2回目となる、新年のお茶会を集会所で開催しました。
2023年01月06日に、第1回をしています。その時は、自宅から茶碗15客、茶筅4本、茶杓2本、棗2個、菓子鉢1個、懐紙などを持ち込みました。(「集会所でささやかな新年のお茶会」http://genjiito.sblo.jp/article/190056137.html)
昨年は、その半年前に私が脳梗塞となり、右手が不自由だったので取り止めとなっています。
今日は、いろいろな抹茶碗25客、源氏絵の煎茶碗5客。後は前回と同じ数を持ち込みました。
最初に、源氏絵の煎茶碗、金継ぎの茶碗、宇治に縁のある宇治橋・柴舟・網代木・川霧があしらわれた菓子鉢の説明を簡単にしました。宇治橋・柴舟・網代木・川霧については、『万葉集』、『源氏物語』の浮舟巻、『蜻蛉日記』、『百人一首』に取り上げられています。しかし、今は場所が違うので詳しくは説明しませんでした。
この菓子鉢については、お世話役の方から今年も見たいとのことだったので、あらためて来歴を調べました。なかなか由緒のあるもののようです。こうした道具はいずれ散逸するものなので、この場を借りて以下に記録を残しておきます。
この菓子鉢は、後に宇治で住むことはまったく考えていなかった左京区下鴨に住んでいた時に、お茶室で何度か使ったものです。近所の古道具屋さんでいただいたものです。添えられていた由緒書の全文を引きます。迂闊なことながら、この菓子器の来歴を知り驚いています。まさに、当地宇治で生まれた器だったのです。また、白山神社の近くに藤川白鳳記念館があることを知りました。春からの開館日に行き、さらに調べたいと思います。新しいことを知ることの喜びを、大いに感じることとなりました。
白山燒由來
我が白山焼は、其由來する所頗る古くして、歴史と密接の關係を有するを以て、土地の史實を略説するの要あり。
抑も我が白川の地は、平等院より數町の上流、白川濱より約五町、谿谷を上りたる所に在り、即ち宇治町の南部に位せる山間、武陵桃源の趣ある一部落なるが、史蹟に富めることは、世人の想像だも及ばざる所にして、一木一石も史蹟の種ならざるはなしと云ふも、敢て誇張に非らざるなり。
奈良朝時代には朝廷の勅願所として、徳川幕府時代には千石の御朱印地として、十六坊及び幾多の堂塔伽藍を有し、結構壯麗を極めたる金色院は、長祿年間祝融の災に罹りて、今は朱塗の大門一宇在存して僅かに其名残りを留むるのみなるも、現に白川區有にして保管せるものに、國寶阿閟如來、大威コ明王等七種の黄金佛を始めとして、紺紙金泥の法華經、曼陀羅、小野道風直筆の扁額等あり、以て其が盛時の一班を想見するに足る。
區の西南隅の山麓に奉祀せる白山神社は、建治三年鎌倉時代に金色院の照燈上人靈夢に感じ、加賀の白山權現を勸請したるものにして、拜殿の天井の構造等は他に類例を見ざる特別保護建造物たり。
下りて藤原時代には、御堂關白ョ通平等院の建立と共に別業を此地に營みたれば、王朝時代文化の華は既に山間の地にも爛漫たりしなり。
前記の史蹟と深くして不離の關係ある白山焼は、白山神社背後の山より出づる陶土を以て製出するものなれば、其質製陶に適し、古代より雅致ある陶器を出したることは、口碑に存する所なりとす。
垂仁天皇の御代新羅の王子、天の日槍歸化して、宇治川を溯り近江に入りて、製陶に從ひしが、其途暫時宇治に止りて陶窯を試みたるものゝ如し、爾来金色院の創設、ョ通の別業を營むと共に、其筋の獎勵と庇護とによりて盛大となり、廣く貴紳の間に賞玩せらるゝ名器を出せしが、時代の推移と桑滄の變は、何時の頃よりか名だたる陶窯も絶して顧みるものなきに至りしは實に遺憾の極みなりけり。
予夙に陶窯を好み、忙中閑を愉みて、之が技を弄する事茲に年あり、漸く機熟して廢窯を興し、製作に從ひしが、其雅致、共風韻は一般の嗜好に適し、大に賞讃を博せり、用ふる所の陶土は舊來の如く、此地特有のものにして、之に最新の技術を加へ、益々研鑽を重ねて往時の盛に復せしむると共に、大方の期待に背かざらんことを期す。
幸にも當世斯道の名匠眞清水藏六氏は、予の拷ニにして、指導後援を與へらるゝあり、希くは大方の諸彥一層愛顧を賜はらんことを。
白山燒中興 藤 川 白 鳳 敬白
山 城 宇 治
今日のお菓子を取り置く懐紙は、前回同様、お正月らしく王朝継ぎ紙の絵が入ったものです。食品用紙を使用した「源氏物語 第五帖 若紫」という懐紙です。特に説明しなかったので、ごく自然に古典文化の中に入ってお茶を楽しんでおられたようです。
今日のお茶会の様子はこんな感じでした。まずは、お茶わんを各自が選ぶことからです。25客もあるので、大いに迷っておられました。みなさまのお手伝いのために何かと慌ただしかったので、手元の写真だけで雰囲気を感じてください。
ご自分でお茶を点てていただくことに関しては、茶筅の振り方で手首を使うことだけをお伝えしました。後は、各自が思い思いに点てていただきました。若い頃にお稽古に行ったという方が何人もいらっしゃいました。花嫁修業として、お華のお稽古と同じように体験なさっておられたようです。そうした方が、周りの方のお手伝いをしておられたので、なかなかいい雰囲気でした。
手際よく片づけられたので、持参したキャリーバッグ一つに30客のお茶わんと小道具が来る時と同じようにスッポリと入りました。手伝ってくださったみなさま、ありがとうございました。
快い疲れを感じながら、白寿のTさんと同じ方向に帰られるMさん共々、楽しかったという話を聴きながら帰りました。
今日は私と妻の荷物が多いからというので、Tさんは私の家の玄関口まで一緒に来てくださいました。近所のドラッグストアにお菓子を買いに行くから、という口実でのお心遣いに感謝しています。細やかな思いやりと、シャープな記憶力、そして自分でできることはする、という気力体力の充実ぶりには、ただただこうしたことを通して見習うべき多くのことを教えていただいています。
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