年02月19日)に書いた通りです。来月、東京で会うことになりました。楽しい夢のある話が、たくさん聞けそうです。

 ルーマニア語に関して、研究協力者の淺川槙子さんの仲介で、京都大学のロマン・パシュカ先生と連絡がつきました。科研のテーマに理解を示してくださっているので、これからいろいろと連絡をとります。私のことは、カンテミール大学の研究仲間から聞いていたとのことです。次の記事に、そのカンテミール大学へ行った時のことを書いています。「カンテミール大学訪問後は書店へ」(2019年03月09日)
 また、心強い研究協力者が加わります。

 昨夏、米国ハーバード大学でお世話になった京都工芸繊維大学の井戸美里さんが、今週末28日(土)に開催する「紫風庵」での「源氏物語と三十六歌仙の写本を変体仮名で読む会」(第5回)に参加するとのことです。美術・絵画を専門とする方なので、この会がますます盛り上がることでしょう。井戸さんとのことは、「写本の調査の後はお茶室を見学し英訳源氏を確認する」(2018年08月30日)に書いています。

 そして先ほどまで、大阪中之島の淀屋橋で、セルビア生まれのフィリップ・ステファノヴィッチさんと楽しい話をしてきました。夜の土佐堀川の川面に光が映り瞬くのを見下ろしながら、セルビアの話を聞きました。

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 セルビア語が母語のフィリップさんは、ベオグラード大学で日本語を勉強し、大阪大学に留学もしていたという、爽やかな青年です。フィリップさんの日本語は、非常に流暢でした。会うまでは、なぜか髭面のおじさん顔を想定していたのです。ごめんなさい。科研の主旨を理解していただき、セルビア語訳『源氏物語』の研究に協力してもらえることになりました。

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 また、セルビア語訳『源氏物語』の翻訳は2003年に出ているので、翻訳者は健在だろうということで、その方を探してもらえることにもなりました。翻訳者と連絡が取れ次第に、現地で直接お目にかかってお話を伺って来ることになりそうです。
 お渡しした『平安文学翻訳本集成〈2018〉』のセルビア語訳に関する記述で、翻訳者の名前のスペルが間違っていることがわかりました。正しくは、「Sreten Ilic(スレーテン・イリック or イリッチ)」です。「I」と「L」は紛らわしい字形をしているので、間違ってしまいました。書誌事項と翻訳史年表共に訂正が必要です。また、書名に「ロマン」(小説)という語は不要だと思われます。これについては、翻訳本の書名をどうするのかという問題として、各国語の表記を再検討して決めたいと思います。
 
 
 
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2019年09月04日

突然の雷雨で電車が運休し小旅行となる

 今日は、外国学図書館で、大学所蔵の翻訳本の確認を書庫の中でしました。書棚一列で、私の手元にない翻訳本が38冊も見つかりました。その棚の裏側の列には、詩歌関係の翻訳本がたくさんあります。他にも、日記や随筆の棚にも翻訳本があります。これらは、来週以降の調査とします。この調査結果は、科研の成果を報告しているホームページ「海外平安文学情報」(http://genjiito.org)に公開しますので、いましばらくお待ちください。

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 受付で司書の方から、この箕面の外国学図書館と豊中の総合図書館とが所有する翻訳本を、OPACを使ってリストアップする方法を教えていただきました。長時間にわたり、丁寧な説明をしていただき感謝しています。私が何でも次々と聞くので、何かとお手数をおかけしています。ありがたいことです。
 しばらくは、こうした情報収集と資料整理に専念することになりそうです。

 午後3時ごろ、阪急の西京極駅から桂駅の間で、落雷に伴う信号関係の故障が発生したようです。そのために、桂駅〜河原町駅間の運転が見合わせとなっていました。私が帰ろうとしていた午後5時過ぎも、まだ復旧していません。振替輸送となっていました。今年の4月以来、初めての通勤電車の運休です。
 どうしたら河原町駅まで帰れるのか、よくわからないままに駅員さんに相談すると、各停で富田駅か高槻市駅か大山崎駅でJRに乗り換えて京都駅に出るしかない、とのことです。ただし、阪急の高槻市駅からJR高槻駅までは徒歩10分。この雨の中で乗り換えは大変なので、富田駅か大山崎駅での乗り換えを勧められました。

 大山崎というと、乗り換えるJR山崎駅のすぐ横に「妙喜庵」がある所です。千利休が作った現存唯一の茶室で国宝の「待庵」がある所です。近くまで行ってみるか、と心が動きました。しかし、そこの拝観は予約が必要であり、今は振替輸送で移動する途中の身です。一番乗り換えが近い富田駅から摂津富田駅へ移動して、京都駅に出ることにしました。
 仕事帰りの小旅行となりました。
 
 
 
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2019年08月27日

『平安文学翻訳事典 2020』の分類項目(試案)と解説項目

 今日は、研究協力者の2人と一緒に、本科研の最終報告書の1つとなる『平安文学翻訳事典 2020』の構成を検討しました。そして、収録する本をどのように整理するかを考えました。この件では、第1回目の打ち合わせとなります。

 これまでに研究代表者として私が、海外の文学研究に関して研究成果を公刊した資料集は、以下の8点があります。
『海外における源氏物語』(2003年)
『スペイン語圏における日本文学』(2004年)
『海外における平安文学』(2005年)
『海外における上代文学』(2006年)
『海外における日本文学研究論文1+2』(2006年)
『日本古典文学翻訳事典1〈英語改訂編〉』(2014年)
『日本古典文学翻訳事典2〈平安外語編〉』(2016年)
『平安文学翻訳本集成 2018』(2019年)

 これらは、統一した分類基準によって翻訳本に関する諸書を整理してはいませんでした。そこで、この時点で基本的な分類項目を立て、今後とも増え続ける翻訳関係の資料を整理するための方針を確認しました。

平安文学関連の翻訳書籍の分類項目
(明治以降、試案、2019/08/27)

(1)翻訳(作品自体の翻訳、現代日本語訳を含む)
(2)抄訳
(3)研究(翻訳者関連本を含む)
(4)解説
(5)小説(翻案)
(6)随想
(7)漫画


 なお、各翻訳本の解説では、一冊ごとに次の項目を立てて説明をして来ました。これは、今後とも継続する予定です。

【言語の種類】
@ タイトル
A 翻訳者
B 出版地
C 出版社・発行者
D 発行・刊行年
E 巻号
F 頁数
G 序文・解説の内容の概略
H 翻訳に用いた底本情報
I 翻訳内容の構成、章立
J 図版、挿絵の有無
K 参考文献の有無
L 索引の有無
M メモ・その他


 この方針で記述した一例として、フランス語訳『伊勢物語』をあげます。

【フランス語】
@『伊勢物語』
  Contes d'Ise (Ise monogatari)
A翻訳者 Gaston Renondeau(ガストン・ルノンドー)
B出版地 Paris(パリ/フランス)
C出版社・発行者 Gallimard(ガリマール出版)
D発行・刊行年 1969 年
E巻号 1
F頁数 184 頁
G序文・解説の内容と概略
 ルノンドーによる『伊勢物語』のフランス語訳。序、解説(7 ~ 11 頁)はいずれも翻訳者自身による。序には、はじめに能楽作品を通じて『伊勢物語』の世界と和歌に触れたとある。また、本書は Frits Vos(フリッツ・フォス)による A Study of the Ise monogatari , 1957 の出版以後の翻訳であり、『伊勢物語』の価値を再評価するために力を尽くした、とある。解説では、まず和歌の形式・修辞法について説明し、『伊勢物語』の成立と年代に関しては、主人公在原業平に関する歴史書の記述や『古今和歌集』(905 年)、『後撰和歌集』(951 年)等に重出する和歌の存在から、成立年代を 951 年頃、もしくはそれ以降とするフォスの説を紹介する。
H翻訳に用いた底本情報
 伝定家筆本
I翻訳内容の構成、章立
 翻訳部分(17 ~ 181 頁)は、全 125 段を、長短を問わず 1段ごとに頁を改めて訳出する。和歌の部分は行と書体を改め、字数を下げ、上句と下句の境を意識しながら主に5行の分かち書きにする。掛詞の翻訳には、詞と掛けられた意味を併記した箇所(108 段)がある。適宜、脚注に有職故実や史実、語釈などを付す。
J図版、挿絵の有無
 翻訳の前に、史料に確認される在原業平の略歴を掲載し、藤原一族及び皇室の系図から業平の系譜上の位置を示す(13 ~ 16 頁)。
K参考文献の有無 −
L索引の有無 −
Mメモ・その他
 表紙には仏の坐像を使用する。Collection Unesco D’ oeuvres Représentatives Série Japonaise シリーズの1つである。翻訳者・ルノンドーには、他に谷崎潤一郎『鍵』(La confession impudique, 1963)、三島由紀夫『宴のあと』(Après le banquet, 1965)などの翻訳がある。


 ここに提示したのは、あくまでも今日の時点での、最初の試案です。
 大方のご意見をいただく中で、検討を重ねながら確定していきたいと思っています。
 ご教示をいただけると幸いです。
 
 
 
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2019年08月23日

平安文学の翻訳本に関するアルバイト募集のポスター(その4)

 すでに3度、私の科研で多言語翻訳に関するアルバイトを募集していることを、本ブログに掲載しました。
 おかげさまで、すばらしい方との出会いがあり、すでに業務についていただいています。
 大学の図書館の入口は、こうした方々の募集には最適なスペースのようです。
 そこで、今回はさらに、「クロアチア語・スロベニア語・セルビア語・ルーマニア語」の言語に関して、アルバイトとして来てくださる方を募ります。

 今回も、大阪大学外国学図書館(箕面キャンパス)の入口に、次のポスターを前回のものと張り替えて掲示していただいています。

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 〈内容〉〈時給〉〈日時〉〈場所〉〈連絡先〉は、掲示されている通りです。
 翻訳については、在宅で取り組んでいただくことも可能です。

 上記言語の運用および翻訳ができる方について、お知り合いを含めて情報を拡散していただけると幸いです。他大学の学生さんや、社会人の方も歓迎します。連絡をお待ちしています。
 希望される方は、本ブログのコメント欄を利用して連絡をいただいても構いません。
 
 
 
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2019年08月13日

ビルマ語の研究者と念願の面談をして

 大阪大学 外国語学部 ビルマ語専攻の大塚先生と、長時間にわたり親しくお話をしました。昨晩シンガポールから戻って来られ、明日から9月15日までミャンマーで調査というハードスケジュールの隙間に、こうして貴重な時間を割いて下さいました。ありがたいことです。この面談は、ヤンゴンでお世話になったココライズジャパンの長田さんが間に入ってくださったことで実現したものです。
 場所は、私の研究室がある総合研究棟に接する研究講義棟B棟でした。初対面ということで、まずは次の3点の希望するところを伝えました。

(1)ビルマ語に翻訳された日本文学と日本文化に関する約130点の書籍のリストが、現在手元にあります。ただし、その書誌が未整理なので、このお手伝いをしてもらえるアルバイトの学生さんを紹介してもらえないか。

(2)ビルマ語に翻訳された平安文学関係の作品を、わかりやすい日本語に訳し戻してもらえる方を紹介してほしいこと。具体的には、『百人一首』と『三十六歌仙』のビルマ語訳を手始めに。

(3)NPO法人〈源氏物語電子資料館〉のホームページから公開している、ダイジェスト版『十帖源氏』の「須磨」巻と「明石」巻をビルマ語に翻訳できる方を紹介してほしいこと。


 それぞれに、適任者を探してくださることになりました。
 また、井上先生と南田先生を紹介していただけるとも。長年、日本とビルマの文化交流に関わってこられた先達のアドバイスをいただけることで、この科研の情報の質が格段にあがることでしょう。
 さらには、去年と今年の2回にわたって私が行った、ヤンゴン外国語大学には教え子が今年度から行っているとのことなので、次回行った時には最新の情報交換ができます。新しいネットワークが、これまでの人脈をさらに補強できます。ありがたいことです。
 最後に、ビルマ語とミャンマー語の使い分けについて、お尋ねしました。私が今使っているビルマ語という表現でいい、というのが結論です。政治的な視点からはいろいろとあるにしても、ニッポンとニホンが通用するように、どちらでも問題はないそうです。文化論の範疇で扱うことでもあり、今後ともビルマ語で通すことにします。
 今春から、旧・大阪外国語大学の箕面キャンパスに研究室を持つようになりました。それによって、願ってもない研究環境に身を置いていることを実感する日々となっています。これまでに本科研「海外における平安文学及び多言語翻訳に関する研究」(課題番号︰17H00912)に理解を示してくださった多くの方々に感謝するとともに、この環境を生かして、さらに稔り多い成果に結びつくように、調査と研究を展開していきたいと思います。
 
 
 
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2019年08月07日

箕面キャンパスでの新しい研究室のレイアウト

 本年4月から、研究環境が大きく変わりました。大阪府下箕面の地に研究活動の拠点を移し、気分一新でスタートしたことは、すでに報告した通りです。ただし、提供していただいた研究室は、90平米もある広い部屋でした。プレゼンテーションルームと呼ばれていた大広間です。

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 普通の研究室の3部屋分あるので、この部屋をどう使うか思案しながらの5ヶ月でした。荷物を運び込んだ当初の様子は、
「微笑んでいるように見えた太陽の塔」(2019年04月03日)

「楽しい偶然が重なって稔りある一日になる」(2019年04月09日)、
そして
「京洛逍遥(541)新研究室の整理をした帰りに嵯峨野温泉へ」(2019年04月24日)
に書きました。


 什器が何もなかったので、引越しの時に運び込んだダンボール箱を組んで、簡易書架を作って対処しました。
 しかし、いつまでもこのままではいけないので、什器を購入していただくことにしました。机、イス、作業用のテーブルなどです。

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 そのうち、ダンボールで組み上げた本箱が、次第に変形しだしたのを機に、カラーボックスを手配しました。貴重な翻訳本や書類などを管理するためです。昨日、そのカラーボックスが25個届きました。組み立ててあるものだと思っていたところ、それは私の方で組み上げるものだったのです。発注の仕組みがまた理解できていないこともあり、いろいろと思い違いがあります。
 とにかく、カラーボックスはこちらで組み立てるしかありません。普通の3段ボックスが15個と、A4版が縦に入る少し背の高い3段ボックスが10個あります。
 特任研究員の大山さんが、ご自宅から電動ドライバーを持ってきてくださいました。これは大助かりで、この工具は今回の組み立て作業で大活躍しました。
 組み立てのほとんどは、アルバイトで来ている吉村君が大奮闘してくれました。おかげで、25個のカラーボックスを、2日がかりで合計400本のネジを捻じ込んで完成させることができました。私も何個かを組み立てました。

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 このカラーボックスを段ボール箱と置き換えた部屋全体は、こんな雰囲気になりました。
 翻訳本は、これも吉村君の手際の良い整理のおかげで、翻訳言語別に見事に並べて終わりました。次の写真の正面奥に4段に積み上げてある段ボール箱は、来週撤去するものです。

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 壁際には、梱包されてきた段ボールが積み上がっています。この風景も、今回の貴重な記録です。

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 あとは、これから時間をかけて、A4版の書類や資料を整理します。もちろん、研究書や資料集などは、まだ床に積み上げたままの状態です。根気が求められています。とにかく、これでやっと何とか整った環境で研究が進められます。
 翻訳本や関連資料をご覧になる方のために、閲覧用の丸テーブルも用意できました。資料確認やさまざまな情報の活用にと、これまでに収集整理したものが役立つことでしょう。本年3月に発行した『平安文学翻訳本集成〈2018〉』に掲載した翻訳本などの確認も、この新しい研究資料室でできるようになりました。

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 遅ればせながら、半歩前進です。ただし、アルバイトの方々に作業をしてもらうエリアは、これから整備していきます。今月から来月にかけて、あと3名のアルバイトの方(ロシア・インド・ミャンマー)に手助けしていただく予定です。

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 現在、ミャンマー、モスクワ、ウクライナ、オーストラリアへの、調査研究の旅を計画しています。平安文学に関連した新しい情報をお持ちの方からの、調査の協力や連絡をお待ちしています。
 
 
 
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2019年07月30日

ロシア語の資料と情報を整理できる方と面談をして

 科研で、ロシア語を担当していただけるアルバイト希望の方と、箕面キャンパスの研究室でお話をしました。図書館に掲示していたポースターが目に留まったことから、仕事をしてみたいとの連絡があったのです。
 お目にかかったのは、大阪大学外国語学部でロシア語を勉強しておられる方です。先月6月までの1年間、サンクトペテルブルグに交換留学生として行っていたとのこと。モスクワでの留学経験もあるそうです。心強い助っ人がまた一人、この科研に加わります。ウクライナ語の勉強もしていたとのことなので、ちゃっかり最近刊行されたウクライナ語訳『源氏物語』のこともお願いしました。
 手掛けたいことは無限にあります。それはともかく、まずは一歩ずつ進みます。
 集めた情報や成果は、その都度、ホームページ「海外へいあんぶんがく情報」に公開します。この科研は、コラボレーションによる共同研究で進めています。専門家や関係者からの、折々のご教示をいただけると、ささやかな報告も大きな稔りに成長していくことでしょう。
 引き続き、インド諸語とルーマニア語による平安文学情報の収集と整理をしてくださる方を、探し求めています。新しい出会いを楽しみにしていますので、このブログのコメント欄を活用して連絡をください。折り返し、面談についての返信を差し上げます。
 大阪大学で科研の事務を担当なさっているみなさまへ。
 次から次へと、矢継ぎ早に急なお願いばかりで申し訳ありません。
 もろもろ、ご高配のほどを、よろしくお願いいたします。
 
 
 
posted by genjiito at 19:52| Comment(0) | ■科研研究

2019年07月22日

平安文学の翻訳本に関するアルバイト募集のポスター(その3)

 すでに2度ほど、科研で多言語翻訳に関するアルバイトを募集していることを、本ブログに掲載しました。

(1)「平安文学の翻訳本に関するアルバイト募集中」(2019年04月17日)
 (ここでは、「インド諸語、ビルマ(ミャンマー)語、ルーマニア語を最優先で」と。)

(2)「続・平安文学の翻訳本を整理するアルバイトを募集中」(2019年06月12日)
 (ここでは、ロシア語を追加。)

 その後、特に問い合わせも希望者もないままに、今に至っています。条件としての言語があまりにも限定されているので、該当する方にこの募集案内が届いていないかと思われます。

 そこで、大阪大学外国学図書館(箕面キャンパス)の入口に、今月初旬から、次のポスターを掲示していただいています。今春よりアルバイトで来ている吉村君が、このかわいいポスターを作ってくれました。

190721_Arbeit.jpg

 ここにも記したように、次の言語に親しんでおられる方を求めています。翻訳については、在宅で取り組んでいただくことも可能です。

インド諸語、ビルマ(ミャンマー)語、ルーマニア語・ロシア語


 この内、ビルマ(ミャンマー)語については、来月中旬の面談しだいで適任者を紹介してもらえることが期待できる状況にあります。
 いずれにしても、「インド諸語、ビルマ(ミャンマー)語、ルーマニア語・ロシア語」の運用および翻訳ができる方について、お知り合いを含めて情報を拡散していただけると幸いです。
 
 
 
posted by genjiito at 19:27| Comment(0) | ■科研研究

2019年06月12日

続・平安文学の翻訳本を整理するアルバイトを募集中

 本年度が始まってすぐの4月17日に、「平安文学の翻訳本に関するアルバイト募集中」という記事を公開しました。
 このことで、再度の募集のお知らせです。

 科研「海外における平安文学及び多言語翻訳に関する研究」(課題番号︰17H00912)では、平安文学に関する翻訳本の整理を進めています。多彩な言語にわたるものなので、手助けをしてくださる方を募っています。
 次の言語が母語で日本語を普通に運用できる方と、日本語が母語の方で次の言語を日本語に翻訳できる方を探し求めています。翻訳は、文学的な表現を求めているのではなく、逐語訳ができるレベルで大丈夫です。翻訳本に関する資料作成のお手伝いをお願いしたいのです。

インド諸語・ビルマ(ミャンマー)語・ルーマニア語・ロシア語


 現段階では、以下の条件を考えています。

 ※時給:950円(交通費の支給なし)
 ※日時:火 or 水曜日/11時〜16時の5時間以内
 ※場所:大阪大学箕面キャンパス 総合研究棟 6階
     (大阪府箕面市粟生間谷東8丁目1)

 やってみようと思われる方は、このブログのコメント欄を活用してお知らせください。直接お目にかかって、実際の翻訳資料をもとにしてご説明いたします。
 なお、成果は科研のホームページ[海外へいあんぶんがく情報](http://genjiito.org)に公開し、お名前は研究協力者の中のアルバイトの項目に明記します。これは、情報の質を確保する意味で責任の一端を共に担っていただく意味から、この科研では常に心がけていることです。
 
 
 
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2019年06月07日

大阪大学外国学図書館の貴重な資料群

 私の新しい研究室のすぐ隣には、外国語学部の研究室が入ったB棟があります。
 その3階から上には、これまで探し求めて来た海外の翻訳本情報や、貴重なアドバイスがいただける研究室が並んでいます。

190607_panel.jpg

 『源氏物語』は、今日現在で36種類の言語で翻訳されています。先日報告したように、最近確認できたのが、36番目となるウクライナ語訳『源氏物語』です。平安文学となると、さらに言語の種類は増えそうです。とにかく、日本の文学は、それも古典文学は世界中の言語に翻訳されているのです。
 上の写真の多彩な言語を担当されている研究室を見ても、今はまだ確認できていない『源氏物語』を翻訳した言語は、デンマーク語・ペルシア語・スワヒリ語・タイ語・インドネシア語・フィリピン語があるのです。これらも、直接研究室を訪問して先生にお目にかかり、またその国から来ている留学生たちに話を聞けば、まだまだ見つかりそうです。その研究室訪問の計画は、現在準備を進めているところです。

 そのB棟の前、私の研究室の真下には、大阪大学外国学図書館があります。
 今回、図書館の利用手続を終え、書庫に入ることができました。まさに、私にとっては垂涎の資料の宝庫でした。

 日本文学作品が並ぶ書棚には、日本語の本の間に翻訳本が寄り添うように置かれていました。私は日本語と英語しか認識できないので、これらはどのような本であるのかを、研究協力者の手を借りて後日あらためて調査します。表紙を見た限りでも、まったく知らない本が多くありました。

