2024年10月23日

日比谷で「須磨」(17)と『百人一首』(6)を読む

 今回の日比谷図書文化館での講座の報告は、先週土曜日(19日)に公開するものでした。しかし、報告事項が多くて情報の優先順位が前後することとなり、5日遅れの記事となってしまいました。私の講座の報告を待って自学自習をしておられる、日本国内と海外のみなさまには、お詫びいたします。引き続き変体仮名の勉強を、倦まず弛むことなく取り組んでください。ご質問なども、適宜いただけるとお答えしています。

 さて、5日前のことです。
 東京に着くと、まず東京ミッドナイトタウン日比谷でお昼ご飯をいただきました。帝国ホテルで少し身体を休めてから、夕刻まで銀座散策をする妻とはここで別れて、本日の会場である日比谷図書文化館に向かいました。

 日比谷公園の木々は、まだ夏の雰囲気です。
 左の建物が、毎回会場となる日比谷図書文化館です。

241019_日比谷公園.jpg


241019_掲示板.jpg


 前半は、「ハーバード大学蔵『源氏物語 須磨』を読む」の17回目です。
 「街中の変体仮名」では、大阪府立中之島図書館の源氏講座で10月12日に説明したことに近いので、ここでは省略します。
 『源氏物語』の翻訳本の回覧は、ポルトガル語訳の資料を用意していました。しかし、2巻で1,700頁という大部な本なので、別の袋に入れて運ぶつもりで自宅の玄関に置いたまではよかったものの、持ってくるのを忘れてしまいました。プリントの写真を元にして言葉で説明しました。これまで、実際に本を触って翻訳本を実感していただくことを回覧のモットーとしてきました。またの機会に実見を、ということでお許しいただきました。

