昨日は、病院の帰りに西国三十三所の札所巡りを思い立ち、出かけました。
京大病院の東大路通りから病院の専用バスで京都駅に出て、JRで石山駅まで行ってからは京阪バスで石山寺山門前に行きました。45分で行けたので、現在の交通機関を使うと意外と近いことを実感。平安時代は歩いての逢坂越えなので、大変だったことでしょう。
いつもと変わらず東大門が出迎えてくれます。
今夏も、さまざまなイベントが組まれています。この日は、涼し夏(すずしげ)という縁日が開催されていて、多くの子供たちが楽しんでいました。
その会場となっていた場所の休憩所に、一風変わった自動販売機がありました。これは楽しいデザインです。
トイレの表示板にも、今という時代を先取りした新鮮さがあります。ただし、夫婦が赤ちゃんを取り上げる図柄は、ジェンダーを標榜するにはもう一工夫が要るように思います。座主が女性に変わられたことをこの記事の文末に記していることからも、こうしたことの見直しが今後ともなされることでしょう。
本堂へは、二つある階段のうち、奥の方から上がりました。手前の階段はきつそうだったからです。
石山寺の本堂下に広がる硅灰岩には、夏らしい涼しさを演出するミストが舞っています。
本堂の奥でお軸に朱印をいただきました。普通の軸ではなくて特注品なので、隣の方と一緒に怪訝な顔で軸を開いて、全体を確かめてから丁寧に書き出されました。
紫式部が参籠していたある日、琵琶湖の湖面に映る月を眺めて「今宵は十五夜なりけり」と筆を執ったという伝承で知られる月見亭からの景色は、今も楽しめます。
光堂のすぐ下に建つ紫式部の像も、今も変わらずありました。
この像には、恥ずかしい記憶があります。
かつて、『国文学解釈と鑑賞別冊 源氏物語の鑑賞と基礎知識 No.28 蜻蛉』(伊藤編著、至文堂、2003年)を刊行しました。
その巻頭部分に、石山寺に直接足を運んで書いた探訪記を掲載しました。その扉の写真の中の紫式部像の真下に、なんと灯油缶として使われている青いポリタンクが写っていたのです。
もちろん、今も紫式部像はそのままです。朱塗りの手すりは色が落ちつつあるものの、ポリタンクは本当のあの時に置かれていただけだったのです。校正の時のチェック漏れで、本当に申し訳ないことをしました。
なお、本年6月8日の大阪府立中之島図書館での源氏講座で紹介したように、石山寺の座主に鷲尾龍華さんが新たに就任されました(「京都新聞」による)。石山寺に生まれ、中学から大学までをキリスト教系の同志社で学ばれ、大学での専攻は欧州の美術だったそうです。大手企業に就職後、種智院大学で仏教を学ばれた方です。大本山クラスの有名寺院で女性の住職は珍しいそうです。いつか、機会があればお目にかかりお話を伺えたらと思っています。
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