与謝野晶子の手になる草稿の内、「桐壺」巻だけではあるものの、カラー写真と翻字、そして神野藤昭夫先生の「特別寄稿」を収録した冊子です。長くこの調査研究を主導しておられる足立匡敏さんの努力が、その背景にあるものです。
この草稿の詳細な画像は、国文学研究資料館のホームページの中の「与謝野晶子自筆原稿『新新訳源氏物語』「桐壺」:近代書誌・近代画像データベース」(http://school.nijl.ac.jp/kindai/SKIY/SKIY-00001.html#1)で、自由に閲覧して確認できます。このデータベースの公開を担当した私の記録は、この記事の末尾に揚げたリストを参照願います。
本書の内容がわかるように、目次をあげます。
目次
ごあいさつ 堺市博物館館長 須藤 健一
ごあいさつ 与謝野寛・晶子関係資料の共同調査研究会代表 太田 登
「解題」 足立匡敏
「新新訳源氏物語」桐壺の巻草稿 図版
「凡例」
「翻刻」 与謝野寛・晶子関係資料の共同調査研究会
特別寄稿 「『新新訳源氏物語』はどのようにして生まれたか
−その魅力の源泉をかんがえる」 神野藤昭夫
「編集後記」
そして、足立さんの「解題」の末尾にある、本書に直接関係する「参考文献」を引いておきます。
【参考文献】
村田和男「与謝野晶子関係資料紹介(1)堺市博物館所蔵資料より
与謝野晶子原稿『新新訳源氏物語』(藤裏葉)」
(『与謝野晶子倶楽部』第二号、一九九八年一〇月)
神野藤昭夫「『新訳源氏物語』と幻の『源氏物語講義』」
(『与謝野晶子の新訳源氏物語――薫・浮舟編』二〇〇一年、角川書店)
神野藤昭夫「『新訳源氏物語』書誌拾遺」
(『源氏研究』第八号、二〇〇三年四月)
神野藤昭夫「与謝野晶子の朗読した『源氏物語』のテキストはなにか−『新新訳源氏物語』の周辺」
(『平安朝文学研究』復刊第十六号、二〇〇七年三月)
神野藤昭夫「与謝野晶子の読んだ『源氏物語』」
(永井和子編『源氏物語へ 源氏物語から 中古文学研究24の証言』二〇〇七年、笠間書院)
神野藤昭夫「与謝野晶子『新新訳源氏物語』の執筆・成立の経緯」
(伊井春樹監修『講座 源氏物語研究』第一二巻、二〇〇八年、おうふう)
神野藤昭夫「晶子と王朝時代」
『国文学 解釈と鑑賞』二〇〇八年九月、至文堂)
神野藤昭夫「与謝野晶子の『源氏物語』翻訳」
(国文学研究資料館編『源氏物語千年のかがやき−立川移転記念特別展示 図録』二〇〇八年、思文閣出版)
足立匡敏「『新新訳源氏物語』自筆原稿の魅力」
(『与謝野晶子俱楽部』第二二号、二〇〇八年一〇月)
神野藤昭夫『与謝野晶子の源氏物語翻訳と自筆原稿』(教育研究プロジェクト特別講義〈第二二号》)
(給合研究大学院大学文化科学研究科日本文学研究専攻、二〇一一年二月)
足立匡敏「与謝野晶子訳『蜻蛉日記』の成立−堺市藏・自筆原稿の考察を中心に−」
(『書物としての可能性―日本文学がカタチになるまで−』国際日本文学研究集会会議錄、二〇一一年)
神野藤昭夫「与謝野晶子『新新訳源氏物語』和歌の性格−依拠テキストの解明は可能か――」
(中野幸一編『平安文学の交響―享受・摂取・翻訳−』二〇一二年、勉誠出版)
神野藤昭夫「始発期の近代国文学と与謝野晶子の『源氏物語』訳業」
(『中古文学』第九二号、二〇一三年一一月)
中周子「与謝野晶子と『源氏物語』―『新訳源氏物語』の再評価―」
(『与謝野晶子の世界』第八号、二〇一四年三月)
