2024年11月23日

キャンパスプラザ京都で尾州家河内本「桐壺」を読む(第24回)

 京都は秋空です。しかし、肌寒い一日でした。
 キャンパスプラザ京都(京都市大学のまち交流センター)のロビーには、いつものようにNPO法人〈源氏物語電子資料館〉主催の『源氏物語』の勉強会の掲示を出していただいています。

241123_掲示板.jpg

 今日は、まず来月の12月15日(日)に開催する、NPO法人〈源氏物語電子資料館〉主催の平安文学散策のプランを詰めました。週明けには、本ブログで詳細をお知らせします。
 予定のコースは、13時に冷泉家の南向かいにある京都御所@今出川御門で集合し、次の地図の通り寺町通りを南下します。

A藤原定家一条京極第跡→B清浄華院→C廬山寺→D梨木神社→E藤原道長の土御門殿跡→F法成寺→G京極定家邸跡

241123_G散策図.jpg


 そして、今年の9月に建ったばかりのH「藤原定子二条宮跡」(邸宅跡)の顕彰碑を確認し、そこにある然花抄院でティータイムとして解散します。
 歩く距離はちょうど3.2キロなので、2時間のコースです。
 準備の都合がありますので、来週このブログで詳細を公開した後、このコラム覧などを利用してお申し込みください。資料代や保険料などを含めて、お一人2千円です。NPOの会員の方は別途設定しています。
 『源氏物語』や平安時代のガイドツアーではなくて、お喋りをしながらの散策です。多数の方のご参加をお待ちしています。

 さて、本日の勉強会の内容です。
 『源氏物語』の翻訳本の回覧は、ドイツ語2冊を回しました。

 尾州家河内本「桐壺」の[変体仮名翻字版-2023]の確認は、6丁表から、8丁表8行目までを見ました。

 今日は、尾州家河内本特有の〈朱点〉について、凡例に追記する叩き台を提示しました。これは、参加者の佐藤さんが作ってくださったものを整理したものです。今後は、この方針を加えた方法で翻字を進めます。

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〈朱点〉を使って、原文をいかに正確に読み取るかという工夫が随所に見受けられる。
  ※本行の文字間に打たれた朱点は補入記号のない補入として、(/■±〈朱点〉)を原則とする。
ただし、朱点が削除されいてる場合は(■±〈朱点削〉)又は(■±〈朱点削?〉)とする。朱点が文字の左右
に打たれている場合は(/■±〈朱点右〉)又は(/■±〈朱点左〉)などとする。ミセケチなどで朱点が2個
あれば(■$〈朱2〉)とする。ミセケチは、おおむね左上に打たれる傾向がある。

(1)句読点代わりに用いている場合
   @読点・・「+〈朱点〉」とし、文節の途中にある場合は「と+〈朱点〉」とする。
   A句点・・文の最後につくので「±〈朱点右〉」「±〈朱点左〉」とする。
ただし、行末にある句点は、便宜上、次の文節の末尾に「+〈朱点〉」として明示したので要注意。
   B朱点が複数個ある場合は、「ち=〈朱点左〉」「飛=〈朱点2左〉」「飛=〈朱点3左〉」とする。
     例 【野】王起堂ち弖/±〈朱点右〉、堂=〈朱点2左〉、ち=〈朱点左〉 (7ウL2)

241122_尾州「桐壺」7uL2朱点.jpg


(2)傍点を用いて後の解釈に利用したと思われる例
   @強調・・文字の左側につくので傍書にならい、「いとと=〈朱傍点〉」
   A不明・・・右につく場合で「と=〈朱傍点右〉」としたがミセケチの可能性も?

 なお、尾州家河内本において、「【見】」はナゾリと擦り消しが混在することが多いため、次の表記を付加情報の基本とします。そして実見していない今は、【見】の左横にはミセケチ記号はないものとします。
     例 △〈削〉【見】、【見】=【見】〈削〉 (6オL6)
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 また、「【人】/\」と「【人】ゝ」における、踊り字の開き方の違いの確認もしました。

241123_尾州「桐壺」6oL10人ゝ.jpg

 「【人】/\」の場合は、踊り字を開いた翻字データの表記は「【人】/\/(【人人】)」となります。しかし、「【人】ゝ」となると、原則的には「【人】ゝ/(【人】と)」となります。この違いを意識して諸本を見比べたところ、「人人」が最適かと判断できるので、ここでは「【人】ゝ/+〈朱点〉、(【人人】)」としました。念のために記しておきます。


 本日確認をした本文の翻字は、以下の通りです。
 毎度、文字の羅列ですみません。しかし、この資料を基にして、この勉強会に参加できないために国内外で自学自習をしておられる方がいらっしゃるので、[変体仮名翻字版-2023]の確認とリモート学習のお手伝いをする意味から、この場をお借りして情報提供をしています。ご理解のほどを、よろしくお願いします。