 オンライン蔵書検索(OPAC)で、所蔵資料はわかります。いや、わかるはずです。しかし、これまでの経験では、自分で直接書籍や資料を手にしてみないと、確かなことは言えません。コンピュータの記録やシステムは、あくまでも文字化された情報の集積です。文字列にされた時点で、削ぎ落とされた情報を、本そのものは持っています。まずは表紙の絵が、OPACではわかりません。

 言語がわからなくても、私はまずは勘に頼って本を仕分けています。その後に、専門の方に教えていただくのです。まずは勘から、というのが、一番の近道のように思っています。科学的な研究手法ではありません。しかし、これまでにこの手法で、絶対にないといわれて来た本を何冊も見つけ出して来ました。これも、立派な研究手法だと思います。

 それよりも何よりも、この図書館の書庫で驚喜したのは、コレクションの多さでした。
 例えば、「ユーゴ関係コレクション」「リトアニア語寄贈図書」「台湾研究講座関連図書」に始まり、退職なさった先生方の寄贈図書群である「スペイン語関係」「ブラジル・ポルトガルコレクション」「ヤンゴン大学寄贈図書」「ビルマ語関係」「中央アジアコレクション」「インド関係」「インド・パキスタン関係」「インドネシア語関係」「南十字星文庫」「北欧関係」「中国語・中国文学」「サハラ以南 アフリカ言語文化コレクション」などなど。ここには、先生のお名前を冠した文庫は取り上げていません。
 さらには、膨大な量の海外の新聞・雑誌・書評などの印刷物。

 この書庫の整理だけでも、翻訳本の有無はともかく、世界に紹介されている日本文学の全体像を明らかにする手がかりが得られます。それだけでも、ますます夢が広がります。

 この大阪大学外国学図書館が所蔵する平安文学の翻訳本の情報と、私が持っている本のリストを統合したものが出来たら、東京外国語大学の図書館の資料と突き合わせてみたいと思います。
 それによって、「海外へいあんぶんがく情報」(http://genjiito.org)から公開している翻訳史年表も、さらに詳細なものとなることでしょう。

 こうした作業のお手伝いをしてくださる方を探し求めています。謝金がどのように使えるのか、まだ研究基盤機関が変わったばかりなので、その実状がわかりません。とにかく、ご自分の勉強を兼ねての原本調査の協力、ということで、連絡をいただけると幸いです。
 
 
 
posted by genjiito at 21:26| Comment(0) | ■科研研究

2019年05月30日

科研の実績報告書ができました

 昨年度の科学研究費補助金による基盤研究(A)の取り組みは、「海外における平安文学及び多言語翻訳に関する研究」(課題番号︰17H00912)をテーマとするものでした。
 その成果・実績の報告書が学振(日本学術振興会)から公開されるまでに、しばらく時間がかかります。そこで、その研究実績の報告書の一部をここに引用します。
 交付された直接経費は〈7,900,000円〉、間接経費は〈2,370,000円〉、未使用額は〈68,793円〉でした。
 多くの方々に助けられて、多くの成果をあげることができました。
 あらためて、関係するみなさまにお礼を申し上げます。
 まだ後2年あります。
 これまでと変わらぬご支援を、引き続きよろしくお願いします。

【研究実績の概要】


 本年度も、海外の研究情報と翻訳本を収集する活動と共に、現地の大学及び国際交流基金とのコラボレーションとしての国際研究交流を実施した。出向いた国は、ペルー・アメリカ・ミャンマー・ルーマニアの4カ国であった。いずれも先生方や現地の研究者との有益な面談に加え、多彩な研究情報や資料と、情報として伝わっていなかった多くの翻訳本を入手することができた。特に今年度は、ルーマニア語訳『源氏物語』の情報と共に翻訳者との対談も実現したことは大きな成果となった。これらは、年度末に発行した報告書である『平安文学翻訳本集成〈2018〉』に収録している。
 また、翻訳書籍に関する展示も、昨年度に引き続き開催した。研究代表者が収集した各国語に翻訳された古典文学作品について、解題を付して展示を行ったものである。多くの学生、教職員の目に留まるようにした。
 各国語訳『源氏物語』の訳し戻しは、世界35言語に翻訳された『源氏物語』を、その言語を母語とする者(母語話者)と母語としない者(非母語話者)により、日本語への訳し戻しを行っている。今年度は、主にビルマ語訳『源氏物語』(ケィン キン インジィン著)の訳し戻し作業を行い、日本文化の変容を考察する基礎資料を作成した。このことは、研究会に翻訳者ご本人をお呼びし、ディスカッションをする中で翻訳について考えた。
 懸案のホームページ「海外へいあんぶんがく情報」(http://genjiito.org)は、年度末に無事に完成し公開することができた。これは、前回の科研で作成した「海外源氏情報」をさらに発展させた内容のホームページである。今後は、このホームページを情報公開の窓口として、これまでの研究成果を広く共有しながら本科研のテーマを追求し、深めていきたい。(752字)


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【現在までの進捗状況】


(1)当初の計画以上に進展している。

 当初設定した、研究期間の4年間で調査研究によって解明する目標は、次の3点であった。
 1. 世界各国で翻訳されている平安文学の総合的調査を実施し、各国の受容史と研究史を整理
 2. 江戸時代の簡約版『十帖源氏』を多国語翻訳し、日本文化の変容と理解について共同研究
 3. ホームページや電子ジャーナル等のメディアを活用して、研究者が情報交換をする場所を提供
 この内、1は予想以上に情報が集まり、受容資料としての翻訳本も確実に収集点数を増やしている。また、
 3のホームページ[海外へいあんぶんがく情報](http://genjiito.org/)も年度末に稼働しだしたことにより、コラボレーションが具体的に実現しつつある。
 そうした中で、2の『十帖源氏』の多国語翻訳は、これまでの基盤整備を踏まえて実施するものであり、3年目の2019年度の課題となっている。この2年間で得られた情報と人脈を有効に活用して、多国語翻訳を進展させていきたい。また、このテーマの遂行にあたり、これまで構築した人脈を活かして幅広い多彩な翻訳を実現したい。(460字)


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【今後の研究の推進方策】


 本研究課題の今後の推進方策は、3年目に具体的に展開する『十帖源氏』の多国語翻訳の実施が中心となるはずである。『源氏物語』の第12巻「須磨」と第13巻「明石」を、翻訳の対象として予定している。そして、その成果はホームページのみならず、電子版『海外平安文学研究ジャーナル』に掲載して公開することとなる。
 電子版『海外平安文学研究ジャーナル』は、これまでに第6号まで発行している。次は、これまで2年間の成果を盛った第7号(今秋発行予定)と、本年度末に発行する第8号である。そこには、これまでに収集した情報と翻訳本、そして『十帖源氏』の多国語翻訳の掲載である。また、『海外平安文学研究ジャーナル〈ミャンマー編〉』の編集も最終段階となっている。
 こうした方向性を定めた研究を遂行していくことで、「1.翻訳から見た日本文化の変容」「2.『十帖源氏』の翻訳と研究」「3.共同研究基盤の整備」が関連しながら成果として公表できるものとなるはずである。
 また、「国際日本文学研究交流集会」の開催も、今後取り組むものである。これは、これまで研究環境が十全ではなかったために、実施が遅れていたものである。開催に向けての準備は整ってきたので、国内と海外で開催する段取りを進めているところである。(533字)

 
 
 
posted by genjiito at 20:39| Comment(0) | ■科研研究

2019年03月18日

『平安文学翻訳本集成〈2018〉』で補訂すべき箇所(その1)

 『平安文学翻訳本集成〈2018〉』が完成しました。[海外へいあんぶんがく情報](http://genjiito.org/aboutkaken/allresearchreports/)からダウンロードして、自由にご覧いただけるようにしました。
 この冊子は、「まえがき」にも書いたように、「さらに新しい情報や訂正および追補の呼び水になれば」という趣旨で作成しました。そして、「本書の増補改訂版は、2020 年に発行する予定です。」とある通り、今後2年間でデータの再点検をします。
 現在(2019年03月18日)のところ、以下のような不備を確認しています。

190307_『平安文学翻訳本集成《2018》』正誤表.jpg

 おそらく、より正確な情報を集積するためにも、もっともっと手を入れることになろうかと思います。
 不備などに気付かれたその折々に、ご教示いただけると幸いです。
 なお、本日いただいた補正に関する情報は、以下の通りです。
 ご教示、ありがとうございます。

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S氏より(2019.03.18)
 「能」のスペイン語訳が今から約100年ほど前に日本で出ており、『平安文学翻訳本集成〈2018〉』に記載された53番より、大分前の刊行となります。
 なお53番の訳者の名前をカタカナ表記する場合は、「クララ・ハネース」かと思われます。

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A氏より(2019.03.18)
 冊子の134pで、Antonio Cabezasのスペイン語版『伊勢物語』は、「1969年」と記載があります。しかし、手元の同書を確認したところ、「初版の刊行年」は「1979年」のようです。(Cinii Booksなどの図書館横断検索の結果も、1979で、1969のデータは見あたりません。)「初版」が79年ということは、69年段階ではまだ未刊行でしょうから、表中の「1969年」は、もしや「1979年」の誤りで、この年からは削除して良いのではないでしょうか。
 なお、143pの「1979年」のほうは、下から2段目にCabezasのスペイン語版 『伊勢物語』が出ています。この143pのほうは、実物の書誌データと一致します。となると、134pのほうの「1969年」の記載は、ダブりではないかと思うのです・・・。

 
 
 

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2019年03月15日

新ホームページ[海外へいあんぶんがく情報]を公開

 昨日、伊藤科研「海外における平安文学及び多言語翻訳に関する研究」(17H00912)の成果を盛り込んだホームページ[海外へいあんふんかく情報](http://genjiito.org)を公開しました。アドレスは、これまでの「海外源氏情報」と同じです。

190315_NewHP.jpg

 まだまだ、完成にはほど遠いものです。不備も多く残っています。それを承知での公開です。いろいろと確認や点検を進めています。そのような中で、これまでの経緯が経緯だっただけに、一日も早く、少しでも多くの情報を公開しながら、補訂を繰り返しながら、よりよいものに仕上げていく方針で取り組んでいます。
 お気付きの点は、ホームページの「お問い合わせ」(改装)コーナー(http://genjiito.org/attention/inquiry/)から、遠慮なくお知らせいただけると幸いです。

 最新のデータとしては、先週発行した電子版『平安文学翻訳本集成〈2018〉』のダウンロードデータ(http://genjiito.org/aboutkaken/allresearchreports/)があります。その説明文を引きます。

■平安文学翻訳本集成〈2018〉■


 伊藤鉄也・池野陽香・門宗一郎・田中良 編/2019年3月18日発刊(非売品)
上掲『日本古典文学翻訳事典 1・2』を受けて、平安文学を中心に書籍情報を表紙画像と共に集成した。あくまでも編者の手元に集まった本だけの収録であり、当座の用途のために配布する試行版。訂正追補の呼び水になれば幸いである。


 収集集積した情報とデータを育てる中で、その情報資源と研究のノウハウを次の世代に受け渡す役割をも果たすべく、これからも本科研のテーマを掲げて研究活動をしていきます。その窓口として、このホームページが有機的な役割を果たすような仕掛けを、これから利用者のみなさまと一緒に考えて行きたいと思います。
 この情報公開のスタート地点に立つまでに、1年11ヶ月もの日時を要してしまいました。まったくの不運に見舞われたと思わずに、情報発信をスタートできた喜びを抱いて、ひたすら前を見て歩んで行くつもりです。
 これまでと変わらぬご協力とご支援を、よろしくお願いします。
 
 
 
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2019年03月14日

第12回研究会の後に研究室と作業室を撤収退去

 「海外における平安文学」の第12回研究会を、大阪観光大学明浄1号館4階141セミナールームで開催しました。

190314_tirasi.gif

 開会の挨拶を私がした後、参会者の自己紹介がありました。

続いて、

(1)大山佳美さん(本科研プロジェクト研究員)から「2018年度の活動報告と2019年度の活動予定」が報告されました。その多彩な活動の中身は、近日中にホームページを通して公開します。

 引き続き研究発表です。

(2)小笠原愛子さん(和歌山工専・講師)が、「桐壺更衣に準えられた后妃たち −『今鏡』の后妃記事に見る『源氏物語』享受の様相−」と題して、歴史物語の新しい見方を示してくださいました。
 『今鏡』は平安時代の秩序と違う書き方をしている、ということから始まり、「桐壺」巻ではできなかった皇妃の扱いが、院政期ではできたことが多い、という指摘がありました。『今鏡』は、あまり読まれない作品です。それだけに、さまざまな切り口があることがわかりました。特に、桐壺更衣に重ねられる美福門院得子などには、翻訳とでも言うべき変容がうかがえて興味深い発表でした。
 質問としては、平安時代に日本書紀が読まれていたけれども、それが中断されてから、『大鏡』はどれだけ読まれていたのか、『今鏡』も当時はどれだけ読まれていたのか? などなど。時代背景に関するやりとりがありました。

 続いて、もう一つ研究発表です。

(3)フィットレル・アーロンさん(大阪大学・講師)は、「本歌取りの翻訳の可能性について」と題して、『新古今集』を中心とした和歌を英訳した場合を例示して、本歌取りに関する英訳の特色と違いを検討するものでした。Honda 訳、Rodd 訳、Mostow訳を比較検討しながら、引歌の認定や解釈の諸相に切り込むものです。あくまでも中間報告としながらも、多彩な観点からの考察です。
 質問としては、翻訳者においてルールがあるのか、とか、西洋の引用などの実態についてや、解釈と美的な視点での格調の違いについて、などがやり取りされました。
 帰りに電車の中でフィトレルさんから、『平安文学翻訳本集成〈2018〉』の翻訳史年表の間違いをいくつか指摘していただきました。忘れない内に、ここにメモとして残しておきます。
1978『枕草子』
 ハンガリー語 → ルーマニア語
1977『枕草子』
 ハンガリー語 → ルーマニア語
1875『土左日記』
 ドイツ語 → 英語

(4)最後は研究協力をしてくれた学生たちです。「2018年度の活動から学んだこと」と題して、アルバイトとしてこの科研での調査や研究に関わって来ての感想を、一人ずつ述べてもらいました。

・街中の変体仮名が気になりだした
・本屋で洋書コーナーに行くようになった
・知らない言語を見るのが楽しくなった
・展示を通して多くのスキルを学んだ
・編集でフォントの違いと扱い方を知った
・仕事の裏側を知って人の苦労がわかった

 とにかく、楽しくディスカッションができる仲間たちと一緒に、いろいろなことに挑戦した2年間でした。今日で、活気に満ちた研究室と作業室は、すべての物を撤収したために何も物がない部屋となりました。幕が下ろされた、というのが一番正しい表現でしょう。
 充電式の掃除機が、途中でバッテリーが切れたために、絨毯などの掃除が完全ではないことが心残りです。それでも、研究生活を支えてくれたフロアには感謝の気持ちを込めて、丁寧に掃除をしました。気持ちよく退去することとなりました。
 8階の研究室と作業室の2部屋の鍵と、私の職員証を事務の担当者に返却したのは、3月14日(木)午後5時半だったことを、ここに記し留めておきます。

 慌ただしく研究室を出て、駅前のインド料理屋での懇親会へと移動しました。多彩なメンバーが寄り集まったこともあり、さまざまな話題で楽しく親しく話ができました。
 8時まで盛り上がったこともあり、家に辿り着いたのは日付が変わる直前でした。
 この科研に関わってくださった方々に、あらためてお礼を申し上げます。
 多くの方々に助けられながらの2年間でした。
 ありがとうございました。
 
 
 
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2019年03月12日

伊藤科研:第12回研究会のお知らせ

 伊藤科研で開催している第12回研究会「海外における平安文学」を、下記の要領で開催します。外部参加も可能です。

■基盤研究(A)課題番号:17H00912■
「海外における平安文学及び多言語翻訳に関する研究」



・日時:2019年3月14日(木)14:00〜17:00
・場所:大阪観光大学(〒590-0493 大阪府泉南郡熊取町大久保南5-3-1/072-453-8222)
  明浄1号館4階141セミナールーム

・内容:海外における平安文学
        14:00~14:05 挨拶(伊藤鉄也)
        14:05~14:20 自己紹介
        14:20~14:30 報告「2018年度の活動報告と2019年度の活動予定」
                            (大山佳美)
        14:30~15:10 研究発表「桐壺更衣に準えられた后妃たち
          −『今鏡』の后妃記事に見る『源氏物語』享受の様相−」
                            (小笠原愛子)
        休憩(20分)
        15:30~16:10 研究発表「本歌取りの翻訳の可能性について」
                       (フィットレル・アーロン)
        休憩(20分)
        16:30~16:50  報告「2018年度の活動から学んだこと」
           (池野陽香、門宗一郎、田中良、松口果歩、松口莉歩)
        16:50~17:00  挨拶(伊藤鉄也)
                連絡事項

※ご出席のみなさまは、ご印鑑(出張書類押印用)を必ずご持参くださいますよう、お願い申し上げます。
※なお、研究会終了後に懇親会を予定しております。
      懇親会 17:30~19:30 【タージマハルエベレスト】
                  〒598-0021 大阪府泉佐野市日根野2496−1
                           イオンモール日根野2F
                       072-467-1139

 
 
 
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2019年01月06日

現在構築中のHP[海外平安文学情報]にご意見をお寄せください

 昨年末から、科研の成果を公開することで情報交換や交流をする場としてのホームページ[海外平安文学情報]の構築に、鋭意取り組んでいます。
 これは、これまで公開していた「海外源氏情報」(http://genjiito.org)を継承し、さらに充実したサイトを構築しようとしているものです。
 それまでの経緯は、「科研のHP[海外へいあんぶんがく情報]が半歩前進」(2018年11月24日)に報告した通りです。

 現在、以下のような項目(見取図)で進んでいます。多分に、ベースとなる「海外源氏情報」の色彩が濃いものとなっています。しかし、これは公開しながら手を入れ、平安文学に特化した[海外平安文学情報]に転進させていきたいと思っています。
 以下に揚げる項目をご覧いただき、さまざまな意見をお寄せいただけると幸いです。研究手法としては、コラボレーション(共同研究、共同開発、共同制作、共同構築)を意識して取り組んでいます。そのためにも、折々にこのホームページの運用にあたってのアドバイスをいただき、お役に立つ情報群の集積としてのウェブサイトに育てていきたいと思います。
 最終的には、利用に資するデータベースになるよう、時間をかけて育て上げることを目標として取り組みます。本科研(「海外における平安文学及び多言語翻訳に関する研究」課題番号︰17H00912)が終了した後は、特定非営利活動法人〈源氏物語電子資料館〉がその運用を引き継いで行きます。あと2年で終わらない、末長く続く情報サイトでもあります。末長く利活用していただけるように、多くの方々のご理解とご協力のもと、若者たちを育てることも視野に入れたウェブサイトにしていきます。ご支援のほどをよろしくお願いします。

【 トップページ 】


■研究と成果
 あいさつ
 目的 / 意義 / 概要
 研究会報告一覧
 研究報告書一覧
  『日本古典文学翻訳事典 1・2』正誤表
 研究計画のあらまし
 組織・海外協力者
 過去の実績と関連する研究

■源氏物語情報
 『源氏物語』翻訳史
 現代語訳『源氏物語』年表

■平安文学情報
 平安文学翻訳史

■〈オンラインジャーナル〉
 海外平安文学研究ジャーナル インド編-2016-
 海外平安文学研究ジャーナル vol.1.0
 海外平安文学研究ジャーナル vol.2.0
 海外平安文学研究ジャーナル vol.3.0
 海外平安文学研究ジャーナル vol.4.0
 海外平安文学研究ジャーナル vol.5.0
 海外平安文学研究ジャーナル vol.6.0
 海外平安文学研究ジャーナル ミャンマー編-2018-(編集中)
 海外平安文学研究ジャーナル vol.7.0(編集中)

■〈論文検索〉海外 – 源氏物語・平安文学

■〈論文検索〉翻訳 – 源氏物語・平安文学

■十帖源氏
 『十帖源氏』「桐壺」対訳
 現代語訳『十帖源氏』一覧

■〈資料〉海外・平安文学
 『十帖源氏』「桐壺」英訳
 対訳データベース
 海外タイトル一覧表

■各種Infomation
 『源氏物語』関連インフォメーション
 科研サイト更新&進捗情報
  2014年度〜

■サイトの諸注意(リンク・利用など)と情報提供のお願い
 お問い合わせ及びご教示の内容
 研究発表イベント連絡フォーム

 
 
 
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2018年12月23日

翻訳本ミニ展示「比べてみよう!『源氏物語』における翻訳の差《英語編》」

 昨年より好評のうちに大阪観光大学図書館1階で開催している[翻訳本のミニ展示]も、前回からは翻訳された文章の巻頭部分が読めるように工夫をしました。中国からの留学生が多いこともあり、まずは【中国語訳】の展示でした。

「翻訳本ミニ展示「比べてみよう!『源氏物語』における翻訳の差《中国語編》」」(2018年10月10日)

 それに続く今回は、以下の説明文にあるように、もっとも読者が多い【英語訳】を取り上げました。

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 今回も、伊藤科研(A)で研究協力をしてくれている学部2回生の池野陽香さん、門宗一郎くん、田中良くんが、選書・演示・解説資料の作成などなど、展示のすべてを担当しました。これまでの経験が回を追うごとに蓄積され、さまざまな配慮が見られる展示となっています。会場に足を運んでいただき、ゆっくりとご覧ください。

■比べてみよう!『源氏物語』における翻訳の差《英語編》■


       開催期間:2018年12月13日〜2018年3月7日
       場所:大阪観光大学 1階階段前

 今回の特設コーナーでは、『源氏物語』における英語訳の翻訳の差を比較していただけるように、5冊の翻訳本を選びました。元は同じ『源氏物語』という作品であっても、翻訳者が異なり、参考にした底本(翻訳するときに使用した書籍)が異なると、翻訳文もこのように違ってきます。
 「桐壺」巻の冒頭部分を展示しましたので、読み比べて楽しんでください。

【『源氏物語』が翻訳されている34種類の言語】
アッサム語(インド)・アラビア語・イタリア語・ウルドゥー語(インド)・英語・エスペラント・ オランダ語・オディアー語(インド)・クロアチア語・スウェーデン語・スペイン語・スロヴェニア語・セルビア語・タミル語(インド)・チェコ語・中国語(簡体字)・中国語(繁体字)・テルグ語(インド)・ドイツ語・トルコ語・現代日本語・ハンガリー語・ハングル・パンジャービー語(インド)・ビルマ語・ヒンディー語(インド)・フィンランド語・フランス語・ベトナム語・ポルトガル語・マラヤーラム語(インド)・モンゴル語・リトアニア語・ロシア語



