2025年02月07日

清張復読(76)「不在宴会」「土偶」(「死の枝」より)

■「不在宴会」
 中央官庁の課長の浮気が予想外の展開を見せる物語です。宴会に出たことにして実は別の温泉地で愛人と逢います。しかし、その旅館で、愛人はすでに殺されていました。
 すぐに逃げた課長のその後の心理が、巧みに描かれています。そして、意外な結末へとつながります。うまい展開です。【3】


初出誌:『小説新潮』1967年11月


※参考資料:『松本清張事典 決定版』(郷原宏、角川学芸出版、平成17年4月)には、次のようにあります。
「視察を利用して浮気をしようとしたエリート官僚が思わぬ事件に巻き込まれ、自ら墓穴を掘るという皮肉のきいたミステリー。」(154頁)



■「土偶」
 戦後、闇取引をして大儲けをしていた男の話です。その男が、東北の温泉地で男女2人を殺してから12年後、話が急展開します。些細なことから、土偶が発端となり、犯行が明らかになります。うまい構成です。ただし、この結末に至る展開は、清張の作品に慣れてくると、薄々わかってくるものです。さらなる意外性を求めたくなります。【3】


初出誌:『小説新潮』1967年12月


※参考資料:『松本清張事典 決定版』(郷原宏、角川学芸出版、平成17年4月)には、次のようにあります。
「コレクションから旧悪が露見するという倒叙物の佳篇。」(124頁)





posted by genjiito at 21:48| Comment(0) | □清張復読
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。