2019年10月18日

ルーマニア語が母語のロマン・パシュカ先生と出町柳で面談

 不思議なご縁で、京都大学のパシュカ・ロマン先生を知ることとなりました。
 簡単な人物紹介は、京都大学のホームページ(http://www.cape.bun.kyoto-u.ac.jp/member/#a_member_pasca)で見ることができます。
 今日は、出町柳でお目にかかり、いろいろと有意義な話を伺う機会が得られました。
 お話の中心は、持参したイオン・スクンピエル氏著「日本ルーマニア関係133年」の巻末資料「ルーマニアで出版されている日本関連書籍」のリストと、在ルーマニア日本大使館のフロレンティナ・トマさん作成の「ルーマニア語に翻訳されている日本文学作品」を見ながらの翻訳書の確認でした。
 今年の3月にルーマニアへ調査旅行で行ったことは、「カンテミール大学訪問後は書店へ」(2019年03月09日)に書いた通りです。その記事にある、カンテミール大学で会った先生方は、みなさんロマン先生のお仲間だったのです。また、翌日の「ブカレスト大学で『百人一首』に関する基調講演」(2019年03月10日)に書いたことも、ロマン先生がブカレスト大学のご出身ということもあり、私がその時に名刺交換した先生方もこれまたお仲間なのです。世界は狭いものだと、いつものことながら実感しました。
 ロマン先生は、『枕草子』のルーマニア語訳に関わっておられました。これについては、古文から訳された1977年版と、それを改訂した2004年版がそうです。1977年版は、時代の趨勢もあり、検閲でカットされたものだったようです。それを、ロマン先生は元版の訳者であるチョンカ先生と相談して補われたのが2004年版だ、とのことでした。これとは別に、2015年版は、英訳からルーマニア語訳にしたものです。オックスフォード大学の先生が関わっておられるようです。これらも、今後の調査で明らかにしていくつもりです。なお、チョンカ先生は現在はドイツにお住まいのようです。機会を得て、その背景などを直接伺いたいものです。
 『源氏物語』に関しては、2017年に刊行されたホンドル先生のルーマニア語訳『源氏物語』以外に、「【速報】1969年版ルーマニア語訳『源氏物語』との出会い」(2019年03月08日)があったことは、すでに報告しました。それに加えて、今日はさらにもう一冊の『源氏物語』に関する情報がいただけました。それは、1985年にEPLUから刊行されたルーマニア語訳『源氏物語』です。これは、フランス語からの重訳のようです。ただし、「葵」巻までのようなので、1969年版のアーサー・ウェイリーの英訳からルーマニア語に訳した『源氏物語』とどのような関係にあるのか、今後さらに調査を進めて行きます。
 今日のロマン先生のお話から、ルーマニアの共産主義時代における出版物に関する影響を考える必要性を痛感しました。私には荷の重いこととはいえ、多分野の方々とのコラボレーションを通して、問題点を浮き彫りにしていきたいと思っています。ご意見などをお寄せいただけると幸いです。
 ホンドル先生のルーマニア語訳『源氏物語』「若紫」巻のコピーをお渡しし、日本語への訳し戻しをお願いしました。
 こうして、ルーマニア語に翻訳された平安文学の調査研究も、少しずつ前進しています。成果が見える形で報告できることを、今から楽しみにしています。
 
 
 
posted by genjiito at 22:39| Comment(0) | ■科研研究
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