昨日から、今日のNPOのイベントは雨の中になりそうなのでどうするか、ということを思案していました。待ち合わせ場所としたHONBAKO京都宇治の2階で、源氏談義ををすることも準備していました。
しかし、午後から雨という予報は幸にも外れ、涼しい曇り空の中で無事に実施できました。雨を覚悟していたので、拍子抜けするほど快適な宇治散策を楽しむことになりました。
今回の第6回 平安文学散策は、以下の計画で開催しました。
■NPO法人〈源氏物語電子資料館〉主催の〈第6回 平安文学散策〉 [宇治散策]
日時:6月15日(日)12時から13時の間、シェア型書店「HONBAKO京都宇治」の店内
JR宇治駅から歩いて3分(京都府宇治市宇治宇文字2-38、宇治警察署の裏側)
13時に HONBAKO を出発し、お喋りをしながらの気ままな散策をします。
(1)紫式部像/「夢浮橋ひろば」にある「夢浮橋」の古跡の石碑
(2)橋姫神社/「橋姫」(石碑ナシ)
(3)宇治十帖モニュメント(匂宮と浮舟の像)
(4)宇治神社(『百人一首』8番歌・喜撰法師の歌碑)
(5)「早蕨」の古跡の石碑
(6)宇治上神社(世界遺産、寝殿造の遺構)
(7)(8)(9)「総角・椎本・東屋」の古跡の石碑
(10)京阪宇治駅前で解散。希望者は各自[源氏物語ミュージアム]へ
※費用:(資料代・保険料等を含む)
一般の方、二千円
NPO正会員の方、千円
サポート会員の方、千五百円
※雨天の場合は、HONBAKOの2階にあるフリースペースで、宇治と『源氏物語』に関する歓談の予定。
幸い雨に降られることもなく、思い思いの興味で語り合いながら宇治を廻りました。
ただし、一つだけ予想外の事態に直面しました。それは、宇治川が増水していたために、橘島に渡れなかったことです。橘橋も朝霧橋も立ち入り禁止になっていたのです。しかたがないので、平等院の横まで歩いて来た足をUターンして引き返し、宇治橋を渡って予定のコースであるさわらびの道に戻りました。
以下、行程にそって綴ります。
HONBAKO京都宇治に集まって歓談してから、雨のことが心配だったこともあり、少し早めにスタートしました。HONBAKO京都宇治の店主である山本さんに「行ってらっしゃい」と見送られる中を、宇治橋通りを夢浮橋の古跡に向かって進みます。
途中で、興味深い看板を見つけては、観光客はもとより日本の若者は「賣」や「須」が読めるだろうか、と日頃の勉強の成果をもとにした話題になりました。
かといって、「売」や「す」と書いてしまっては興ざめです。やはり、誰もがこうした旧漢字や変体仮名も読めるようになろう、という所に落ち着きます。
夢浮橋の古跡では、その後ろにある石碑の文字にみんなの注意が向きました。明治天皇の和歌のようです。
みんなで、この読みにくくなっている石碑に刻まれた文字を、目を凝らして読みました。そして、次のように読み解きました。
ものゝふ能
やそうち【川】尓
すむ【月】乃
【光】りにみゆる
【朝日山】可な
(明治天皇御製)
あがた通りの狭い道を進み、橋姫神社に行きました。「橋姫」の古跡を示す石柱は依然として建っていません。いったい、どこにあるのでしょうか。説明がないので、よくわかりません。
平等院表参道の南端にあるお店に立ち寄り、ソフトクリームを全員が注文してから、お店の方に昔の話を聞きました。前回来た時に、このお店の方の話で、小さい時には目の前の平等院の塀もなかったので、自由に庭に入って遊んでいた、とのことを思い出しました。それで、もっと詳しい話を伺えないかとお聞きしたところ、ご主人が出てこられて昔話をしてくださいました。
昭和12年生まれなので今年88歳の米寿とのことです。そして、昭和25〜26年頃までは塀がなかったので、中に入って遊んでいたことを語ってくださいました。小学校に通う時にも、平等院の庭を横切って向かいの学校に行ったとのことです。空襲があった時にも、この庭に逃げ込んだそうです。観光寺院となる前の様子が窺える話でした。
先にも書いたように、宇治川が増水していたために橘島に渡れません。そこでUターンして宇治橋に戻り、右に橘橋、中央に朝霧橋を望む位置で写真を撮りました。両岸や小島に、大水の水嵩が上がっている様子が窺えます。
奈良街道から朝霧通りに入った所の道標も、みんなで読みました。
【右】 ゑしん【院】 こう志やう【寺】
【左】 みむろ 王う者" く
す ぐ 【京】 【大津】
宇治十帖のモニュメントには寄らず、さわらびの道から宇治神社の境内に建つ喜撰法師の『百人一首』の歌碑を読みました。変体仮名は「可」1文字だけであることが収穫でした。
宇治上神社の手前の早蕨の古跡も、新旧2つを丹念に見ました。
宇治上神社へお参りして、源氏物語ミュージアムの手前にある総角の古跡も丁寧に確認しました。
この青モミジに覆われた木々の散策路は、雰囲気がよくて時間が停まったかのような空間となっていました。
源氏物語ミュージアムは今日は素通りし、奈良街道沿いの椎本の古跡と東屋の古跡を見ていると、少し雨が落ちてきました。
東屋の古跡を見ているうちに雨がやや大粒になったきたので、京阪宇治駅までの百メートルだけは傘をさして急ぎました。
とにかく、大半の行程を自由に語り合いながら、涼しい中を歩いての散策だったので、稔りの多い宇治行となりました。
全員が、京阪電車で中書島駅まで帰り乗り換えて京都まで、私と妻だけは、一つ手前の観月橋駅で降りました。
みなさん、お疲れさまでした。
また秋に、のんびりと京洛を散策しましょう。
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