◯英訳(2000年)
末松謙澄 訳
表紙は、二代歌川国貞『紫式部げんじかるた 五十一 浮船』。


◯英訳(2016年)
アーサー・ウェーリー 訳
表紙は岡田嘉夫『源氏絵巻 蛍』(1970年)、裏表紙は月岡芳年『月百姿』のうち『垣間見の月 かほよ』をアレンジしたもの。


◯英訳(1990年)
エドワード・G・サイデンスティッカー 訳
表紙は海老名正夫『木版画 源氏五十四帖』「橋姫」巻。
底本には、『日本古典文学大系』(岩波書店)を用いる。


◯英訳(2006年)
ロイヤル・タイラー 訳
表紙は舞楽図『青海波』で、裏表紙にはライザ・ダルビーとザ・ウォールストリートジャーナルの書評が掲載されている。
底本には、『新編日本古典文学全集』(小学館)・『新潮古典集成』(新潮社)・『新日本古典文学大系』(岩波書店)の3つを用いる。


◯英訳(2001年)
H.マック・ホートン 訳
表紙は宮田雅之作「花宴」。

 
 
 
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2018年11月29日

科研[海外へいあんぶんがく情報]のHPが本格的に始動

 遅れに遅れていた科研のホームページが、本日ようやく動き出すことになりました。

 採択されてすぐの昨年4月下旬から、その研究成果を公開するホームページの構築に着手しました。しかし、不可解な問題や疑問が伏流する中に身を置き、一年後のこの初夏には、担当することとなっていた業者とは関係を解消しました。
 それまでの経緯は、本ブログに報告した通りです。昨年5月以降の経緯は、この科研が終了してから報告します。

 今日は、新たにお世話になる東京の業者と、科研に関する業務の契約に関して、大学の事務責任者と共に正式な契約書を交わす手続きを終えました。月末の超多忙な日に、関西国際空港に近い所とはいえ、わざわざこのことだけのために遠路お出でいただいたことに感謝しています。

 この2年間、多くの方々のご理解とご協力をいただいたおかげで、膨大な成果が上がっています。年末年始は不眠不休で、情報公開の遅れを取り戻すことにします。
 
 
 
posted by genjiito at 20:57| Comment(0) | ■科研研究

2018年11月24日

科研のHP[海外へいあんぶんがく情報]が半歩前進

 現在取り組んでいる、科研(基盤研究A)「海外における平安文学及び多言語翻訳に関する研究」(課題番号︰17H00912)の研究成果を公開するホームページが、昨春(2017年3月31日)より進展していませんでした。

 これまでに準備したホームページ[海外へいあんぶんがく情報]のデザインを含めての経過(昨年12月末まで)は、「昨春採択の科研(A)のホームページが公開できない理由(7)」(2018年04月18日)などに詳しく報告した通りです。
 昨秋より紆余曲折はあったものの、大学から紹介されたIT業者とは今春決別し、今は心機一転、心強い助っ人を得て、新しいホームページ「海外へいあんぶんがく情報」の構築に取り掛かかるところです。
 そして、やっとのこと、このことを公に告知できるようになりました。

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 まだ、「2019.4 Website Released.」という一枚のバナーを追加しただけです。しかし、この一枚のバナーを貼り付けるだけでも、1年半以上にわたり膨大な時間と労力を費やさざるを得ない事態に巻き込まれていたのです。消化管を持たないひ弱なこの身体が、よくも持ちこたえられたものだと、いまさらながら感慨深い想いの中にいます。

 これからは、来年4月にこの2年間の成果を正式に報告できるように、集めた膨大な情報と研究成果を整理することに努めます。インド・ミャンマー・ペルー・アメリカで調査をしたことが中心となります。そのなかでも特筆すべき成果は、ビルマ語訳『源氏物語』を発見し、その翻訳者を研究会に迎え、日本語への訳し戻しもしたことです。

 研究分担者と連携研究者の諸先生方はもとより、プロジェクト研究員の大山さん、研究協力者として私の研究室に出入りしている7人の学生たち(池野・門・田中・松口姉妹・ナイン・チャンさん)、東京からこの科研を支援してもらっている研究協力者の淺川さん、さらにはデザイナーの塔下さんの力を借りて、お役に立つ平安文学情報を発信するための作業を鋭意進めます。やっと、学生たちには本来の仕事をやってもらえます。

 どうにかこうにか、ここまで漕ぎ着けました。一歩前進とまでは言えないので半歩です。情報公開については、入口に立ったまでです。これまで、何度か挫けそうになった気持ちを支えてくださった方々に感謝をしながら、来春の正式公開に向けてこのまま進んでいきます。

 今後とも、情報提供を含めた温かいご支援を、どうぞよろしくお願いします。
 
 
 
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2018年10月10日

翻訳本ミニ展示「比べてみよう!『源氏物語』における翻訳の差《中国語編》」

 大阪観光大学の図書館1階で、昨年より好評のうちに開催している翻訳本のミニ展示も、今回からは翻訳された文章の巻頭部分が読めるようにして展示をすることにしました。
 中国からの留学生が多いこともあり、まず最初は、中国語訳からスタートします。中国語訳『源氏物語』は20種類以上もあるので、5回に分けての展示となるはずです。
 今回も、私の科研(A)で研究協力をしてくれている学部2年生の池野陽香さん、門宗一郎くん、田中良くんが、選書・演示・解説資料の作成などなど、展示のすべてを担当しました。これまでの経験が回を追うごとに蓄積され、さまざまな配慮が見られる展示となっています。ゆっくりご覧ください。そして、引き続き次回以降を、楽しみにお待ちください。

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翻訳本の展示
「比べてみよう!『源氏物語』における翻訳の差《中国語編》



  開催期間:2018年9月27日〜2018年10月31日

  場所:大阪観光大学 図書館 1階階段前

 今回の特設コーナーでは、『源氏物語』における翻訳の差を比較していただけるような選書をしました。
 元は同じ『源氏物語』という作品であっても、参考にした底本(翻訳するときに使用した書籍)は異なります。
 『源氏物語』の首巻「桐壺」の冒頭部分を展示しています。
 じっくりと読み比べて、楽しんでいただけると幸いです。

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◯中国語訳(1996年)
 殷志俊 訳
 表紙は伊藤小坡『伊賀のつぼね』(猿田彦神社内 伊藤小坡美術館蔵)。後醍醐天皇の妃である阿野廉子の御所に亡霊が出るとの噂が立ち、6月の夜に真偽を確かめるために、伊賀局が庭に出ている姿。

◯中国語訳(2001年)
 黄锋华 訳
「世界文学名著系列シリーズ」の1つ。表紙はボッティチェリの『ヴィーナスの誕生』。

◯中国語訳(2002年)
 夏元清 訳
 表紙は衣冠束帯姿の男性と、おすべらかしを結った女性の絵。

◯中国語訳(2011年/第6版)
 豊子ト 訳
 与謝野晶子・谷崎潤一郎などが訳した『源氏物語』を中国語に翻訳したものか。
 表の表紙は『絵入源氏』「宿木」巻で宇治の中君が月を見ている場面、裏表紙は同書の「紅葉賀」で光源氏が青海波を舞う場面。

◯中国語訳(2012年)
 康景成 訳
 1巻の表紙は徳川美術館蔵『源氏物語絵巻』「柏木三」(復元図)で、光源氏が生まれたばかりの薫を抱いている場面。2巻は同絵巻の「蓬生」で光源氏が惟光と末摘花のいる常陸宮邸に行く場面。
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 参考までに、【『源氏物語』が翻訳されている34種類の言語】は以下の通りです。

アッサム語(インド)・アラビア語・イタリア語・ウルドゥー語(インド)・英語・エスペラント・ オランダ語・オディアー語(インド)・クロアチア語・スウェーデン語・スペイン語・スロヴェニア語・セルビア語・タミル語(インド)・チェコ語・中国語(簡体字)・中国語(繁体字)・テルグ語(インド)・ドイツ語・トルコ語・現代日本語・ハンガリー語・ハングル・パンジャービー語(インド)・ビルマ語・ヒンディー語(インド)・フィンランド語・フランス語・ベトナム語・ポルトガル語・マラヤーラム語(インド)・モンゴル語・リトアニア語・ロシア語



 以下の『源氏物語』に関する【中国語翻訳史年表】も合わせてご覧ください。図表をクリックすると、画像は精細になります。

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2018年06月17日

【書影追加】科研の研究会で翻訳に関する多彩な発表と活発な論議

 今日は日曜日で父の日。
 出町柳界隈は、親子連れで賑わっています。
 八瀬・大原や鞍馬へハイキングに行く出で立ちの方が多いようです。

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 そんな中を、私は大阪の最南端にある大阪観光大学へ向かいます。
 先日、本ブログで案内した科研の研究会があるからです。
「科研(A)の第11回公開研究会の開催案内」(2018年06月12日)

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 今日の研究会の内容は、実に多彩です。
 多言語の翻訳に関する最新の実践報告がメインです。さらに、若手研究者の育成を目標の一つとするこの科研の成果として、学部2年生が見よう見まねながらも、諸先生方の前で発表と報告をするのです。とにかく、積極的にチャレンジをするように、日頃から後押しをしているのです。

 今回は、これまで取り組んで来たテーマを継承しているので、第11回となります。

■2018年度 伊藤科研(A)研究会■

日時:2018年6月17日(日)14:00〜18:00
場所:大阪観光大学
   明浄1号館4階141セミナー室
第11回「海外における平安文学」


 最初は、代表者である私の挨拶からです。

 続いて自己紹介です。今回は多彩なメンバーが集ったので、どんな方だろうというキラキラしたまなざしで、みなさま聞き入っておられました。

 報告として、「2017年度の活動報告と2018年度の活動予定」は、プロジェクト研究員の大山さんの担当です。要領よく、わかりやすくまとめてくださいました。この科研が去年何をして、今年は何にチャレンジするのかがよくわかりました。
 私からは、科研の成果を公開するはずのホームページについて、依頼した業者が驚くべき対応に出たことを踏まえて説明をしました。結局は、昨夏8月末日に未完成版を見せられてから何も進展がなく、科研の年度末の3月末日までにはもちろんのこと納品もなく、5月からは依頼した業者が雇う弁護士が窓口になっての交渉となり、それが今に到っていることをお話しました。つまり、相手の業者は完全に雲隠れ状態で、代理人としか連絡がとれないのです。奇妙キテレツな話です。研究成果や研究状況をはじめとして、今回の研究会の通知や連絡等、完全に研究活動を展開する上での妨害を受けていました。依頼したホームページについては、納品されたものが明日18日(月)に、やっと私が見られる状態になるようです。私からは、昨年の6月6日に教え子のデザイナーが考えてくれたトップページの試案としての画像を送っただけで、後は何もやりとりがありませんでした。先月の5月に業者から大学に納品されたものがどんな内容なのか、昨夏8月末以降、何も知らされていないままに今日を迎えているので、大いに楽しみにしています。受け取り次第に公開しますので、研究協力者共々、内容の確認をよろしくお願いします。
 なお、今回の研究会の詳細は、『海外平安文学研究ジャーナル 第7号』(ISSN番号 2188ー8035)に収録しますので、後日確認してください。
 以下、本日の概要を簡単にまとめておきます。

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◎報告「インド・ミャンマーの調査研究に同行して」(松口果歩・松口莉歩)
 →行程表をもとにして、学生の視点からのわかりやすい報告がなされました。実に多くのスケジュールをこなした旅であったことが、十分に伝わって来ました。そして、充実した旅であったことも。

◎研究発表「『更級日記』をハンガリー語に翻訳して」(フィットレル・アーロン)
 →本年3月に刊行された『更級日記』のハンガリー語訳に関して、翻訳をして行く中でわかったさまざまな問題点をまとめた発表でした。資料に上げてくださった「平安文学のハンガリー語訳状況」を提供していただける、とのことなので、近日中に公開します。いま少しお待ちください。
 また、質疑応答も楽しく、ハンガリー語がフィンランド語や日本語に近い言語だと聞くと、親近感が湧きます。
 出版にあたって写真や図版の権利関係の処理について、興味深い話を伺うこともできました。
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◎研究発表「文化伝達の視点から見る『源氏物語』の中国語訳 −豊子恺、林文月、葉渭渠の訳を例として−」(庄婕淳)
 →絵や注に関して興味深い問題提起がありました。異文化コミュニケーションの問題意識が明確に伝わって来ました。質疑はローマ字表記に集中しました。これまた、大事な問題であることを再確認しました。

◎研究発表「ビルマ語訳『源氏物語』を日本語に訳し戻して」(エー・タンダー・ナイン)
 →『源氏物語』のことがよくわからないままに訳した、とのこと。確かに、先般のミャンマーへ行って見つけて入手したビルマ語訳『源氏物語』を、突然日本語に訳し戻すことになったのです。まだ大学1年生だったナインさんには、大変な重荷を背負わせたことになります。翻訳をしながら、文化を言葉で伝えることの難しさがわかった、という感想は正直なところだと思います。それにしても、「桐壺」だけとはいえ、よくやりました。みんなで共同研究する上で、十分に活用できる基礎資料となっています。次はその分析に着手してもらうことで、さらなる成果につながることでしょう。

◎共同討議「翻訳者とともにビルマ語訳『源氏物語』を考える」
 司会進行 伊藤鉄也
 ディスカッサント/ケィン・キン・インジィン+森銑一
 最初に、ナインさんが投げかけたビルマ語訳『源氏物語』のいくつかの疑問から、ディスカッションは始まりました。
 詩人であるケィンさんのビルマ語訳が、非常にレベルの高い文学的な翻訳であることが、意見交換の中から浮かび上がりました。これは、大きな収穫です。
 私からは、次のようないくつかの質問をしながら展開しました。
 ・推薦の序文を書かれたナンダーモーチェさんはどのような方ですか?
 ・訳者の序文に、パキスタンでも翻訳されているとあるが?
 ・典拠としたとする田辺聖子訳『新源氏物語』には、「桐壺」と「帚木」がない。
  「桐壺」は何を参考として訳したのか?
 ・「帚木」の雨夜の品定めがないこと
 ・「空蝉」にある「不倫」という言葉は日本と同じ意味か?

 こうした疑問に、丁寧に答えていただきました。しかし、まだ伺いたいことは多いので、またこのような機会を作って、討論を重ねていきたいと思います。

 閉会後は、日根野駅前で懇親会をしました。ここでも、さまざまな話題で盛り上がりました。
 非常に充実した、成果の多い研究会となりました。
 ご参加のみなさま、ありがとうございました。
 
 
 
posted by genjiito at 23:56| Comment(0) | ■科研研究

2018年06月12日

科研(A)の第11回公開研究会の開催案内

 昨年度から取り組んでいる科研(「海外における平安文学及び多言語翻訳に関する研究」(課題番号︰17H00912))の研究会を、以下の内容で開催します。
 公開の研究会としていますので、興味と関心をお持ちの方の参加をお待ちしています。
 なお、資料の準備がありますので、まだお知らせをいただいていない方は、前日6月16日(土)午後6時までに参加希望の連絡を、本ブログのコメント欄を通してお知らせください。

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■2018年度 伊藤科研(A)研究会■


日時:2018年6月17日(日)14:00〜18:00
場所:大阪観光大学
   明浄1号館4階141セミナー室

第11回「海外における平安文学」


・挨拶(伊藤鉄也)14:00~14:05

・自己紹介14:05~14:20

・報告「2017年度の活動報告と2018年度の活動予定」
(大山佳美)14:20~14:30

・報告「インド・ミャンマーの調査研究に同行して」
(松口果歩・松口莉歩)14:30~14:50

・研究発表「『更級日記』をハンガリー語に翻訳して」
(フィットレル・アーロン)14:50~15:25

・休憩(20分)

・研究発表「文化伝達の視点から見る『源氏物語』の中国語訳
 −豊子恺、林文月、葉渭渠の訳を例として−」(庄婕淳)15:45~16:20

・研究発表「ビルマ語訳『源氏物語』を日本語に訳し戻して」
(エー・タンダー・ナイン)16:20~16:40

・休憩(20分)

・共同討議「翻訳者とともにビルマ語訳『源氏物語』を考える」17:00~17:45
 司会進行 伊藤鉄也
 ディスカッサント ケィン・キン・インジィン
          森銑一

・連絡事項

・懇親会18:00~20:00

【参加予定者15名+2名/敬称略】
 伊藤 鉄也(大阪観光大学)
 谷口 裕久(大阪観光大学)
 佐久間 留理子(大阪観光大学)
 モハンマド・モインウッディン(大阪大学)
 庄 婕淳(恵州大学)
 フィットレル・アーロン(大阪大学日本文化教育センター
 ケィン・キン・インジィン(翻訳家、詩人)
 森 銑一(『源氏物語』愛好家)
 大山 佳美(プロジェクト研究員) 
 池野 陽香(大阪観光大学、観光学部2年)
 門 宗一郎(大阪観光大学、国際交流学部2年)
 田中 良(大阪観光大学、観光学部2年)
 松口 果歩(大阪観光大学、観光学部2年)
 松口 莉歩(大阪観光大学、観光学部2年)
 エー・タンダー・ナイン(大阪観光大学、科研運用補助員、観光学部2年)
ーーーーーーーーーーーーーーー
※懇親会会場は日根野駅周辺を予定しています。
 
 
 
posted by genjiito at 20:27| Comment(0) | ■科研研究

2018年05月10日

科研のHPに関して脅されたその後(1)

 科研費による研究において、昨年度の膨大な成果があるにもかかわらず、業者に依頼した公開用のホームページがまったく放置されていることでは、思い出すたびに腑が煮えくりかえる思いをしています。
 研究資金を提供してくださっている日本学術振興会への研究成果報告書の提出も、今月末までとなりました。
 先月は、ホームページが出来ていない理由を、10回にわたって詳細にブログに記しました。日本学術振興会への説明文だと思って、事実を書き連ね、ありのままの状況を整理したのです。
 今、私個人ができることは、どう足掻いてもここまでです。

 昨夜5月9日、HPの改修を依頼した会社の担当者に、おおよそ以下の内容のメールを送り届けました。

・いまだに、科研の研究成果がホームページを通して公開できない状態にあるのは、とにかく異常である。

・私の研究活動に対して、貴社から意図的な妨害を受けている、と判断せざるをえない。

・昨年6月6日に渡した、私のホームページのサイト情報を正式に返納してほしい。新しくホームページを作成することに着手できないからである。

・今月5月末までに、日本学術振興会に対して、2017年度の研究実績報告書を提出する必要がある。これには、貴社により研究妨害行為がなされている旨の報告をせざるをえない。

・その際の傍証とすべく、詳細な経緯を以下のサイトに公開した。
「【全10回一覧】昨春採択の科研(A)のホームページが公開できない理由」(2018年04月27日)

・これは、科研のホームページが貴社の怠慢と妨害のために公開できない理由を10回に分割し、事実に基づいて丁寧に整理したものである。

・この10件の記事につき、公開で正々堂々と反論があることを期待している。

・本年3月22日に、私は電話による脅迫まがいのことを聞かされた。今後は、くれぐれもそのような荒っぽいことはせず、正しい日本語の運用に基づくやりとりをお願いする。

・1日も早く私が自由に研究成果を公開できるよう、「注文取消し」を握り潰さず、適切な対処を望む。

・大阪観光大学1号館8階にある科研の作業室では、プロジェクト研究員1名・科研運用補助員1名・アルバイト学生5名の計7名が、ホームページを通して研究成果や収集整理した情報を公開し、さらには海外の研究者とホームページを活用してコラボレーションが展開できるよう、昨夏よりスタンバイしていることをお忘れなく。


 これに対して今朝、以下の確認のメールが来ました。これは、私が送ったメールに、15人の同報者があることについての確認です。

・今後やり取りをする上で、Ccに含まれるメールアドレスについて確認したい。

・生徒様や学外の方が宛先に含まれているように見受けられる。

・今後のやり取りでは、契約の詳細や時系列など細かい内容が本文に記載されることになるが、弊社が書面上契約した相手方は大阪観光大学様となっている。

・上記内容を生徒様、学外の方に公開することを大学様のほうで許可されているのか?

