シェア型書店HONBAKO京都宇治の玄関先には、カラフルでかわいい雰囲気が漂っています。
今日は、先月「街中の変体仮名」として例にあげた、お蕎麦屋さんの仮名文字に関して、話題としなかったことを再確認しました。次の3行目にある、「楚者」と翻字したことです。ここで赤丸を付けた文字は「者」でいいのか、ということです。
いろいろな資料で確認しても、この「生」と思われる文字の字母がわからないのです。
上の配布した資料には、『携帯かな字典』(角川書店、1984年)から列挙されている「者」と「半」の文字をあげています。すべてが似て非なる文字であり、該当するものがありません。
結論としては、「楚者」なのか「楚半」なのかの確認はできず、一応無難な「楚者」とすることにしました。識者のご教示をお願いします。
「橋姫」の[変体仮名翻字版]の確認は、予定したところをすべて終えました。
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(2)相愛大学本『源氏物語 橋姫』(断簡)第一一丁裏八行目〜第一四丁表
[変体仮名翻字]
翻字データの中にある付加情報(/)の記号について
傍書(=)、 ミセケチ($)、 ナゾリ(&)、
補入記号有(+)、補入記号無(±)、 和歌の始発部( 「 )・末尾( 」 )、
底本陽明文庫本の語句が当該本にない場合(ナシ) 、 翻字不可・不明(△)
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[20260404_7行目マデ確認済み]
【五六日】・【程】二・うちへ・まうて・【給】ふ・あし
ろ越こそ・古乃ころ葉・【御】らん世免と・き
こゆる・【人】/\/(【人人】)・あれ登・【何】可・その・ひ越んし尓/ん〈次頁〉、(11ウ)
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あらそふ・【身】尓て・あしろ尓も・よら
むと・そきゝ春弖/ゝ〈ママ、諸本ナシ〉、(そきき春弖)・堂まふ弖礼い乃志
のひや可尓八いてたち堂まひ弖・可ろ
ら可尓・あしろく累ま尓弖・可とり乃・な越
し・さしぬき・ぬ者世弖/△&ぬ・【事】さら尓き・【給】
へ里・【宮】・まちよろこひ/こ〈ママ〉・【給】弖・【所】尓・川け
堂る・於ほんあるしなと・を可しう・し
奈し・【給】い・くれぬれ者・【御】と乃あふら・ち可く
て・さき/\/(さきさき)・三さし・【給】川累・ふ三とん能・
布可きなと・あさり毛・さうしをろして/後し〈次頁〉、(12オ)
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きなと・い者世/者〈ママ〉・【給】ふ・うち毛・まとろ
ま春・可者可【風】能/後可〈ママ〉・い登・あらましき尓・
【木葉】乃・ち里可ふ・越登・三川乃・ひゝき奈
と/(ひひき奈と)・あ者れ毛・すきて・毛能をそろしく・
【心】本そき・【所】の・さまなり・あ遣可多・ち可く・
なりぬらんと・【思】・本と尓・あ里し/らし&里し・ゝのゝ
免/(しのの免)・【思】い弖られ弖・きん・祢の・あ者れなる・
【事】乃・徒い弖・川くりい弖ゝ/(川くりい弖弖)・さきの・多ひ・
きり尓・まと八さ礼・【侍】し・あ遣本の尓・い
登・めつらし幾・毛乃ゝ祢/(毛乃乃祢)・ひとこゑ・きゝ【給】志/(きき)、(12ウ)
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乃古りなん・【中】/\/(【中中】)・ナシ・ゆ可しく・あ可春・於もふ・
堂まへら累ゝなんと/(堂まへら累累なんと)・【申】・【給】ふ・いろをも・
可越毛・於もひ春弖ゝし【後】/(於もひ春弖弖し)・む可し・きゝし/し〈行末左〉、(ききし)・
【事】毛・三那・王春れ弖なと・乃多まへ登・
【人】・免して・きん・とりよ世・い登・川き奈
く・なり堂りや・し累へ春る・【物】ゝ祢尓/(【物】の祢尓)・
徒介弖なん・【思】いてら累へ可ん免里介りと
て/ん免$、(【思】いてら累へ可里介りとて)・ひ王・免して・まら【人】尓・そゝろ可し/ろ$の、(そそろ可し、そその可し)・
堂まふ・とり弖・しらへ・【給】ふ・さら尓・本の
可尓・きゝ/(きき)・【給】し・を奈し・毛乃とも・【思】/(13オ)
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【給】へられさり介り・【御事】能・ひゝき可ら
尓や登こそ/(ひひき可ら尓や登こそ)・於毛ひし可と弖・ナシ・【心】とけ
て毛・可き堂て・【給】八春・いて・あな・さ可奈や・
し可・【御】身ゝと満る八可り能/(【御】身身)・てなんとは・
い徒くより可・こゝまて八/(ここまて八)・つ多八りこん・ある
まし幾・【御事】なりとて・きむ・可き那
ら新・【給】へ累・いと・あ者れ尓・【心】春こし・
可多え葉・三祢・【松風】乃・もて者や春な
累へし・いと・堂登/\しけ尓/(堂登堂登しけ尓)・於ほ免
き・【給】弖・古ゝろ八へあひ/(古古ろ八へ)・弖・【人】八可り尓弖/尓〈次頁〉、(13ウ)
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や免・堂まひぬ・古乃・王多り尓・を
本え奈くて・越里/\/(越里越里)・本乃免く・さう能
ことこそ・ナシ・古ゝろえ堂る尓やと/(古古ろえ堂る尓やと)・きく・を
里・八んへられと/ら〈ママ〉・身ゝと免弖なんとも/(身身)・あ
らて・ひさしう・なりたりや/た〈判読〉・古ゝろ尓/(古古ろ尓)・ま
可勢て・を能/\/(を能を能)・可きなら春へ可んめ累越・可
はな三八可りや・うちあ者春らん・ろ
なう・毛のゝよふ尓/(毛ののよふ尓)・春八可り能・飛やうし
なとも・とまらし登なん・於ほえ・【侍】とて・
可き奈らし・【給】へと・あ奈多尓・きこゑ/(14オ)
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なお、次に画像で示した、14丁表5行目の「たり」の「た」は〈判読〉としました。字形は崩れています。しかし、「太」を字母とする現行の五十音図にある「た」とするしかない、と判断したものです。
以上、今回確認し終えての感想は、この「橋姫」の書写者は文意をほとんど考えずに、親本の文字の形を自分なりのイメージによる字形で書き写していると思われます。癖字の多い書写者だといえます。「二」「も」「八」「と」「こ」「は」「春」「於」「た」「尓」などに、その傾向が顕著でした。
こうした点は、再来週に相愛大学へ調査に行く予定となっているので、原本の確認をする際にさらに熟覧して確定したいと思います。
これまで翻字をしてきた、ハーバード大学美術館蔵「須磨・蜻蛉」や歴博本「鈴虫」とはまったく異なる書写態度であると言えます。その理由は何なのか、今後とも考えていくつもりです。
帰りに、JR新田駅で見かけた「みやこ路快速」の車体のラッピングが、お茶をテーマにした季節感を漂わせるおしゃれな電車でした。
近鉄の電車も、奈良をイメージした鹿をあしらった車体のデザインです。地域や風土と季節感を感じさせる装飾を身に纏った電車は、旅の人々も楽しんでおられると思います。特定の商品ではなく、こうした気配りは大歓迎です。
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