2018年11月25日

[町家 de 源氏](第14回)(補入となぞりの確認)

 「be京都」での『ハーバード大学美術館蔵『源氏物語』「須磨」』を読む会は、昨日からストーブをつけています。急に冷え込むようになりました。

181124_be-kyoto.jpg

 今回は、まず巻子本(巻物)を実際に見てもらいました。一巻になっている巻物をすべて解くと、京間の壁際2辺(7m)を占めます。巻かれている状態からしだいに伸びだすと、あれよあれよという間に壁を伝い、意外と長いことに驚かされます。
 その巻子本から冊子本になることや、和歌などを切り継ぐのに便利なことも話題にしました。
 日本の古典籍は、それが伝えられてきた形を知ると、意外と親近感が湧くものです。活字本に慣れ親しんだ現代の読書文化の中で、かつての本の実態を知ることは大事なことなのです。

 この日は、9丁表の4行目「とりへ【山】・もゑし・个ふも/ふ+里」からです。
 ここで、「ふも」の間に補入記号の「◦」を付けて、その右横に「里」が書き添えられています。

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 写本で使われている記号の話から、「まる」「ぜろ」「オー」を筆でどう書いたのかを、みんなで考えました。この補入記号の「◦」が、ミセケチ記号の「˵」や「ヒ」と紛らわしいことも、ここで確認しました。

 「那く」のところでは、「く」がなぞられています。

181125_ku.jpg

 その下にどんな文字がかいてあったのかを、はみ出した微かな線を頼りに、みんなでじっくりと考えました。可能性としては「う」「と」「ら」「し」などなど、いろいろと考えられます。なぜ、この語尾の所でなぞった上に墨継ぎをしているのかも、説明し難い状況です。

 先の補入記号のことに始まり、このなぞりの状態をどうみるのか、ということなどで、みんなであれこれとその可能性を語っているうちに、あっという間に時間が経ちました。
 そんなこんなで、3行分しか読めませんでした。
 次回は、9丁表の6行目「あ可【月】の」から読みます。

 来月の第15回は、12月22日(土)14時〜16時まで。
 新年の第16回は、1月20日(日)10時〜12時までです。

 ご自由に参加していただける会です。この記事のコメント欄を利用して連絡をいただけると、詳しい説明を差し上げています。
 
 
 
posted by genjiito at 19:06| Comment(0) | ◎NPO活動
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