・大学様にとって機密扱いの情報、不利益になるような情報が第三者の目に触れ、拡散されてしまう可能性、影響を懸念する。


 どうやら、科研費がどのようなものであるのか、まったく理解が及んでいないようです。
 この先方からの確認のメールを受けて、私からは以下の返信をしました。

・私の科研における研究基盤機関である大阪観光大学は、事務的なこと以外では私を守ってくれない。

・そのためもあり、私個人で貴社からの研究妨害に対処している。

・自分自身を守るためにも、今後ともすべてを研究代表者である私の判断で、科研のホームページが公開できないことを、個人的な日記であるブログ「鷺水庵より」(http://genjiito.sblo.jp/)を通して、広く報知していく。

・2013年度・2015年度・2017年度からの科研で連携研究者となっている別の4名は、今回の科研でも研究協力関係にあり、情報共有の観点からこのCcに追加した。

・Ccに伊藤科研の関係者を列記したのは、研究協力者と情報を確実に共有するためである。

・特に6名の学生は、昨年9月以降よりホームページの運用に関わるはずだった。そのため、今回のトラブルの経緯は、教育的見地からも知らせる必要があると判断する。これは私の責務である。


 なお、こうしたやりとりを行なったことは、この返信をした後、大学の学長と学部長にすみやかに報告しました。
 また、電話でも丁寧に説明しました。
 
 
 
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2018年04月27日

【全10回一覧】昨春採択の科研(A)のホームページが公開できない理由

 昨日このブログにアップした「【最終回】昨春採択の科研(A)のホームページが公開できない理由(10)」により、予定していた全10回分の記事の公開を終えることができました。
 20日間に及ぶものだったので、以下に、その一覧をまとめておきます。
 タイトルをクリックしていただくと、その記事に跳びます。
 それぞれの記事に関連して、ご教示いただけると幸いです。
 なお、以下では「ホームページ」を「HP」と略します。

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(1)(2018年04月05日)
 「昨春採択の科研(A)のHPが公開できない理由(1)」
  【HPが公開出来ない問題点とこれまでに獲得した科研費による研究】

(2)(2018年04月06日)
 「昨春採択の科研(A)のHPが公開できない理由(2)」
  【4月から12月までのHP未公開に関する経緯を整理】

(3)(2018年04月11日)
 「昨春採択の科研(A)のHPが公開できない理由(3)」
  【HPの保守に関する業者との内容と改修用デザインデータの提供】

(4)(2018年04月15日)
 「昨春採択の科研(A)のHPが公開できない理由(4)」
  【HP補修の「作業内容の確認事項」について】

(5)(2018年04月16日)
 「昨春採択の科研(A)のHPが公開できない理由(5)」
  【HPのデザインや再作成(フルスクラッチ)は大学へのサービスと同等】

(6)(2018年04月17日)
 「昨春採択の科研(A)のHPが公開できない理由(6)」
  【ブログに見る科研の取り組みとHP作成に関する経緯】

(7)(2018年04月18日)
 「昨春採択の科研(A)のHPが公開できない理由(7)」
  【8月末の未完成の試作版から連絡のないままに12月になる】

(8)(2018年04月22日)
 「昨春採択の科研(A)のHPが公開できない理由(8)」
  【新年に業者から謝罪文が届いた後、研究会では正式に抗議することを確認】

(9)(2018年04月25日)
 「昨春採択の科研(A)のHPが公開できない理由(9)」
  【「注文取消しの件」でのやりとりで出てきた意味不明な言い訳】

(10)(2018年04月26日)
 「【最終回】昨春採択の科研(A)のHPが公開できない理由(10)」
  【K社のA社長から私への威嚇発言と未着手未完成のままに放置された作業】
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2018年04月26日

【最終回】昨春採択の科研(A)のホームページが公開できない理由(10)

 海外出張から帰って来てから、連日の会議と卒業式と入試業務に忙殺されていた3月22日の午後3時過ぎでした。I氏から研究室にいた私に、社長からの伝言だということで電話を受けました。

☆K社のA社長から私への2つの伝言
(1)ホームページについては、O理事に弊社代表が報告と相談をおこないました。

(2)契約上支払いがなされていない。支払い(ママ)意思がない場合、訴訟を起こす旨、事前に通告いたします。


 これに対する回答として、私からI氏には、次のように口頭でゆっくりと何度も繰り返して伝えました。そして、私が伝えた言葉を復唱してもらい、A社長に正確に伝わるように確認しました。

(1)O理事からは連絡もないし話も聞いていない。

(2)そうですか。変な話ですね。


 電話口を通して、私はK社のA社長からの高圧的な通告を聞き、すぐに研究室の机上にあるパソコンを操作して、昨夏教えていただいたサイトに置かれているホームページ(試作中)を見ました。案の定、いまだに昨年の8月31日のままでした。
 トップページのバナーは、注文したようにはぴくりとも動かない手抜きの写真1枚が貼ってあり、依頼に反してまったく動きのないものです。そして、もちろん内容については、昨年3月までのサンプルデータが出てくるものでした。昨年8月末以来、まったく手が入っていない不具合を抱えたままのものであることは明らかです。

 もちろん、昨年の初夏に一番最初にやってほしいとお願いしたことは、「昨春採択の科研(A)のホームページが公開できない理由(3)」(2018年04月11日)に記したとおりです。それは、「海外源氏情報」(http://genjiito.org)で公開していたオンライン版の
『日本古典文学翻訳事典1〈英語改訂編〉』
『日本古典文学翻訳事典2〈平安外語編〉』
『海外平安文学研究ジャーナル』(全6冊)
『海外平安文学研究ジャーナル《インド編》』
がダウンロードできるようにすること。
 また、そのサイトの画面のロックについても、はずしてほしいということでした。
 その喫緊の課題も手付かずです。何もかもが、いまも放置されています。
 これは、海外出張の直前の本年2月15日に、念のためにと思って見たときとも、まったく変化のないものでした。インドとミャンマーへの調査研究の旅から帰った3月14日にも、昨夏以来の手付かずのままでした。

 ここで、書き忘れていたことを思い出しました。
 昨秋のいつからだったのか、この不完全なままの試作版のホームページが、研究室からは見ることができるのに、自宅からは見られなくなっていたことがありました。とにかく、K社からは何の連絡もないので、いろいろと不具合が発生し続けているのだろうと思い、ひたすら修正が完了したという案内が来るのを待っていました。
 今にして思えば、なぜ自宅から試作版が見られなくなったのかを、すぐに尋ねておくべきでした。K社が大学以外の回線からは接続できないようにしたようなので、そうした処置の連絡があってもよさそうです。しかし、そのような連絡はないままに、勝手に大学以外からの接続環境では見られなくなっていたのです。これも、不可思議な対応の一つに加えておきます。

 さて、A社長からの通告のことです。

(1)について
 ホームページに関して、O理事から私に話があるはずだ、とのことでした。
 しかし、待てど暮らせど、今に至るまで何も声はかかりません。私は、昨年の4月1日に着任して以来今日現在も、O理事と言葉を交わしたことは一度もありません。会議などでお話になっている所に同席したことはあります。
 A社長がO理事に「報告と相談をおこないました。」という文言が、2つの通告の最初に置かれている意味は、大学の教職員ならピンときます。これは、最初に名前を出して圧力をかけることで、後で痛い目にあうぞという脅し以外には考えられません。この理事の名前をちらつかせることで、私が怯むと踏まれたようです。そのご期待に沿えず、申し訳ないことです。
 今回のホームページに関して、研究内容や成果が公開できない事態に陥っている経緯を公開したのは、この圧力に屈しないことをまずは表明することで、自分を守ろうと思ったからです。K社からの威嚇を真正面から受けて立つことを決意して、このブログの更新をここまでしてきたのです。

(2)について
 完成してもいない、何も引き渡されていないホームページや、「海外源氏情報」の改修版に発生している不具合の対処をまともに修復もしないで放置しまたままで、「契約上支払いがなされていない。」との開き直りもないものです。何もしないで成果物も示さず、契約だから支払えとは、この業界では当たり前の商習慣なのでしょうか。
 また、「契約上支払い(ママ)意思がない」から訴訟を起こすという事前の通告も、私に揺さぶりをかける以外なにものでもありません。よくある、訴えてやる、と言って相手を動揺させ、後ずさりさせる手口です。
 さらには、次に書くように、公的資金で不正をしろと強がっているようなのです。何とも、事実を捻じ曲げて相手を脅すという、卑劣なやり方です。

 年度が変わった4月1日ならともかく、この3月22日という時点で、支払わないのなら訴訟も辞さないという一方的な通告は、尋常の感覚では言えたものではありません。
 大学からK社に出された「注文書」(平成29年5月23日付け)には、作業内容と支払いに関しては次のように書かれています。

・作業内容/ホームページ運用(更新/トラブル対応/コンテンツ追加)
・発注対象期間/2017年5月1日〜2018年3月31日
・支払条件/保守最終月(2018年3月5日)支払


 これに照らしても、契約した「作業内容」である「ホームページ運用」以前に、まずは着手して作成することになっていたホームページの改修作業すらできていない状況にあります。今日現在においても、依頼業務である「作業内容」にまで請け負い業務が及んでいないのが実情です。
 「支払条件」にある「保守」までもいっていない作業状況においては、「保守最終月(2018年3月5日)」までに支払うわけにもいきません。契約業務の前段階で止まっているものであり、なにも完遂されていない状況なので、「発注対象期間」の3月31日までは何も支払うことはできません。もし支払ったら、それは不正な経理であり、支払う根拠のない公的資金の目的外使用となってしまいます。

 さらには、「発注対象期間/2017年5月1日〜2018年3月31日」を過ぎた今日(2018年04月26日)においても、「納品書」に記された「ソースファイル一式」と「作業報告書」すら提出されていません。金銭だけ要求しておきながら、こうした成果物は何も出さないことがありうるのでしょうか。つまり、何も作業がなされておらず、何も成果物がないので、何も提出できないのは明らかです。この違約行為を、人を責めることだけに汲々としておられるK社は、どのように説明なさるのでしょうか。
 これらの無責任極まりない行為は、とりようによっては、昨年末に解約を申し出たことに対する嫌がらせと言えなくもありません。

 かつての大阪明浄女子短期大学(現在の大阪観光大学)に在職していた時に始まり、これまで20年以上にわたって、公的資金の支援を受けながら研究生活をしてきました。しかし、こんな無理強いで不正な行為をさせようとする業者は、一社もありませんでした。私はもちろんのこと、前職の基盤機関も一度もやっていません。そんな危険なことを、今、脅されながらすることはできません。する気もありません。

 くどいようですが、もう一度確認しておきます。
 K社のA社長より、証拠が残らないように伝言で私の耳に注ぎ込まれた言葉を再掲します。

☆K社のA社長から私への2つの伝言
(1)ホームページについては、O理事に弊社代表が報告と相談をおこないました。

(2)契約上支払いがなされていない。支払い(ママ)意思がない場合、訴訟を起こす旨、事前に通告いたします。


 私は、この言葉に屈して、科研費を不正に渡すという、公的資金の流用をする気はまったく持ち合わせていません。そのような指示を、事務方に出すこともありません。

 また、私が渡した「海外源氏情報」(http://genjiito.org)に関する個人サーバーの情報を、人質のように確保したままで抱え込まないでください。私は、信頼に足る誠意を持ち、高い技術力も兼ね備えた若者に昨年末に出会いました。会社を変えて、ホームページを再スタートさせて、研究成果を公開したい思いは昨秋よりずっと持ち続けています。信頼できないK社からは、一日も早く解放されたいと願っています。

 K社が、この状態でズルズルと時間の経過を楽しんでおられる現状は、私の自由な研究活動に対する意図的な妨害行為だと認識しています。
 この一年間で、研究協力者のみなさまのご支援を得て、今回も膨大な情報と成果が上がっています。それが、K社の妨害により一般に公開できない状態が、すでに9ヶ月にも及ぼうとしています。

 この、異様なゴリ押しをするK社の人たちに対して、これまでこのブログを通して、今回も含めて都合10回にわたって、可能な限り私が示し得る事実を列挙してきました。ことの核心を、この個人的な日記であるブログで明らかにしてきました。
 見方によっては、私が提示した証拠には別の解釈があるのかもしれません。それは、あって当然です。立場と視点が異なれば、いたしかたのないことだからです。とにかく、今の私が個人の力でできることはここまでです。

 この10回の記事に対して、K社が公開で反論なさることを期待しています。
 反論をしないのであれば、私への研究妨害という行為を、早急にやめるべきです。無視をしたり、放置するのではなく、理知的な対応を望みます。
 自分たちが今していることがどういうことなのか、K社の起業精神に立ち戻り、一日も早く気づかれることを願ってやみません。
 
 
 
posted by genjiito at 22:58| Comment(0) | ■科研研究

2018年04月25日

昨春採択の科研(A)のホームページが公開できない理由(9)

 本年1月末から2月にかけては、私がインドとミャンマーへ科研の用務で17日間の調査研究の旅に出かけるため、その準備で多忙を極めていました。そのような中でも、このK社との件は少しずつ動いていました。

 前回の「昨春採択の科研(A)のホームページが公開できない理由(8)」(2018年04月22日)で日時を追って確認したように、本年1月16日に私は事務方の責任者に、K社に対して解約のことを明記した書面が届いているかどうかを問い合わせました。
 前回の記事では「12月にIさんに説明した」としただけでした。これは、12月14日のことでした。それから1ヶ月が経とうというのに、K社からなかなかその回答がないので、事務方に確認したものです。

 仄聞するところによると、1月18日に事務からK社に打ち切りの確認が行ったようです。それを受けて、前回のブログでも引用した、1月19日付けの私へのお詫びのメールが、I氏より私の所に届いたのです。とにかく、K社の本社のシステム関係者は、昨年8月31日以降、徹底して私への直接の連絡はなさいません。必ず人を介しての対応です。科研の研究代表者である私に対しては、無責任きわまりない態度です。

 こうした中、私が所属する法人名で「注文取消しの件」と題する公印が捺された書面が、痺れを切らしたかのようにK社宛に送られたのは、1月29日だったことを後で知りました。そこに記されていた一部を引きます。

 平成29年5月23日に貴社に注文しました、大阪観光大学国際交流学部教授伊藤鉄也先生の科研費に関するホームページ運用(更新/トラブル対応/コンテンツ追加)について、今現在ホームページの公開もできていない状況で、科研費の研究に重大な支障きたしております。したがいまして、この度の注文について取り消しとさせていただきます。また、本件の通知に関して貴社の回答を至急求めます。


 それでも、K社からの応答がありません。

 昨年末に、いつまで待ってもK社が完成させられないホームページに関して、この誠意も技術力もないK社は諦め、こちらの思いを実現してもらえる違う会社を探しました。あれから2ヶ月経っても、K社との解約のことが進展しないので、T氏にその後の経過報告をしました。

◆180210_伊藤 to T
ホームページに関してその後の報告/伊藤鉄也

これまでの業者Kには、大学の事務方が解約確認の書面を求めています。
しかし、いまだに業者からの回答が来ません。
(中略)
それはそれとして、今年度中にホームページを公開しないと、研究成果を示せなかったことになります。
研究成果の公開を最優先にしたいので、無責任な業者からの正式回答をいつまでも待つのではなく、Tさんにホームページの構築(これまでのものを増改築して更新)を、とにかく着手していただくことにしたいと思います。


 これに対して、すぐにT氏から確認の返信がありました。しかし、3月末までという厳しい状況下では現実問題として責任を持って引き受けられないとの回答をいただきました。もっともなことです。ホームページによる成果の公開は、今年度中は断念せざるをえない、という苦渋の決断をせざるをえなくなったのです。

 そこで急遽私は、昨年度に電子媒体で公開し、今はダウンロードできなくなっている「第8回 インド国際日本文学研究集会」の成果を、印刷媒体で配布することにしました。幸い、これは2月26日からのインド行きに間に合いました。とにかく、ウェブではないものの、印刷物としての成果を一つ作り上げることができたのです。回りの研究協力者には、大変な迷惑をかけたことを、今でも申し訳なく思っています。これも、最初に業者に依頼した、「海外源氏情報」でダウンロードできなくなっている電子版なのです。

 そうこうしているうちに、成果が公開できなくて、どれだけ私が大変な思いをしているのかは理解不能の状態と思われるK社の代表取締役のA氏から、2月22日に、以下のワード文書とエクセルファイルが、それも事務宛に添付されて届いたのです。私にはついで、という扱いです。私は業務の依頼主なのに、なんとも無礼な扱いを受けたものです。
 こちらから解約を伝えてから2ヶ月以上も経ってのものなので、何を今ごろと思いながら、その身勝手で独りよがりの文字列を目で追いかけました。まったく事情と経緯を知らされないままに、ピンボケで能天気な社長の日本語を読みながら、失笑するしかありません。部下から正確な報告が上がっていないため、こちらから見れば、ピエロ役を演じざるを得ない方なのです。日本語運用能力を云々する以前の問題が横たわっています。
 その前に、なぜワードで作った文章とエクセルで作成したファイルが、生のままで事務方に送られてきたのでしょうか。これでは、だれでもが自由に手を入れられます。普通は、PDFかFAXにより、容易には改変できない書類として相手方に渡すものだと、私は認識しています。また、公印も捺さずに正式な回答にしようとなさっているのも、よくわかりません。こちらからは、公印を捺した書面を送っているのに、です。大阪と東京の、商習慣の違いなのでしょうか。

 平成29年5月23日に弊社へ注文いただきました、大阪観光大学国際交流学部教授伊藤鉄也先生の科研費に関するホームページ運用(更新/トラブル対応/コンテンツ追加)の取り消し要求に対する回答となります。
 弊社製作担当に事実確認をしたところ、更新作業の完了連絡を伊藤先生にしていなかったことは事実であり、ホームページ更新スケジュールを遅らせる要因となってしまった事については深くお詫びを申し上げます。

 しかしながら、伊藤先生もしくは明浄学院様から今件に対する弊社への連絡が3か月以上無い状態で、なおかつ伊藤先生からは11月に弊社IからHPの件をお伺いした際には特に問題無い旨お答えいただいておりましたが、12月14日に他社に切り替えると突然かつ一方的に契約を反故にする旨を通告される事は、社会通念上考えられない事であると疑問を禁じえません。
 伊藤先生もしくは明浄学院様から弊社へご連絡いただけなかった特段の理由はございますでしょうか?

 また、発注をいただいてから8月末までの期間、弊社のリソースを使用してホームページ運用(コンテンツ追加)を行っていたことも事実であり、その成果物もございます
 成果物がある以上、それに伴う対価をお支払いいただくのが常識であると考えますが、伊藤先生ならびに明浄学院様はどのようにお考えでしょうか?文書には重大な支障をきたしたという具体的な理由もなく、金銭に関する具体的な記述もございませんので、弊社としましては理不尽な要求であると判断し到底受けいる(原文ママ)意思はございません。
           草々



 この文書は、第2段落に記された以下の文言に尽きるものであり、第3段落以降の「しかしながら〜」からの駄弁は意味を持った日本語ではありません。

弊社製作担当に事実確認をしたところ、更新作業の完了連絡を伊藤先生にしていなかったことは事実であり、ホームページ更新スケジュールを遅らせる要因となってしまった事については深くお詫びを申し上げます。


 無意味な日本語の文字列ではあっても、一つ一つ丁寧に、噛んで含めるようにその意味するところの矛盾を解いてさしあげるのも、一度は契約をした者としての責務かと思い、以下にわかりやすい日本語で書きます。

(1)3段落めの「しかしながら」以降について
 私から「連絡が3か月以上無い」とあります。私は、8月31日にW氏からのメールに、次のようにあったので、ひたすらその修正の完了報告を待ち続けていました。

オープニング動画に不具合が発生しており、現在再生することができておりません。
こちらを修正次第ご案内いたします


 これに関する修正完了の案内を、今に至るまで私にはまったくしないで、私からの連絡がないとは笑止千万です。すべてを人の責任にしてごまかそうという魂胆が見え見えです。

(2)「なおかつ伊藤先生からは11月に弊社IからHPの件をお伺いした際には特に問題無い旨お答えいただいておりました」について
 この「お伺い」に関しては、私にはまったく思い当たることがありません。また後に述べます。何かの間違いではないでしょうか。よしんば、そんな「HPの件をお伺い」されたことがあったとして、私が「特に問題無い」と答えたとしたならば、これは何に対して「問題がない」と答えたのでしょうか。
 私は、この会社にお願いした以下の2つの件について、作業が完了したとの報告を待ち続けていたのです。

(1)今回の土台となるホームページ「海外源氏情報」で発生しているダウンロードができないことと、画面にロックがかかっていることの解消。
(2)ホームページに不具合がない状態での改修版を一日も早く完成させてほしい。


 これについて、私が答えたとされる「特に問題無い」という言葉は、この私が求めている2つの依頼業務とどのような結びつきを持つものなのでしょうか。何が問題になっているかが理解できないままに書かれた保身のための釈明文なので、私からの上述の問い合わせに説明ができない作文になってしまったと思われます。起草者の日本語運用能力の未熟さというよりも、事態の把握ができていないことと、不正確な情報による状況判断が底流にあって書かれた、明らかに矛盾だらけの文章となっています。

(3)その後に続く「社会通念上考えられない」とか、「連絡いただけなかった特段の理由」、「成果物がある以上、それに伴う対価をお支払いいただくのが常識」などは、これまでに縷縷整理した報告で、いかに虚しい抗いかは明白です。上記2つの依頼内容を実現できず、成果を何も示さないでおいて対価を求めるなど、こうした文字列を連ねることの真意を測りかねています。ここにも、現場からの報告が正確にあがっていないために、行文の内容が実態とかけ離れたものとなり、そこから相手を責めようという姑息な姿勢が見え隠れしているものです。

 以降の、「重大な支障をきたしたという具体的な理由もなく」とか、「理不尽な要求」という文字列には、現状の問題点の把握と理解が浅薄なために、話になりません。そのため、反論する必要がないことは言うまでもありません。
 自分たちが請け負った仕事が何であり、それに対して何もできなかったことを糊塗するだけの、支離滅裂で稚拙な日本語文です。

 上記のワード文書「注文取消しの件について」とともに、エクセルのファイルで「伊藤先生HP改修の件についての時系列報告書」というものも、事務方へのメールに添付されていたそうです。私には送ってもらえなかったものです。これにも、荒唐無稽な文字列が入力されています。しかし、煩を厭わずに主要なところを引用します。

8月31日
 弊社Wから伊藤先生にメールを送付。
 レビューの依頼及びバナーに不具合がある旨を伝える


 これは正確です。ただし、「レビューの依頼」というのがよくわかりません。

9月4日
 バナー不具合修正完了


 これは嘘です。すでに書いたことです。
 9月6日に、科研の研究協力者に、不具合があるものの一応見ての感想を求めるメールを出しています。

9月4日
 Wから弊社IにSkypeで、伊藤先生が8/31に送付したメールが受信できているか確認を依頼
 確認実施せず


 なぜ、ここで確認をなさろうとしたのでしょうか。これまでも、それ以降も、本社のスタッフはそんなに丁寧な対応はしておられません。なぜここだけ念を入れた確認をなさったのでしょうか。責任をI氏に押し付けるための方便だろうと、私は思っています。あくまでも、私の想像の域を出ませんが。責任を負う人間を、こうした架空の文言で作り上げようとなさっているようです。これも、私の勝手な推測です。

9月5日
 I、伊藤先生の所在を確認したが不在
 Wに、夏季休暇中のため、後期が始まる9/21まで来ない可能性があることを伝える

9月11日
 IからWに、9/7,8は伊藤先生が不在だったことを伝える


 ここにも、架空の話が作り出されようとしています。それはさておき、7日は大学に、8日は高校に出勤しています。行き違いだったのでしょう。これは、私がなかなか捕まらないことを印象づけるためのこじつけなのでしょうか。また、メールや電話という連絡の手段は考えつかなかったのでしょうか。私は、365日24時間態勢でメールをチェックしていることは伝えてあります。

10/20もしくは10/27
 弊社AがWと今件について確認を取っている際にAからIに下記依頼
「HPの件について、あの修正で問題ないかどうかを、聞いてほしい」


 「あの修正」という理解であるならば、このA氏は実際にホームページを自分の目で確認することなく、W氏の不正確な報告を鵜呑みにしてI氏に指示を出しておられることになります。この10月の時点でも、実際には8月31日の状態と何も変わっていないからです。修正はなされていなかったのです。そのような状態に置かれた、不都合を抱え込んだままのホームページに対して、「問題はないか」という問いかけ自体が茶番です。この後の対応を見ると、いまだに事実を知らされないままに3月の驚くべき私への対応をされたのだと思います。

