2019年06月07日

大阪大学外国学図書館の貴重な資料群

 私の新しい研究室のすぐ隣には、外国語学部の研究室が入ったB棟があります。
 その3階から上には、これまで探し求めて来た海外の翻訳本情報や、貴重なアドバイスがいただける研究室が並んでいます。

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 『源氏物語』は、今日現在で36種類の言語で翻訳されています。先日報告したように、最近確認できたのが、36番目となるウクライナ語訳『源氏物語』です。平安文学となると、さらに言語の種類は増えそうです。とにかく、日本の文学は、それも古典文学は世界中の言語に翻訳されているのです。
 上の写真の多彩な言語を担当されている研究室を見ても、今はまだ確認できていない『源氏物語』を翻訳した言語は、デンマーク語・ペルシア語・スワヒリ語・タイ語・インドネシア語・フィリピン語があるのです。これらも、直接研究室を訪問して先生にお目にかかり、またその国から来ている留学生たちに話を聞けば、まだまだ見つかりそうです。その研究室訪問の計画は、現在準備を進めているところです。

 そのB棟の前、私の研究室の真下には、大阪大学外国学図書館があります。
 今回、図書館の利用手続を終え、書庫に入ることができました。まさに、私にとっては垂涎の資料の宝庫でした。

 日本文学作品が並ぶ書棚には、日本語の本の間に翻訳本が寄り添うように置かれていました。私は日本語と英語しか認識できないので、これらはどのような本であるのかを、研究協力者の手を借りて後日あらためて調査します。表紙を見た限りでも、まったく知らない本が多くありました。

 オンライン蔵書検索(OPAC)で、所蔵資料はわかります。いや、わかるはずです。しかし、これまでの経験では、自分で直接書籍や資料を手にしてみないと、確かなことは言えません。コンピュータの記録やシステムは、あくまでも文字化された情報の集積です。文字列にされた時点で、削ぎ落とされた情報を、本そのものは持っています。まずは表紙の絵が、OPACではわかりません。

 言語がわからなくても、私はまずは勘に頼って本を仕分けています。その後に、専門の方に教えていただくのです。まずは勘から、というのが、一番の近道のように思っています。科学的な研究手法ではありません。しかし、これまでにこの手法で、絶対にないといわれて来た本を何冊も見つけ出して来ました。これも、立派な研究手法だと思います。

 それよりも何よりも、この図書館の書庫で驚喜したのは、コレクションの多さでした。
 例えば、「ユーゴ関係コレクション」「リトアニア語寄贈図書」「台湾研究講座関連図書」に始まり、退職なさった先生方の寄贈図書群である「スペイン語関係」「ブラジル・ポルトガルコレクション」「ヤンゴン大学寄贈図書」「ビルマ語関係」「中央アジアコレクション」「インド関係」「インド・パキスタン関係」「インドネシア語関係」「南十字星文庫」「北欧関係」「中国語・中国文学」「サハラ以南 アフリカ言語文化コレクション」などなど。ここには、先生のお名前を冠した文庫は取り上げていません。
 さらには、膨大な量の海外の新聞・雑誌・書評などの印刷物。

 この書庫の整理だけでも、翻訳本の有無はともかく、世界に紹介されている日本文学の全体像を明らかにする手がかりが得られます。それだけでも、ますます夢が広がります。

 この大阪大学外国学図書館が所蔵する平安文学の翻訳本の情報と、私が持っている本のリストを統合したものが出来たら、東京外国語大学の図書館の資料と突き合わせてみたいと思います。
 それによって、「海外へいあんぶんがく情報」(http://genjiito.org)から公開している翻訳史年表も、さらに詳細なものとなることでしょう。

 こうした作業のお手伝いをしてくださる方を探し求めています。謝金がどのように使えるのか、まだ研究基盤機関が変わったばかりなので、その実状がわかりません。とにかく、ご自分の勉強を兼ねての原本調査の協力、ということで、連絡をいただけると幸いです。
 
 
 
posted by genjiito at 21:26| Comment(0) | ■科研研究
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