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礼い乃/+〈朱点〉・やう尓・於さめ/+〈朱点〉・多てまつるを・はゝ/+〈朱点〉、(はは)・き多の可多・
於なし/+〈朱点〉・遣ふり尓もと・ナシ・なきこ可れ【給】て/+〈朱点〉・をくりの/+〈朱点〉、+御・
【女房】・くる万尓・新多ひの里堂まひて/+〈朱点〉・於堂
きと/+〈朱点〉・いふ・ところ尓・い可めしう/+〈朱点〉、く&う・その/+〈朱点〉・さ本う/=作法・し多る尓・
ナシ・於八しつき多流/+〈朱点〉・【心】ち/+〈朱点〉・ナシ・い可八可り可八・あ里けん/+〈朱点、ヨゴレ〉・む那し
き/±〈朱点右〉・【御】可ら越/可〈朱合点〉・【見】る/\/+〈朱点〉、△〈削〉【見】、【見】=【見】〈削〉、(【見】る【見】る)・な本/+〈朱点〉・於八春流/+〈朱点〉・毛乃と・於もふ可/+〈朱点〉・いと/+〈朱点〉・
か那し遣礼八/+〈朱点〉・ゝひ尓/+〈朱点〉、ゝ〈朱合点〉、(八ひ尓)・なり/+〈朱点〉・多ま八むを・【見】/+〈朱点〉、△〈削〉【見】、【見】=【見】〈削〉・多て万つ
里ていまは/い+〈朱点〉・なき・【人】と・飛多ふる尓/+〈朱点〉・於もひなりなん
と/+〈朱点〉・さ可しう/+〈朱点〉・乃堂まひ徒れと/+〈朱点〉・くる万よりも/+〈朱点〉・於ち
ぬへく/+〈朱点〉・まろひ/+〈朱点〉・【給】へ八・さ八/+〈朱点〉・於もひつ可しと/+〈朱点〉・【人】ゝ/+〈朱点〉、(【人人】)・もて
王つらひ/+〈朱点〉・きこゆ・【内】より/±〈朱点右〉・【御】つ可ひ/+〈朱点〉・あり・三徒乃/±〈朱点右〉・くらゐ/く〈削〉く、△〈削〉ら、(6オ)
--------------------------------------
をくり/+〈朱点〉・【給】よしありそ乃/そ±〈朱点右〉・【宣命】・よむなん/+〈朱点〉・いと/+〈朱点〉・可那
しき/+〈朱点〉・わさなりけ類/+〈朱点〉、り〈削〉類・ナシ・ナシ・ナシ・ナシ・【女御】と多尓/±〈朱点右〉・い八勢寸/+〈朱点〉・なりぬる
か/+〈朱点〉・あ可春/+〈朱点〉・くちをしう/+〈朱点〉・於ほさるれ八/+〈朱点〉・いま/+〈朱点〉・ひとき八
を多にとて・かく/+〈朱点〉・せさ勢・【給】なり遣り・古礼尓/±〈朱点右〉・つ遣
てもやす可ら春/や+〈朱点〉・尓く三/+〈朱点〉・堂まふ・【人】/\/+〈朱点〉、(【人人】)・於ほ可り/+〈朱点〉・すこ
し/±〈朱点右〉・【物】能/+〈朱点〉・あ八礼・し里・多まへる八・さま/+〈朱点〉・可たちなと
乃・めて多可りし尓・そへ弖・【心】は勢も/+〈朱点〉・な多ら可尓/+〈朱点〉・
めや春く/+〈朱点〉・尓くみところ/+〈朱点〉・那可りしなと・いまそ/+〈朱点〉・於も
飛いて・堂まふめる・さま/±〈朱点右〉・あしき・【御】もてなし/+〈朱点〉・ゆへ
こそ・すけなう/+〈朱点〉・も乃し/+〈朱点〉・【給】し可・遣尓/±〈朱点右〉・【人】可ら能/+〈朱点〉・
あ八れ尓・なさけ阿りし/+〈朱点〉・【御心】を/+〈朱点右〉・うへ乃/+〈朱点〉・【女房】なとも/な〈次頁〉、(6ウ)
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古ひしのひあへり/+〈朱点〉・なくてそと八/±〈朱点〉、〈朱合点〉・かゝ類/+〈朱点〉、(かか類)・
おり尓やと・【見】江多り/△〈削〉【見】、【見】=【見】〈削〉・八可那く/±〈朱点右〉・【日】ころ・すきて・のち
能/+〈朱点〉・【御】王さなとも・古ま可尓/+〈朱点〉・とふら者勢/ひ〈削〉者・堂まふ・
本と/±〈朱点右〉・ふる・まゝ耳/(まま耳)・せんか多なう/+〈朱点〉・古ひしく/+〈朱点〉、△〈削〉く、く=△〈削〉・於ほさ
類ゝ尓/+〈朱点〉、(於ほさ類類尓)・【御】可多/\乃/+〈朱点〉、(【御】可多可多乃)・【御】と乃井なとも・多江て/+〈朱点〉・し・
