芦屋駅からバスで山を上る途中、眼下の甲山のはるか向こうには信貴生駒連山が望めました。昨日の颱風が嘘のようです。
瑞宝寺町公園を散策しました。
青モミジの中を森林浴です。
『百人一首』の中にある大弐三位の歌が、石に刻まれていました。
昭和63年に建立されたものです。
変体仮名は一文字もなく、現代の文字だけで記されています。しいて言えば、「ゐ」だけが現在の学校教育の中では教えないことになっている仮名文字です。
ありま【山】
ゐなの【篠原】かぜ
【吹】けばいでそよ【人】を
【忘】れやはする
大弐三位
市街地に向かって下山して行くと、小さなお店がぎっしりと建ち並んでいます。観光客も多く、思いのほか賑わっていました。
大通りにある観光総合案内所で、有馬温泉のことが紹介されている『枕草子』にちなんだ史蹟がどこにあるのか尋ねました。意外にも、『枕草子』に有馬温泉のことが出てくることをご存知なかったのに驚きました。「さーっ」と言って別の人がネットで検索すると、確かに出てきますね、と言って榊原温泉や玉造温泉と共に有馬温泉の説明が記された画面を見せてくださいました。それは私も知っています。そこで、この有馬に『枕草子』に出て来ることに関連して史蹟になっている所はどこですか? 石碑などはないですか? 説明板や関連した旅館の名前などはないですか? と再度尋ねました。榊原温泉には、作者の名前を冠したホテルがあり、そこに泊まったことがあるからです。
それでも、もう一人の別の方も「わかりません」とのことです。また別の方は、このあたりでそのことが案内できるところも人もいないのですが、福祉センターに行くと、有馬に関する資料があります、ただし、今日は土日なのでお休みです、とのことでした。
さらに具体的な話をして尋ねると、ここは観光案内所なので、『枕草子』とか清少納言と言われてもわかりません、と、困惑顔です。これ以上は無理だと思い、案内所を出ました。
観光の意義がある文化資産とでも言える、『枕草子』に記載された有馬温泉のことは、この有馬の地の理解を深める意味でも大切な情報だと思います。平安時代に清少納言が随筆で名湯として紹介しているのですから。それを、観光の案内をする立場の人や場所とは無縁のものとして、アーカイブズセンターに振って終わりでは、実に残念なことです。温泉で集客することだけに留まらず、文化を背景にした観光地にしてほしいと思いました。言いたいことは控えめにして、ここで止めておきます。
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