2026年05月04日

京洛逍遥(974)城南宮で源氏物語花の庭を散策後は伏見の湯へ

 近鉄と地下鉄の竹田駅を降りてから、城南宮へ行く途中にある近衛、鳥羽、白河の三天皇の御陵については、次の記事に詳しく書きました。

「京洛逍遥(900)三天皇陵を巡った後は伏見の温泉で足腰の温浴療法」

 そして、城南宮のことは、ちょうど3年前の今の季節に次の記事にまとめています。

「京洛逍遥(831)城南宮の「源氏物語 花の庭」」

 境内は何も変わっていません。
 神苑(楽水苑)に、お目当ての「源氏物語 花の庭」があります。

260504_花の庭の看板.jpg


 入ってすぐの「神苑(楽水苑)の見どころ」という掲示板には、次の説明文があります。

神苑の全域にわたり、椿・梅・桂・撫子・若菜・双葉葵・萩など、源氏物語出所の植物(扇面陶板に、谷崎源氏訳文節引用と、学術解説を付す)百種を植栽し、吾国唯一の源氏物語花の庭≠ノなっている。

 これは、わざわざ谷崎潤一郎の訳文を無理やり提示するよりも、どんな場面にその花が出て来るのかを、読んでもらえるように簡潔に説明した方がいいと思いました。また、説明文が難解です。この文章には、見学者にわかってもらおうという気持ちが伝わってきません。

 1例をあげます。「帚木」の銘板は次のものでした。

260504_銘板「帚木」.jpg


 ここで、冒頭の植物名は「ホウキギ」だけでなく「ハハキギ」をメインとして併記した方が、『源氏物語』に直結します。そして、光源氏が読んだ和歌の意味を簡単に記しておくと、「帚木」がどんな植物かがわかります。『万葉集』云々の一文は、知識をひけらかしているだけなので不要でしょう。光源氏の相手が空蝉であることは必須です。そうでないと、近付くと見えなくなる「帚木」に空蝉が例えられていることが伝わりません。見て回る人への配慮が見られない説明文です。

 こうした調子の説明文が苑内に多いことは、非常に残念なことです。

 なお、入口でいただいたパンフレットには、『源氏物語』の各巻に出て来る草花など43種類が具体的でよくわかり、親切な手引きとなります。植物名と巻名の明示は、見て回りながら想像力を刺激します。この次は、夏に来ようとか、秋にしよう、と思うはずです。

 以下に、パンフレットのこの部分を画像として引きます。
 画像をクリックすると精細表示となり、文字が読みやすくなります。

260504_花1.jpg


260504_花2.jpg


260504_花3.jpg


 本殿の裏には、サツキとアヤメが満開でした。

260504_サツキ.jpg


260504_アヤメ.jpg


 一位の木を見て、妻はこの木を秋田では「オッコの木」と言っていたとのこと。私も、妻の実家へ行った時に、義兄が庭にあったこの「オンコの木」に登って昼寝をした、という話を聞きました。

260504_一位.jpg

 この説明文の最後に「アイヌ語ではオンコまたはアララギと称する。」とあります。妻と一緒に、東北や北海道の言い方としての「オンコ」の由来に納得しました。

 平安の庭を一度出て、道を隔てた室町の庭や桃山の庭は解放感があり、気持ちの良い空間となっています。ただし、室町の庭の藤棚から池越しに桃山の庭を見ると、正面の高圧電線が張られた鉄塔が視界に入るので無粋です。

260504_庭園.jpg


 また、その手前の石組みの背後にある蘇鉄にも違和感を覚えました。鉄塔はともかく、蘇鉄には何か意味があるのでしょうか。素直な感想としては、桃山の庭には相応しくないと思いました。

 ちょうど藤棚の下で休憩していた時、雨が激しく降り出したので、水石亭で開催されていた熊野詣の展示を見ました。貴重な和歌の資料があり、「令和の熊野詣」などの関連行事や歴史解説も充実していました。

 帰り道の城南離宮の庭の手前では、カキツバタとツツジの小路を歩きました。

260504_カキツバタの道.jpg


 今日一日、季節を感じながら、楽しく散策をしました。

 帰りには、城南宮から歩いて10分ほどの場所にある、伏見温泉の力の湯へ寄りました。
 端午の節句が近い連休ということもあり、子供たちで溢れています。湯船には、プラスチックの小さなアヒルたちが、たくさん浮かんでいます。
 私はいつもの通り、露天風呂でのんびりしました。




posted by genjiito at 23:25| Comment(0) | ◎京洛逍遥
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。