『スティーブ・ジョブズ名語録 人生に革命を起こす96の言葉』(桑原晃弥、PHP 文庫、2010年8月)を読みました。ジョブズが情熱をかけ愛してやまなかったマッキントッシュと出会って35年のキャリアを持つ私にとって、ジョブズが残した言葉には身体が反応します。つい、本書を手にしました。
ジョブズが語った言葉を引用しながら、ジョブズの生き様や考え方を語り伝える内容です。そう思ってページを繰りました。
しかし、作者の語り口がどこかよそよそしくて、他人事のように感じたのです。気持ちが入っていない文章を、ダラダラと読まされたのです。ジョブズという素晴らしい素材を見つけたのにもかかわらず、こんな熱のない気が抜けた文では、ジョブズの情熱はもとより実像も霞んでしまいます。
語り手を変えて、ジョブズを語る新たな本の出版を望みます。【1】
なお、かつて私は本ブログに「スティーブ・ジョブズの死と雑誌の特別付録」(2011年10月06日、http://genjiito.sblo.jp/article/178945817.html)と題する記事を書きました。そこで紹介した雑誌などには、ジョブズに対する哀惜の念を通してジョブズへの敬愛の念に溢れた文章がまとまっていました。そうした熱気のかたまりのような懐古談を読んでいる積年のアップルユーザーに取って、この著者の日本語には生気が欠けていて残念でした。
アップルのパソコンであるマッキントッシュに始まって、今ではスマートフォン、アップルウォッチ、アイパッド、そして部屋にはバックグラウンドで音楽を流す旧アイポッドと、ジョブズが生み出した機器に囲まれた生活をしています。すべて、尊師と仰いできたN氏からの影響のたまものです。そのN氏とは、来月のお盆に、同じ仲間のO氏と共に久しぶりに逢うことになっています。共に、37年前に日本文学データベース研究会(NDK)を起ち上げ運営してきた同志であり、熱烈なアップル信者です。来月も、マック談義に花が咲くことでしょう。
それだけに、今回読んだ本の中身が薄っぺらだったことが、マックユーザーとして失望した遠因となっているように思われます。
※本書は、PHP 文庫への書き下ろし作品です。
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