2018年11月08日

キャリアアップ講座(その11)『源氏物語』のくずし字を読む(落ち着かない書写態度)

 勉強会が始まる前に、NPO法人〈源氏物語電子資料館〉が所蔵する『絵入源氏物語』を、直接手に取って見てもらいました。併せて、『古今類句』も出しました。この本については、「NPO設立1周年記念公開講演会のご案内」(2014年03月12日)に書いています。江戸時代の版本とはいえ、「漆山文庫」という由緒正しい印を持つ『源氏物語』です。

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 みなさんには、本の大きさ、綴じ方、54巻の分量、紙の質や感触などを、自由に体感してもらいました。やはり、自分の五感を使うことが、理解には一番の近道です。今日は、そのことを実感していただくことができたと思います。

 写本を読む方は、いつもよりハイペースで進みました。

 今日読んだ部分は、書写者がどうも集中して書いていないのではないか、と思える箇所が目立ちました。文字が紙面をはみ出したり、何度もなぞったり、書き飛ばした文字を補入するなど、書写態度が落ち着きません。文字が崩れて、形が不自然なものも散見します。「万」などは、単独の文字としては判読に苦しみます。
 私がよく説明で使う、このあたりはトイレを我慢しながら書き継いでいるのではないか、とする状況下が想像できます。

 また、「春」よりも「寿」の方が多く出てきます。この使用文字のばらつきなどは、「変体仮名翻字版」の資料がもっともっと増えることで、多くの問題に解答の糸口が見いだせることにつながることでしょう。

 今回は、進みました。
 次回は、11月22日です。
 
 
 
posted by genjiito at 21:02| Comment(0) | ■講座学習
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