2025年05月12日

新刊『変体仮名でよむ 百人一首』 の報告と郵便局の対応への疑問(補訂版)

 『百人一首』の本を刊行しました。
 表紙は、こんなに爽やかな表情を見せています。さくら色に惹かれます。手にしたくなるような書籍に仕上がりました。デザイナーさん、いつもありがとうございます。

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 書店で見かけられたら、パラパラとページを繰ってみてください。奥付は「2025年5月17日」になっていても、すでに店頭に並んでいるようです。2種類の『百人一首』の〈カルタ〉の絵と文字を、しばし楽しんでください。

 この本の特徴は、活字で印刷した各ページ右側の変体仮名による翻字を目で追いながら、カルタの札に書かれた筆文字を見ているだけで、自ずと今では使われない仮名文字が読めるようになることです。こうした資料の作り方は、日比谷図書文化館などの社会人講座で10年以上をかけて見つけ出した手法です。このことは、巻初の「はじめに」「変体仮名翻字版について」「凡例」に書いておきました。
 そして、現代語訳も、目が見えない方のアドバイスを取り込んでいるので、音読によってイメージしやすい訳になっています。
 いろいろなところに工夫を施した編集をしているので、これまでの『百人一首』の本とは一味違ったものになっているはずです。


 先ずは、編者である私のところに出来上がったばかりの本が届いたので、早速、編集に直接協力していただいた方に3冊ずつお送りしました。
 スマートレターに3冊を入れると、ちょうど2センチの厚さになります。汚れないように透明の薄いビニール袋に包み、封をして郵便局へ持って行きました。ところが、隙間があいた金属のスケールに通して、これでは受け取れない、とおっしゃるのです。家で同じスケールを使って確認したと言うと、2センチの隙間に入るけれども、スッと抜けないのでダメだ、とのことです。つい、えーッ、と声が出ました。

 どうしたらいいのかと聞くと、どのような物が入っているのか、と聞かれました。書籍ですと答え、本が汚れないように、透明のビニール袋に包んでいると言うと、そのビニール袋を外してみたらどうか、とおっしゃいます。今、ここでですか? と聞くと、千枚通しは貸せるし、貼り直すテープも貸せる、とのことです。

 仕方がないので、千枚通しでゴシゴシと両面テープで貼られた留め口をこじ開け、ビニール袋から3冊の本を出して、裸のまま入れ直して窓口の方に渡すと、先ほどのスケールを通して、これでいいとのことでした。
 3通分を同じようにすることで、受け取ってもらえました。

 はてさて? 本を包んでいた透明の薄いビニール袋は、どこの家にもある家庭用の小さな袋です。家に帰ってビニール袋がはいっていた包みの表示を見ると、厚さは「0.02o」とあります。
 あの郵便局員の方は、厚さが「0.02o」(両面で0.04o?)オーバーしていたために受け取れない、とおっしゃるのです。わざわざ目の前でビニール袋を取り除き、本を裸のままで3冊を封入し直すと、今度は合格となったのです。

 まず、ゲージを通っても「スッと抜けない」という判断は、非常に個人差があるものだと思います。
 次に、「0.02o」のビニール袋を取ると、「スッと抜ける」ためにOKなのです。
 郵便物を、こんなに恣意的かつ厳格な基準に当てはめて受け取る、受け取らない、という判断をしておられることに驚きました。確かに、ルールはルールなのでしょう。しかし、私には、どう見ても厚さが「0.02o」オーバーしている問題と、「スッと抜ける」かどうかという判断が不可解です。そして、それが利用者に向き合った対応だとは思えません。

 今回は、局員の方がおっしゃるような対応を、手間と時間をかけてやりました。封をした貼り口は波打ち、その上を透明の荷造りテープで押さえるというぶざまな状態になっています。そして何よりも、貼り直した上に、透明の幅広テープでクルリと巻くことで、かえって持ち込んだ時よりも「0.02o」以上の厚みになったはずです。それは、局員の方ご自身がなさったことなので、受け取りには関係ない、ということなのでしょうか?
 局員の方が手を加えた後の確認には、金属ではなくて別のプラスチックのゲージに通して「スッと抜ける」と言っておられました。グニャリとゲージが撓っていたのに、それは受け取る条件には関係ないようです。

 さらに、心配なことがあります。中に入れた本は、配達中の乱暴な扱いにも耐えて本の表紙や背表紙が擦れて傷付かず、また液体などがかかって濡れることもなく、無事に相手に届くことが保証されるとは限りません。「0.02o」と「スッと抜ける」という郵便局側の職務上の事情に対して、利用者である私には、きれいな最良の状態で本を相手に届けたいという思いがあります。こうした経緯を通して、送る側の私の気持ちが、無残にもふみにじられたのです。

 電子メディアや宅配事業が広まっている中で、この日本郵便のこだわりは利用者の思いを無視していると思います。明治時代からの郵政事業は、今や潰れる寸前で青色吐息です。こんな対応を続けていては、先行きは明るくなさそうです。
 とにかくここでは、こんな酷い目にあった、という上記の報告に留めておきましょう。




posted by genjiito at 20:53| Comment(0) | *身辺雑記
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