外観のみならず図書館の内部も、重要文化財の風格を感じさせます。『源氏物語』の講座の会場となる3階多目的スペース2へ上がる階段の一つは、こんなレトロな趣を見せています。着物姿の方には申し訳ない階段です。もちろん、エレベータもエスカレータもないので、目が不自由な方も大変です。
さて、『源氏物語』の第14巻「澪標」を扱う「重文・池田本『澪標』巻の仮名文字を読む」と題する講座は、今日が初回です。写本は重要文化財に指定されている池田本。京都のキャンパスプラザで読んでいる「桐壺」と同じ写本群の一冊です。
本日配布した資料は、以下のものです(一部割愛しています)。これに加えて、八木書店から送っていただいた2種類(4頁と8頁)のパンフレットも、参考資料として配りました。
いろいろな本や資料を紹介してから、プリントに掲載した「澪標」の巻名由来と梗概を見ました。
続いて、「(6)「澪標」巻の書誌事項と解説(岡嶌偉久子)」の項目を見ながら、池田本の書誌の確認と、池田本が大島本と違う本文を伝えていることを指摘しました。池田本が、前田家本に近似する本文を伝えていることにも言及しました。こうしたことは専門的な事柄になるので、ここではそうした傾向があるということの確認に留めています。この講座では、あくまでも池田本の変体仮名が読めるようになることが眼目なのですから。
本文の字母に注目しながら、その確認に入りました。
池田本は、鎌倉時代の写本の中でも、非常に読みやすい文字です。冒頭から丁寧に字母を確認しながら読み進めました。
「堂」と「遣」は忘れやすい変体仮名なので、覚えては忘れ、覚えては忘れして覚えましょう、と。また、この書写者は「ほ」が特徴的な字形で書き写していることも指摘しました。翻字の資料の中に「ナシ」とあることの意味や、2箇所に補入記号があることも言い添えました。
第一丁の表と裏を確認したところで、ちょうど時間となりました。
初めて変体仮名を読む、という方が数人いらっしゃったので、ゆくりとお話をしたつもりです。いかがだったのでしょうか。次回に、お尋ねしたいと思います。
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