午後は観音霊場巡りに出かけました。大学から電車で1時間のところに、西国三十三所の第3番札所の粉河寺があります。天気もいいので、ブラブラと行きました。
JR和歌山線に乗り換えてから3つ目の駅名が「布施屋」。「ふせや」駅かと思っていたら、これを何と「ほしや」と読むのです。固有名詞は迂闊に口にはできません。
粉河駅前はきれいで静かでした。
その道沿いには、国宝『粉河寺縁起絵巻』の説明を記した案内板が点々とおかれていました。昨夜、大判の絵巻物全集を取り出してページを捲って見直したので、この道標も絵巻の確認にいい道案内となりました。
ただし、6巡目の巡拝ともなると、次第に賑やかさがなくなっていることが気になります。商店街を真っ直ぐ行くと、粉河寺の大門が見えて来ます。
大門は立派です。
境内は広々としています。手入れが行き届いているために、枯れ葉一枚落ちていません。中門も立派です。
その手前に、変体仮名で書いた碑がありました。
馬能背尓して可へり見る
春暮れ方能紀伊の国
松原可け尓旅ひとの
すけ笠阿また行き可ひて
赤き夕日はたちはなの
花さく上尓匂ふ可那
紀の河河原河そひを
のほれはこゝは粉河寺
赤き負笈白き笠
順礼の子尓打ち交り
西国三番ちゝはゝの
めくみも深き粉河寺
和讃を高う誦する可な
粉河寺尓て 有本芳水
中門を潜ると、左手の本堂と共に石庭も力強さを感じます。
お軸に3番札所の朱印をいただいた後、お寺さんが第1番と2番に菊印が捺されていないけどどうなさいますか、と聞かれました。確かに、右端に菊印が1つも捺されていません。
第1番の青岸渡寺で捺し忘れたことから、第2番の紀三井寺でも要らないのだろうと判断されたのではないか、ということでした。第3番のこの粉河寺で捺すと、また青岸渡寺と紀三井寺に行って捺してもらうことになり、大変ですよね、とのことです。確かに、青岸渡寺は和歌山県の最南端の那智にあるお寺です。そうそう気軽に行ける所ではありません。
お寺さんは親切にも他の方に相談され、結局は番外の3寺(元慶寺、法起院、花山院)も菊印を持っておられるので、その内の2寺でお願いして捺してもらったらどうでしょう、という提案をしてくださいました。その名案を受け、そうすることにしました。菊印の真ん中の数字が「一、ニ、三、四」と揃わないものの、印が洩れたという印象は無くなります。親身になって解決策を捻り出してくださったご親切に、感謝しています。
帰り道、ミカンを一袋いただきました。小さな地元スーパーに寄ると、おじさんが親しげにいろいろと話しかけて来られました。おもしろい大将でした。
粉河駅では、次の電車まで30分待ちとのことです。溜息をついていたら、地元のおばさんが寒くなったね、と話しかけて来られました。しばらく世間話をしていると、旦那さんが京都に単身赴任中とのことです。またまた話に花が咲きます。楽しいおばさんでした。
粉河駅から和歌山駅で乗り換えると、ラッキーなことに特急くろしおがドンピシャで来ました。和歌山駅を出ると、日根野駅→天王寺駅→新大阪駅、そして乗り換えて京都へとまっしぐら。1時間40分で京都タワーの真下に降り立ちました。気持ちがいいほどです。
これも、粉河の観音様のご利益なのでしょう。ありがたいことです。
京都タワーの下の回転寿司屋さんの「大起水産」で、好きなネタを選り取り見取りの晩御飯をいただきました。ここの茶碗蒸しと貝の味噌汁は、いい出汁が出ています。
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