キャンパスプラザ京都の1階正面ロビーの大型モニタには、本日も次の表示が出ています。大学関係者や社会人の集会などが使用する施設なので、NPO法人〈源氏物語電子資料館〉の知名度を上げるのに役立っています。
【お知らせ】
本ブログで表示する画像は、閲覧に負担をかけないように解像度の低いぼやけた画像です。文字列などを確認する場合や鮮明な写真を見る場合は、それぞれの画像をクリックして精細な画像でご覧ください。
本日は、A4版の資料を9枚配布しました。その内、4枚をここに転載します。翻字はテキストとして、この記事の中に引用します。
本日は、宮川保子さんの作品展の紹介をした後、クロアチア語訳『源氏物語』の本を回覧し、日本の文化を意識した美麗な書籍になっていることをお話しました。天金の本は風格があります。秀逸な装丁です。
続いて、街中の変体仮名の確認をしました。日常生活の中の変体仮名を読めるようになる、いわば応用力の涵養を心がけて毎回取り上げています。
うなぎの「う」は絵文字の好例として示しました。
陽明文庫本「桐壺」の翻字の確認は、本日も順調に進みました。
読みやすい変体仮名で書かれた本なので、6頁分があっという間に終わります。
本日確認し終えた部分を以下に引きます。
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池田本「桐壺」(第16丁裏〜第19丁表まで)[変体仮名翻字版-2023]
古乃ころ・あ遣くれ・【御覧】す類・
【長恨歌】乃・【御】ゑ・【亭子院】の・可ゝ世/(可可世)・【給】て・【伊
勢】・川らゆき尓・よ満世・【給】へる・やまと・古と
の【葉】を毛・もろ古し能・う多をも・堂ゝ/(堂堂)・
そ乃・すちを曽・満くらことに/〈朱合点〉・世佐世・【給】
いと・古満や可尓・あ里さ満・と八世・堂まふ・
あ八れな里徒る・【事】・志のひや可尓・そう
す・【御返】・【御覧】すれ半・いと毛・加しこき
は・をき【所】毛・【侍】ら須・加ゝ留/(加加留)・於本世古とに・
川遣て毛・閑き具ら須・み多り【心地】尓
なん/(16ウ)
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「あらき・【風】・布世きし・か遣の・閑連志より・
古者き可・うへ曽・志徒【心】・なき」なと・やう尓・
み堂里可八しきを・【心】・於さ免さ里ける・
本とゝ/(本とと)・【御覧】しゆる須へし・いと・加う志も・
みえしと・於ほし志川むれと・さらに・え/も&え・志の
ひあえ佐世・【給】八須・【御覧】し者しめし・【年
月】乃・【事】さへ・閑きあ徒めよろ徒尓・於
本し徒ゝ遣られて/(於本し徒徒遣られて)・【時】の・ま毛・於本徒可
な可里しを・加くて毛・【月日】盤・へ尓け里・
あさ満しう・於本しめさ留・【故大納言】乃・ゆい
古ん・あやま多須・【宮】徒可へ乃・本い・婦可く・も乃し堂里し/乃〈次頁〉、(17オ)
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よろ古ひ半・可ひ・あ累・
さ満尓とこそ・【思】わ多里徒連・いふ可ひな志
やと・うちの堂ま八世て・いと・あ八れ尓・於ほし
屋る・かくて裳・をの川可ら・王可【宮】なと・
於ひいて【給】者ゝ/(【給】者者)・佐るへき・徒いて毛・あ里
なん・いのち・な可くとこ曽・【思】ねむ世めなと・
乃堂満八す・加の・をく里【物】・【御覧】世さす・
なき【人】乃/〈朱合点〉・すみ可・堂つねいて堂里けむ・
志るし能・加んさしなら満し可八と・於も
本す毛・いと・可ひ奈し・
「堂つねゆく・ま本ろし毛【哉】・川て尓ても/も〈丁末左〉、(17ウ)
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堂まの・あ里可を・そこと・志るへ具」・
ゑ尓・かけ留・【楊貴妃】の閑多ちは・いみしき・
ゑしと・いへと毛・布て・かき里・あ里遣れ半・
いと・尓本ひ・すく奈し・【大液芙蓉】【未央
柳】毛け尓閑よひ堂里し加多ちをから
めい堂留よそひ半うる王志うこ曽あ
里遣め/大〈朱合点〉・な徒閑しうらう堂けなりし
を・於ほしい徒る尓・【花】とりの/「【花鳥】乃【色】をもねをもい多徒ら尓【物】うか流【身】八すく春【成】介り」〈行間〉・いろ尓毛・