神野藤昭夫「与謝野晶子『新訳源氏物語』の成立事情と本文の性格」
(『國語と國文學』第九一巻第四号、二〇一四年四月)
中周子「堺市所蔵『新新訳源氏物語』の自筆草稿をめぐって」
(『与謝野晶子の世界』第九号、二〇一四年一一月)
中周子、森下明穂「『新新訳源氏物語』の創作過程−堺市博物館蔵晶子自筆草稿「花宴巻」の考察(上)―」
(『与謝野晶子の世界』第一一号、二〇一五年一一月)
中周子、安達智美「『新新訳源氏物語』の創作過程−堺市博物館蔵晶子自筆草稿「花宴巻」の考察(下)―」
(『与謝野晶子の世界』第一二号、二〇一六年三月)
松浦あゆみ、森下明穂「『新新訳源氏物語』の創作過程(2)―堺市博物館蔵晶子自筆草稿「松風」巻の考察(上)――」
(『与謝野晶子の世界』第一三号、二〇一六年一一月)
松浦あゆみ「『新新訳源氏物語』の創作過程(2)−堺市博物館蔵晶子自筆草稿「松風」巻の考察(下)―」
(『与謝野晶子の世界』第一四号、二〇一七年三月)
神野藤昭夫「晶子・源氏・パリ」
(『国文学研究』第一八二集、二〇一七年六月)
神野藤昭夫「与謝野晶子が書きかえた『新訳源氏物語』―その出現普及と和歌翻訳をめぐって―」
(『二〇一七年パリ・シンポジウム源氏物語を書きかえる 翻訳・注釈・翻案』二〇一八年、青簡舎)
こうした自筆原稿を翻字して提供するなどの地味な仕事は、気の長い努力と活動があってのものであることを、あらためて教えていただきました。そして、今回の「桐壺」巻に続いて、さらに残りの草稿の翻字の成果も公開されることを心待ちにしています。翻字を続けておられる、足立匡敏さん、中周子さん、松浦あゆみさん、森下明穂さん、安達智美さん、そして多くの協力者のみなさま、残された草稿のすべての翻字を、どうぞよろしくお願いします。
なお、与謝野晶子の自筆原稿に関連することとして、本ブログでとりあげた記事の一覧を舞台裏で関わった者のささやかな記録として整理しておきます。
「鞍馬寺にある晶子の源氏訳自筆原稿」(2008年04月28日)
「与謝野晶子と『源氏物語』(1)」(2008年09月06日)
「与謝野晶子と『源氏物語』(2)」(2008年09月07日)
「与謝野晶子の自筆原稿画像の試験公開」(2008年09月17日)
「瀑布に打たれ続ける日々」(2008年09月28日)
「与謝野晶子の『新新訳源氏物語』自筆原稿画像データベース公開」(2010年02月20日)
「与神野藤昭夫先生の晶子がたり」(2010年02月21日)
「与謝野晶子自筆原稿の画像を見るために」(2010年03月04日)
「与謝野晶子の源氏訳自筆原稿「夕顔」等を確認」(2010年07月16日)
「与謝野晶子の自筆原稿『新新訳源氏物語』と『蜻蛉日記』の撮影」(2010年10月26日)
「伊井先生の講演「与謝野晶子の源氏物語礼賛歌」」(2010年11月12日)
「第34回 国際日本文学研究集会−職場復帰報告」(2010年11月29日)
「与謝野晶子と蜻蛉日記の講演会」(2011年01月17日)
「与謝野晶子デジタル化の報道資料提供」(2011年02月09日)
「与謝野晶子に関する刺激的な2冊」(2011年03月29日)
「神野藤先生の与謝野晶子語りを聞きに堺へ行く」(2019年11月23日)
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