2024年07月03日

新札発行の日に、インドで紙幣が突然紙クズになったことを思い出す

 キャンパスプラザ京都(京都市大学のまち交流センター)へ、『源氏物語』の勉強会で使う部屋を予約するために行ってきました。3ヶ月先まで予約できるので、月が変わったこの7月は10月分の手続きとなります。10月は大学の後期授業が始まった時なので、ほとんどの部屋が予約済みです。いつもの演習室ではなくて、講習室がどうにか1室だけ確保できました。

2024年10月26日(土)第8講習室 第4講時 14時半〜16時

 使用料金を精算機で支払おうとした時です。今日から旧札となった福沢諭吉の1万円札を入れたところ、すぐに戻ってきます。3回やり直しても戻されるので、受け付けの方に新札の渋沢栄一しか受け付けないのですか、と聞くと、そんなことはありませんと言いながら出てきてくださいました。
 今日から新札が発行されたので、その対応はすでに終わっていると言いながら、私が手にする1万円札を入れ直してくださいました。しかし、2度も失敗し、3度目にやっと受け付けてくれました。新札対応で、旧札の扱いに機械が変調をきたしているのでしょう。

 そういえば、8年ほど前に、インドでお札がすべて紙クズになるという体験をしたことを思い出しました。日本の場合は、旧札もこれまで通り使えます。しかし、インドでは一番よく使う2種類のお札が、一夜にして単なる紙キレと化したのです。

 インディラガンディ空港に着き、宿泊するお寺に入った夜8時に、テレビで首相が「500ルピー(日本円で約1,000円)と1000ルピー(日本円で約2,000円)の紙幣は今夜零時で無効になる」と宣言しているのです。しばらくは、その意味が理解できませんでした。
 空港に迎えに来てくれていた教え子のクマール君が、当座のお金は用意してきたので、日本円をルピーに両替することは明日の明るい時間帯にしましょう、と言ってくれたので、私の実質的な被害はありませんでした。しかし、彼の被害は甚大でした。
 これは、嘘のような、本当の話です。
 その時のインドでお札が紙クズになった顛末は、2016年11月8日以降の私のブログに、折々の話の中で書いているのでご笑覧を。以下、要点だけを引いて置きます。

 紙幣が無効になった日のことは、「インドで紙幣が突然無効となり大混乱」(2016年11月10日、http://genjiito.sblo.jp/article/179012997.html)に詳しく書きました。
 翌日の記事「国際交流基金で打ち合わせをした後の散策」(http://genjiito.sblo.jp/article/179012998.html)の末尾や、次の日の記事「宿でうどんを食べた後、銀行の様子を見る」(http://genjiito.sblo.jp/article/179012999.html)をはじめとして、手元に現金がないことの窮状を連日記しています。現地では、教え子のクマール君が、大量のコインを掻き集めて、困り切った私を助けてくれました。
 そして、クマール君から後日、この件に関するエッセーが届きました。インドにおける紙幣無効の背景が、詳細に語られています。それを報じた私のブログ「クマール君から届いた紙幣無効に関するエッセイ」(2016年11月17日、http://genjiito.sblo.jp/article/179013004.html)から、その一部を引きます。


 2016年11月8日の午後6時半に、日本からお出での先生をお迎えに、インディラガンディ空港に行きました。先生は、源氏物語のシンポジウムのご用でデリーに来印されました。空港でタクシーを拾い、デリーの高級住宅街にあるWorld Buddist Centerに午後8時ごろに着きました。
(中略)
 日本と同じく、足のひくい食卓にしゃがんで食事をし始めると、後ろにあったテレビからインド首相の声が聞こえました。
(中略)
 ニュースを聴いて、びっくりしました。
 500ルピーと1000ルピーの紙幣は今夜零時で無効になり、ただの紙屑に変わるという二ユースでした。
(中略)
 先生がインドにいらっしゃるので、1万ルピーをATMから出したばかりでした。ATMだと500ルピーや1000ルピーが多いです。1万ルピーをドブに捨てた気がしました。
(中略)
 ご飯が終わって、早速ATMに行こうと先生が決めました。それで、近くにあったSapna映画館の商店街みたいな場所に行きました。行ってみると、ATMの場所で長い行列を見かけました。零時まで間にあわないほど長い行列でした。
 零時までは使えると思って、お店で500ルピーを出してみました。しかし、「紙屑だよ」という目線だけで、誰も受け入れてくれません。


 何とも貴重な体験をしました。
 今回の日本の新札発行は、旧札はこれまで通りに使い続けられるので、インドのようにパニックになることはありません。安心していいのです。
 インドでは、犯罪がらみのブラックマネーとして現金が市中に出回らないことの解決策として、荒っぽい手法がとられました。日本でも、犯罪とは無関係とはいえ、タンス預金の洗い出しの効果はあるとのことでした。
 マイナンバーカードの取得という強制手続きという蛮行を進める政府の元々の背景には、国民すべての金融口座を国で管理することにありました。何度か本ブログでも取り上げた、マイナンバー法成立までの経緯を、再掲します。

《参考》マイナンバー法成立までの経緯
(1)国民総背番号制度(1968年、頓挫)
(2)納税者番号制度(1985年、廃案)
(3)住民基本台帳ネットワークシステム(2014年、普及せず消滅)
(4)マイナンバー制度(2013年、公布/2023年、混乱→片仮名の銀行口座名の本人照合で不整合発生→凍結見直し・京都新聞2023.6.9→不備と矛盾を抱え込んだままで強引に推進中)
(「保険証の切り換えとマイナンバーカード拒否のこと」2024年01月05日、http://genjiito.sblo.jp/article/190723585.html

 日本でも、一歩ずつインドのようなことが潜行しているように思えてなりません。私は、医療費10割負担になっても、実態を隠していいことずくめで強行しているマイナンバーカードは作らずに、自分を守り通すつもりです。
 新札発行を機会に、偽札偽造を防止するための対策の意義と共に、その背景にあるいろいろなことに思いを致しました。




posted by genjiito at 23:44| Comment(0) | *回想追憶
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