韓国の朴光華先生が、『源氏物語』の韓国語による訳注にコツコツと取り組んでおられます。今回完成したのは、『源氏物語 韓国語訳注(浮舟巻)』(2024年11月1日、784頁、図書出版DNP)です。
残念なことながら、韓国語による信頼できる『源氏物語』の訳と注解本はまったくありません。1999年に刊行された田溶新氏の翻訳は、その訳に問題が多いことが知られている上、刊行された本の表紙は私が所有する源氏絵を無断盗用と恣意的な改変がなされたものです。私の教え子が描いた源氏絵を私のホームページから無断で盗用し、しかも公開した源氏絵を勝手に切り抜いて反転するという酷いものであり、抗議をしても取り合ってもらえなかった経緯があります。
それはさておき、とにかく、この朴光華先生のお仕事が『源氏物語』を韓国語で読む上で唯一の信頼できる成果です。ただし、完結までにはまだ20年はかかりそうです。それまで、じっくりと待ちましょう。
一昨年には「総角」巻が完成し、今回は「浮舟」巻です。資料として、数多く宇治の写真などが収録されています。宇治在住の一人として、心躍る資料です。
朴先生との交流については、「朴光華先生のハングル訳『源氏物語』」(2010年07月05日、http://genjiito.sblo.jp/article/178934800.html)で詳しく書いています。先生のお仕事を知り、後押しをする意味でも、どうぞご一読いただけると幸いです。
お仕事の進捗状況は、「海外平安文学情報」の「『源氏物語』翻訳史(略年表)」(https://genjiito.org/genji_infomation/genji_history/)で確認できます。「ハングル」で検索していただくと、今日現在、27件の情報が表示されます。今回の刊行のことは、すでに公開済みです。
次回は『新編桐壺巻』です。
1日も早い『源氏物語 韓国語訳注』の完成を心待ちにしています。
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