2018年11月30日

最近見た視覚障害者に関する映画2本

 映画『光』(2017年公開、河瀬直美監督)を観ました。
 視覚障害者のために、映画の音声ガイドを制作する尾崎美佐子は、視力を失いつつある天才カメラマン中森雅哉に出会います。音声ガイドをする女性の苦悩を描く映画です。
 「砂像」のナレーションに対して、意味は何かというクレームが雅哉から付き、最後は、「砂の女性像」となるなど、言葉による表現の問題が扱われています。音声でガイドをたくさん入れてもらうと、主観が入っているようで押し付けがましい、という討論などもあります。
 「生きる希望に満ちている。」というガイドに対して雅哉は、年寄りはいつ死ぬかわからないと思っているのでそのガイドは何か、と言い、言われた美佐子は考え込みます。削り過ぎていて、空間を再現できない、という意見が出たりもします。あるいは、作品の重厚感を壊したガイドになっている、とも言われたりします。スクリーンを観ているというよりも、その中にいるとか、大きな世界を言葉が小さくしているとも。
 ガイドの文章を作成した美佐子は、見える、見えないの問題ではなくて、想像力の問題だと反論。それはどちらなのか、とのアドバイスもあり、音声ガイドの難しさが浮き彫りになっていきます。
 目が見えなくなっていくカメラマン雅哉が、かつて父に連れて行ってもらった夕陽に照らされた山に美佐子を連れて行くシーンが印象的です。


 次に、映画『ブランカとギター弾き』(2015年イタリア製作、2017年に日本公開、長谷井宏紀監督)も観ました。
 フィリピンのマニラで路上生活をする孤児の少女ブランカと、目が見えないギター弾きの老人ピーターの2人が織り成す物語です。ブランカは、「3万ペソで母親を買います」というビラを撒き、お金を集めることに奔走します。そして、買えるものと、買えないものがあることを知るのでした。大人は子供を買うのに、という理屈はショッキングです。お金持ちと貧乏人はなぜいるのか、という問いもあります。
 最後のシーンでの、感動的な笑顔が忘れられません。
 そしてエンディングで、盲目のギター弾きピーターは本作品完成後、ヴェネツィア音楽祭の後に突然の病により亡くなった、との字幕が流れます。それを見て、また感激が増幅しました。
 
 
 
posted by genjiito at 23:14| Comment(0) | ■視覚障害
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