 ハーバード大学蔵『源氏物語 須磨』の[変体仮名翻字版-2023]の確認は、第30丁裏から第33丁表3行目までをしました。

 特に問題としたのは、以下の2例です。

(1)31丁表9行目 AI無理

240831_須磨31oL9AI無理.jpg


(2)33丁表3行目 「悲・飛・比」

241018_須磨33oL3於悲.jpg

 (「忘れ草生ふ」で忘れることをいう和歌的慣用表現。)
 『新編日本古典文学全集』(小学館)「須磨」191頁 頭注


 以下、本日の範囲の[変体仮名翻字版-2023]の確認です。

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な可あ免の・ころ尓・なりて・【京】乃・ことゝ毛/(ことと毛)・於ほ
し/し+やる尓・ナシ/+こひし支・ナシ/+【人】・ナシ/+を本く、傍本&本・ナシ/+【女君】の・堂りし/+於本し・佐ま・【東宮】の・【御事】・
わ可【君】乃・な尓【心】なく・満きれ・堂まひし
なと越・者し免て・古ゝ/(古古)・可しこ・於もひや里・
きこゑ・【給】【京】へ【人】い多し堂て堂まふ・【二
条院】尓・多てま徒礼/△&多・【給】と・【入道】乃【宮】とに者・
かき毛・や里・多満者須・くらされ・堂満
ふ・【宮】尓は
「【松】しま乃・あま乃・と満や毛・い可奈らむ・
寿満乃・うら【人】・し本多るゝ/(し本多るる)・ころ」・い徒登/(30ウ)
--------------------------------------
者へらぬ・【中】尓毛・きし・可多・ゆく・佐き・可き
くらし・いみしき尓・みきは・ま佐里て
那ん・【内侍】乃可見能・【御】毛と尓は・れい野/野〈ママ〉・
【中納言】乃【君】乃・もと尓・王多くしこと能・
やう尓て・【中】なる尓・徒れ/\と/(徒れ徒れと)・すき尓志・
か多乃・【思】・【給】へ・いてらるゝ尓徒けて毛/(いてらるる尓)・
「こ里須ま乃・うら能・三る免毛・ゆ可志支
を・し本・やく・あまや・い可尓・【思】八ん」・佐ま/\
尓/(佐ま佐ま尓)・可き徒くし・堂満ふ・こと・於もひやるへし
於ほと乃尓毛・【宰相】乃免のと能毛と尓毛・よく/よ〈丁末左〉、く〈次頁〉、(31オ)
--------------------------------------
徒可うま川累【可】・佐ま・いひ徒可八す・
【京】尓は・こ乃・【御】ふ三越・【所】〻/(【所所】)・み・【給】徒ゝ/(【給】徒徒)・
【御心】・三多れ・【給】・【人】の三・於ほ可里・【二条院】乃
【君】八・そ乃・まゝに/(ままに)・をき毛・あ可り・堂満
者寿・川き勢ぬ・まゝに/(ままに)・お本しこかるれ八・
さ布らふ・【人】/\裳/(【人人】裳)・こしらへ・きこへわ徒
良飛川ゝ/(きこへわ徒良飛川川)・ナシ・こゝ路本そく/(ここ路本そく)・【思】あへり・毛て
川可へ/へ=ひ、(毛て川可ひ)・堂まひし・【御】てうと・飛支奈ら
新・【給】遍り・【御】こと・ぬ支寿弖・堂まへ累・
【御】その・尓本ひなと尓・川遣弖毛・いま者と/者〈次頁〉、(31ウ)
--------------------------------------
よ尓・那くな里【給】へらん・【人】の・ナシ・やう尓の三・
於ほし堂れ八・か川八いとゝ/(いとと)・ゆゝしくて/(ゆゆしくて)・ナシ・ナシ・ナシ・【小納言】
は・【僧都】尓・【御】いの里乃・こと那と・きこゆれ八
ふ多可多尓・【修法】なと/=三す本う・ナシ・せ佐世堂満ふ・可川八・
かく・於毛本し奈遣く・【御心】を毛・那くさめ・
【又】・毛との・【事】/\堂ひら可尓/(/\〈ママ〉、【事事】)・於ほ寿・さ満
尓・可へり・【給】へき・佐ま尓なと・【心】くるしき・さ
満尓・いの里・【申】・【給】ふ・堂ひ乃・【御】とのい【物】なと
てうして・多てま川里・堂満ふ尓・かとり乃・【御】
な越し・佐しぬきなと・し【給】て・さ満可八り堂る/可〈次頁〉、(32オ)
--------------------------------------
【御心】ち・する毛・い三しきに・さら
ぬ・可ゝみ尓と/(可可み尓と)・の多満ひし・ナシ・於毛可け乃・介尓
そひ多らん・【心】ち・寿れと/八&と、(寿れ八)・可ひ奈し・いていり・
【給】し・可多よ里八し免・よ里井・【給】し・
満きはしらなと越・三・多満ふ毛・む祢のみ・ふ多
可里て・毛乃を・と可く・於毛ひ免くらし・
よ尓・し本新みぬる・ナシ・【人】多尓・あ里・まして・
なれむ川ひ・きこゑ【給】ひ・ちゝ/(ちち)・八ゝ尓/(八八尓)・奈りつゝ/(奈りつつ)・
ナシ・ナシ・於ほし堂て・ならはし・ナシ・【給】へれ八・尓わ可尓・
ひき王可れて・【恋】しく・【思】ひ・きこゑ・【給】へり・こと八りな里/こと〈丁末左〉、八〈次頁〉、(32ウ)
--------------------------------------
【中】/\/(【中中】)・ひ多寿らよ尓・奈くなり
なん八・いふ可ひなくて・やう/\/(やうやう)・王春れくさ・
於悲や・春ら無(241019_ここまで確認済)・きく・本とは・ち可遣れと・
い徒まてと・可き里阿る・【御】王可れ尓毛・あらす・
於ほ春尓・徒き勢す乃三なん・[19]【入道】乃【宮】
尓毛・【春宮】乃・【御事】尓よ里・於ほしな介く・
佐ま・いと・佐らなり・【御】すく【世】乃・【程】・於毛本す
尓毛・い可ゝ/(い可可)・あさくは・於毛ほされん・としころ
者・多ゝ/(多多)・毛乃ゝ/(毛乃乃)・支こゑや・あらんと・川ゝまし
佐尓/(川川まし佐尓)・寿こし乃・奈佐遣あるけしきを毛/(33オ)
--------------------------------------


 一時間の休憩を挟んで、後半は『百人一首』です。
 これは、映画『春の雪』の紹介を含めて、10月12日に中之島図書館で確認したこととほぼ同じなので、ここでは省略します。(→「中之島で『百人一首』(第7回)と『源氏物語 蜻蛉』(第18回)」2024年10月12日、http://genjiito.sblo.jp/article/191095952.html

 講座が終わってからは、いつもの息子のいる青山ではなくて、妻の姪たちがいる町田に向かいました。ただし、小田急の人身事故のために近郊沿線をさまよったことは、「江戸漫歩(171)東京で人身事故に遭遇し近郊沿線をさまよう」(2024年10月19日、http://genjiito.sblo.jp/article/191105057.html)に書いた通りです。
 姪たちとは、2週間前に新宿で会ったばかりです。それでも、旦那様を含めて深夜までさまざまな話に花が咲きました。多芸多趣味の旦那様は、関西の出身です。10歳近く私が上なのに、趣味や拘りがよく似ていて、少しお酒をいただきながらの楽しい一夜でした。




posted by genjiito at 21:33| Comment(0) | ■講座学習
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