ね尓も・よそふへき・【方】そ・なき・あさゆふの・
古とくさ尓半/半$〈朱〉・八祢を/〈朱合点〉、「【在天願作比翼鳥□在地願為連理枝】」〈行間〉・ならへ・【枝】を・加八
佐むと・ちきら勢・【給】し尓・可奈はさ里遣る/遣〈次頁〉、(18オ)
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いのち能・【程】・徒き世須・うらめしき・【風】
乃・をと/△△〈削〉をと・むし能・ね尓・つ遣て・ものゝ三/(ものの三)・か奈
しう・於本佐るゝ尓/(於本佐るる尓)・【弘徽殿】尓は・ひさし
く・うへ乃・【御】徒本ね尓も・満うの本里・【給】
者須・【月】乃・於もしろき尓【夜】布くる満て・
あそひをそ・し・【給】なる・いと・すさ満し
うもの志と・き古しめす・古乃・古路の・【御】遣
しきを・み・堂て満徒る・うへ【人】・【女房】なと
は・加多八らい堂しと・きゝ介り/(きき介り)・いと・をし
堂ち・かと/\しき【所】/(かとかとしき)・ものし・堂満ふ・【御方】
尓て・【事】尓毛・あら須・於本志けちて・もてなし/な〈次頁〉、(18ウ)
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【給】なるへし・【月】裳・い里怒・
「【雲】の・うへも・な三多尓・くるゝ/(くるる)・【秋】乃・【月】・
い可て・すむらん・あさち婦乃・やと」・於ほしめ志
や里徒ゝ/(於ほしめ志や里徒徒)・ともし【火】を/〈朱合点〉、「【夕殿蛍飛思悄然□孤灯挑尽未成眠】」〈行間〉・加ゝ遣徒くし
て於き/(加ゝ遣徒くして)・於八し満須・【右近】の/〈朱合点〉・徒可さ能・と乃
ゐ【申】乃・古ゑ・きこゆるは・宇し尓・な里
ぬ留なるへし・【人】め・越於本して・よるの於
とゝ尓/(よるの於とと尓)・いら世・【給】て裳・満とろま世・【給】・古と・
閑堂し・あし多尓・於きさ世・【給】て裳/【給】±と・あ
く累毛/〈朱合点〉、「【玉】す多れあく流も志らて祢し【物】を【夢】尓もみしとおもひかけきや」〈行間〉・志らてと・於本しい徒る尓毛・なを・
あさ満徒里古とは/〈朱合点〉・をこ堂ら世【給】日ぬへ可めり/め〈次頁〉、(19オ)
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いくつか問題にしたことを。
「伊勢」は漢字表記なのか仮名表記なのか、ということに触れました。「伊」も「勢」も変体仮名です。何でも漢字として理解しようとする習性を植え付けられた我々は、固有名詞として「伊勢」を理解しています。しかし、当時の人がどうだったかはわかりません。「伊勢」続く「川らゆき」が「貫之」となってはいないので、「伊勢」も仮名表記と見てもいいのではないでしょうか。文字史の専門家のご教示をお願いします。
「枝」(18丁表10行目)には、漢字の右上に点が打たれています。この点について、いろいろと思いつくままに話しあいました。常用漢字の「箸」(はし)の中の「者」には点があるのが正しいとされています。パソコンでも「者・偖・奢・赭」が出てきます。そうこうする内に、将棋の「王」と「玉」に関して、棋譜では「玉」で統一されているとか。話題が尽きません。これも、専門家からご教示をお待ちしています。
19丁表の8行目と9行目行間に、「【玉】す多れあく流も志らて祢し【物】を【夢】尓もみしとおもひかけきや」と書かれています。この行間注の中の、「【夢】尓も」と「おもひ」を問題としました。
拡大した画像をあげます。
この「【夢】尓も」の「も」は、字形は崩れているものの、明らかに「も」です。
「おもひ」の場合は、「於も」ではなくて、明らかに「おも」です。
私は、かねてより「お」の字母は「於」ではないのではないか、という疑問を投げ掛けています。「於」から「お」は生まれない、という意見です。この例では、その一端が窺えると思います。さらに用例を集めます。
京都での講座はアットホームなので、素人なりの疑問や意見を出して、少しずつ自分たちで考えながら解決しようとしています。
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