これまでにも、園山千里さん(国際基督教大学)については、本ブログで何度か取り上げました。その最新の研究成果を盛り込んだ、「「世界文学」としての『源氏物語』の存在感 −グローバル化の進展の中で− 」(『文学・語学』242号、全国大学国語国文学会、2024年12月)を読みました。
園山さんは、ポーランドの国立大学での教員生活を経て、今は日本の私立大学に籍を置いて精力的に研究中です。しかも、お亡くなりになる直前に私に世界各国の翻訳本の整理をするようにと、ご自身の貴重なデータのすべてを引き渡してくださった福田秀一先生がおられた大学です。奇縁を感じます。
「はじめに」の最後に、次のように園山さんの問題意識と主旨が記されています。
本論では、ポーランドでの『源氏物語』研究事情、『源氏物語』のポーランド語全訳をめぐる状況やこれからの展望、そこからみえてきた日本文学における「自然」について述べていく。世界で『源氏物語』がどのようにみられているのか、そのほんの一端を叙述したい(4)。(138〜139頁)
この文末に付された注(4)において、私が公開しているデータベースが、次のように過分な評価と共に言及されています。
(4) 伊藤鉄也が中心となって作成する「海外へいあんふんかく情報」は、海外における平安文学の研究、各国の翻訳や翻訳史についての情報が満載で、海外での日本文学研究を共有できる理想的なプラットホームである。(148頁)
[海外へいあんふんかく情報](http://genjiito.org)のサイトを「理想的なプラットホーム」であると、お褒めの言葉で紹介していただけたことは、私のみならず共同研究者のスタッフにとっても励みになる言葉です。
このサイト「海外へいあんふんかく情報」は、NPO法人〈源氏物語電子資料館〉のスタッフによって、日々更新されています。この、43種類の言語による『源氏物語』の翻訳情報を整理して公開しているサイトはこれが唯一のものであり、幅広く閲覧され活用されることを願って、弛まぬ情報公開に務めているところです。
ポーランド語全訳プロジェクトが成し遂げられ、[海外へいあんふんかく情報]に追記して紹介できる日が一日も早く来ることを願っています。
付記:情報を提供していただいた淺川槙子(名古屋大学)さんに感謝します。
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