一昨日に引き続き、荒神口にある京都地方法務局へ行きました。提出した書類の文言を少し補訂するように、との指示を受けたからです。
今日も晴天で、京都大学稲盛財団記念館前にある荒神橋を渡って行きました。橋の左側の柱に刻まれた銘板の文字は、6年前の「京洛逍遥(483)橋の銘板と出町柳の桝形商店街のこと」(2018年02月12日、http://genjiito.sblo.jp/article/182399729.html)で紹介しました。ただし、その時は工事中の写真だったので、ここでは改装を終えた今の荒神橋の写真を掲げます。「くわう志ん者し」という刻字は同じです。
橋の上から、一昨日と同じように北山を望みました。今日は、亀の飛び石に腰掛けて語らう二人と、近くの鷺がいい感じであたりの景色に馴染んでいます。
法務局では、担当の方の懇切丁寧な説明と、追補して加筆する文言を一緒に考えてくださったので、不備が正されて正式な書類として受理されました。門外漢には思いもしない作文の妙を目の前で見ることとなり、専門官の柔軟な思考の裏にしっかりとした法律理解の裏付けがあることを、あらためて知りました。餅は餅屋とはよく言ったもので、専門の方の力を借りることで、何日も思案していたことが立ち所に解決しました。富田さん、ありがとうございました。
久しぶりに市バスに乗って京都駅に出ました。京都駅の一つ手前で降りて、昨秋移転して開学した京都市立芸術大学に立ち寄りました。大学の左手には、京都タワーが聳えています。
C棟の6階で、「源平合戦図屏風」(金城コレクション、右隻)の展示を見ました。
江戸時代に作成されたもので、今回初めて紹介されるものだそうです。右隻には一の谷の戦いが描かれており、次回展示される左隻には屋島の戦いが描かれているとのことでした。細密画のように、武士たちの表情や動きが活写されています。解説のパンフレットには各場面の詳細な説明が書かれており、合戦絵に疎い私でも引き込まれます。いいものを見ました。
別室では、真っ暗なだだっ広い部屋に3つしかないソファーに妻とそれぞれ身体を沈め、「聞く/聴く:探求のふるまい」という、芸術実践としての体験ゾーンに身を置きました。文字や口では説明できない体験ができるので、ぜひ実際に足を運ばれることをお勧めします。
1階に降りると、奇抜な物の展示や写真の展示、そして映像が流れていました。しかし、私には理解が追いつかなくて、あたらし過ぎる内容だったので、???を抱えながら見て回りました。今後とも、このアートスペースに何度か通うことで、こうした芸術が楽しめるようになりたいものだ、と思いながら会場を後にしました。
帰りの電車の中で、次の広告がドアのガラスに貼ってありました。そして、このキャッチコピーを考えた方と、これを車内で見る一般市民の日本語の理解力に、大きな落差があることを感じました。
この「は」「わ」「派」の、それぞれの文字が持つ意味を、どのように説明すればいいのでしょうか。「派」への結論を導くまでに、私は、「ウィキペディア」が次のように説明する「ハ行転呼音」という一般にはなじみのない用語を使わないと説明できません。
ハ行転呼(はぎょうてんこ)とは、日本語史における大きな音韻変化の一つで、語中・語尾のハ行音がワ行音へと変化した現象をいう。平安時代に起こり一般化した。このようにして成立したワ行音をハ行転呼音という。
戦後、保守派を退けて現代仮名遣いが行われ、それまで「は」「ひ」「ふ」「へ」「ほ」で綴られていた語中語尾の仮名文字も、現代音に従って「わ」「い」「う」「え」「お」で表記されるようになった。しかし助詞の「は」と「へ」を発音どおりに「わ」「え」と表記しないことは仮名遣いとして残った。
このことに関しては、かつては「ぱ Pa」「ふぁ Fa」「は Ha」と移り変わってきた発音のことも、説明に関わってくることでしょう。「母」という発音を、「ぱぱ」「ふぁふぁ」「はは」と言ってきた歴史が無視できないからです。こうしたことが思い過ごしだとしても、このキャッチコピーを作られた方は、「派」にしたおもしろさをどのように一般の方にわかりやすく説明なさるのか、お聴きしたいと思っています。
「現代仮名遣い」に語中語尾のハ行音がワ行に乗り換えるという、過去からの慣習を取り込んでいることに起因する問題が、この背景にはあるとして考えないと、説明しきれないややこしいものだ、と思われます。
専門家は、この事例をどう説明なさるのか、ご意見をいただけないかと思っています。
【◎京洛逍遥の最新記事】
- 京洛逍遥(966)東寺のガラクタ市(20..
- 京洛逍遥(965)美術館えきの写真展と江..
- 京洛逍遥(964)東寺の初弘法と『百人一..
- 京洛逍遥(963)病院での予約変更、帰り..
- 京洛逍遥(962)女子駅伝と京都マラソン..
- 京洛逍遥(961)廬山寺の歌碑を確認して..
- 京洛逍遥(960)宇治上神社の後はHON..
- 京洛逍遥(959)下鴨神社への初詣で晴れ..
- [その2]京洛逍遥(958)先斗町から三..
- 京洛逍遥(957)天使突抜通を歩いた後は..
- 京洛逍遥(956)美術館「えき」KYOT..
- 京洛逍遥(955)『源氏物語』に出て来る..
- 京洛逍遥(954)下鴨神社に金婚記念の報..
- 京洛逍遥(953)病院からの帰りに出町柳..
- [その2]京洛逍遥(953)雨上がり中で..
- 京洛逍遥(952)龍谷ミュージアムの展覧..
- [その 1/3]京洛逍遥(951)新町通..
- 京洛逍遥(950)多くの若者で賑わう御香..
- 京洛逍遥(949)母の祥月命日に東寺へ行..
- 京洛逍遥(948)観音寺で生成AIの使い..
