今日の集会所で、インドネシアの大学院で勉強をなさり、インドネシアに長く住んでおられた大石さんから、お願いしていたインドネシア語訳『源氏物語』が届いたとのことで受け取りました。
その奥付と目次を、生成AI氏に読み取ってもらいました。ただし、少し手を入れています。
書名:GENJI MONOGATARI
紫式部による『The Tale of Genji』を、アーサー・ウェイリーが日本語から英語に翻訳したものからの訳。
出版元:Boston and New York. Houghton Mifflin Company.
The Riverside Press Cambridge, 1925年版。
著作権・出版情報:Copyright
CV. Shinyuu Japanindo
本書の版は2024年に出版された。
出版ディレクター:Gafna Raizha Wahyudi
翻訳者:Sutrisno
編集者:Gafna Raizha Wahyudi
カバーデザイン:Bayu Kurniawan
レイアウトデザイン:Fardan
著作権は著作権法によって保護されています。
本書の一部または全部を、発行者の書面による許可なく複製・転載することを禁じます。
(All right is reserved)
ページ数:188ページ
サイズ:14 × 20 cm
ISBN:978-623-97795-8-0
出版・翻訳:CV. Shinyuu Japanindo(ジャワ島中部州、インドネシア)
Email:shinyuu.japanindo@gmail.com
目次(DAFTAR ISI)
項目ページ
序文(PENGANTAR)1
第1章 左の部屋(KAMAR KIRI)12
第2章 箒に似た木(POHON YANG MENYERUPAI SAPU)39
第3章 美しいこおろぎ(JANGKRIK YANG CANTIK)95
第4章 夜の栄華(KEMULIAAN MALAM)105
第5章 薄紫(VIOLET MUDA)147
著者について(TENTANG PENULIS)184
なお、この2024年版インドネシア語訳は、アーサー・ウェイリーの英訳(The Tale of Genji, 1925)全6巻の内の、第1巻のみをインドネシア語に訳したものです。他の言語でよくあることです。例えば、インドのサヒタヤアカデミーから出版されたインド語8種類による翻訳は、すべてがウェイリーの英訳の第1巻だけをそれぞれの言語に訳したものです。
この生成AI氏の回答に対して、私は以下の質問を重ねました。
「現在の『源氏物語』の巻順でいうと、4番目は「夕顔」です。しかし、ここでは「夜の栄華」として現行の『源氏物語』でいうと7番目の『紅葉賀』になっています。このズレは、どこから生まれたものでしょうか。」
これに対して生成AI氏から、次のように詳細な回答が届きました。
「ウェイリーは
第3帖『空蟬』を独立させず、『夕顔』に統合
『紅葉賀』を早い段階に移動(第4章扱い)
という編集を行っています。
(中略)
したがって、インドネシア語版が「夜の栄華(=紅葉賀)」を第4章に置いているのは、
ウェイリー版の章順を忠実に踏襲したためであり、
『源氏物語』の原典順との差は翻訳段階での文学的再編集によるものです。
(中略)
ウェイリーは、英語読者にわかりやすくするために章の順序や構成を改変しており、いくつかの巻を統合・省略・改題しています。
(中略)
インドネシア語版は、この**ウェイリー初巻(Vol.1)**に基づく「抜粋翻訳」であり、
そのため「空蟬」が欠落し、「紅葉賀」が第4章として登場する構成になっています。
この改変が「現行の巻順とのずれ」を生じさせた直接の要因です。」
なお、帚木三帖といわれる「帚木・空蟬・夕顔」についても、「古写本系統における差異」として詳しい説明を受け取っています。そこには、池田亀鑑・与謝野晶子・与謝野鉄幹・藤岡作太郎・桜井好朗・阿部秋生などの考えに言及しています。しかし、これに関して私は異論を持っているので、ここでは取り上げません。
このインドネシア語訳の『源氏物語』が手元に届いたことにより、現在私が確認している『源氏物語』の翻訳言語の種類は、2023年9月25日に本ブログで公表した言語数の43から1つ増えて、44種類の言語で翻訳されているということになります。くれぐれも、44ヶ国ではなくて、44種類の言語ですので、引用なさる際にはお気をつけください。
また、本ブログの2023年9月以前の記事を見て、現在とは違う少ない言語数を記載なさっている方を、しばしば見かけます。『源氏物語』の翻訳言語数は変動しています。本ブログの検索窓から「種類の言語一覧」で検索をして、現時点での最新の翻訳言語数を論文や報告書などに掲載していただくことを望みます。翻訳書の原本を確認したい方は、本ブログのコメント欄を活用してお問い合わせください。可能な限り、お手伝いしています。ただし、マスコミ関係者からの問い合わせや取材は、失礼な対応が多いのでお断わりします。
このインドネシア語訳『源氏物語』の詳細な検討は、若い方々にお願いしましょう。
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【『源氏物語』が翻訳されている44種類の言語一覧】(2025年10月31日現在)
アッサム語(インド)・アラビア語・イタリア語・【インドネシア語】・ウクライナ語・ウズベク語・ウルドゥー語(インド)・英語・エスペラント・オランダ語・オディアー語(インド)・カタルーニャ語・クロアチア語・ジョージア語・スウェーデン語・スペイン語・スロベニア語・セルビア語・タミル語(インド)・チェコ語・中国語(簡体字)・中国語(繁体字)・テルグ語(インド)・ドイツ語・トルコ語・日本語(現代)・日本点字・ハンガリー語・ハングル・パンジャービー語(インド)・ビルマ語・ヒンディー語(インド)・フィンランド語・フランス語・ベトナム語・ヘブライ語・ペルシャ語・ポーランド語・ポルトガル語・マラヤーラム語(インド)・モンゴル語・リトアニア語・ルーマニア語・ロシア語
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