2023年12月27日

読書雑記(345)望月麻衣『京都寺町三条のホームズ 19』

 『京都寺町三条のホームズ 19 〜拝み屋さんと鑑定士〜』(望月麻衣、双葉文庫-双葉社、2023年2月)を読みました。

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 このシリーズも19巻となり、読む方も登場人物や語り口に馴染んできました。そのせいもあってか、読んでいて気持ちが上滑りしました。物語の舞台に変化をつける以外に、話の盛り上がりや印象的なトピックを考えるのも大変なのだろうな、と作者の方に感情移入してしまいました。次の用意ができているようなので、さらなる展開を楽しみにしています。

■第一章 変わらないもの、変わりゆくもの
 『源氏物語』のことが話題となります。北区の小野郷にある、岩戸落葉神社に行ったときに、夕霧や落葉の宮の話となり、そこで「この夕霧、時々軽率だった光源氏とは違い、とても生真面目な男だった。」(58頁)とあります。「軽薄」については、もっと説明が必要だと思います。
 この洛北の旅に関して、訪れた場所が巻頭にある洛北地図にありません。京都の地図を知らない方には必要です。
 後半の茶碗の話は茶道のことがよくわかり、おもしろく読みました。ただし、霊の話には馴染めませんでした。【2】


■幕間 それぞれの恋慕
 葵と親友の宮下香織との恋愛談義がおもしろいと思います。ただし、聞きたいもっと微妙な感情の揺れまでは、語られないままです。幕間なので仕方がないのでしょう。【3】


■第二章 黄昏のホラーハウス
 残された古屋敷にどんな秘密が隠されているのか? 興味津々で読み進めました。ただし、盛り上がりに欠けました。最後に、葵に対して「あんたに用があってん」と言う円生が出てきたので、次巻以降が楽しみです。本巻は、長い話が2つと、その間に小話があります。長い割には、緊張感に欠ける話なので、退屈でした。【2】


■終章
 円生のスケッチが出てきます。前話の「用」に関係しているのでしょう。これは、さらに続きそうです。
 そして、香織と春彦の話は、もっと膨らむように思います。終章で触れるだけではもったいないと思いました。
 葵とホームズの話も、出し惜しみです。この終章だけで、もう一冊が出来上がりそうです。【4】




posted by genjiito at 21:38| Comment(0) | ■読書雑記
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