2024年11月07日

筑紫女学園大学の学生さんに向けてネットを通してお話をする

 今日の午後は、筑紫女学園大学文学部アジア文化学科の小林知美学科長がなさっている授業に割り込む形で、私が少しお話をする機会を得ました。
 小林先生が『源氏物語』の絵画を扱われるとのことだったので、私は自分が関わった範囲での源氏絵について、体験を元にした具体的な内容にしました。
 掲示した題目は「源氏絵に関する4話」です。
 扱った資料は、次の4冊の書籍です。

241028_源氏絵4冊/朱入り.jpg

 この4冊を元にして、順次その逸話を語り、源氏絵に興味を持ってもらうようにしました。

(1)ケンブリッジ大学のジョン・コーツ先生所蔵の源氏絵
  『源氏物語本文の研究』(豊島秀範編、國學院大學、2011年)所収の新出絵図
   「在英国・源氏物語画帖に関する情報公開」(2011年01月10日)

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 この画帖に関連して、同じ装丁の粉本(下絵)を私もパリで入手して持っていることに触れました。日本の絵画が、海外に多く流出しているようです。

241107_架蔵小町原本.jpg

 これに、指示通りに彩色すると、次のような絵が出来上がります。

241107_架蔵小町彩色.jpg

(2)ハーバード大学本『源氏物語画帖』
  『The Tale o f Genji -A Visual Companion』(メリッサ・マコーミック、プリンストン大学出版、2018年)
    マコーミック編著の詞書の翻字と、そのローマ字表記を担当したこと
   「メリッサ・マコーミック編著『The Tale of Genji : A Visual Companion』」

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(3)2,000円札の源氏絵と詞書の話
  『源氏物語の異本を読む−「鈴虫」の場合−』(伊藤鉄也、臨川書店、2001年)
   「『源氏物語』国冬本「鈴虫」の長文異同(その1-問題点)」(2016年07月19日)

「鈴虫」の異本の表紙.jpg

241107_2000円裏面一部.jpg


(4)『源氏物語団扇画帖』の索引の話
  『源氏物語 千年のかがやき 立川移転記念 特別展示図録』
   (国文学研究資料館編、思文閣出版、2008年)
  この画帖は、自由に見られます。公開されている「若紫」の巻をあげます。

241107_NIJL05若紫.jpg

 この巻に描かれている人物が着ている衣服などの詳細が、次の索引でわかります。
    「国文研蔵『源氏物語団扇画帖』服飾関係分類索引(畠山版1)」(2012年06月26日)

「第五図 若紫巻(1)(第五帖)」
1(惟光)   狩衣姿 太刀を手に持つ
        平礼烏帽子 狩衣(若草色無文) 単(朱色) 指貫(白地無文) 太刀
*なお、狩衣の下に着ている紺色のものは不明であり、朱色のものを仮に単衣とした。
2(光源氏)  狩衣姿
        立烏帽子 狩衣(紅地松枝文) 当帯 指貫(白地無文) 中着(墨色) 浅沓
3(女の童)  衵姿 髪の端を束ねている
        衵(白地松枝文) 単衣(紅地菱文)
4(尼君)   五衣表着姿 尼削ぎ
        表着(白に地文、上文は梅文) 五衣(入子菱文紅匂) 単衣(萌黄菱文) 長袴
5(若紫)   衵姿 髪の端を束ねる 物語本文では「山吹」
        衵(浅葱色地唐花唐草文) 単衣(白地菱文)
6(女房)   袿袴姿
        袿(黄色地花菱遠文) 単衣(萌黄菱文) 長袴

 画帖全体の索引も、『源氏物語 千年のかがやき』に収録されています。

 最後に、今回の対象が学部3年生ということなので、卒業論文に関連したことをお話しました。
 上記のように、自分が興味のある絵に自分なりの視点で索引を作ることは、大切な研究の基礎となるものなので、取り組んでほしいことを伝えました。
 また、翻訳本の表紙などの図様やデザインも、その比較検討をすることで、多国間の異文化交流の資料となることも指摘しました。もちろん、描かれた絵の検討は、基本的なアタックであることは言うまでもありません。
 短時間だったこともあり、言い足りないことが多々ありました。これからの学生さんの勉強や研究に何かお役に立つことがあれば、願ってもないことです。
 拙い話で、大変失礼しました。
 仲立ちをしてくださった村上明香先生には、インドでの2度にわたる調査研究の旅行に加えて、先週の太宰府行き共々、細やかなお気遣いにあらためてお礼申し上げます。





posted by genjiito at 21:35| Comment(0) | ◎源氏物語
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