11月第二週 水曜もしくは木曜
I、伊藤先生にエレベーター内で会ったタイミングで伊藤先生と会話
I「HPの件、大丈夫ですか?
伊藤先生「大丈夫ですよ
I「了解しました」


 なかなかよくできた話になっています。
 私は、このような会話があったことを、恥ずかしながらまったく記憶していません。しかし、記憶にないというのは卑怯なので、仮にそのようなことがあったとしましょう。そうすると、この第2週の8日(水)と9日(木)にI氏とエレベータで遭遇したことになります。9日は非常に多忙な1日で、5号館での授業が終わってからは、研究室のある1号館ではなくて5号館での打ち合わせに終始していたので、この日ではないと思います。
 8日なら、12時半に3号館で授業が終わり、質問を受け、パソコンとプロジェクタの後片づけをして、ホワイトボードを消してから研究室に帰るので、エレベータには12時35分から40分に乗り込みます。ただし、毎週12時50分から学部の会合が1号館の5階であるので、10分ほどで研究室で持参のお弁当を食べます。消化器官を持たない私は、お昼は1時間以上かけてたべるのが常です。しかし、この水曜日は腹痛に耐えながらの日となることが多いのです。

 また、この日は13時半からは5号館で会議、そして引き続き15時半から5号館で教授会がありました。つまり、もしエレベータでI氏と出くわしたとしても、せいぜい30秒も居合わせていないことになります。そのような短時間の会話で、私が頭を悩ませている込み入ったことが話せるはずがありません。もし仮に、そのような遭遇があったとしても、申し訳ないのですが私は空返事で数秒の軽い挨拶程度の対応しかできなかったはずです。I氏は謹厳実直な方なので、もしこの話が本当ならばさらりと挨拶をしたというのがあり得る話です。
 さらには、「HPの件、大丈夫ですか?」「大丈夫ですよ」という会話は、非常に不自然です。試作版の不具合が解消されていない上に、喫緊の課題とするダウンロードと画面のロックに関することは何も手が打たれていない、という状況の中で、「大丈夫ですか」「大丈夫でいよ」という会話は、一体何の意味を持つのでしょうか。辻褄の合わないことを会話形式で作文されたもの、としか考えられません。この会話が確かにあった、ということならば、その「大丈夫」という単語が意味するものの解説を伺いたいと思います。

12月14日
SからIに、伊藤先生から話があると言われ先生と会話する


 これは、すでに述べたように、私がI氏に、4日前に東京で新しいシステムエンジニアと面談したことを話し、K社との契約を解約することを伝えたものです。

(続き)
・8/31にWから、「バナーの動きに不具合があるため修正次第連絡します」と言われていたが、一か月以上何の連絡も来なかった。
このままの進捗では科研の成果物として報告ができないため知り合いに声をかけ、12月に都内でIT関係者を集め今後のHP制作を他社にお願いすることとなった。
・契約や支払いに関しては大学事務を通しているので、事務と調整してほしい。(先生としては契約金額60万?全額払ってもいいが、事務に任せているのでとおっしゃっていました)

当方の認識ではこちらから確認依頼の連絡を出している認識でしたので、
「弊社から確認連絡のメールが出ていたかと思いますが」
と言ったところ、
「もしそのメールをこちらが見落としていたとしても、ここまで返答がないのなら、そちらから何かしらのアクションがあってもよかったのではないでしょうか?
引き続きお任せすることに不安を感じている」
と言われました。


 この文中にある「都内でIT関係者を集め」という理解は、事実と大きく違います。この資料として事務方に送られて来たエクセルのファイル「伊藤先生HP改修の件についての時系列報告書」には、各所に作為が認められます。
 K社からは、8月31日にW氏からメールをもらったのが最後です。それ以来、「確認のメール」などまったく受け取っていません。しかも、重ねて強調しておきますが、このK社からのメールは、8月31日以来、事務からの伝言以外は、どなたからも1通ももらっていません。
 
 
 
posted by genjiito at 23:56| Comment(0) | ■科研研究

2018年04月22日

昨春採択の科研(A)のホームページが公開できない理由(8)

 科研のホームページに関することで、2018年となった新年早々のやり取りを整理します。
 まず、大学の事務の責任者とのやりとりから。

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◆180116_伊藤 to S
科研のホームページに関して/伊藤鉄也

科研のホームページに関して、東京の業者Bと話を進めようとしていて、先方から、Kとの契約は結局どのようになったのか、という確認が来ています。
これに関して、その後どうなったのか教えてください。
私のところには、12月にIさんに説明した後、先方からは音信不通です。

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 年末に会って話をした新たな技術者からは、これまでの契約の整理がついていないとホームページの改修に着手できない、ということからの展開です。また、私もホームページに関するサイトの情報を渡すことができません。請け負ってくれたK社に、公開に関する情報のほとんどを渡しているのですから。
 ここで、「12月にIさんに説明した後」とあるのは、昨日の記事で言えば東京から帰った後のことです。ホームページなどの業務に関して、あまりにもK社の対応がいい加減なので、契約を解除して他社に依頼することを伝えました。その際、提示されたホームページが動かないことも、私の研究室で一緒に確認してもらいました。

 ただし、ここに書いてあるW氏の言い訳は真っ赤な嘘です。「バナーの不具合について9/4に作業が完了したものの、その旨連絡をしていない」というくだりです。
 昨日の記事(7)に書いたように、9月6日の時点で私は、トップページが思うように動かないことを確認した上で、科研の関係者に一斉メールを送っています。また、年末にも、バナーは動いていませんでした。何をいけしゃあしゃあと恥ずかしげもなく、というのが私の気持ちです。
 それとも、「9/4に作業が完了」というのは、あくまでも社内での担当者の手元での作業が完了した、ということなのでしょうか? 厚顔無恥とはこのことです。

 しかし、それは私が確認しようもないことです。目の前に提示されているのは、いつまでたっても単なる一枚の写真が貼り付けられているホームページらしきものなのです。9月4日に完了したのであれば、その後また不具合が発生したことになります。そうした経緯は、まったく私には知らされていません。K社本社のシステム担当者からは直接の連絡は依然として何もないのです。W氏のこの自己保身に走る強弁は、お金を取って仕事をしようというプロらしからぬ、人を愚弄した物言いです。

 そんな折、その裏で何があったのか、すぐに大学に出入りしているI氏から以下の謝罪のメールが来ました。
 このメールの内容について、本社の社長やW氏は、なぜ私に一言も連絡がないのでしょうか。なぜ、そ知らぬふりをしておられるのでしょうか。なぜ、派遣先の一社員にすべての責任を押し付けて、そっぽを向いたままなのでしょうか。I氏には、私との関係では何も問題はなく、責任もないと思います。誠実な方です。しかし、この連載の2回後の(10)で書くように、この社長は信じられない態度に豹変します。以下のメールが私の元に送られてきた時点で、I氏にこの不可解なメールを送るように命令された時点で、この会社は【人間性を喪失】していると言わざるを得ません。

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◆180119_I to 伊藤
伊藤先生ご依頼のHP制作業務につきまして

本件、弊社Wが担当しておりました伊藤先生のHP制作につきまして、連絡の不備がありHP制作の進行に支障をきたしてしまいましたことを謝罪いたします。
申し訳ございませんでした。

Wのほうに確認をしたところ、バナーの不具合について9/4に作業が完了したものの、その旨連絡をしていないとのことでございます。(9/4に当方に口頭にて確認依頼がございましたが、夏季休暇で不在でございました)
本来であればその時点でメールでの連絡をすべきであり、連絡をしなかったことで伊藤先生に弊社に対する不信感が生まれてしまったことは当然のことであると思っております。

今後のHP制作に関しましては、引き続き弊社にやらせていただきたいというところが社としての希望でございます。
今後は私Iを窓口として先生への連絡につきましては徹底した体制を敷き、対応させていただく所存でございます。
このような言葉だけで弊社への不信感が払しょくされるとは到底思えませんが、今後の体制、動きを評価していただくためにも引き続き対応をさせていただきたく思っております。

何卒ご検討のほどよろしくお願い申し上げます。

重ねてとなりますが、今回の件でHPの進行に支障をきたしてしまいましたこと、先生に必要のない不安を与えてしまいましたこと、お詫び申し上げます。
申し訳ございませんでした。

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 その後、新年20日に、東京で科研の研究会を開催しました。本年2回目です。
「科研の研究会で1回生が臆せず研究発表をする【写真追補】」(2018年01月20日)
 そのブログで報告した通り、研究会を始めるにあたって、研究代表者としての挨拶の中で、私は科研のホームページが公開できていないことの釈明をしました。その部分を引きます。

 新しくホームページを立ち上げることができなかったことに関して、私からその事情と経緯を補足説明しました。
 この科研Aが採択されたすぐの4月から、紹介を受けた業者とホームページに関する交渉をしました。8月までに公開できるような計画だったのに、試作版ができたのは9月でした。

 科研の協力者に試作版を見てもらい、私のブログでもそのデザインを公開しました。ただし、それは、教え子でデザイナーであるTさんが作成してくれた、動くトップページではなくて、一枚の画像が貼り付けてあるものでした。業者の連絡では、もう少し待ってほしいと。

 しかし、その後は契約した業者から何も連絡がありません。あまりにも酷いので昨年末に解約の意思を伝えました。その会社の大阪におられる方に事情を説明しました。しかし、東京の本社の制作担当者からは、まったく音信不通です。

 本年度に活動した成果は、今日の研究会で報告した通り、さまざまなことがあります。しかし、それらを情報発信する母体が、あの業者の怠慢により叶っていないのです。その点では、甚大な損害を被っていると言えます。
しかもあろうことか、昨日、「今後のHP制作に関しましては、引き続き弊社にやらせていただきたいというところが社としての希望でございます。」というメールが来ました。これも東京の直接の担当者ではなくて、大阪で間に入っておられる方から伝言として届きました。人を愚弄するのも程があります。起業当初はあったはずの精神は、どこに吹っ飛んでしまったのでしょうか。

 これまで私は、相手の顔を見ながらお話をすることを原則として生きてきました。今回のことを、一通のメールで、しかも伝言の形で伝えるとは、私の基準で言えば非常識の一語に尽きます。言語道断です。騙された思いと、裏切られた思いの中で、悔しさが拭い切れません。

 こうした経緯と今の私の思いを、今日の研究会で報告しました。これについては、「しかるべき所を通して、正式に抗議をする」ということで、今日のところは協力者のみなさまの了解を得ました。
こうした、人を無視した、完全にビジネスライクに割り切った企業の論理は、私には理解できません。しかるべき対処をして、今年の3月までにはホームページを通して成果が公開できるよう、巻き直しをすべく、鋭意取り組んでいきます。

 私の仕事にしては成果が見えないので、不審に思っておられる仲間も多いことかと思います。いえ、私がサボっているのではありません。とんでもない業者に引っかかり、みなさまにはその成果を見てもらうことができないのです。これまで、「海外源氏情報」(http://genjiito.org)を通して、膨大な量の成果をみなさまに活用していただいてきました。今回の新しい科研でも、それが続くことを楽しみにしておられた方々には、本当に申し訳なく思います。
こんな業者がこの業界にいるとは、思いもしませんでした。信用してしまったのです。自力で何とか挽回します。というよりも、次にお願いする会社の目処はたっていますので、もうしばらくお待ちください。


 ここで「しかるべき所を通して、正式に抗議をする」ということは、私が相当トーンを落として書いています。このことは、長年一緒に科研で共同研究を展開して来た、昨年までは手の届く場所で協力してもらっていた国文学研究資料館と国立国語研究所の仲間が後押しをしてくれた言葉を指しています。共に理系で言語系の研究者ということもあり、もっと明瞭な表現「損害賠償請求」ということでした。

 このことを受けて、具体的な対処に関して、大学の事務方に相談を持ちかけました。

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◆180121_伊藤 to 事務方科研担当者3名

科研のホームページに関してのご相談/伊藤鉄也

さて、上記ブログの中程に書いたように、研究会でのIさんの報告を受けて、ホームページの公開について、私から、いまだに完成していないことをお詫びし、今後の対処について時間を割いて参加者と共に検討しました。
そして、研究協力者のみなさまとの総意として、「株式会社K」に対して損害賠償を請求する案件である、との確認を得ました。
この会社のために成果がいまだに公開できないことにより、私が甚大なる損害を被っていることを、対外的にも訴えるべきである、との判断です。さらには、科研による研究を推進している他大学および先生方への問題提起ともなるので、提訴の意義はあるとの結論です。
(中略)
ご多忙の日々の中に、突然降って湧いたような面倒な仕事を持ち込み恐縮します。
しかし、1年が経とうとするのにいまだに成果を公表できていないことで、この科研の評価が落ちることを危惧します。このことは、すでに仲間からも、どうしたのかとの問い合わせを受けています。迅速に成果を公表しないのが、情報処理の専門家と見られている私らしくないとの気遣いから、仲間の気持ちが、そのような問い合わせとなっているようです。
こんなことで、大阪観光大学で展開する科研の評価を貶めたくないので、白黒の決着を法的手段でつけ、我が身を守ることにしたいと思います。

なお、科研費は個人の研究に対して公的資金が貸与されて推進するものです。その点からも、私個人が研究代表者として提訴することは、基盤機関である大学とは切り離された研究活動の一環である、との認識でいます。

これが、気持ちのいいことに展開するとは考えられません。とはいえ、これも大事な研究者が身を守る一つと思い、あえてみなさまの支援を得ながら司法判断に委ねたいと思います。

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 数日後、大学の事務責任者に以下のメールを送りました。

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◆180127_伊藤 to S

科研のホームページについては、解約に関して先方の了解を確認できるものは入手できましたでしょうか。それがないと、次の会社に正式に依頼できないので、困っています。まだ、具体的には何も依頼できていない状況です。よろしくお願いします。
損害賠償期間は、9月から12月までを予定していました。しかし、今月にずれ込んでいるので、一応3月までの損害賠償を請求する予定で対処を進めています。今月末までに書面が受け取れたら、9月から1月までの損害に関しての請求になるかと思います。

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 これには、以下の返信が来ました。

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◆180127_S to 伊藤

ホームページの件ですが、1月19日15:40業者のIさんからのメールについて、先生の方から何か返信をされていますか?
伊藤先生からまず、直接業者へお断りのメールが必要かと思います。
あとの事務対応は大学の方で行いますので。

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 私は、以下の返信をしました。

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◆180127_伊藤 to S
ホームページの件で/伊藤鉄也

あの業者からの平和ぼけしたメールには、返信は不要だと思っています。
とにかく、昨年12月に解約のことを私の研究室でIさんに詳しく説明し、Iさんも了解なさったので、それ以上は時間を費やすのは無意味だと思います。
こちらの意思は伝えてあるので、今ごろになって何を寝ぼけたことを、という気持ちです。
解約の確認に関する書類の入手を、どうぞよろしくお願いします。
この書類のやりとりは、申しわけありませんが、基盤機関の事務を窓口としてやるしかないと思います。
お手数をおかけしますが、どうぞよろしくお願いします。

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 これに対して、すぐに次の返信が来ました。

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◆180127_S to 伊藤
ホームページの件で/伊藤鉄也

了解しました。
早速、書類について対応します。

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2018年04月18日

昨春採択の科研(A)のホームページが公開できない理由(7)

 なかなか進展しなかったホームページの改修が、8月末日に突然のメールによって作成が進んでいたことがわかりました。ただし、どうしたことか担当者がO氏からW氏に変わっていました。

 そのメールによると、作業は進めてはいるけれども不具合があって、まだ完成ではない、とのことです。そして、その不具合というのが、それこそ今回の新しい顔となるトップページのバナー部分なのです。動きのあるトップページを教え子のデザイナーに作ってもらったのに、それが動かないのだと。

170526_site-design.jpg

 トップページといえば、書物でいうところの表紙にあたる一番目立つ部分です。ホームページを印象づける部分です。訪問者が最初に見る部分です。そこができていないということは、「海外源氏情報」から「海外へいあんぶんがく情報」にデータを引っ越しさせる以前の問題です。引っ越しはこちらでできます。とにかく、一日も早く入れ物の改修をしてもらいたいのです。
 今回の一番の改修部分である顔が、一枚の画像を貼ってごまかしてありました。ど素人の仕事です。長い時間をかけた末にこれでは、本当にがっかりです。話になりません。文末の「何卒ご理解頂けますよう」という言葉が白々しく響きます。

◆170831_From 制作担当 W氏 より 私へ

海外平安文学情報ページの制作状況につきまして、ご連絡致します。
以下のURL(テストサーバ)にホームページをアップロード致しました。

http://xx.xxx.xxx.x/wordpress/

デザイン等ご確認頂き、必要な修正がございましたら、ご連絡ください。
修正が完了次第、伊藤様のサーバにアップロードさせて頂きます。

また、上記のページにてオープニング動画に不具合が発生しており、現在再生することができておりません。
こちらを修正次第ご案内いたしますので、何卒ご理解頂けますよう宜しくお願い申し上げます。


 早速私は、科研の研究協力者である仲間のすべてに、以下のメールを送りました。そして、修正次第ご案内があるのを待つことにしました。


◆170906_伊藤の科研(A-2017)関係の先生方へ

本年度採択された伊藤の科研(A-2017)のホームページの試作版が出来ました。

以下のURL(テストサーバ)で確認できます。

http://xx.xxx.xxx.x/wordpress/

デザインや公開している情報等をご確認頂き、ご自由に意見をお寄せ下さい。
まだまだ未完成です。もっと斬新な情報の発信母体にしたいと思います。
このサイトは、NPO法人〈源氏物語電子資料館〉が科研終了後は引き継ぎますので、最低でもあと50年以上はここから情報発信をしていきます。
今回の修正が完了次第、9月中旬をメドに正式に公開したいと思います。

なお、上記のページにてオープニング動画に不具合が発生しており、現在再生することができていません。


 みなさんにこのメールを送った9月6日の時点では、今はトップページが思うように動かないものであっても、不具合はすぐに解消されると思っていました。そのため、「9月中旬をメドに正式に公開」できると、みなさんに伝えました。今になって思い返せば、私の判断が甘かったようです。この不具合は、それ以降も年度末を過ぎても解消されないままに放置されているのです。それは何と今に至るまでも。

 研究協力者の先生方からは、この不具合を承知で、いろいろな意見をいただきました。いいものを見ていただきたかったのに、こんな未完成のものを見てもらうことになり、本当に残念な思いの中で、お寄せいただいたご意見に感謝しました。

 1ヶ月経った10月中旬には、業者から公開をどうしますか、という打診をされていることを、仲間に伝えています。しかし、トップページの不具合を抱えたままでの公開などは問題外であり、ありえないことです。修正次第ご案内といいながら、まったくそれは気配さえなくて「公開」の打診をする無神経さに、驚き呆れました。ホームページの顔すら作れない、ホームページが果たす役割すらわかっているのか疑問に思わざるを得ない技術者をいつまで相手にすべきか、真剣に考えるようになりました。誠意をもってホームページに対処していないことが、日毎に感じられるようになったからです。
 引き受けた仕事の内容を軽視した態度は、もはや明白です。修正次第ご案内という朗報が来るのを待つしかないと思い、「公開」の打診には応えることはしませんでした。相手にわかるように、まじめに仕事をしろ、早く修正しろ、という意思の表明です。最初に杜撰なものと知りつつ妥協して歩み始めると、入れ物は作ったではないかと言って、後は何もしないで居直られるだけですから。

 そうこうするうちに、11月初旬には、修正次第ご案内ではなくて、新ホームページについて、点検期間が2ヶ月を過ぎたことから、このまま公開してもいいか、という確認がありました。これも、能天気な業者のたわごとに「アホか」という腹立ちをぐっと抑え、ひたすら修正次第ご案内を待ちました。この修正次第ご案内は、今日現在に至るまで、いまだにありません。指定されたアドレスを見ても、昨年の8月31日に案内のあった、不具合を抱えたままのホームページがテストサーバーに放置されたままです。

 このことは、2018年になってから急転回する事態を冷静に判断する上で大切なことなので、ここでしっかりと確認しておきます。

 さて、このままでは、科研の成果が公開できないままに年を越すことになります。それは、これまでに科研の成果はきっちりと公開してきた私としては、屈辱とでもいうことです。そこで、私の方から、12月に入ってから動きました。

 昨日の記事の最後に紹介した「科研の打ち合わせを帝国ホテルで一日中おこなう」(2017年12月11日)というものは、実際には12月10日(日)のことです。東京で、お2人の方と、今後の科研の運用について相談したのです。そして、帰洛早々の翌11日に大学の事務責任者S氏に、そして科研の運用において実務の面で協力してもらっている4人へは同送メールとして、以下の内容のメールを思うに任せぬ現状の報告として送りました。

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◆171211_伊藤 to S氏

以下、科研のホームページに関して困り切っていたので、自分なりに解決の方途を見つけましたので、相談がてら現状の報告をします。

K社に依頼していた科研のホームページに関して、今夏8月31日に制作担当のW氏より連絡をいただいて以来、まったく連絡が途絶えています。
また、その際に、以下のようなメモがありました。卒業生のTさんが苦労して作ってくれた作品が、いまだに放置されています。

「上記のページにてオープニング動画に不具合が発生しており、現在再生することができておりません。
こちらを修正次第ご案内いたしますので、何卒ご理解頂けますよう宜しくお願い申し上げます。」

待てど暮らせどその後の進捗状況などの音信が不通なので、もうこの会社とのお付き合いはお断わりしたいと思います。こんな調子では、これから大量にデータを公開していくことになるのに、後3年の対処が心もとないからです。IT分野で信頼関係がなくなると、もうお付き合いは無理だと思います。
先方からは、試作版の手直しを、とのことでした。しかし、トップページのバナーすら作れない技術者に、今後の迅速な対応は期待できないと判断し、この会社を見限ることにしました。
当初は8月には公開を予定していたものです。

一昨日、東京の日比谷図書文化館で『源氏物語』の講座がありました。そこで、上京したタイミングを見計らって、以下の方と日比谷図書文化館に近い帝国ホテルで、昨10日、1時間半にわたって面談をしました。
かねてより知り合いを通して、ウェブに関する優秀な人材を探してもらいたい、とお願いしていました。すごい奴が見つかったということだったので、とにかく直接会って、こちらの意図などを実際に顔を見て説明しました。理解の早い、なかなかシャープな若者でした。東京での厳しい競争社会で、着実に業績を伸ばしているようです。
(中略)
もう師走なので、年明けにはホームページが公開できるよう、彼の技術力に賭けたいと思います。
(中略)
以上、事情などの説明を推読していただき、ご教示およびご指示をよろしくお願いします。

