2020年05月01日

パワーポイントを使った遠隔授業に疑念を抱く

 私は、講演や発表では、可能な限り画像を映写して話すようにしています。いわゆるスライドショーです。その時に、文字を映写することは極力しません。

 これも、インドへ行くようになってからは、そのやり方を変えました。インドは停電が多いこともあり、発表中にプロジェクターが突然映らなくなり、薄暗い中で話をし続けるということが何度かありました。以来、原則はプリントによるレジメを元にして話をします。画像は、そのプリントに印刷しておきます。スクリーンに画像を映すのは、私が聞いてくださる方々の顔を見ながらお話をしたいためであり、顔を上げていただく意味もあります。聴く方々の表情がわかれば、お話をしている内容がどの程度理解されているかがわかります。その反応によって、話し方や内容を変えていけるのです。

 そのためもあって、世に言うパワーポイント(パワポ)は、一度も使ったことがありません。意識して使わないようにしています。また、他の方がパワポを使った発表を始められたら、可能であれば席をはずすか、それができなければさりげなく内職をするか、あるいは自分だけ無念無想の世界に入り、考え事のヒントをもらえることを期待してひらめきの降臨を待ちます。顔は前を向きながら、講演者や発表者の話は聞いていません。失礼の段、お許しを。

 パワポを使った講演や発表には、啓発を受けるものがまったくないことが多いと、これは断言できます。お決まりの展開で、目がチラチラするだけで、知的な刺激がありません。そうは言っても、パワポを使った発表に聴き入ったことがあります。あれは、内容がすばらしかったからであり、プレゼン用のツールの問題ではないと思われます。

 今から12年前に、こうしたことを本ブログに、「iPod touch を使って研究発表」(2008年07月16日)と題して書きました。

 今、新型コロナウイルスの感染拡大を食い止めるために、学校でも遠隔授業となっているようです。パソコンとにらめっこの授業です。そこで、授業を進めるために登場するのが、パワポなのです。
 ある先生は、使ったことのないパワポを使わざるを得ない流れの中で、大苦戦を強いられているようです。同僚や、同じ教科の先生方がパワポを使ってテレビ授業を展開しておられるようなので、それに合わさざるをえないのだ、ということです。

 パワポは、マイクロソフトという会社が発売しているもので、オフィスというパッケージソフトの中にワードやエクセルと一緒に入っているソフトウェアです。これは、マッキントッシュで動くものもあります。しかし、あくまでもウインドウズのユーザーに向けてのものであり、私のようにマッキントッシュを使っていると、キーノートというソフトがそれに該当します。しかし、私はそのキーノートも使ったことがありません。

 エクセルは、元々はマッキントッシュのために開発されたと言われています。私は、このエクセルは使います。マッキントッシュ向けにアップルが提供しているのは、ナンバーズです。しかし、これは少し使ったことがある、という程度です。
 ワードは、それで自分が文書を作成することはありません。ほとんどの方からワードの書類が送られてくるので、その内容を確認するためにワードを起動する程度です。また、そのワードの文章に手を入れて返送したりしています。
 そう思うと、エクセルは自分の意思で起動して使うので、これだけは別格のソフトとして私は認識しているようです。

 さて、パワポで遠隔授業のための教材を作成しておられる先生方には、同情するしかありません。私には、遠隔授業にパワポなどのプレゼンソフトを使って、生徒や学生に興味を持ってもらえる授業や講義をする自信はありません。相手の顔は見えるのですから、私なら、その表情に合わせて、画像を提示する流れをいろいろと考えます。

 昨年の4月から、社会人講座は別として、学校で授業や講義をすることがまったくなくなりました。そのため、私には差し迫った遠隔授業のプランを練る必要がありません。いろいろと工夫をする必要に迫られていないことは、とにかく残念です。

 プレゼンソフトのパワポを学校教育の現場で教育を目的として使うのは、大いに疑問があります。社会人になってから、会社で使うからという理由で、職業教育の一環でその使い方を学ぶのはいいと思います。プレゼンのためにも、見せ方の技術は必要だからです。しかし、それを教員が教育の目的で使うのは、目的外使用だと思います。その教育効果のほどは、たかがしれていると言えるでしょう。
 
 
 
posted by genjiito at 20:58| Comment(0) | ◎情報社会
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