今日の淀屋橋界隈は、入道雲を見はるかす夏空でした。
中之島図書館で開催された「平安文学リレー講座」の今回のテーマは「ユニバーサル〈カルタ〉で百人一首」と題して、目が見えない方々と一緒に点字百人一首を体験する講座でした。みなさんが一緒に参加しての、楽しい集いとなりました。
私は最初の挨拶だけで、全体の進行は〈大阪点字付きかるたを楽しむ会〉の兵藤さんと野々村さんの担当です。
競技カルタの模範対戦は、吉村君と岡田さん。読み手は南沢さんです。南沢さんは、遠路はるばる栃木県からの、元気一杯の頼もしい加勢です。
現役のカルタ取りの実技は、その瞬発力と記憶力の闘いで、みなさんその迫力に驚いておられました。途中から、戦術という視点からの吉村君の解説入りで展開しました。
続いて、視覚障害者による四人一首です。考案者である南沢さんから、四人一首ができた経緯の説明などを伺いました。四人一首の対戦は全盲の野々村さんと兵藤さん。これも、白熱の対戦を見ることとなりました。
点字カルタに親しみ、参加者同士の会話が弾むように、お坊さんめくりも取り入れました。
『百人一首』の歌を読み上げる練習も、みんなでしました。読み手講習の講師は吉村君です。時間が押していたので、短い時間でした。しかし、テレビで観たり聞いたりしていた和歌の調子が思い出され、楽しい時間となりました。
休憩を挟んで、参会者を交えての四人一首をしました。
簡単なルールでありながら、さまざまな能力が求められるので、刺激的な遊びとなっていました。
目の見えない人や見えにくい人への、声掛けや手引きの体験も、参加者のみなさまには興味をもっていただけました。即興のペアーで手引き体験をしてもらったりもしました。
終了後は、希望者による、重要文化財となっている中之島図書館本館の見学ツアーです。
手引き体験を兼ねて、参加者の方と視覚障害者とがペアとなって歩いてもらいました。
毎月この図書館で『源氏物語』と『百人一首』の講座を担当している私も、今日のような図書館の建物の詳しい話は初めて聞きました。
参加者のみなさま、長時間、お疲れさまでした。
視覚障害者が『百人一首』をゲーム感覚で取ることを通して、日本の古典文化がさまざまな形で継承されている姿を見たり、体験することで、ユニバーサル〈カルタ〉を広く知っていただくことを主旨とするイベントは大成功となりました。
スマホの普及などの刺激を受けて、デジタル技術の導入でコミュニケーションの多彩さが点字の存在にも問題点を突き付ける時代となりました。しかし、点字を交流の起点とする多くの方々にとって、コミュニケーションツールとしての点字の意義は、まだまだ受け継がれていきます。その中で、『百人一首』という日本の古典文化と結びついた、遊びと実技を融合させた点字付き『百人一首』は、もっと広くその意義を再確認すべきだと思っています。そんな意識改革の一端となれば、との思いで企画したイベントでした。
次回は、さらに進化した視覚障害者と『百人一首』の接点となるツールの紹介ができるように、まだまだ模索と試行錯誤は続きます。
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