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 この後、改修業務を請け負っていた会社には、私の科研費の運用を任すことになっている事務方から、契約解消の連絡をしてもらうこととなり、2017年も暮れたのです。

 ここで念のために確認しておきます。
 ホームページの製作担当者と名乗るW氏からのメールを、昨年の8月31日に不具合を抱えたままのホームページに関する連絡としてもらいました。それ以来、今に到るまで一通たりともW氏からのメールはもらっていません。電話もしかり。
 数回の連絡は、大学に出入りの方が本社からの伝言だとして私に伝えていただいているだけです。しかも、証拠を残さないように用心してか、大学内の内線電話で連絡があります。この方は誠実な対応で実直な仕事ぶりなので、信頼できます。しかし、製作担当者と名乗られた東京本社のW氏の姿は、昨年の8月31日に本当に一度だけ、メールを通して垣間見ただけです。しかも、その方が実在されるのかどうかすら、知る由もありません。すべてを、大学に出入りしておられるまじめな方を間に入れてのやりとりなので、W氏はすべてをその方に責任転嫁しておられるように思われます。このW氏は、みごとなほどに姿を見せられないのです。このW氏は、本当に池袋にあると言われている本社にいらっしゃる方なのか、不信の念を抱いています。ネット社会なので、在宅勤務だとしても、その方の存在には疑念をいだいているところです。そんなことを思わせるやりとりが、8月末日から大晦日まで続いたのです。
 
 
 
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2018年04月17日

昨春採択の科研(A)のホームページが公開できない理由(6)

 これまでに、私が抱えている科研(A)のホームページが公開できないことに関して、以下の記事を本ブログに書き、多くの方々に報告してきました。
 ここで、公開してきたブログの記事の所在を明示し、関係する文章やコメントを抜き出して、これまでにホームページが公開ができていない件での情報の流れを整理しておきます。

 まず、4月に新規採択の通知を受けてから、この科研で何をするかということを、ホームページに掲載するものになる情報群を意識して、次の6本の記事を公開しました。まずは、ホームページができるまでの準備としての情報公開です。これらの記事の中でも、折々に情報はホームページで公開する中で、コラボレーションによる研究を展開することを明言しています。
 そして、こうした準備をしながら、ホームページの改修と再構築の業務を請け負ってくれる会社を探していました。そして見つかった会社が、何と一年経った今に至るまでまったく誠意のないままの対応なのです。その不誠実さと受託業務を放棄していることを、こうして事実を連ねて丹念に実証しているところです。


「今年度の科研で「海外の平安文学」が採択(内定)となりました」(2017年04月05日)

「新規科研の開始にあたって1(翻訳された『源氏物語』の言語数)」(2017年04月06日)

「新規科研の開始にあたって2(翻訳文献と関係論文の点数と到達目標)」(2017年04月07日)

「新規科研の開始にあたって3(学術的な特色・独創性・成果・意義)」(2017年04月12日)

「新規科研の開始にあたって4(おおよその研究計画とその方法)」(2017年04月19日)

「新規科研の開始にあたって5(平成29年度の研究計画)」(2017年04月20日)

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「2つのホームページの不具合に関するお詫び」(2017年04月26日)

「ダウンロード版『海外平安文学研究ジャーナル インド編 2016』の再公開」(2017年05月01日)

「ダウンロード版『日本古典文学翻訳事典 1・2』のお詫びと再公開」(2017年05月25日)

(これまでのホームページ「海外源氏情報」において、ダウンロードができないことに対処することを広く伝える記事です。とにかく、このことについては、一番早く対処したいと思っていることが伝わる記事となっています。4月26日と5月1日の記事では、次のように書いています。当初は、業者に委託するのはこれまでの「海外源氏情報」の改修版なので、5月の連休明けから5月末までには、部分的にでも公開できると考えていたことがわかります。業者から見積書の初版が届いたのは4月20日付けのものだったので、ちょうどこの前後の状況がわかるブログの記事だと言えます。今から思えば、技術力のない業者に業務を頼んだことがとんだ誤算だったのです。)

(2017年04月26日) 現在、本年度より採択された科研がスタートする時でもあります。これまでのホームページ「海外源氏情報」は新しい科研のホームページに吸収合併することで、こうした事態を解決したいと、その方策を検討しているところです。そのため、『海外平安文学研究ジャーナル』(オンラインジャーナル)のダウンロードについては、今しばらくお待ちいただきたいと思っています。暫定的に、新しいホームページが公開できるまでの間は、このブログで『海外平安文学研究ジャーナル』(オンラインジャーナル)がダウンロード出来るようにすることも検討中です。

 NPO法人〈源氏物語電子資料館〉のホームページに関しては、「従来のイオネットからのサイト」を復活させることで、緊急避難としての対処を考えています。

 いずれにしても、5月の連休明けまでには何らかの対処をいたしますので、いま少しの時間をいただきたく、ご寛恕のほどをお願いいたします。とりいそぎ、現状の不具合の報告と、今後の対応についての報告といたします。


(2017年05月01日) 現在は、「海外源氏情報」(科研HP)のリニューアル版の作成に着手しています。今月末までには、不十分ではあっても、何とか形にして公開したいと思っています。
 いましばらくの猶予をいただきたいと思います。


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「京洛逍遥(447)観光でポケット版の音声案内が使える日が近い」(2017年05月16日)

(改修により新装となる新規採択の科研のホームページに関して、そのページのデザインが進行していることがわかる記事です。)

 塔下さんは、大阪観光大学の前身である大阪明浄女子短期大学の卒業生で、私の教え子です。また、22年前に短大の中に創設した、当時は世界的にも最先端だと言われた、「マルチメディア部」と「ワールド・ワイド・リサーチクラブ」の主要メンバーでもありました。

 この度、縁あって、いろいろとデザイン面で助けてもらうことになりました。
 新規採択となった科研のホームページのデザインも、お願いしています。これも、出来あがりが楽しみです。もうしばらくお待ちください。


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「科研(A)の成果は「海外源氏情報」から[海外平安文学情報]へ」(2017年05月26日)

(ここで、私が一番最初に手をつけたかった、それまでの「海外源氏情報」における(1)ダウンロードができなくなっていること、と、(2)画面がロックされていること、の、2つの不具合についてお詫びを記しました。
 そして、新規採択の科研のホームページに関するデザインが決まり、受託業者に渡した時点で、その概要を広く告知する情報も流しています。このまま改修されたホームページができれば、そこへ新たな情報を流し込み、これまでの情報との統合を図ろうとしていたことが、この記事からわかります。これが、私が描いていたホームページの構想の全容です。それが、もう一年も何も公開できないままに、受託業者によって時間が停められています。まさに、私の研究活動がこの業者によって妨害されているに等しい、とこの場を借りて訴えているところです。)

 「海外源氏情報」については、先月4月1日以降は修復も含めて、まったく何も手を付けていません。問題の所在が不明確にならないようにするため、専門家からアドバイスをいただいての対処です。

 今後は、この「海外源氏情報」を通して公開してきたデータのすべてを、今年度から4年計画で新しく始まった科研(A)「海外における平安文学及び多言語翻訳に関する研究」(課題番号︰17H00912)に取り込み、近日中に新たに立ち上げるホームページ[海外平安文学情報]に移行します。
 現在の「海外源氏情報」で発生している不具合は、新ホームページ[海外平安文学情報]に移行を終えたら、その段階で役割を終えることにします。

 現在は、新ホームページのデザイン(案)を検討しているところです。
 この画面は、その一部が動きますので、完成型を楽しみにお待ちください。

170526_site-design.jpg

 この入れ物に、これまでの情報のすべてと、これからの情報を盛り込むために、今は新築と引っ越しの作業で、慌ただしく立ち回っているところです。
 新しくお披露目するホームページ[海外平安文学情報]は、もう少しお待ちください。


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「科研のアルバイト募集(「海外へいあんぶんがく情報」に関する情報の収集整理)」(2017年06月05日)

(ホームページの改修が順調に進んでいると確信していたので、こうした情報を流しました。)

 仕事の内容は、世界各国における〈平安文学〉の研究状況に関する実態調査(研究機関・研究者・研究成果・翻訳書等)を実施し、それを基にして、調査・収集した資料を整理し、海外における受容と研究の歴史を総合的に整理する研究支援をしていただくものです。
 具体的には、〈平安文学〉が海外において、誰がどのようにして受容・研究・翻訳されているのかを調査し情報を整理して、共同討議の基礎資料を作成していただきます。
 こうして得られた情報は、ホームページ「海外へいあんぶんがく情報」を通して発信します。新しいホームページは、現在作成が進行しています。


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「第9回「海外における平安文学」研究会は大阪観光大学で今月30日に開催」(2017年06月28日)

(最初は、こうした研究会開催のお知らせなどは、ホームページで連絡する予定でした。そのホームページの改修がおくれているので、わざわざこうしたお詫び付きの情報を流すことになりました。)

 これまでの科研のホームページである「海外源氏情報」(http://genjiito.org)が、いまだに不具合を抱えており、情報の更新が3月31日からまったくできていません。
 下記の要領で開催することを、この場を借りてお知らせします。
 連絡が遅くなり、大変失礼しました。


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「科研のアルバイト募集中[その2](「海外へいあんぶんがく情報」の情報収集と整理)」(2017年07月18日)

(この助っ人募集の記事の中に「情報や資料の収集と整理、ホームページの作成と更新および補訂をおこなっていただく」と明記されています。今回のリニューアル版ホームページの運用には、アルバイトの方にその仕事を受け持ってもらうことが、当初から想定されていました。そのことは、最初からシステム会社に伝えてありました。ホームページの更新のためのツールの開発は、そうした用途での業務として依頼したものです。肝心のホームページがいまだにできていないので、この作業はまったくできないままに時間が経過しています。このホームページの運用を任せようとしたアルバイト生には、本当に申し訳ないことになっています。)

 過日、「科研のアルバイト募集(「海外へいあんぶんがく情報」に関する情報の収集整理)」(2017年06月05日)という記事を、本ブログに掲載しました。
 来月には、新たに「海外へいあんぶんがく情報」(http://genjiito.org)を公開できる予定です。そこで、さらにお手伝いをしてくださる方を追加募集することにしました。

 仕事の内容や条件は、過日とほぼ同じです。在宅ではなくて、実際に大阪観光大学に来ていただいて、情報や資料の収集と整理、ホームページの作成と更新および補訂をおこなっていただくことが基本となります。

 現在、4人の方がこうした仕事を手伝ってくださっています。大学一年生が中心なので、専門的な知識が求められるものではありません。こうしたテーマに関する、興味と関心が強ければ、十分に楽しくやっていただけるはずです。また、本科研のテーマの一つに、若手の育成があるので、これにも合致した取り組みとなっています。


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「新規科研(A)の取り組みが順調に動き出しています」(2017年07月20日)

(昨日までの経過説明では、次の記事にあるように、7月19日にホームページ改修の業務を委託したシステム開発会社と面談による打ち合わせをしたことを拾い上げていませんでした。メールなどでは、このことが文字として残っていなかったためです。この件も、昨日の記事の追記として残しておきます。なお、この冒頭で「昨日は、システム開発管理会社にお願いしている、科研の新ホームページ「海外へいあんぶんがく情報」に関する打ち合わせをしました。これまで公開していた「海外源氏情報」(http://genjiito.org)のバージョンアップ版となります。」とあることは、記憶に留めておきたいと思います。今回のシステム開発管理会社への委託業務は、「海外源氏情報」(http://genjiito.org)の「バージョンアップ版」だったことが、ここでも確認できるからです。つまり、新規にホームページを作成するのではなく、「再構築」「改修」「バージョンアップ」「リニューアル」だったのです。また、その後の赤字部分「データを継承する中で、新たなスタイルに移行しながら、より使い勝手の良いデータバンクを構築しようとしているところです。」という記述も、そのことを裏付けています。このことは、今回の受託会社の対応と理解が私と違っていることを明らかにしているものです。)

  昨日は、システム開発管理会社にお願いしている、科研の新ホームページ「海外へいあんぶんがく情報」に関する打ち合わせをしました。これまで公開していた「海外源氏情報」(http://genjiito.org)のバージョンアップ版となります。

 昨年度までのホームページ「海外源氏情報」は、すでに海外における平安文学の研究に役立つ、膨大な情報を提供するサイトとして育ちました。そのデータを継承する中で、新たなスタイルに移行しながら、より使い勝手の良いデータバンクを構築しようとしているところです。
 システムの開発チームから寄せられている、いろいろな質問に答える形で、一つずつ前進しています。予定通り、8月上旬に試作版を公開できると思います。みなさまからのご意見を取り入れながら、平安文学に関するデータバンクを次の世代に手渡ししていくつもりです。

 過日このブログを通して募ったアルバイト要員に関しては、すでに10人が集まったので、ここで一旦締め切ります。全員が大阪観光大学の1回生という、おもしろい構成となりました。今回の科研の研究期間は4年間なので、彼らの卒業とともに次世代にすべてを引き継ぐことになります。ゴールがはっきりしたこともあり、なかなかいい形でのスタートとなりました。


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「科研の打ち合わせを帝国ホテルで一日中おこなう」(2017年12月11日)

(ホームページの改修に関してはまったく動きがなかったので、7月20日から12月11日までの約5ヶ月のブログでは、特に記事は掲載していません。メールで仲間といくつかやりとりがあったことは、引き続き記す報告に譲ります。この師走の記事では、ホームページに関してまったく連絡が途絶えたために、この請け負い業者を見限ることを想定し、新たな業者探しをしていたことがわかります。とにかく、私への作業の進捗状況の報告がないので、別の道を探すしかなくなったのです。また、ホームページを展開させる中で構築するデータベースに関しても、今回の請け負い業者には不可能なことだとわかったので、これについても別の糸口を求めて人と会ったりしています。2017年12月は、それまでの業者に失望したために、新たな方途を求めだした時期なのです。)

帝国ホテルの1階のラウンジで、IT関係者と科研に関する打ち合わせをしました。科研のホームページがまったく進展しないので、新しくやり直すためです。ホテルのロビーには、立派なツリーが飾られています。
(画像省略)
 目の前に現れたのは、私がコンピュータと出会った36年前にはまだ生まれてもいない若者でした。完全に4世代は隔たってしまっていることを実感します。昔抱いていた夢と今の夢が交錯する、実に楽しい話をしながら、科研で私がやりたいことを語り、支援をお願いしました。彼なら、夢を実現してくれそうです。頼もしい若者とのいい出会いとなりました。

 そのすぐ後、午後からはまた別の方と、今度は場所をホテルの地下に移し、和食をいただきながらの打ち合わせです。今度は、データベースの構築について、その実現に向けた夢のある話です。具体的には、多言語に翻訳された日本文学作品を比較検討するためのデータベースを、どのようにして実現するか、という問題です。名古屋大学の先生を紹介していただくことになりました。
 また、『源氏物語』の写本を翻字してデータベース化して公開することについても話し合いました。打ち合わせを重ねる中で、まずは池田本と大島本の本文を「変体仮名翻字版」でデータベース化し、その2つの本文の違いが容易に確認できるデータベースの構築に取り組むことになりました。これから、その手配に着手します。
 異分野の方の力を借りて、積年の課題を何とか実現したいと思っています。

 あまりにも楽しい話が続いたので、つい話し込んだこともあり、新幹線に乗ったのは、もう夜でした。
 2つの面談は、これまでの課題を新しく展開させる上で、共に数歩前に進むことを確信させるものでした。今年一番の、稔り多い打ち合わせでした。


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posted by genjiito at 21:44| Comment(0) | ■科研研究

2018年04月16日

昨春採択の科研(A)のホームページが公開できない理由(5)

 昨日の「昨春採択の科研(A)のホームページが公開できない理由(4)」では、昨年2017年6月28日の「作業内容の確認事項」までの事実を報告しました。
 その後はまた別の展開となるので、ここまでで事実確認で明示しなかったことのいくつかを、落ち穂拾いのようにしてその一部を引用することで掬い上げておきます。
 以下でSとあるのは、大学事務局の責任者の名前です。

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◆2017.04.20_From O氏 to S(最初の見積書が送られてきた時のメールは大学の事務局宛であり、私は同送者に入っていませんでした。この見積書のことは後でわかりました。この業者は誰を相手に受注しようとしていたのか、この時点では不明です。)

伊藤様の源氏物語ホームページ運用費用につきまして見積書を作成致しました。
内容をご確認の上、問題が無いようでしたらご発注頂けますようお願い致します。

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◆2017.04.25_From O氏 to 私(事務に連絡が行った5日後に、私宛の見積書と発注依頼のメールが届きました。)

本件、ホームページ年間運用費のお見積りを送付させて頂きます。
内容をご確認の上、問題が無いようでしたら事務局様に発注手続きのご依頼をお願い致します。

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◆2017.05.18_From O氏(2通目の見積書を受け取った後、3週間も経ってからの私宛のメール)

本件、SEO対策が不要とのことですので、該当項目を削除したお見積りを送付致します。
元々60万円というお話でしたが、今回のご要望を頂きディスカウントしております。

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◆2017.05.23_From O氏からのものをS to 私(私へはO氏から直接は来ないパターン。文中には「ホームページの内容に関しては直接連絡になる」とあります。しかし、そういうことはなく、実際には間に人が入ったりメールだったり、音信不通になったりというのが実態でした。また、「大学様とサービス内容は同じ」と言ったこともあり「今回に限りフルスクラッチを含めてお受けさせて頂きます。」とあることは大切なことです。当初より、私からの依頼内容のすべてについて、大学向けに行なっているサービスの質を落とすことなく十全の対処をする、という理解がなされていることがここから確認できます。それが、8月末にトップページがうまく動かないことが出来した時点で連絡が途絶え、そのまま直接連絡がないままに放置となりました。さらには、ここでは「再作成」「新ホームページの作成」「改修」など、業者が一体何をどうしたいのかが揺れています。今後のやりとりを含めても、今回依頼したものは「改修」の枠内のものです。新規作成については、こちらから依頼したものではありません。早急に対処してもらえるのであれば、一日でも早くホームページが公開できるのであれば、「新規」でも「改修」でも「再作成」でも、いずれでも私は構いません。この流れからは、業者が勝手に「新規作成」に舵を切り替えたと理解するのが自然だと思われます。「レスポンシブ対応」については不要であることはすぐに伝えました。)

Kに発注書の送付前に、以下の内容を、伊藤先生のほうでご確認お願いします。


S宛てに送付するよう記載がありましたため、伊藤様に確認する内容も合わせてこのメールに記載させて頂きます。
お手数お掛け致しますが、転送頂けますようお願い申し上げます。
 ※今後、ホームページの内容に関しては直接連絡になると想定しております。

■作業範囲について
 ご説明させて頂きました通り、作成がホームページのデザイン含め、イチから再作成(フルスクラッチと説明しています)する場合、現在の金額ではお受けすることが難しい作業ボリュームとなっております。
 しかし、大学様とサービス内容は同じと説明させて頂いたこともございますので、今回に限りフルスクラッチを含めてお受けさせて頂きます。

■作業の日程感に関して
 ホームページの運用開始直後からフルスクラッチを行ったホームページで稼働させることを想定されていましたが、デザインや構成、記載する詳細内容、レスポンシブ対応(後程詳細を記載します)を実施するか等を擦り合わせした上で、新ホームページの作成に着手します。
 新ホームページ作成中も都度、方向性や想定通りの構成になっているかチェックして頂く必要がございますので、フルスクラッチ対応の場合、リリースまでお時間が必要となることを予めご了承下さい。
 まずはデザインや構成、サーバへのアクセス情報等ご連携頂き、早々に打ち合わせを実施してスケジュールを決めたいと考えております。

■ご連絡方法について
 「作業の日程感に関して」にも関わってきますが、伊藤様との連絡方法、連絡経路を決めておく必要がございます。
 メール連絡が一般的だとは思いますが、デザインや構成のニュアンスを伝えたり、クイックな反応が必要でしたらSkypeやチャットワーク等のチャットツールを利用された方が推奨となります。

■WordPressの脆弱性対応
 本件につきましては、最新版のWordPressにバージョンアップして対応させて頂きます。
 現在のWordPressがどのバージョンを利用しているか把握できておりませんが、最新化したことによりホームページソースの構文が違ったり、選択されているデザインの差異によって現行ホームページのレイアウトが崩れる部分が出てくる可能性がございます。
 上記につきましては、新ホームページが稼働するまでの間となりますので、予めご了承頂けますようお願い致します。

■レスポンシブ対応について
 レスポンシブとはパソコンだけでなく、スマホなど異なる画面サイズでホームページを閲覧した際、レイアウトやデザインを柔軟に調整する機能となります。
 ホームページの利用者様がパソコンメインの場合は対応しなくても良いのですが、スマホアクセスが多いようでしたらレスポンシブ対応をあらかじめ視野に入れる必要がございます。
 WordPressの中でデザインを決めるテーマというものがございますが、レスポンシブ対応していないモノもありますので、こちらを選んでしまうと後でレスポンシブ対応を行う事が困難となります。
 まずはレスポンシブ対応を視野に入れているかご教示頂けますようお願い致します。

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 こうしたやりとりがあった後、7月中の公開が8月のお盆前となり、さらに不具合があるので修正できしだいに案内するのでそれまで待ってほしいとの連絡が、8月31日にありました。

 次回は、そのことから書き起こします。
 (以下、つづく) 
 
 
posted by genjiito at 20:07| Comment(0) | ■科研研究

2018年04月15日

昨春採択の科研(A)のホームページが公開できない理由(4)

 前回の記事、「昨春採択の科研(A)のホームページが公開できない理由(3)」(2018年04月11日)の末尾に記したことの続きです。
 先方の業者Oさんからいただいた「作業内容の確認事項」については、後掲の通りの回答をしました。
 この回答について、少し説明を加えておきます。

 私は、人と話をする時には、可能な限り顔を合わせて面談することを心掛けています。ネット越しのやりとりでは、えてして人間不在となりがちだからです。そのため、この時も、前回の記事にもあるように、大学での打ち合わせの場で直接「海外源氏情報」(http://genjiito.org)の画面を見ながら回答し、それを東京の本社に伝えてもらいました。6月28日のことです。
 この回答の文面が堅苦しいのは、先方の方に私が説明したことによる聞き書きを、エクセルの表に文字で埋めてくださったものが先方に送られたものだからです。
 それにしても、この質問も精粗の烈しいもので、どこまでこちらの意図がわかっての質問であるのか、当初から大いに疑問に思いました。もっと大事なことを最初に詰める必要があるのに、この質問はある意味どうでもいいと言っては語弊があるとしても、些細なことばかりです。肝心のことが問われていないのです。
 例えば、次の例がそうです。

