2020年03月15日

新プロジェクト《源氏物語本文集成》が始動しました

 『源氏物語別本集成(全15巻)』(平成元〜14年、おうふう)と『源氏物語別本集成 続(第7巻まで)』(平成17〜22年、おうふう)が、完結しないままに10年の長きにわたって留め置かれていました。
 刊行が中断してからは、翻字に関して、変体仮名を正確に表記する「変体仮名翻字版」(当初は「変体仮名混合版」)に移行し、データをコツコツと蓄積して来ました。このことについては、「『源氏物語』を「変体仮名混合版」にする方針で一大決心」(2015年01月15日)に、その方針転換の詳細を記しました。そして、「昨日の「変体仮名混合版」の具体例と確認」(2015年01月16日)でさらに詳しく語り、「「変体仮名混合版」を後押しする手厳しくもありがたい批判(第15回)」(2015年01月17日)で問題点の一部を整理しました。この翻字方針の根本的な変更にともない、その凡例も見直して、次の2本の記事にまとめました。「『源氏物語』の翻字本文に関する凡例の改訂(その1)」(2015年01月18日)と「『源氏物語』の翻字本文に関する凡例の改訂(その2)」(2015年01月19日)がそれです。これ以降も、折々に翻字方針とその表記に手直しをして、本ブログで提示し、ご教示をいただいています。
 そうした流れを受けて、本日、『源氏物語別本集成』の実作業を担当した旧知の仲間3人が京都駅ビルに集い、『源氏物語別本集成』を引き継ぐ新たなプロジェクトとなる《源氏物語本文集成》をスタートさせました。新型コロナウイルスが問題となっている中、実に5時間もの話し合いをしました。もちろん、まだ詰め切れていません。しかし、こうした動きがあることを、すでに興味をお持ちの方々にお知らせすべきだと思い、ここに報告します。
 確認したことは、以下の通りです。もちろん、これはおおよその方針のメモであり、検討と作業を進める中で、変更も多々あろうかと思います。

(1)新プロジェクトの成果は、NPO法人〈源氏物語電子資料館〉のホームページを通して公開する。
(2)一種類の写本を、全巻通してデータ化したものを公開する。
(3)手掛ける写本の優先順位は、まず池田本、続いて大島本、陽明本、尾州家本の順番とする。
(4)作成する翻字データは、「変体仮名翻字版」と「現行仮名版」の2種類とする。
(5)公開時の表示データは、上記(4)のデータをプログラム処理して利用に供する。
(6)公開するデータは、「文節の切れ目なし」「付加情報は非表示」で、平仮名と漢字の文字列とする。
(7)物語内容の相対的な本文の位置は、詳細な小見出しと参考文献の頁数で識別する。
(8)校訂本文も提供する。その際、大島本と校合した本文異同の注記は付けない。
(9)公開時には、さまざまな検索と表示が可能となるツールを実装し、利用者への便宜をはかる。


 このプロジェクトは、次世代に引き渡す『源氏物語』の本文データベースの構築と作成を目標とし、その成果をNPO法人〈源氏物語電子資料館〉が公開するものです。この事業に興味と関心のある方は、このブログのコメント欄を活用して連絡をください。具体的な作業内容が決まり次第、ご説明の連絡をいたします。
 なお、『源氏物語別本集成』がそうであったように、作業に参加してくださった方々のお名前は明記します。ただし、本プロジェクトは非営利活動であり、謝金謝礼などの対応はできないものであることを、あらかじめご了承願います。
 この件については、本ブログで随時報告しながら進めて行きます。
 
 
 
posted by genjiito at 21:46| Comment(0) | ◎NPO活動
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