今日は、前回歩いた油小路通の一本東側を南北に走る西洞院通を、まっすぐ北に向かって歩きました。最初は道幅が広かったのに、次第に狭くすぼんでいきます。
地図を見ると途中で道が消えているので、通りがわかる範囲をブラブラと歩きました。
お茶の小山園がありました。こうした街中の民家の一角に、おしゃれな喫茶室としてあったのが意外でした。
御金神社には、多くの人が集まっておられました。何と、鳥居が金ピカです。
神社のホームページには、次の説明がありました。
神社の隣通りには、「釜座(かまんざ)通り」がございます。この辺りは、平安時代より、鋳物職人である釜師が集まり、特権が与えられ茶釜の鋳造を行っておりました。
さらに神社のほど近くには、「両替町通り」がございます。この一帯は、かつて徳川家康により設けられた、「金座」と「銀座」があり、江戸幕府の金貨鋳造を担い、各地の金銀細工業者がこの地に集められておりました。
時代と共に、お金にまつわる願い事にご利益がある神社になったようです。また、小山園がすぐ手前にあったのは、茶釜の縁もあるのかもしれません。次の名水も、関係しているように思われます。
滋野井の井桁は都七名水の一つであり、茶の湯との関わりで知っていました。藤原定家の『明月記』にも出て来ます。平安初期の公卿である滋野貞主(漢詩集「経国集」や「秘府略」を編纂)の邸宅内にあった井戸の名称です。
これがそれなのか、とあらためて平安時代に思いを馳せました。
その近くにあった雙松山長徳寺の「松」の字が、偏と旁を上下に入れ替えた「枩」として書かれていました。偏と旁が左右入れ替わった文字には、「秌」などがあります。
さらに北にある大峰寺跡が、平安時代の遺構であることを初めて知りました。
駒札の説明では、一説として「三条天皇の中宮、藤原妍子が、万寿四年(1027)九月に没し、当寺の前野で火葬されたことから、その供養のため建てられた火葬塚とも伝えられている。藤原妍子は藤原道長の娘で、一条天皇の中宮となった彰子とは姉妹にあたり、道長の娘で入内した三人の中宮の一人であるが、三十四歳の若さで亡くなり、父を悲しませた伝わる。」と記しています。
平安時代を語る時に、これからはこのことも加えましょう。
西洞院通の突き当たりはT字路となっており、左に茶道の武者小路千家の官休庵があります。
その左には官休庵西館があり、入口の前には興味深い文字が書かれた石柱(甼内安全)と町名(西無車小路町)があります。
先にも書いたように、「松」が「枩」と書かれていたように、ここでは「町」が「甼」となっています。「枩」も「甼」も、そして先の「秌」も、パソコンやスマホで表示できるのでおもしろいと思っています。
日本語では、近年まで、偏や旁は緩やかに運用されていたようです。学校教育が答えを一つと決めつける指導となり、こうした大らかな文字は唯一無二の文字に統制されたのです。そこには、生徒や学生に序列をつけるために点数で差別化を図る、という方策の一環として運用されたことが考えられます。
学習指導というものが、答えを一つだけ要求することでよかったのか、今後の評価にまかせましょう。とにかく、こうして街中にはさまざまな、ゆるゆるの文字が氾濫しているのです。
ここでは漢字の例をあげました。これまでに、変体仮名の例をあげてきました。日本語の文字について、これからも若者たちが日本語を使い続けてくれるためには、いろいろと考えることがあるように思われます。
西洞院通は、今出川通から北では通り名の表記がなくなります。そのため、今日はここまでとしました。
震えるほどに寒い一日でした。気温の変化が大きい昨今、体調に気をつけながら街歩きを続けていきます。
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