昨日は、妻が私の京大病院通いに付き添ってくれました。そして今日は、私が妻の宇治徳洲会病院での治療に付き添いました。
送迎バスで病院に着くやいなや、入口で総合受付をします。次に2階で血圧と体重と体温と血中酸素濃度を測ってから、診療科の受付を済ませ、診察室の前に移動です。行くが早いか、電光石火のごとくに担当医から妻の名前が呼ばれ、早速診察が始まりました。今日は快調に進んでいます。
担当医による診察は、今日のレカネマブ(レケンビ)の点滴治療に対する体調や最近の様子に変わったことがないかの確認です。至って元気であることを伝えると、下の観察室で点滴を受けるようにという指示が出ました。
短時間の確認で済むことなので、最近はいつも担当医の判断で診察の隙間に入れてもらえます。待ち時間が少ないように配慮してくださっています。担当医は京大病院とのつながりがあり、京大病院から依頼されたアミロイドβをなくす点滴治療なので、いい流れができています。ありがたいことです。
観察室に行くと、いつもと大違いですぐに名前を呼ばれたので、妻は点滴のためのベッドに横たわることになりました。これまでで最短時間でベッドに辿り着きました。しかし、好事魔多しの言葉が実感されるほど、なかなか点滴が始まりません。
看護師さんからは、「用意しているから待っててね。」と言われて1時間10分。やっと点滴がベッドサイドに運ばれてきました。
京大病院へ薬を受け取りに行っておられたのか、とか、院内で薬の置き場が分からなかったのか、とにかく妻はベッドの上でひたすら待たされました。こんなことは初めてです。
用意に1時間かかるのであれば、用意ができてからベッドに案内してもらいたいものです。狭くて硬いベッドに横たわって1時間以上も待つよりは、待合のソファーで待つ方が精神衛生上もずっといいのですから。
点滴が用意されるのを待っている間に、向かいのベッドの患者さんが激痛を我慢する、聞きたくない呻き声が聞こえ出しました。そうかと思うと浣腸が始まり、しばらくすると強烈な悪臭が観察室に充満しました。ベッドに拘束されて待たされている妻は逃げようがないとしても、付き添いの私は、この悪臭に満ちた部屋に監禁されている必要はありません。這々の体で、観察室の外にある待合のソファーに移動しました。
ほとぼりが覚めた頃に、点滴が始まったかどうかが気になったので、妻のベッドに行きました。点滴の用意はまだで、妻はボーッと天井を見ていました。部屋の中に満ちていた悪臭はかすかに残るだけでした。ただし、空になった向かいのベッドの上には、汚物を包んだ紙おむつのようなバレーボール大のものが放置されていました。いくら忙しいとはいえ、こうしたものは早急に片付けてもらいたいものです。妻は顔を背け、現場を見ないようにして、目をパチパチさせていました。
劣悪な環境に、無為に放ったらかしにされていたのです。これは人権問題ではないか、と言いたい状況です。しかし、言いたい看護師さんの姿は、あたりには皆目見当たりません。とにかく、看護師さんがおられないのです。
妻が、外来の方々が行き来しておられるのが見えるので、横のドアを閉めてほしいと言います。しかし、看護師さんはこのドアを使って出入りしておられ、両手が塞がった状態での出入りが楽なので、このドアは開けっぱなしです。この観察室が1階の入口近くにあるので、道端に寝かされているような状況に置かれています。ここはあくまでも病状を診る観察室であり、妻のように1時間以上をかけて高度医療を受ける部屋ではありません。言ってはいけないとは思いつつも、京大病院での半年間は、隔離された安静の状態で点滴を受けられる部屋でした。残りの1年間を、外部の病院で治療を続けるという約束があったために、この病院にしました。その判断を、今は悔いています。
とにかく、この病院は看護師さんが少なすぎるので、窮状を伝えることもできません。
身動きの取れないベッドの上で1時間10分も待たされた妻は、やっと点滴が受けられるようになりました。この高額治療の予約は、京大病院から引き継がれた半年前に組まれたスケジュールによるものです。今日も、病院から指示された日時に来ています。救急の治療ではありません。これから1時間の点滴と30分の安静が、このベッドの上で始まります。
看護師さんが注射針を刺される時に、付添人は外で待つようにと言われるので、私はまた待合のソファーに移動しました。
観察室の外では、私よりも相当年上の白髪のお爺さんが、まだかまだかと看護師さんに詰め寄っておられます。看護師さんは、薬が届くまで待ってください、とおっしゃっています。この方は、我々よりも前から、まだかまだかとおっしゃっていました。一時間半は待たせれています。結局は我々の点滴が終わってから観察室に入られたので、2時間半以上は待たされたことになります。お一人でお出ででした。このお歳で、さらには体調を崩してまでも待ち続けられたことに、これでいいのか、との思いを強く持ちました。
待っている間に体調も悪くなったようで、何とかしてくれと苦境を訴えておられました。看護師さんは、薬が届いたらお知らせするので、横になれるところを用意しましょうか、とおっしゃっても、お爺さんはフラフラと別の待合エリアに行かれました。そうとう頭に来ておられるようです。
この方も我々同様に、なかなか薬が用意してもらえないので、延々と待たされていたのです。もう帰る、とも、せっかく来たのでもう少し待とうか、と投げやりに看護師さんと問答をしておられました。
実は、他にも2組の方が治療の用意ができるのを待っておられました。薬が届いていない、などのトラブルがあったのでしょうか。それとも、薬の保管庫に問題があったのでしょうか。いずれも、患者さんは不満たらたらでした。
待合室は、いつも以上に殺気立っていました。
日本の医療現場の一端を見た思いです。ますます高齢化社会が拡大します。病院[を]どうするか、というよりも、病院[は]どうするのかを検討するためにも、まずは治療の実態の把握から始めなければならないと思います。
今日ここに記したことは、患者の家族である私がたまたま見知ったことのメモです。病院が主体となって、診療の実状について、本格的な調査をすべきだと思います。
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