■「不在宴会」
中央官庁の課長の浮気が予想外の展開を見せる物語です。宴会に出たことにして実は別の温泉地で愛人と逢います。しかし、その旅館で、愛人はすでに殺されていました。
すぐに逃げた課長のその後の心理が、巧みに描かれています。そして、意外な結末へとつながります。うまい展開です。【3】
初出誌:『小説新潮』1967年11月
※参考資料:『松本清張事典 決定版』(郷原宏、角川学芸出版、平成17年4月)には、次のようにあります。
「視察を利用して浮気をしようとしたエリート官僚が思わぬ事件に巻き込まれ、自ら墓穴を掘るという皮肉のきいたミステリー。」(154頁)
■「土偶」
戦後、闇取引をして大儲けをしていた男の話です。その男が、東北の温泉地で男女2人を殺してから12年後、話が急展開します。些細なことから、土偶が発端となり、犯行が明らかになります。うまい構成です。ただし、この結末に至る展開は、清張の作品に慣れてくると、薄々わかってくるものです。さらなる意外性を求めたくなります。【3】
初出誌:『小説新潮』1967年12月
※参考資料:『松本清張事典 決定版』(郷原宏、角川学芸出版、平成17年4月)には、次のようにあります。
「コレクションから旧悪が露見するという倒叙物の佳篇。」(124頁)
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