2024年10月03日

京大病院と百万遍で1日を過ごす中で科研のことを調べる

 朝9時から、京大病院の眼科で診察です。7時半に家を出て17時半に帰ってきたので、たっぷり10時間を病院通いで過ごしました。ただひたすら、待ち時間との闘いです。

 今日は、小雨に煙る中での大文字が、病院を見下ろしていました。

241003_小雨の大文字.jpg

 病院では、6月に眼科を受診しているのに、初診として手続きをすることになっていました。申込書に住所や連絡用の電話番号を書いたりする儀式が40分もあったのです。意味不明ながら、言われるままに書類を作り、ただひたすら名前を呼ばれるのを待ちました。今週の月曜日に診察があり、今日の午後には検査があり、来週の月曜日にも検査があり、木曜日に診察があります。それなのに、半年前に受診しているのに、眼科は初診なのです。6ヶ月以上通院や検査がないと照会状が必要だということは知っていました。しかし、今回はなぜなのか理解できないまま、とにかく言われるままに受診したのです。

 月曜日の糖尿病・内分泌・栄養内科での診察で、右目の出血のことを相談した時に、出血が続くようなら近くの眼科へ、とのことでした。近くの眼科で出血の対処をしてもらい、糖尿病なので念のためにということで眼底写真を撮ると、緑内障の疑いがあるとのことでした。一旦家に帰ってから、京大病院に電話で相談をして、紹介状を書いてもらって京大病院の予約を入れました。

 今日、京大病院では、日本学術振興会の補助金(科研費)による公的研究の対象となっているとおっしゃる眼科の研究に、私が参加するという同意書を求められました。
 科研費による研究は、私も『源氏物語』の翻訳本に関する文科系の研究としては一番大きな研究費を何回かいただいて大変お世話になってきたので、研究協力の書類にサインをしました。ここでの研究科題名は、「糖尿病網膜症における画像診断およびその予後予測に関する研究」と言うものです。ただし、この課題名でネットを調べると、科学研究費補助金関連の公開情報にはこの課題名がないのです。

 病院の待ち合いエリアでインターネットを駆使して、「KAKEN 科学研究費助成事業データベース」の「研究課題をさがす」と「研究者をさがす」から、この研究課題を探しました。さらには、「研究課題統合検索(GRANTS)」でも「研究計画名:糖尿病網膜症における画像診断およびその予後予測に関する研究」を検索しても、結果は同じです。検索結果の画面には、「見つかりませんでした。検索内容を変更して検索してください。」としか表示されません。いただいた「患者さんへの説明書」(A4判5枚)に記された文書の中の他の言葉を選んで、いろいろと検索をしても同じです。
 国から補助金をもらっての研究が、その科題名すら公開されていないことはあり得ないので、何かどこかに手違いがあって公開されていないのでしょう。
 診察の待ち時間にでも読んでください、と言って手渡された「患者さんへの説明書」の中程には、以下のように書かれています。


3.この研究への参加について
この説明書を読み、担当医の説明を聞いて、あなたがこの研究に参加し、通常の眼底撮像検査を行い、結果を解析されることに同意される場合は、別紙の同意書に署名または記名・押印してください。


 これまでもそうであったように、今回も研究に資することであれば協力するために、記名・押印しました。ただし、その説明について担当する科の医局の方にできないという、この研究課題のありように、大いなる疑問をもったことは、診察を受ける患者にとっては些細なことかもしれません。しかし、科研のお世話になって研究をしてきた者としては、とにかく気になったのです。批判ではなくて不明な点が解消されなかったので、あえてここに報告しておきます。もちろん、私は京大病院を信頼しているので、添付されていた「同意撤回文書」に記名・押印して提出はしませんでした。何かの事務的な行き違いか、医学系は文科系とは公開のシステムが違うことが考えられるからです。京大病院の先生と関係者のみなさまには、いつも感謝の気持ちを抱いて診察を受けています。ここに書いていることは、私が理解できなかったこと、として受け取っていただきたいと思います。

 帰宅後に、国立保険医療科学院の「臨床研究情報ポータルサイト」でこの研究課題を検索すると、2014年から2016年の2年間の研究課題としてこの研究テーマに関する細かな情報が出てきます。ただし、実施年度の期間が2014年からという、10年前のものなので異なります。この点については、医局の方の説明では、2016年以降は更新を重ねて2022年に至っている、とおっしゃいます。しかし、その今に至る部分が、科研などの公開情報では確認できなかったのです。

