2019年07月24日

中国語に翻訳された池田亀鑑の著作

 中国・広東省恵州市にある恵州学院の庄婕淳さんが、箕面キャンパスの研究室に来てくれました。そして、中国語訳の本を一冊ずつ手にして解説をしてもらいました。得難い研究支援を受けることとなりました。献身的な研究協力に感謝です。
 そんな中、池田亀鑑の本が中国語に翻訳されたということで、詳しい話を聞くことができました。
 今回わかったのは、先月6月に池田亀鑑の『平安時代の生活と文学』が中国語に翻訳されて刊行されたということです。池田亀鑑の著作物が中国語に翻訳されたのは初めてです。

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 今回の中国語訳に使われた底本は、〔ちくま学芸文庫〕(2012年1月)かと思われます。

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 しかし、私のような昭和世代は、〔角川文庫〕(昭和39年4月)で馴染んで来ました。

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 この本がどんなものなのかを、庄さんは私にもわかるように文章にしてくれました。それを、以下に紹介します。

《平安朝的生活与文学》『平安時代の生活と文学』
訳者:玖羽  四川人民出版社  2019年6月 後浪出版公司企画

 1943年に出版した『宮廷と古典文学』を修正して1952年に出版した『平安時代の生活と文学』を中国語に訳した本である。訳者の序は、「一、池田亀鑑の人生と主な業績」「二、本書について」「三、注釈と引用について」からなっている。まず、池田亀鑑が『源氏物語』の本文を整理する大きな功績を褒めたたえ、注には「大島本」を目にするまでの経緯をも説明している。次は、この本は一般向けの古典文学普及書であると説明し、本の焦点が平安時代の女性であるのは、当時の女性が平安文学の担い手であり、読者によりよく作者の世界を理解してもらうためである、と言う。最後に、この本における注釈は訳者によるものであり、引用の原文と和歌はすべて訳者が訳出したと説明している。訳者は原文に忠実に中国語の文言で訳し、直訳を原則として、適宜注釈をつける。また、作者の観点に誤りのあるところは、原文を保留し、注釈で説明をつける。原文の「旧仮名遣い」を保留し、この本が言及している「現代」「今日」はすべて20世紀50年代を指すと説明している。


 今、なぜ中国で池田亀鑑の本が? ということは今後の調査に待ちましょう。
 庄さんからは、翻訳者が書いた序文全文の日本語訳と、内容の精査に基づく翻訳文の調査検討の結果を、原稿としてまとめていただけることになりました。
 現在、『もっと知りたい 池田亀鑑と「源氏物語」 第4集』(新典社刊)の刊行が、私の責任で中断しています。さまざまな問題が解決し出したこともあり、編集を再開したところです。庄さんの原稿は、最新情報としてこの『もっと知りたい 池田亀鑑と「源氏物語」 第4集』に掲載します。楽しみに、お待ちください。
 
 
 
posted by genjiito at 19:58| Comment(0) | □池田亀鑑
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