「新ホームページはデザインを含め、イチから作成する必要があり、本番リリースまでお時間が掛かります。」


 この言いわけまがいの文言からもわかるように、すでに私が4年間にわたって構築した前科研(A)の「海外源氏情報」から、それを引き継ぎながら展開する現科研(A)の「海外へいあんぶんがく情報」へと移行する意味が、先方の担当者にはほとんど理解できていないとしか思えません。
 そのため、私としては聞かれたことに答えるだけという、ここでは型通りの回答になっています。展開としては、実際に1件ずつやりとりをする中で、丁寧な対応をしてもらう中で決めていこうと思っていました。それが、業者の姿勢は通り一遍の投げ遣りな対応だったので、肩透かしという感触を最初に持ったことは言うまでもありません。
 さらには、次の文言もそうです。今回の私からの業務の発注に関わる依頼は、ホームページに関して限定すると「改修」であることは、担当者も理解できていたようです。しかし、その後の対応はピンボケでした。このことが、この後の業者のとんでもない対応で明らかになります。特に、2017年12月以降は明らかに常軌を逸したものでした。その時に、このことを再度詳細に確認します。

「今回の改修で以下の通り修正しようと思いますが宜しいでしょうか。」

「リリース完了までの間、現在のホームページで改修する項目がございましたらご教示頂けますようお願い申し上げます。
例)ジャーナルのダウンロードが出来なくなっている不具合だけ解消して欲しい。   …等」


 ここに見られるように、前回の記事で指摘した通り、当時私が一番解決したいと思っていた「海外源氏情報」の不具合の解消に対しては、こちらの切実な願いは伝わっていたのです。しかし、それは以降もずっと無視され続けていくのです。
 また、最後の(8)(9)(10)の項目に、「視覚障害関係のホームページ」「NPO法人〈源氏物語電子資料館〉」「エラー発生のNPO法人〈源氏物語電子資料館〉」の3項目が列記されています。これによって、私からこの業者への業務依頼の中に、科研のホームページの改修のみならず、現在も私が取り組んでいるその他いくつかのホームページに関する情報の公開に関しても、改修の依頼をしていたことが明らかに見て取れます。
 これ以外にも、研究成果を公開するための電子ジャーナルの編集や、学生たちがホームページをアップデートするためのツールなどの開発もお願いしていました。それらに関する言及がここにないのは、まだその段階にまでは至っていないという、スタート時点でのやりとりということもあるとしておきます。ここでは、ホームページの改修に関することに限定されていると言えます。
 それでは、このホームページ以外のことはどうなったかと言うと、それらはまったく先方からの問い合わせはありませんでした。もちろん、最初に着手するホームページすらまともにできなかったのですから、その次の保守や科研のサポートなどは埒外のこととして、適当に忘れ去られていたのでしょう。

 とにかくここでは、以下に、このホームページの改修に限定しての「作業内容の確認事項」に関する最初のやりとりの確認として、具体的な資料を掲示し、その内容を文字として列記します。
 
180415_kaitou.jpg

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(通し番号)確認内容
  → 回答内容



(1)リンクの挙動について確認となります。
 「マウスを持って行くと下線が消える」、「マウスを持って行くと下線が表示される」という相反するご指示がございます。
 使い分けとしては、ホームページフッター部分は「マウスを持って行くと下線が表示される」
 ホームページ内は「マウスを持って行くと下線が消える」という認識で宜しいでしょうか。

 → 確認内容で間違いございません。フッター部分は「下線が表示」、ホームページ内は「下線が消える」でお願いします。

(2)項番「1」に関連しますが、「リンク先がある場合は下線が入る。」というご指示は、ホームページ本体内のご指示であり、フッター部分はリンクがあっても「下線は不要」という認識で宜しいでしょうか。

 → 確認内容で間違いございません。フッター部分はリンクがあっても「下線は不要」でお願いします。

(3)「マウスを持って行くと文章が流れるように表示(下から上へ)」というご指示ですが、表示する文章を頂けますようお願い致します。

 → 後日回答

(4)現在のホームページでは、「平安文学情報」メニューにカーソルを合わせた際、「平安文学関連Webサイト(1)」、「Webサイト(2)」、「Webサイト(3)」と表示されまていますが、正しくは以下と認識しております。
 今回の改修で以下の通り修正しようと思いますが宜しいでしょうか。
  平安文学関連Webサイト(1) → 
  平安文学関連Webサイト(2) → 
  平安文学関連Webサイト(3) → 

 → 指示済み

(5)下記URL内に「●現代語版」という文言がございますが、リンクと同様に青文字下線となっておりますが、リンクは設定されていない状態です。
 どのように扱えば宜しいでしょうか。
 http://genjiito.org/10jyougenji/

 → 実際にはあります。後日指定。

(6)下記URL内に「第三章 野々口立圃作『十帖源氏』の本文構造」(菅原郁子)という名前がございますが、他の名前はリンクになっており、ここだけリンクになっておりませんでした。
 こちらはリンクではなく本文という扱いで正しいでしょうか。
 http://genjiito.org/update/10jo_ronbun_list/

 → 問題なし

(7)新ホームページはデザインを含め、イチから作成する必要があり、本番リリースまでお時間が掛かります。
 リリース完了までの間、現在のホームページで改修する項目がございましたらご教示頂けますようお願い申し上げます。
 例)ジャーナルのダウンロードが出来なくなっている不具合だけ解消して欲しい。…等

 → 回答済み

(8)http://genjiito.sakura.ne.jp/touchread/ 視覚障害関係のホームページ
(9)http://www.eonet.ne.jp/~genjiito/index.html NPO法人〈源氏物語電子資料館〉
(10)http://genjiito.org/npogenji/ エラー発生のNPO法人〈源氏物語電子資料館〉

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posted by genjiito at 23:58| Comment(0) | ■科研研究

2018年04月12日

翻訳本の展示を再開(ビルマ語訳『源氏物語』と『あさきゆめみし』)

 大阪観光大学での翻訳本のミニ展示は、新年度を迎え、装いも新たにスタートしました。
 これまでは図書館の3階に展示していたため、せっかくの展示もなかなか足を向けてもらえませんでした。
 今年度は留学生がさらに増えたこともあり、一人でも多くの学生に翻訳本を見てもらいたいとの願いも強くなります。そこで今年からは、図書館1階の入り口近くに展示ケースを移動し、見てもらいやすい場所を確保することにしました。ただし、スペースの関係で展示ケースは1台だけなので、厳選された本を20冊程度展示することになります。

180412_tenji1.jpg

 今年は、前年度の大きな成果であるミャンマーで収集した翻訳本の展示から始めることにしました。ただし、まだ整理中ということもあり、今日は『源氏物語』のビルマ語訳5冊を並べました。

180412_tenji2.jpg

 その右側には、漫画『あさきゆめみし』のタイ語訳、英語訳、豪華和装本を並べることで、翻訳本に興味を持ってもらうことを今回の展示の目的としました。

180412_tenji3.jpg

 いつものような解説文は、まだ準備中なのでしばらくお待ちください。新入生の関心を惹くことを最優先にして、とにかくスタートしたものです。

 次は、5月のゴールデンウィーク明けに展示替えを考えています。

 今回も、科研の研究協力者となっている2回生になったばかりの6人の学生が、あれやこれやと知恵を絞って、わいわいがやがやと展示の用意をしました。展示ケースの中に置いた折り紙が、和風の雰囲気を盛り上げています。

 こうした本を見ながら、千年前を、そして海外のさまざまな言語に想いを馳せていただけると幸いです。
 また、ご覧になっての感想などをお寄せいただけると、次からのやりがいにつながります。

 なお、昨年度までの展示を一冊の冊子にすべく、学生たちが解説文や写真を整理しています。5月末までには、展示の記録としての冊子版を発行します。奮闘努力の結果を、楽しみにお待ちください。
 
 
 
posted by genjiito at 22:06| Comment(0) | ■科研研究

2018年04月11日

昨春採択の科研(A)のホームページが公開できない理由(3)

 昨春、新規採択された科研(A)「海外における平安文学及び多言語翻訳に関する研究」(課題番号︰17H00912)のホームページが、いまだに開設できていません。2017年度の膨大な成果が公開できず、困り切っています。
 この業務を請け負った会社がどのような対応をしたのかを、ここに詳細な記録を繙くことによって確認していきたいと思います。ホームページが公開できていない理由について、この1年間の記録をもとにして、問題点を明らかにしようとするのが目的です。事実を時間軸に沿って並べ、さらにその過程での請け負い業者の発言を正確に併記することで、おのずとその実態の素描ができあがることでしょう。

 〈2017年4月20日〉付けの「御見積書(大阪観光大学 伊藤様 ホームページ年間運用費用)」と、〈2017年5月9日〉付けの「御見積書(大阪観光大学 伊藤様 ホームページ年間運用費用)」があることは、すでに「昨春採択の科研(A)のホームページが公開できない理由(1)」(2018年04月05日)に書いた通りです。

 その後、手元に何も記録がないので、次の5月31日までに何かやりとりがあったのかは不明です。というよりも、思い出せません。何かわかれば、後で追記します。
 事実を確認できることで言えば、以下のような動きがありました。
 まずは、担当者のOさんから電話があったことを、大学の事務の方が教えてくださいました。私は、24時間態勢でメールの読み書きをしていることを伝えてあったのに、このIT時代にアナログな対応には驚きました。
 以下のメールなどの引用にあたっては、今回の件での確認事項に関係ない部分は割愛して引用します。また、読みやすくなるように、内容には一切手をいれずに、改行や行詰めなどで見栄えをよくした部分があります。

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2017.5.31 12:33

KのOさんより、先生に連絡がとりたいとの電話がありました。
Oさんの電話番号お知らせ致します。

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 次のメールは、電話で見積書についての私からの意見を伝えたことを踏まえたOさんからのものです。

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件名: 【ホームページ運用】源氏物語に関して
日付: 2017年6月5日 15:08:48

掲題の件、お電話にて会話させて頂きましたが、お支払条件に関して以下の状況となっておりました。

 S次長からは伊藤様と弊社で決めて欲しい(科研費も関わるため)
 伊藤様からは事務の方と弊社で決めて欲しい(費用に関わると不正となってしまうため)

お電話だけですと3者間で見えていない話がある状態で、誰が決定して良いか分からなくなってしまうため、本メールを送付させて頂いておりますが、伊藤様と弊社の間では、「前回も年度末に支払っていた」との情報がございましたので、大学様の年度末(2018年3月5日)をお支払期日とし、支払条件に「保守最終月(2018年3月5日)支払」等、ご記入して頂くことで会話しております。

明日(6/6)、S次長、伊藤様にて上記内容に齟齬が無いか、ご確認頂けますようお願い申し上げます。

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 ここに記されている「大学様の年度末(2018年3月5日)をお支払期日とし、支払条件に「保守最終月(2018年3月5日)支払」等、ご記入して頂くことで会話しております。」とあることについて、最終的にどうなったのかは、今私の手元にはこれに関する書類がないので、後で事務方を通じて調べてから報告いたします。
 そして、この翌日から実際にホームページに着手してもらうことになっていきます。
 ここで確認しておきたいのは、この時点で私が構築しているホームページに出入りできる情報をこの会社に渡したこと、そして増築する新しいホームページのデザインのデータのすべても、この段階ですべてを渡していることです。とにかく、この時点ですべてを託しました。それが、いまだにこのホームページが出来ていないのが事実です。

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2017.6.6 07:48

ホームページのデータを添付します/伊藤鉄也・大阪観光大学

ホームページのデザイン用データとさくらインターネットの情報を添付します。
これで大丈夫でしょうか。
よろしくお願いします。

  iCloudからダウンロード
   170606_さくら.pdf
   146.7KB
  iCloudからダウンロード
   HP_heianbungaku.zip
   31.96MB

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 これを受けて、Oさんからは受け取ったので確認作業に入ったとの返信をいただきました。

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2017.6.6 11:0

本件、情報のご開示ありがとうございます。
現在、内容の確認を行っておりますので今しばらくお時間頂けますようお願い申し上げます。

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 確認後、ホームページの補訂版を作成するにあたっての質問がOさんからありました。

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2017.6.23 13:57 Oさんから

先日は、資料のご送付ありがとうございます。
内容を確認させて頂き、いくつかご質問がございましたのでメールに添付させて頂きます。
お手数お掛け致しますが、ご確認の上、返信頂けますようお願い申し上げます。
※解凍パスワードは別途送付いたします。

また、具体的なスケジュールを決めて作業に着手したく考えておりますので、来週、お打ち合わせのお時間を頂けますでしょうか。

場所は伊藤様の研究室を考えております。
日時をご指定の上、2、3候補日を頂けますでしょうか。

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 これに対して、私からは3日後に以下の返信をしました。
 ここで問題となるのが、以下で赤字にして示したことです。
 ホームページの改修のことよりも、取り急ぎ対処してもらいたい、火急の対処のお願いです。
 これについては、その後、一言も言及もなく、また、いまなおまったく対処をしてもらっていません。
 このことは、最後(予定では10回目)に公開する資料及び報告と大きく関係しますので、ここで強調しておきます。
 今回この業者にお願いしたのは、新たなホームページの追補及び補修のみならず、昨年まで4年間にわたって公開してきた、今回のベースとなるホームページ「海外源氏情報」の保守などがあります。そのことすら、まったく手付かずのまま、今に至るまで放置されています。
 これが事実であることは、昨年3月31日で完全に止まったままの「海外源氏情報」(http://genjiito.org)の中の「ジャーナル」(http://genjiito.org/journals/)のページをご覧ください。この無様な状態のままに、1年間が経過したのです。慚愧にたえません。
 まずは、この不具合だけは早急に対処してもらいたかったのに、完全に無視をして放置されていることに、日々悔しい思いをしています。こうしたことすら出来ない、技術力のない業者であることを、不覚にも私は気づかないままに日時が経過していったのです。

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2017.6.26 17:06

出張のため返信が遅くなりました。
大学での打ち合わせについては、以下の日時が可能です。

(1)6月28日(水)午後1時40分〜3時半まで
(2)6月29日(木)午後1時30分〜3時半まで
(3)7月6日(木)午後1時30分〜3時半まで

また、旧来のホームページ「海外源氏情報」(http://genjiito.org)については、以下の2点だけが問題です。

(1)ジャーナルのダウンロードができない
(2)画面がロックされているために、表示されている画面の文字列がコピーできない

それも、最低限、ダウンロードができるようになれば、当座は特に支障はありません。
新しいホームページが立ち上がるまで、この不具合だけでも解消していただければ助かります。

ご指摘の確認事項については、後日回答いたします。

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 これに対する業者のOさんからは、

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2017.6.26 17:58

本件、ご連絡頂きありがとうございます。

(1)6月28日(水)午後1時40分〜3時半まで

上記日程にてお打ち合わせをお願いいたしいます。
当日は弊社I(現在大学様で保守を担当している者)がお伺いさせて頂きます。

確認事項につきましては、ご連絡お待ちしております。

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以下、まだ続きます。
 
 
 

posted by genjiito at 23:56| Comment(0) | ■科研研究

2018年04月06日

昨春採択の科研(A)のホームページが公開できない理由(2)

 私は、科研に採択されると、すぐにホームページの構築に着手します。
 ここでは、そのことを確認します。

 前回の科研費(A)の研究、【海外における源氏物語を中心とした平安文学及び各国語翻訳に関する総合的調査研究】は、2013年10月という年度途中での採択でした。
 年度末まで半年もないという、急なことだったにもかかわらず、そのホームページを公開したのは、4ヶ月後の2月でした。
「海外源氏情報」(科研HP)

 今回も、4月に業者と交渉を始め、上記のホームページの増改築なので開発期間は短いだろうということで、当初は7月の公開のはずでした。しかし、4ヶ月後の8月になるとの連絡が届きます。お盆前後ならと了解しました。そして、一応出来たけれど不具合がある、という不完全なものが、8月31日に提示されたのです。
 8月のお盆前ということだったのに、31日になり、しかもそれは杜撰極まりない、トップページに写真を一枚貼り付けただけのものでした。どれだけ酷いものかは、また後に詳細に記します。そして、9月に入ってからは、不具合の解消がいつになるのか、連絡を待ち続けました。しかし、なんとそれは昨年の12月になっても音信不通だったのです。
 そこで私がようやく動いたのは、これもまた後に詳しく書きます。

 業者の言い分を聞いて、譲りに譲って昨年のお盆までの公開のはずでした。しかし、1年経った今でも、ホームページ「海外へいあんぶんがく情報」のトップページに置くバナーすら完成したとの案内もなく、何も報告も受けていません。

 以上の経緯の確認は、今後の報告と突き合わせる上で大切なことなので、あえてここに明記しておきます。

(以下続く)
 
 
 
posted by genjiito at 19:47| Comment(0) | ■科研研究

2018年04月05日

昨春採択の科研(A)のホームページが公開できない理由(1)

 昨年2017年4月に、〈科学研究費補助金 平成29年度 基盤研究(A)(一般)〉で、「海外における平安文学及び多言語翻訳に関する研究」(研究代表者:伊藤鉄也、課題番号︰17H00912)が新規に採択されました。折しも、3月から4月にかけては、それまでの基盤機関であった国文学研究資料館から、定年退職と再就職に伴い大阪観光大学に所属先が変わったばかりの時でした。すぐに諸々の変更手続きなどを終えて、公的資金を導入した研究をスタートさせました。
 そして早速、前年度までに構築していたホームページ「海外源氏情報」(http://genjiito.org)をベースとして、それを発展的に増改築したホームページ「海外へいあんぶんがく情報」を起ち上げ、情報発信を継続するための準備に取り掛かったのです。まずは、採択結果を受けてすぐの昨年4月中旬から、新しいホームページの運用を始めるため、あるウェブ関連業者の支援を得る契約の交渉に入りました。手元には、〈2017年4月20日〉付けの「御見積書(大阪観光大学 伊藤様 ホームページ年間運用費用)」という、最初に受け取った書面があります。また、ゴールデンウィークを挟んだその後の打ち合わせを経て、〈2017年5月9日〉付けの「御見積書(大阪観光大学 伊藤様 ホームページ年間運用費用)」というものもあります。
 しかし、あれから1年が経過した今に至っても、当初予定していた「海外へいあんぶんがく情報」(http://genjiito.org)というホームページは公開できないままです。予定していたホームページは、昨年3月31日の時点で時が止まったかのように休眠状態で放置されています。
 なぜ1年経ったにもかかわらず、新規採択の科研を包摂した新しいホームページが公開できていないのか? 心配してくださる方々には、折々に個人的に説明をしてきました。しかし、もう1年も経ったのです。そこで、その経過と原因と理由をこの段階で総整理し、その責任の所在を明確にしておく必要があると思い、本ブログで公表することにしました。

 私の研究は、情報を公開しながらコラボレーション(共同研究)を展開する中で成果を上げる、という手法をとっています。この手法で、これまで科研費の研究に取り組んで来ました。
 しかし、今回はその手法で研究を推進するための基地となるホームページがいまだに出来ていない状況のために、昨年度の膨大な成果も多くの方に公開できないままでいます。
 例えば、先月現地調査に行ったミャンマーで見つけた新資料や最新情報は、私の個人的な日記を公開している本「鷺水庵より」(http://genjiito.sblo.jp/)から、研究を支援してくださっている方々に報告することに留まっています。正式に科研のホームページから報告できない状況下では、これもいたしかたなしとしながらも、忸怩たる思いでいます。特に、『源氏物語』の翻訳言語としては第34番目となるビルマ語訳『源氏物語』の存在が判明し、その翻訳者と先週は2度にわたって面談をしたことなどは、これまでの研究史の中に位置づけたい事項です。今は、暫定的な速報としてこのブログで公開していても、出来ることなら一日も早く研究成果の集積であるホームページ上に、時間軸の流れの中に定位して記載したいことなのです。
 とにかく、ホームページがないことで、研究とその成果が公開できず、困惑の真っただ中にいることをご理解いただけると幸いです。
 また、このコラボレーションのツールとなっていた私のホームページが出来ていないために、予定していた研究成果が予定通り得られず、進展しない課題も多く、さまざまな支障が生じています。翻訳本の訳し戻しなどにより、日本の文化がどのように変容して世界各国に伝えられているのか、という実相解明の共同研究などは、ほとんど取り組めていません。これは、コラボレーションと国際集会や研究会をリンクさせて展開する予定のものでした。
 昨年度実施した研究会の成果なども、電子ジャーナルとしてウェブに発行・公開してきた『海外平安文学研究ジャーナル 第7号』が公開できないことになっているのも、困り切った事態となっているものです。先の科研で順調に巻を重ねてきた電子ジャーナルが、昨年度は途切れてしまいました。
 今回の科研のテーマは、海外を視野に入れたものです。世界各国の研究者の方々とのコラボレーションが、ホームページを通して円滑に行なえない、という、私の研究手法では致命的な状況に追いやられていることも、ここに特記しておきます。

 現在私は、昨春契約したウェブ関連業者の無責任で非協力的な対応と怠慢により、結果的には科研を遂行するにあたっての妨害をされている状況が形成されている、との認識を抱いています。とにかく、ホームページがまったく運用できないので、前に進めないことで困っています。

 その意味からも、ここにこれまでのことを洗いざらい提示し、整理して、何回かに分けて報告することにしました。相当数の資料が集まっていますので、おそらく十回に分けての記事になると思われます。

 まず、私がこれまでに獲得した科研費による研究を列記し、それらがすべてホームページを運用しながら展開してきたものであることを明らかにします。

 次の12件の科研は、私が研究代表者及び研究分担者として主体的に運用に関わって来たものです。
 今取り組んでいるものを(10)とし、初めて私が単独で獲得したものを(1)として、順次過去に遡るように列記しました。
 下記のリストの中では、下から3番目の【源氏物語古写本における異本間の位相に関する研究】(1997年)の100万円を超える科研費が付いてから、それ以降はずっとホームページにその研究経緯と成果を公開してきました。
 《重点領域研究「人文科学とコンピュータ」》
 (http://genjiito.sakura.ne.jp/t_ito/HTML/R5.0_kaken.html
 なお、下記リストの(4)〜(1)の[研究機関]の項目に「大阪明浄女子短期大学」とあるのは、私がそこを退職した後に「大阪明浄大学」を経て、現在は私の基盤機関となっている「大阪観光大学」の前身です。

(以下続く)