堂ま者須・堂ゝ/±〈朱点右〉、(堂堂)・ナシ・那三多尓/+〈朱点〉・飛ちて/+〈朱点〉・あ可しくらさ勢・
たまへ者・【見】/+〈朱点〉、△〈削〉【見】、【見】=【見」〈削〉・多てまつる・【人】さへ/+〈朱点〉・徒遊けき/+〈朱点〉・【秋】なり・
な起尓/±〈朱点右〉・つ遣ても・【人】乃/+〈朱点〉・むね・あく万し可り遣類・
ナシ・【御】於ほ江可なとそ/+〈朱点〉・こきてんなと尓八/+〈朱点〉、=弘徽殿・な本/+〈朱点〉・ゆるし
なう/+〈朱点〉・能多まひ遣る/+〈朱点〉・【一】乃【宮】を/±〈朱点右〉・【見】/+〈朱点〉、△〈削〉【見】、【見】=【見】〈削〉・多てまつり・【給】尓も・
ナシ・わ可【宮】乃/+〈朱点〉・【御】こひしさの三・ナシ・於ほしいてら礼て/+〈朱点〉・志多新く/+〈朱〉、新〈次頁〉、(7オ)
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さ布らふ/+〈朱点〉・【女房】/+〈朱点〉・【御】めのとなとを/+〈朱点〉・つ可八しつゝ/+〈朱点〉、(つ可八しつつ)・あ
里さまを/+〈朱点〉・き古しめ春・【野】王起堂ち弖/±〈朱点右〉、堂=〈朱点2左〉、ち=〈朱点左〉・ナシ・八多
さむき/+〈朱点〉・ゆふく礼乃本と/+〈朱点〉・徒ねよりも/+〈朱点〉・於ほしいつる/+〈朱点〉・
【事】・於本くて/+〈朱点〉・ゆ遣いの【命婦】を/+〈朱点〉・つ可八春/+〈朱点〉・ゆふ川くよ/±〈朱点右〉・
於可新き/+〈朱点〉・本と尓・い多し多てさせ/+〈朱点〉・多まふて・や可て/+〈朱点〉・
な可め・於八しま春・可うやう能/±〈朱点右〉・於り八・【御】あそひなと
尓も/+〈朱点〉・ナシ・ナシ・【心】こと那る/+〈朱点〉・【物】乃ねを・可きならし/+〈朱点〉・八可那う/+〈朱点〉・
起こ江いつる・【事】能八も・【人】より八/+〈朱点〉・こと那りし/+〈朱点〉・遣八
飛/+〈朱点〉・可多ちなとの/+〈朱点〉・於も可け尓/+〈朱点〉・つとそひて/+〈朱点〉・於ほさるゝ
毛/(於ほさるる毛)・や三乃/+〈朱点〉・う徒ゝ尓八/(う徒徒尓八)・な本/+〈朱点〉・於とり遣り・【命婦】/±〈朱点右〉・かし
古耳/+〈朱点〉・まうてつきて/+〈朱点〉・可と/+〈朱点〉・ひきい類ゝより/(ひきい類類より)・遣八ひ/+〈朱点〉、八〈次頁〉、(7ウ)
--------------------------------------
あ者礼なり+〈朱点〉・やもめす三なれと/±〈朱点右〉・【人】/+〈朱点〉・日とり能・【御】
かしつき尓/つ+〈朱点削〉・と可くつくろひ多てゝ/+〈朱点〉、つ+〈朱点〉、(多てて)・めやすき/+〈朱点〉・
本と尓てすくし多まへるを/す+〈朱点〉・く礼や三尓て/+〈朱点〉・
ナシ・ふしゝつみ/(ふししつみ)・多まへる・本と尓/+〈朱点〉・具さも/+〈朱点〉・堂可く/+〈朱点〉・なり・乃王
起尓/+〈朱点〉、△&王・いとゝ/+〈朱点〉、(いとと)・あれ多流/+〈朱点〉・【心地】・して・【月】可遣八可りそ/+〈朱点〉・やへ
むくら尓も/+〈朱点〉・さ八ら春/+〈朱点〉・佐しいり多流/+〈朱点〉・三那三をもて尓/±〈朱点右〉・
於ろして/+〈朱点〉・八ゝ【君】毛/+〈朱点〉、(八八【君】毛)・ナシ・ナシ・とみ尓/+〈朱点〉・ナシ・【物】も/+〈朱点〉・江いひやり多ま
八春/+〈朱点〉・〈241123_ここまで確認〉〈以下次回につづく〉
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posted by genjiito at 22:14| Comment(0) | ■講座学習
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