2025年10月26日

古都散策(74)春日野でのお茶の講演会と野点用の茶碗

 久しぶりの奈良公園です。観光客を縫うようにして、人に慣れた鹿が至るところにいます。かつて奈良に20数年住んでいて子育てをしていた頃には、鹿せんべいは100円でした。今は200円。30年も前のことですが。

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 昨日から正倉院展が始まったので、立ち寄りました。しかし予約で満員のため、今日の当日券はありません。今回はお香の蘭奢待が出ているとのことだったので、行って見ようと思ったのです。またいつか、ということにしましょう。

 ブラブラと東大寺に行きました。南大門の前では、2匹の鹿が頭をぶつけ合って興奮状態です。戯れているのか喧嘩なのかは、生態をよく知らないのでわかりません。そうとう長い間、取っ組み合いをしていました。

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 東大寺の大仏殿には、子どもたちやお客さんを連れて何十回と来ているので、参拝はしません。外から格子越しに撮りました。ちょうど一週間前には、鎌倉で長谷大仏を間近に見ています。つい、大仏さまを比べてしまいました。

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 今日ここに来たのは、奈良公園の中にある「奈良春日野国際フォーラム甍」で、第57回茶道文化講演会が開催されるからです。

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 私は淡交会奈良支部の会員です。お茶の先生が、茶道裏千家淡交会奈良支部の理事をなさっていることもあり、お誘いを受けました。これまでも参加していたので、今回は妻と一緒に行きました。

 まず一室で呈茶がありました。その後は能楽ホールに移り、今夏8月に102歳でお亡くなりになった千玄室大宗匠の、最後の講演会のビデオを見ました。元特攻隊員だった時の話は、聞いた話であっても心に滲みます。
 続いて、茶道史家の神津朝夫氏による「奈良と茶」と題する講演です。
 日本中世仏教史研究の進展により、いろいろと新しいことがわかったそうです。喫茶は禅宗に限らず仏教寺院で広まっていたことが明らかになって来たとのことです。
 また、奈良は京都や堺よりも早く茶の湯が盛んだったと。
 さらには、茶の湯の祖とされる珠光は出家しているので、姓の村田は付けないのが正しいそうです。
 室町時代の『おようのあま 絵巻』(サントリー美術館蔵)の上巻に、茶の湯の成立期の様子が描かれていることが、絵の説明と共になされました。
 お茶をめぐる話に、知らなかったことが数多く語られたので、楽しく聴くことができました。奈良とお茶の縁が深いこともよくわかりましたり

 私のお茶の先生である森田宗輝先生は、この会の司会と進行役を務めておられました。帰りがけに、丁寧にお礼を伝えました。脳梗塞で手や足腰に違和感があるので、お稽古はずっとお休み中です。しかし、こうした機会を得て、勉強は続けています。

 近鉄奈良駅前を散策しました。もちいどの商店街で、シンプルな「いっぷく碗」と野点の茶筅を見つけました。

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 今日の講演が奈良とお茶の話だったので、家にない茶碗が欲しくなったからです。食後に、時々お茶を点てています。この小さな茶碗であれば、サッとお茶を飲むことができそうです。かわいい茶筅も気に入りました。普通の茶筅を左上に置いたので、その小ささがわかるかと思います。

 奈良公園の周辺を歩いて、奈良は京都以上に海外からの観光客が占める比率が高いことを実感しました。ざっと9割は海外の方だと思われます。奈良は寂しい町だったので、こうして活気が出ることは良いことです。京都はもう満杯なので、分散化によって世界への日本文化の理解を深めて行くことには賛成です。折しも、新首相の高市早苗氏は奈良県の出身です。奈良に住んでいた頃に、駅前などでポスターを見かけました。地方の活性化にも腕を奮ってもらいたいものです。




posted by genjiito at 21:40| Comment(0) | ・古都散策
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