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(10)【海外における平安文学及び多言語翻訳に関する研究】
研究課題/領域番号 17H00912
研究種目 基盤研究(A)
配分区分 補助金
審査区分 一般
研究分野 日本文学
研究機関 大阪観光大学
研究代表者 伊藤 鉄也 大阪観光大学, 国際交流学部, 教授 (10232456)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
配分額 39,130千円 (直接経費 : 30,100千円、間接経費 : 9,030千円)
2017年度 : 9,750千円 (直接経費 : 7,500千円、間接経費 : 2,250千円)
キーワード 平安文学/多国語翻訳/日本文化/十帖源氏/データベース
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(9)【視覚障害者と共に古写本の仮名文字を読み日本古典文化を共有するための挑戦的調査研究】
研究課題/領域番号 15K13257
研究種目 挑戦的萌芽研究
配分区分 基金
研究分野 特別支援教育
研究機関 国文学研究資料館
研究代表者 伊藤 鉄也 国文学研究資料館, 研究部, 教授 (10232456)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
配分額 3,380千円 (直接経費 : 2,600千円、間接経費 : 780千円)
キーワード 視覚障害 / 日本古典文化 / 仮名文字 / 触読
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(8)【海外における源氏物語を中心とした平安文学及び各国語翻訳に関する総合的調査研究】
研究課題/領域番号 25244012
研究種目 基盤研究(A)
配分区分 補助金
審査区分 一般
研究分野 日本文学
研究機関 国文学研究資料館
研究代表者 伊藤 鉄也 国文学研究資料館, 研究部, 教授 (10232456)
研究期間 (年度) 2013-10-21 – 2017-03-31
配分額 31,980千円 (直接経費 : 24,600千円、間接経費 : 7,380千円)
キーワード 源氏物語 / 平安文学 / 多言語翻訳 / 日本文化 / 十帖源氏 / 翻訳 / グロッサリー
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※研究分担者として主体的に運用
【日本古典籍における【表記情報学】の基盤構築に関する研究】
研究課題/領域番号 22242010
研究種目 基盤研究(A)
配分区分 補助金
審査区分 一般
研究分野 日本文学
研究機関 国文学研究資料館
研究代表者 今西 裕一郎 国文学研究資料館, 館長 (90046219)
研究分担者 伊藤 鉄也 国文学研究資料館, 研究部, 教授 (10232456)
研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2015-03-31
配分額 46,800千円 (直接経費 : 36,000千円、間接経費 : 10,800千円)
キーワード 国文学 / 表記情報学 / 本文研究 / 源氏物語 / 日本古典文学
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※研究分担者として主体的に運用
【源氏物語の研究支援体制の組織化と本文関係資料の再検討及び新提言のための共同研究】
研究課題/領域番号 19202009
研究種目 基盤研究(A)
配分区分 補助金
審査区分 一般
研究分野 日本文学
研究機関 國學院大學
研究代表者 豊島 秀範 國學院大學, 文学部, 教授 (90133272)
研究分担者 伊藤 鉄也 国文学研究資料館, 文学形成研究系, 教授 (10232456)
研究期間 (年度) 2007 – 2010
配分額 44,070千円 (直接経費 : 33,900千円、間接経費 : 10,170千円)
キーワード 源氏物語 / 河内本 / 平瀬本 / 大島本 / 定家本 / 吉川家本 / 明融臨模本 / 天理河内本 / 七毫源氏 / 岩国市吉川家本 / 中京大大島本 / 古代文学 / 中京大学大島本
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(7)【日本文学の国際的共同研究基盤の構築に関する調査研究】
研究課題/領域番号 18202007
研究種目 基盤研究(A)
配分区分 補助金
審査区分 一般
研究分野 日本文学
研究機関 国文学研究資料館
研究代表者 伊藤 鉄也(2009) 国文学研究資料館, 文学形成研究系, 教授 (10232456)
      伊井 春樹 国文学研究資料館, 館長 (50036175)
研究期間 (年度) 2006 – 2009
配分額 47,580千円 (直接経費 : 36,600千円、間接経費 : 10,980千円)
キーワード 日本文学 / 国際化 / 日本文学翻訳 / 文化交流史 / 日本文学国際集会 / 翻訳論 / 日本文学研究ジャーナル / 国文学 / 比較文学 / ゴードン・スミス / 日本文化交流史
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(6)【外国語による日本文学研究文献のデータベース化に関する調査研究】
研究課題/領域番号 15320034
研究種目 基盤研究(B)
配分区分 補助金
審査区分 一般
研究分野 日本文学
研究機関 国文学研究資料館
研究代表者伊藤 鉄也 国文学研究資料館, 文学形成研究系, 助教授 (10232456)
研究期間 (年度) 2003 – 2005
配分額 14,500千円 (直接経費 : 14,500千円)
キーワード 情報ネットワーク / 外国語論文 / 日本文学研究論文 / データベース / 多言語理解 / 書誌解題 / 国際情報交換 / 翻訳と研究 / 国際研究者交流
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(5)【外国語による日本文学研究文献のデータベース化に関する予備調査】
研究課題/領域番号 13871051
研究種目 萌芽研究
配分区分 補助金
研究分野 国文学
研究機関 国文学研究資料館
研究代表者 伊藤 鉄也 国文学研究資料館, 研究情報部, 助教授 (10232456)
研究期間 (年度) 2001 – 2002
配分額 1,800千円 (直接経費 : 1,800千円)
キーワード 情報ネットワーク / 外国語 / 日本文学研究論文 / データベース / 多言語理解 / 検索システム / 国際研究者交流 / イギリス:アメリカ:韓国 / イギリス:アメリカ:カナダ
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(4)【源氏物語古写本における異本間の位相に関する研究】
研究課題/領域番号 10111236
研究種目 特定領域研究(A)
配分区分 補助金
研究機関 大阪明浄女子短期大学
研究代表者 伊藤 鉄也 大阪明浄女子短期大学, 文芸科, 助教授 (10232456)
研究期間 (年度) 1998
配分額 1,400千円 (直接経費 : 1,400千円)
キーワード 源氏物語 / 本文 / 写本 / 別本 / 異本 / 異文 / コンピュータ / データベース
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(3)【源氏物語古写本における異本間の位相に関する研究】
研究課題/領域番号 09204240
研究種目 重点領域研究
配分区分 補助金
研究機関 大阪明浄女子短期大学
研究代表者 伊藤 鉄也 大阪明浄女子短期大学, 文芸科, 助教授 (10232456)
研究期間 (年度) 1997
配分額 1,100千円 (直接経費 : 1,100千円)
キーワード 源氏物語 / 本文 / 写本 / 別本 / 異本 / 階級値 / コンピュータ / データベース
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(2)【源氏物語古写本の画像データベース化と別体諸写本の位相に関する研究】
研究課題/領域番号 05610367
研究種目 一般研究(C)
配分区分 補助金
研究分野 国文学
研究機関 大阪明浄女子短期大学
研究代表者 伊藤 鉄也 大阪明浄女子短期大学, 文芸科, 講師 (10232456)
研究期間 (年度) 1993
配分額 800千円 (直接経費 : 800千円)
キーワード 源氏物語 / 別本 / 異本 / コンピュータ / 画像データベース / 映像資料 / 古写本 / 字母データベース
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(1)【源氏物語古写本の画像データベース化と別本諸写本の位相に関する研究】
研究課題/領域番号 04610266
研究種目 一般研究(C)
配分区分 補助金
研究分野 国文学
研究機関 大阪明浄女子短期大学
研究代表者 伊藤 鉄也 大阪明浄女子短期大学, 文芸科, 講師 (10232456)
研究期間 (年度) 1992
配分額 900千円 (直接経費 : 900千円)
キーワード 源氏物語 / 別本 / 諸本研究 / 古写本 / コンピュータ / 画像データベース / 筆跡データベース / データベースソフトウェア
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2018年01月20日

科研の研究会で1回生が臆せず研究発表をする【写真追補】

 朝早く上京。東京はいつ何があってもおかしくない都市なので、早め早めの行動を心がけています。

 新幹線に乗ってすぐ、いつものようにiPad をiPhone にテザリングによってウェブにつなげようとしました。しかし、なかなかつながりません。結局は新横浜あたりでつながりました。これは、今の日本で嘘のような本当のことです。

 昨日の高校の授業でも、iPad がiPhone につながりませんでした。結局は急遽iPhone をプロジェクタにつなげて、教室の黒板に映写しました。帰り道、梅田周辺ではつながりました。

 これまでも、接続までの待ち時間が遅いとは思っていました。しかし、新幹線の中での2時間以上も、iPad をネットにつなげて仕事ができなかったことは痛手です。仕方なく、途中からはiPhone の小さな画面で、目をこらしながら書類を4通ほど作りました。iPadが使えていたら、キーボードがあるので8通は出来たはずです。

 情報文具も、まだまだ完成度が低いままです。これは、これまでも縷縷書いてきた持論です。インフラ整備の問題なのです。この分野に携わる人材が思うように育たなかったため、技術力が停滞していると思われます。その典型が、地に墜ちたソニーです。情報大国日本にとって、このソニーの失速は大きな損失でした。ゲーム作りが社是ではないはずです。

 インターネットはもう限界なので、もうすでに進んでいると聞く、インターネットに代わる新たなコミュニケーションツールの実用化に期待しているところです。

 さて、本日の東京での研究会については、先日の本ブログで案内した通りです。

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 今日は、水道橋の会議室に集合しました。
 自己紹介の後は、今年度の活動と来年度の計画を、淺川さんと池野さんが担当して報告してくれました。

 その中で、新しくホームページを立ち上げることができなかったことに関して、私からその事情と経緯を補足説明しました。
 この科研Aが採択されたすぐの4月から、紹介を受けた業者とホームページに関する交渉をしました。8月までに公開できるような計画だったのに、試作版ができたのは9月でした。

 科研の協力者に試作版を見てもらい、私のブログでもそのデザインを公開しました。ただし、それは、教え子でデザイナーである塔下さんが作成してくれた、動くトップページではなくて、一枚の画像が貼り付けてあるものでした。業者の連絡では、もう少し待ってほしいと。

 しかし、その後は契約した業者から何も連絡がありません。あまりにも酷いので昨年末に解約の意思を伝えました。その会社の大阪におられる方に事情を説明しました。しかし、東京の本社の制作担当者からは、まったく音信不通です。

 本年度に活動した成果は、今日の研究会で報告した通り、さまざまなことがあります。しかし、それらを情報発信する母体が、あの業者の怠慢により叶っていないのです。その点では、甚大な損害を被っていると言えます。
しかもあろうことか、昨日、「今後のHP制作に関しましては、引き続き弊社にやらせていただきたいというところが社としての希望でございます。」というメールが来ました。これも東京の直接の担当者ではなくて、大阪で間に入っておられる方から伝言として届きました。人を愚弄するのも程があります。起業当初はあったはずの精神は、どこに吹っ飛んでしまったのでしょうか。

 これまで私は、相手の顔を見ながらお話をすることを原則として生きてきました。今回のことを、一通のメールで、しかも伝言の形で伝えるとは、私の基準で言えば非常識の一語に尽きます。言語道断です。騙された思いと、裏切られた思いの中で、悔しさが拭い切れません。

 こうした経緯と今の私の思いを、今日の研究会で報告しました。これについては、しかるべき所を通して、正式に抗議をするということで、今日のところは協力者のみなさまの了解を得ました。
こうした、人を無視した、完全にビジネスライクに割り切った企業の論理は、私には理解できません。しかるべき対処をして、今年の3月までにはホームページを通して成果が公開できるよう、巻き直しをすべく、鋭意取り組んでいきます。

 私の仕事にしては成果が見えないので、不審に思っておられる仲間も多いことかと思います。いえ、私がサボっているのではありません。とんでもない業者に引っかかり、みなさまにはその成果を見てもらうことができないのです。これまで、「海外源氏情報」(http://genjiito.org)を通して、膨大な量の成果をみなさまに活用していただいてきました。今回の新しい科研でも、それが続くことを楽しみにしておられた方々には、本当に申し訳なく思います。
こんな業者がこの業界にいるとは、思いもしませんでした。信用してしまったのです。自力で何とか挽回します。というよりも、次にお願いする会社の目処はたっていますので、もうしばらくお待ちください。

 そうした前置きを経て、本日の本題である研究発表となりました。

(1)最初は、大阪大学のモハンマド・モインウッディンさんの「インドにおける『源氏物語』の読みのパラダイム:ウルドゥー語の翻訳を通して@」でした。
 ウェイリー訳、フサイン訳、村上明香訳の違いから、インドの読者に伝わる訳はどうすべきかを、具体例を元にした発表でした。日本の文化や慣習がどう伝わっているか、という問題です。手堅い発表の中に、この科研でも研究協力者となっておられる村上さんの訳の批判もあったので、これはいつか2人に討論をしてもらいましょう。

(2)続いて、中国から遠路来ていただいた恵州学院(大学)の庄婕淳さんの発表タイトルは「中国における世界文学としての『源氏物語』−中国語訳の序を通じて−」です。
 10種類の中国語訳『源氏物語』の序文を比較検討し、中国の読者に伝えたい意図について考察するものでした。中国語訳の研究は、細かな訳の違いを論ずるものが多い中で、中国語訳を熟知した庄さんならではの、序文から見た違いに言及する、興味深いものでした。我々にとっては、細かな訳の違いよりも、こうした全体像を提示してもらう方がありがたいのです。

 プログラムの後半では、大阪観光大学の1回生の学生5名が研究発表をしました。
 いずれも、日頃から今回の科研の研究支援者として、日夜取り組んでいる一端を発表するものです。

(3)研究発表「翻訳書籍の展示報告」(池野陽香)
 この1年間で6回、日本文学の翻訳本を大阪観光大学の図書館で展示しました。
最初は私と淺川さんとで、これまでのノウハウを活かして基本的な展示スタイルを作りました。2回目からは、池野さんを中心とする学生たちが、苦心して展示をしました。今では、学生たちだけで主体的に展示ができるようになりました。現在、その時の解説文などを集めて、一冊の本にまとめる準備が進んでいます。今日は、その総括としての発表でした。

(4)研究発表「『源氏物語』ベトナム語訳し戻し」(松口果歩・松口莉歩)
 初めて取り組むことでもあり、着手して間もない現在の状況をありまままに報告し、今後の進むべき方向を問う、というものでした。研究方法について、先生方からは有益なアドバイスをいただきました。また、ベトナム語の単語の並び方については、早速検討すべきこととなりました。意欲的な挑戦だけに、今後が楽しみです。

(5)研究発表「橋本本における『は』と『ば』」(門宗一郎・田中良)
 提示した疑問に対して、それぞれの分野の専門家から的確な答えをいただけたのが収穫でした。平安時代には、濁音を表記する仮名文字はなかったとされているそうです。しかし、それは確かで大量の資料をもとにしてのものではないようです。私が提唱する「変体仮名翻字版」というものしか、現在のところは資料がないのですから、今後ともこのテーマは意外な事実が浮き彫りになるかもしれないという、期待を抱かせる発表となりました。

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 以上の内、(3)(4)(5)は、大学に入って1年にも満たない学生の発表です。去年の今頃は高校生でした。正しく言えば、これは報告なのかもしれません。しかし、彼らにとっては、初めてのテーマに取り組んで得たもの、気付いたこと、よくわからないことを発表することになったのです。先生方に聞いてもらい、今後の調査研究のためのアドバイスを受ける趣旨で参加した意義は、予想以上に大きいものでした。頼もしい学生が、こうして集って来ているのです。

 今回の科研は、若手を育成することも活動の柱の一つとして立てています。幸先の良いスタートとなりました。そして何よりも、この科研に研究協力してくださっている先生方が、この1回生たちを温かく見守ってくださることが伝わって来たことが、今日の一番の収穫でした。
 そして、ホームページの制作におけるとんでもない業者の話に無為な時間をかけるよりも、この学生たちの発表にもっと時間をかけたらよかった、とのお叱りを受けました。これも、ありがたいことだと、嬉しくうかがいました。

 その後、会場に隣接する懇親会場では、研究会の時には時間の都合でうかがえなかった佐久間先生の「何を研究しているか」ということについてうかがいました。羅刹国にまつわる、興味深い話をしてくださいました。
 この研究会では、懇親会といっても研究会の流れを受けての懇談会なのです。息抜きは許されないシビアな研究会なのです。

 稔り多い研究会となりました。これは、年2回実施しますので、次は大阪で6月頃となります。今日は13名が集いました。今後とも、少しずつ参加者が増えることを願っています。



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2018年01月17日

科研(A)「海外における平安文学」の第10回研究会のご案内

 2017年4月に、科研・基盤研究(A)で新たに採択された「海外における平安文学及び多言語翻訳に関する研究」(研究代表者・伊藤鉄也、課題番号:17H00912)における第2回目(通算第10回)の研究会を、以下の通り東京で開催します。

 広く公開していますので、興味と関心をお持ちの方の参加を歓迎します。
 懇親会だけの参加でも構いません。
 なお、参加を希望なさる方は、準備の都合上、前日夜までにはこのブログのコメント欄を利用して連絡をいただけると幸いです。


2017年度 伊藤科研 第10回研究会

日時:2018年1月20日(土)14:30〜18:00(開場:14:00)

場所:水道橋駅前ホール
(東京都千代田区三崎町2-9-5 水道橋TJビル 2F 202号室)

海外における平安文学


・挨拶(伊藤鉄也) 14:30~14:35
・自己紹介 14:35~14:50
・報告「2017年4月〜12月までの研究報告」(淺川槙子) 14:50~15:00
・報告「2018年度の研究計画」(池野陽香) 15:00~15:10
・研究発表「インドにおける『源氏物語』の読みのパラダイム:ウルドゥー語の翻訳を通して@」(モハンマド・モインウッディン) 15:10~15:40
・研究発表「中国における世界文学としての『源氏物語』−中国語訳の序を通じて−」(庄婕淳) 15:40~16:10
・休憩(10分) 16:10~16:20
・研究紹介「「翻訳論」の意味を考える」(谷口裕久) 16:20~16:30
・研究紹介「『今昔物語』に現れたインドのイメージ」(佐久間留理子) 16:30~16:40
・研究発表「翻訳書籍の展示報告」(池野陽香) 16:40~16:55
・研究発表「『源氏物語』ベトナム語訳し戻し」(松口果歩・松口莉歩) 16:55~17:15
・研究発表「橋本本における『は』と『ば』」(門宗一郎・田中良) 17:15~17:25
・ディスカッション 17:25~17:50
・連絡事項 17:50~17:55

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懇親会【膳菜や 水道橋店】
所在地:〒101-0061東京都千代田区三崎町2-9-2鶴屋ビルB1
電話番号:050-3462-1443
アクセス:水道橋駅東口から徒歩2分。研究会会場(水道橋駅前ホール)からすぐ
URL:https://r.gnavi.co.jp/g299403/
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2017年12月26日

名古屋大学で科研Aのデータベースに関する打ち合わせ

 相変わらず、年末でも飛び回っています。
 今日は、名古屋大学に行きました。

 過日、東京の帝国ホテルでK氏と打ち合わせをした際、名古屋大学のO先生のことを教えてくださいました。そのご縁が薄れない内にと思い、取り急ぎお目にかかって、私が考えていることと連携がはかれないか、相談をすることにしたのです。
 幸い、今日も東京のK氏が同席してくださいました。寒波襲来にもかかわらず東西から名古屋に集まり、O先生と打ち合わせをすることになりました。

 O先生のご専門は情報学です。自然言語処理の中でも、機械翻訳に関する研究をなさっています。今回は、自動翻訳を活用した多言語検索に対応したデータベースシステムの話で、名古屋大学へ行ったのです。そこで、私が取り組んでいる、『源氏物語』の多言語翻訳の成果をウェブ上で活用する仕掛けとの接点がないか、ということで意見交換をしました。
 また、『源氏物語』の本文データベースで、諸本間の本文異同を検索して表示することにも有効な手立てがないか、ということもお尋ねしました。

 お話を伺うなかで、今回のシステムでは作成したデータの表記が統一されていることが必要である、ということがわかりました。大量の翻訳データがあっても、そのコンテンツであるデータの形態や形式が問題です。現在、私の手元にあるデータは、まだそこまで整理をしていません。しかし、そこは工夫次第でどうにかなるのでは、と考えています。

 多言語検索については、ベトナム語やウズベキ語の法令翻訳支援に関する、クイック検索の実例を拝見しました。もともと、ウイグル語やウズベク語と日本語との間の機械翻訳を研究なさっている先生なので、これはその延長上のシステムです。タイ語も用意されているそうです。

 クイック検索については、かつて仲間と、パスカルという言語でデータベースシステムを開発しました。その成果は、次の2冊に盛り込みました。

(1)『データベース・平安朝日記文学資料集 第一巻 和泉式部日記』(伊藤編著、同朋舎、1988(昭和63)年)

(2)『データベース・平安朝日記文学資料集 第二巻 蜻蛉日記』(伊藤・関本編著、同朋舎、1991(平成3)年)


 これは、縦書きに対応した検索表示システムで、パスカル言語によって作成したものです。『蜻蛉日記』に関しては、問題となる検索結果には桂宮本の影印画像も表示されるという、非常に凝った仕様の画像データベースでもあります。このシステムを作っていただいた浅茅原竹毘古さんについては、以下の追悼記事に詳しく書いています。

「亡き仲間を偲んで我が家でお茶会」(2013年08月15日)

「27年来の仲間を思い出しながらの追善供養」(2013年08月04日)

「27年前の西大寺の夜を懐かしく思い出しながら」(2013年04月11日)

「27年も続くパソコン仲間との交流」(2013年04月07日)

 こうしたデータベースの作成に関わった経験があるので、今回の話は、私の構想の中で動くデータベースと連携できそうに思いました。

 『源氏物語』の諸本間の本文異同の比較検討については、今日の時点ではペンディングです。また別の方向から考えることにします。

 今日の打ち合わせは、データベースの背景で動く検索と表示をするためには欠かせない、使い勝手の良いツールとの出会いを続けている旅の一環というべきものです。探し求めて彷徨うこの旅も、かれこれ25年以上も流浪するだけのものとなっています。
 今回は、業者を紹介してくださるとのことです。今日の話が、これからどのように展開していくのか、私自身が大いに楽しみにしているところです。

 仲介の労をとってくださったK氏には、心よりお礼申し上げます。お陰さまで、また新たな展望が拓けそうです。これからの進展を見守っていただき、折々にまた温かいご助言をいけだけると幸いです。本日は、遠方よりお疲れさまでした。ありがとうございました。
 
 
 

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