2025年05月17日

日比谷で「須磨」(24)と『百人一首』(新1)を読む

 京都で降っていた雨は、新幹線と共に東京へも付いて来たようで、日比谷図書文化館に着いた時にもかなり降っていました。
 入口には、いつものように本日のイベントの掲示がありました。

250517_掲示板.jpg

 まず、ハーバード大学美術館蔵『源氏物語』「須磨」巻の写本を読む講座からです。
 今日は、『源氏物語別本集成 正・続』(全二十二巻、桜楓社・おうふう、1989(平成元)年〜2010(平成22)年)を刊行してきたことと、それを中断した経緯について説明しました。今この講座で取り組んでいる変体仮名に拘った翻字の確認をしているのが、どのような意味を持つのかをわかっていただくためです。

 その後、ハーバード大学蔵『源氏物語 須磨』の45丁裏から46丁表までを確認しました。2頁分しかできなかったのは、いつもより丁寧に字母の説明をし、翻字の意味を詳しく確認したためです。
 以下が、本日の確認分です。

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き多の可多は・ふ祢尓て・の本る・うら徒多ひ
尓・勢うえう・し川ゝ/(し川川)・くる尓・ほ可より毛・
於もしろき・王多里奈れ八・いとゝ
【心】/(いとと)・と満る尓・【大将】・可くて・於者寿と・き
く尓・あいなく・すい多る・む春免とも八・ふ祢
乃・うちさへ・者川可しく・【心】けさうせらる・まし
て・可乃・【五】勢ち乃き三八・徒奈弖・ひきすく
る毛・くち越しき尓・きむの・こゑ・【風】尓・
川きて者る可尓・きこゑ多り・【所】・さ満・【人】の・
【御程】・毛のゝ/(毛のの)・祢乃・【心】本そさ・とりあ徒免て/て〈次頁〉、(45ウ)
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【心】・ある・可き里は・三那・ゝきに介り/(那きに介り)・そ
ちは/=帥〈左傍記〉・【御】勢そく/勢±う、(【御】勢うそく)・きこゑ堂り・者る可
奈る・本とよ里・ま可里の本らん尓は・いつ
し可毛・満川・まいり【候】ひて/て&【候】、(まいりて)・【宮】こ乃・
【御物】可多り毛とこそ・【思】・【給】徒れ・於もひ
の・本可尓・かくてを八しま新ける・【御】やとり
を・可く万可里すくる・可多し介奈く・可奈
しう毛・【侍】る可那・あひし里て・【侍】る・【人】
と毛・ナシ・かれこれ・万て・きむ可ひて・あま多・る
いして・【侍】れ八・【所】勢佐尓・於もふ・堂満へ/(46オ)
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 また、6月15日(日)にNPO法人〈源氏物語電子資料館〉が主催して宇治の散策をする予定を連絡しました。この件は、来月さらに詳しくお誘いのチラシを配ってお知らせする予定です。

 1時間の休憩時間に、ハーバード大学本「須磨」・「蜻蛉」と歴博本「鈴虫」の臨模本作製された宮川さんがお越しになったので、控え室で相愛大学所蔵の写本について、詳細な打ち合わせをしました。相愛大学本はハーバード大学本などのツレなので、この臨模本も作製するためです。6月下旬に相愛大学へ調査に行くことになりました。

 引き続き、『百人一首』の仮名文字を読む時間となりました。
 今回から、できあがったばかりの『変体仮名でよむ 百人一首』(伊藤鉄也・吉村仁志 編、新典社、2025年5月)を使って、確認を進めました。
 ここでも、変体仮名による翻字が持つ意義をお話ししました。
 今日は、第4番歌の山辺赤人まで見たので、次回は第5番歌の猿丸大夫からです。テキストが新しくなると、気分も新鮮に取り組めます。最後にいくつか質問が出たので、詳しいお話をしました。日比谷図書文化館での講座は質問が多いので、前に進めることよりも、その時々の疑問点にお答えすることを優先しています。
 終わってからも、狂歌との関連の質問があったので、私の課題として次回にお答えすることにしました。みなさん熱心に取り組んでおられるので、こちらも緊張感をもって対応しています。

 終わってから外に出ると、雨は上がっていました。内幸町の交差点から北を見ると、国会議事堂の尖塔が雨上がりのスッキリとした空気の中で臨めました。今までで一番きれいに見えたので、写真に収めました。日比谷公園の中の野外音楽堂の横に建つ日比谷図書文化館が、国会議事堂のすぐ近くにあることを、あらためて気付かされました。

250517_議事堂.jpg

 今日は、上野公園のそばに泊まります。息子が海外出張のためにいないので、都内で探したところ、やっと見つかったのが上野だったのです。
 晩ご飯は、すぐ近くのアメ横でいただきました。京都の錦市場や、大阪の黒門市場とは違う、多くの海外からの若者が集う渾沌極まりない地域でした。東京に長くいた私も、ここに来るのは初めてです。とにかく、活気とは異なる、お祭り騒ぎに近い賑わいでした。これも、東京の一つの姿なのでしょう。楽しい街であることは確かです。みなさん、大盛り上がりで、食べたり飲んだりしておられました。

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posted by genjiito at 23:56| Comment(0) | ■講座学習
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