早朝、新幹線で東京に着く直前の品川あたりで、日比谷図書文化館から電話がありました。今日の資料がまだ来ていないとの担当者からの連絡です。昨日の午後、メールに添付して2種類のPDF版の資料を送ったはずです。しかし、それが届いていないとのことなのです。昨年の12月にも、送ったのに届いていない、ということがありました。それ以外では不着の連絡はないので、この日比谷図書文化館とのやりとりに限定されている不具合のようです。
その理由を調べる前に、とにかく3時間後に始まる講座のための資料を送らなければなりません。幸い、9時半には東京駅に着きました。大急ぎで、改札内にある待合室のパソコン用スペースから、昨日作って今日使用する予定だった送れなかったという資料を、日比谷図書文化館の事務方に無事に送り届けました。日比谷でお世話になって12年。この間、メールに添付してのファイルが届かなかったことはありません。これは、今後のためにも対策が必要です。
東京駅から1駅戻った有楽町駅で降り、銀座を少し散歩しました。マロニエ通りの手前の銀座インズで、桜が咲いているのを見つけました。
昼食は、いつものようにマロニエゲート銀座2の7階にある「くら寿司 グローバル旗艦店 銀座」です。2024年4月にオープンした、242席の大型店舗です。京都三条にある和風の白い暖簾に囲まれた、清潔感の漂うお店も、行きつけの場所にしています。体調に合わせていただけて、デザートが豊富なので気に入っています。
しかし、今日はタッチパネルの調子が悪くて、充電不足のエラーが頻繁に出ました。お店の方に言うと、3人が来られ、結局は欠陥品であるパネルの取り換えもなくそのままとなりました。この近辺にはいくつもの回転寿司屋があるので、こんな対応ではイメージがダウンします。生き残ってほしいお店なので、対応の仕方を再検討すべきです。
日比谷シャンテ前(千代田区有楽町)にある「日比谷ゴジラスクエア」にいる、私が大好きなゴジラが、今日は桜の開花を祝っているかのような姿に見えました。確か東京は昨日、開花宣言があったはずです。
日比谷図書文化館の入口には、いつものように今日の講座の掲示がなされていました。
今日も、最初は「ハーバード大学本『源氏物語 須磨』の変体仮名を読む」です。
まず、来月からは新年度となり、今日までよんで来たハーバード本「須磨」の次に、相愛大学本「宿木」の断簡を取り扱うことを予告としてお話しました。
冒頭部分の文字の様子だけは、サッと見てもらいました。
次に、国宝『寝覚物語絵巻』(断片)が発見されたニュースです。今でもこうした国宝級のものが出て来ることの楽しさを、話題にしました。
続いて、「須磨」巻が終わったので、平安朝復元として関弘子さんが朗読しておられる音声を、会場に流しました。テキストの40丁裏で、小見出しが「須磨での源氏の生活で供人たちと都をしのぶ」(96頁)という箇所を、平安朝の雰囲気で読んでおられるところです。ハ行音は、奈良時代にはP音で発音され、平安時代にはF音に変化し、室町時代以降に現在のようにH音になったという、いわゆるP音考の話を少ししました。「パパ」が「ファファ」になり、そして「ハハ」になった、という話です。そして、この「ファ」だけでもいいので、集中して聞いていただきました。次のような文章で、赤字にした部分に耳を澄ませてもらいました。
「須磨には、いとど心づくしの秋風に、海はすこし遠けれど、行平の中納言の、関吹き越ゆると言ひけむ浦波、夜々はげにいと近く聞こえて、またなくあはれなるものは、かかる所の秋なりけり。」
そして、終わったばかりの「須磨」巻で確認をした、変体仮名を正確に読み込んでの語彙索引を、プリントに沿って確認しました。これは、昨日の本ブログで報告したものと同じ資料を使いました。
ただし、昨日の報告では大急ぎで作成した資料であると言うこともあり、説明に不正確なところがありました。ただし、掲出したデータの補訂はありません。
今夜は東京にいるので、京都に帰った明日以降に、昨日の不備を正した補正版に入れ替えます。また、用例が欠脱していた箇所の指摘も受けたので、それも追補して提示します。いま少しお待ちください。
字母を正確に再現した翻字をすると、どのようなことがわかるのかを説明し、納得していただけました。これを受けて、[変体仮名翻字版]の翻字を4月から再開することもお伝えしました。今月中に、新しい凡例を公開しますので、それに沿った[変体仮名翻字版]の作成に取り組みます。ただし、謝金をお渡しする方式ではなく、NPO法人〈源氏物語電子資料館〉のホームページに作業担当者のお名前を明記し、長く感謝の気持ちを伝えていく方針にしたことも、お話しました。これは、昨年のNPOの総会でも了承された活動方針の変更でもあります。
このお話をした後に、新たにお手伝いしてくださる方が見つかりました。京都に帰ってから、資料を取り揃えてお送りすることになりました。
100年は掛かるプロジェクトの再始動です。関係するみなさまのご協力を、よろしくお願いします。
次の『百人一首』の講座までに1時間の休憩があります。この前半の30分は、資料の提供を受けたり、翻字に関する質問にお答えしたりしました。
それが終わると、すぐに地下のラウンジに移動し、鎌倉時代の臨模本の作成にあたっておられる宮川さんと面談をし、相愛大学本『源氏物語』(断簡)に関する試作版を受け取りました。また、それに関する質問書に加えて、『国立歴史民俗博物館蔵『源氏物語』「鈴虫」』の臨模本の清書本を受け取りました。これは、私が宮川さんからいただいていた臨模本をお貸ししていたことがあり、それを私が持っているようにとのことから、再度私の手元に戻ったものです。
途中から、館内で緑に包まれた日比谷公園を見ながら読書をしていた妻が同席しました。そして、私が後半の講座に行った後は、宮川さんとのお話が、いろいろと弾んだようです。これは、今年の1月に宮川さんのご自宅を訪問したことがあり、親しくお話ができたとのことでした。
さて、後半は「『百人一首』を2種類の変体仮名で読む」です。
今日は、77番歌の崇徳院の歌からです。
そのことに関連して、映画『春の雪』(妻夫木聡+竹内結子[2020年40歳没]/原作:三島由紀夫)が『百人一首』のこの歌を冒頭から登場させ、中盤や後半にもこの崇徳院の歌が深く関わっています。そのため、まずはこの映画の冒頭部分をスクリーンに映写しました。
画面には、「【瀬】を者やみ 以者尓せ可 留ゝ【瀧川】の〜」というカルタが大写しになります。
次に、78番歌の源兼昌の歌碑(関守稲荷神社)をプリントに印刷して置いたので、その歌が刻まれた歌碑の変体仮名を確認しました。
この歌碑については、「目が見えない方々と須磨で『源氏物語』の散策をしました」(2017年07月22日、http://genjiito.sblo.jp/article/180419553.html)で詳しく報告しています。
今日は、85番歌の俊恵法師までを確認しました。
4月以降も、引き続きこの『百人一首』をよみ続けます。
日比谷公園から新橋駅に、のんびりと歩いて行きました。内幸町からは、ビルの合間から国会議事堂が望めます。
今日は、息子が出張中のため、大森駅にあるホテルを取っています。ここは、私が高校を卒業してから2年間、新聞配達をして学校に通っていたところです。かつて、このことは実際に歩いて報告をしました。明日も、なつかしい所を妻に説明をしながら再訪しようと思います。
駅前から、シャープな姿の月が天空に輝いているのが見えました。
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