宮川保子さんが制作された、ハーバード大学本『源氏物語』の臨模本と創作本の展覧会が、明日11月5日(火)から約1ヶ月の会期で開催されます。場所は、平安神宮の近くの白川沿いにある、タッセルホテルです。地下鉄東西線の東山駅を出てすぐです。
「源氏物語」宮川保子 作品展
会期:2024年11月5日(火)〜30日(土)
会場:タッセルホテル三条白川 1階
後援:古典の日推進委員会
紹介記事は、「ご案内2題(2/2)宮川さんの作品展が古典の日の行事として開催されます」(2024年10月21日、http://genjiito.sblo.jp/article/191107632.html)をご覧ください。
展示の準備をするために、今日は会場となるタッセルホテルに行きました。
展示に熱中していたので、昨日まで九州の太宰府にいたことはすっかり忘れていました。
私の体調管理のために九州に同行した妻も、疲れを忘れて展覧する作品の配色の具合や、展示する写本のズレなどをチェックしていました。
喫茶室のパーティションとして並ぶ4台のショーケースの下2段を使っての展示です。
入ってすぐのケースから奥へと、順に紹介します。
最初の3台のケースには、宮川さんの創作本を展示しています。今回は、宇治十帖に限定です。
上の段に写本を、下段にはその写本を制作するための小道具などが並んでいます。
1台目と2台目のケースの下段には、料紙の背景に刷り込まれた装飾のための版木が、参考資料として配置されています。
なお、後者のケースにある大判の版木は、帰り際に一回り小さな藤の花の版木に変えました。明日からの公開展示では、変更した藤の花が配置されていることをお断わりしておきます。
3台目のケースの下段には、「浮舟」に関する巻の料紙に使用した小道具が置かれています。
1番奥の4台目のケースには、ハーバード大学美術館蔵『源氏物語』「須磨」「蜻蛉」の二帖と、国立歴史民俗博物館蔵『源氏物語』「鈴虫」が並んでいます。このケースは私に任せていただけたので、一番見てほしいと思う箇所を開きました。右から、「須磨」「鈴虫」「蜻蛉」です。
右の「須磨」は、「こよ〈改行〉ひ八【十五夜】なり介り」という有名な箇所の上に矢印を付けてもらう手配をしました。今日は、仮にオレンジ色の附箋がその上に付いています。
真ん中の「鈴虫」では、背景の装飾となっている雁が飛び行く様が、どのような手法で制作されたのかがわかるようになっています。作業段階の写真を上に掲示することで、舞台裏を実見していただきたいと思っています。下段の小道具も、見ていただきたいものを配列しています。
この展示エリアと喫茶室の壁面には、軸装にした作品が並んでいます。その中でも、ハーバード大学本の左手の壁面には、「須磨」の28丁裏と29丁表、そして40丁裏と41丁表を軸装にした作品を掲げています。
この表装も、裂地を含めてすべて宮川さんの手になるものです。
写本のすばらしさを堪能していただきたい、との思いで作品を並べました。
ささやかな展覧会です。多くの方に観ていただけることを願っています。
帰りは、白川沿いに岡崎公園へと歩きました。平安神宮に向かう朱塗りの大鳥居が、明日から1ヶ月間の展覧会の盛況を祝福しているようです。
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