2026年02月07日

宇治で相愛本『源氏物語 橋姫』の変体仮名を読む会(8)

 シェア型書店HONBAKO京都宇治で開催中の『源氏物語』の変体仮名を読む会も、早いもので今回は8回目です。

 シェア型書店HONBAKO京都宇治は、地域の人々や全国各地の本好きの仲間のコミュニティの場となることを活動の柱としています。さまざまな取り組みで、この空間が人と人との出会いの場となることが期待されます。私が毎月開催する『源氏物語』の古写本の変体仮名を読む会も、そうした場の一つの活動形態として機能すれば幸いです。

 さて、今日の勉強会は前回同様に、さまざまな話題で参会者のみなさんと盛り上がりました。そのためもあり、進んだのは3行だけでした。

 まずは、「宮川保子さんの仕事場から」と題して、雁皮・三椏・麻・二番唐紙(日本での画仙紙)の実物を持参し、触ることで体感していただきました。目に頼る文化が根付いた今の潮流を意識して、私の勉強会では触ることを大事にしています。
 そして、丁子を使った装飾の実際や、料紙を叩く小道具も見てもらいました。

260207_宮川小道具.png

 次に、街中の変体仮名として、「た」の各種バージョンを例示しました。身近な所にある看板などを通して、それぞれの文字に書いた人の字母意識の有無を読み取ってみました。今、ここでは説明の再現は省略します。

260207_たの変相.png

 この時点で、話題が拡散し、変体仮名に関して参会者との意見交換になりました。
 今日は、前回からの参加者と今日からの方を意識したお話しをしたこともあり、いろいろな疑問を抱かせたようです。また、私も具体的な例をあげて変体仮名について説明しました。
 文字は、さまざまな問題を抱え込んだまま、日常に押し流されて意識することなく見過ごしています。街中に散在する変体仮名がそれです。そのために、立ち止まってあらためて見つめると、疑問点が噴出するのです。

 参会者の方には、思いつきでいいので自由に意見を言っていただきました。知的好奇心が旺盛な若い方が集まっておられるので、若いからこそ気付くことがいろいろとありました。こうした意見交換の場は、歳と共に鈍感になっていく私にとっても、いい勉強になります。
 とにかく、正解のない世界を、みなさんと一緒に彷徨いました。

 ということで、本日の相愛本『源氏物語 橋姫』の変体仮名の確認は、9丁裏7行目〜10丁表の冒頭部分に認められる重複書写までの確認で終わりました。実質、3行分です。しかし、充実した時間でした。

(1)相愛大学本『源氏物語 橋姫』第九丁裏〜第九丁裏七行目 [変体仮名翻字]

翻字データの中にある付加情報(/)の記号について
傍書(=)、 ミセケチ($)、 ナゾリ(&)、
補入記号有(+)、補入記号無(±)、 和歌の始発部( 「 )・末尾( 」 )、
底本陽明文庫本の語句が当該本にない場合(ナシ) 、 翻字不可・不明(△)
--------------------------------------
[以下、7行目から丁末まで]
しう・ナシ・乃多まひい弖多累尓・【宮】・い登・世ち尓・
を可し登・於ほい多り・され八よと・【御】介し支を・
みいてゝ/(みいてて)・いとゝ/(いとと)・【御心】・うこきぬへく・いひ川ゝけ/(いひ川川け)・
【給】ふ・さ弖・そ乃・【返事】・【有】介ん葉・【何】と可・三世・【給】身世【給】八さりし/身〈次頁〉、身世【給】〈重複〉、(9ウ)
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 次回は、3月7日(土)の2時からです。




posted by genjiito at 23:02| Comment(0) | ■講座学習
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