2019年11月16日

佐竹本三十六歌仙再見

 東京からの帰りに京都国立博物館に立ち寄りました。「佐竹本三十六歌仙」をもう一度観るためです。
 会場の前の広場では、トラの着ぐるみの「トラりん」が大人気でした。この博物館の公式キャラクターであり、PR大使なのです。本名は「虎形 琳丿丞 (こがた りんのじょう)」、略して「トラりん」。尾形光琳の幼名「市之丞」から名付けられたのだそうです

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 「佐竹本三十六歌仙」の図様については、前回でほぼ頭に入っていたので、今日はポイントをいくつかに絞って観ました。展示ガラスに貼り付けられている説明文が気になるのです。前回の記事では、変体仮名の翻字のことを書きました。今日は、さらに細かなことを取り上げます。
 歌仙絵には明らかに「ん」と書いてあるのに翻字のほとんどが「む」となっています。「む」や「無」は「む」となっているので、それに合わせるのであれば「ん」は「む」とはせずに「ん(无)」がいいと思います。
 また、「行」と書いてあるのに翻字が「ゆく」だったり、「くら婦」が「比ぶ」になっています。漢字の当て方によっては、せっかくの流麗な仮名で書かれた和歌が台無しです。
 このことは、資料を展示する時の技術的な問題なので、学芸員の方の判断によるものかと思われます。こうした見せ方について、非常に気になりました。せっかくの名品を並べるのです。2度とない機会を提供する学芸員にとって、腕の見せ所です。何かと雑事に追われることの多い仕事だとしても、この点が検討しての結果なのか、見切り発車だったのか、あるいは意識になかったのか、知りたいところです。
 時間をかけて準備された展覧会は、今後のためにも、その展示方法は伝承すべきだと思います。見せ方と見られ方に神経を配った手法が、次の機会に活かされるように、伝えられていくことを願っています。

 この次は、西国三十三所の展示が予定されているとのことです。これも、ぜひとも観に行きたいと思っています。

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posted by genjiito at 23:57| Comment(0) | ■変体仮名
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