2022年03月16日

京洛逍遥(773)北野天満宮の飛梅

 風が心地よかったので、薄手のコートを羽織り、のんびりと北野天満宮で梅を見て来ました。昨日は白川疎水通りの桜がまだだったので、それでは梅を見に行こう、ということになったのです。

 家からバス停に向かっていると、ちょうどいいタイミングでバスが来ました。「206」という表示が目に入ったので乗り込んだところ、これは千本通を下る路線でした。「205」の西大路通を下る路線バスに乗るべきでした。しかし、これでも今出川通を西へ歩けばいいのでそのまま乗り、千本今出川で降りてから上七件通の花街を通って、北野天満宮の東門から境内に入りました。

 御本殿の前には、お目当ての飛梅がきれいに咲いていました。

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 この飛梅については、今年は特に話題になっています。
 毎日愛読している京都新聞の記事から引きます。

 北野天満宮(京都市上京区)と住友林業は4日、祭神・菅原道真ゆかりのご神木「飛梅(とびうめ)」を組織培養で増殖させた同じ遺伝子を持つ苗木が、境内で初めて開花したと発表した。同社によると組織培養で生まれた梅で開花を確認するのは世界初という。
(中略)
 飛梅は、道真が政争に敗れて九州・大宰府へ左遷された後、京都の屋敷から大宰府まで主を慕って飛んでいった伝承が伝わる。各地の神社に株分けされているが、北野天満宮の飛梅は創建以来受け継がれる原種とされ、約1500本の梅がある天満宮境内で唯一本殿前に植えられている。
(中略)
 同社によると、組織培養は接ぎ木と違い、老齢木の増殖が比較的しやすく、無菌状態で培養するため病害虫の影響を受けにくい利点があるという。梅に適した培養液の調整や細胞の採取が難しかったとし、今回得た知見は各地にある梅の古木の増殖につなげることができるとしている。(後略)(2022年3月4日、電子版)


 昨春は、滋賀県長浜市でバイオテクノロジーの最先端技術で生まれたクローン苗の梅が展示されました。梅の古木の組織培養としては、北野天満宮に次ぐものとして話題になりました。この長浜の梅が花開くのは、あと3年先とのことなので、まずは北野天満宮のご神木のお披露目ということになります。この飛梅は江戸時代に接ぎ木されたもので、樹齢は350年だそうです。じっくりと、新旧の文化が詰まった梅の花を、飽きることなくながめて来ました。

 中門(三光門)前には、松永貞徳が作庭した名庭『雪月花の三庭苑』の一つである『花の庭』が、今年は令和再興として公開されています。この梅苑「花の庭」も拝見すべきところを、何かと所用を抱える身でもあり、菅公さんには今日はここで失礼します、ということで、塀に枝垂れかかった紅梅だけを記念に写して辞しました。お許しください。

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 京福北野線の始発駅となっている、北野白梅町駅に寄りそうようにして建つイズミヤ白梅町店に入り、今晩の食材を少しいただきました。
 ここは、数年前に妻が通勤で乗り換えた駅であり、仕事帰りにいつも買い物をしていたお店だそうです。私は、子供がここでアルバイトをしていた時に様子を見に来て以来の入店です。ほとんど変わっていません。このあたりで下宿探しをしたことを思い出しました。暑い中、車を止める場所を探しながら、学生用のマンションを探して歩き回りました。

 京洛を逍遥していると、至るところに好縁あり奇縁ありの場所があります。歩き回る楽しさは、明日や未来だけでなく、こうして過去を思い出す楽しみにもつながります。京洛は大きな変化が少ないので、加齢と共に衰えた記憶も、目の前の光景から過去を手繰り寄せることに労を要しません。
 そうであっても、変わらない街中を歩きながらも、四条から三条あたりでは入れ替わりの激しいお店の変転に記憶を総動員します。この場所は、この前までは何の店だったのかを、頭の体操のように思い巡らすのです。
 歩きながらの妻との会話も、思い違いや勘違いも錯綜していて、これもまた楽しい朧々逍遥の街歩きとなっています。
 
 
 
posted by genjiito at 20:27| Comment(0) | ◎京洛逍遥
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