 先ほど同意書の説明をしてくださった方は、今回のものは2022年からのもので、学内の倫理委員会でも承認されている、とおっしゃいます。そして、私が見ている公開情報が古いのではないか、とのことでした。私は、科研費に関係することで最新の課題名が公開されていないのはおかしいと思いながら、医局内で確認に行ったり来たりしておられる方に申し訳ないので、また後で調べます、と言いました。その方も、倫理委員会に確認してみます、ということでその場は不明のままで終わりました。

 自宅でさらに検索したところ、「臨床試験登録システム(UMIN-CTR)」(最終更新は 2022/12/14)には、今回の研究課題が、やはり2014年分として登録されているだけでした。その「試験問い合わせ窓口担当者」には、今回いただいた「患者さんへの説明書」の研究責任者として明記された先生のお名前があがっているので、この研究と一致します。しかし、それ以外の更新分や最新だとおっしゃる2022年のことは、どこにも公開情報が掲載されていません。対応してくださった医局の方は、部外秘といわれる学内のデータベースを見て「ある」とおっしゃるだけです。不思議な話でした。

 問題点が明確になるように、もう少し書いておきます。
 今回の科研の研究課題名である「糖尿病網膜症における画像診断およびその予後予測に関する研究」については、「患者さんへの説明書」によると、具体的な内容としては次のことが記されています。


(4) 研究の資金源 利益相反
この研究は、公的研究費である日本学術振興会からの補助金(科学研究費)により実施します。また、本研究は、特定の企業からの資金提供を受けておりません。本研究の実施にあたり、利益相反については、「京都大学利益相反ポリシー」「京都大学利益相反マネジメント規程」に従い、「京都大学臨床研究利益相反審査委員会」において適切に審査されています。(赤字は私に付した)


 私が調べた範囲での結論としては、「この研究は、公的研究費である日本学術振興会からの補助金(科学研究費)により実施します。」と記されている根拠は見つかりませんでした。私は文科系での科研の実績は何件もあります。公的研究費の審査員もしてきました。しかし、いずれも文科系の領域でのことであり、医学の分野ではその採択内容の公開方法は知りません。文科系とは違うのでしょう。

 それはさておき、肝心の眼科での検査です。
 6種類の機器を駆使して、入れ替わり立ち替わりさまざまな検査が行われました。右目の瞳孔が開いていない、ということで、再度目薬を差しての、長時間の検査となりました。これまでに何度か受けたことのある視野角度の検査は、明滅する光の点が見えたら手元のボタンを押すもので、ゲームをしているようで非常におもしろいものでした。
 最後に診察にあたってくださった先生の説明によると、右目の出血はこのまま放置しておいて構わないとのこと。そして、緑内障については、その兆候はあるものの非常に小さなもので、今はなにもしなくても大丈夫だろう、ということです。そして、近所の眼科(松本眼科)の先生は、よくこの兆候を見つけられましたね、と感心しておられました。このことは、帰りに眼科医院の前を通りかかったので、受け付けの方に感謝の気持ちを先生に伝言していただくように、お願いをしました。受け付けの方も、お役に立ってよかったです、と喜んでおられました。

 院内の地下で軽食をしてすぐに、次の検査をしてくださる百万遍にあるクリニックに急ぎました。
 京都大学の北に接する知恩寺の隣に、ルイ・パストゥール医学研究センターがあります。内閣府所管の公益財団法人だとも。
 パストゥールという名前は、学校の教科書に載っていた科学者だということしか知りませんでした。その仕事はわからないものの、私とは無縁の人だと思っていました。それが、今日はその名前を冠する所でお世話になったのです。調べてみると、ワクチンを使った予防接種や、さまざまなワクチンを開発したフランスの細菌学者で、近代細菌学の祖とされているそうです。

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 今日は、そのセンターの中に入っている百万遍クリニックで、京大病院の脳神経内科から依頼された脳の MRI を撮ってもらいました。
 これまでに、何度も受けた検査です。円筒形の中に頭を入れ、ウィンウィン・ガンガン・ゴンゴンと鳴り響く騒音をヘッドホン越しに聞きながらの20分間でした。
 この結果は、来週10日に京大病院で聞くことになっています。昨年夏に発症した脳梗塞の兆候が、この夏以来、右手、右足、そして発声に認められるからです。早期対処をするために、私から申し出た検査です。

 帰りは、出町柳まで歩きました。この道は、京大の総長だった長尾真先生に、『源氏物語』の本文のデータベースを作成する仕事を励ましていただきながら歩いた、想い出の道です。そのことは、「京洛逍遥(714)長尾真先生と歩いた出町柳周辺」(2021年06月06日、http://genjiito.sblo.jp/article/188737084.html)の記事に書きました。

 一日中病院づけだったこともあり、ドッと疲れました。




posted by genjiito at 23:55| Comment(0) | *健康雑記
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