2018年10月30日

読書雑記(244)森下典子『日日是好日』

 映画化されたと聞き、大急ぎで『日日是好日』(森下典子、新潮文庫、平成20年11月)を読みました。読んでから観たかったからです。

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 著者は二十歳の時、母に勧められてお茶を習い始めます。「茶人」の響きに惹かれて、「お茶、いいかも……」ののりで。
 本書は、週1回のお茶のお稽古を始めて26年目の平成14年に、それまでの体験や思うことを書き綴ったものです。

 お稽古に行った初日に、四角い帛紗の両端を引っ張って、「パン!」「パン!」と鳴らせます。「ちり打ち」というのだと。茶碗を洗い拭く時には、茶巾で底に「ゆ」と書くとか、お茶室に入る時にはいつも左足から入る、とあります。私がやっている裏千家とは違うことに気づきました。表千家のお作法のようです。

 お茶会の喧騒をハーゲンと見立てるなど、ユーモアたっぷりの語り口です。楽しく読み進められます。

 流れるように話が続く中で、「第九章 自然に身を任せ、時を過ごすこと」と、「第十一章 別れは必ずやってくること」が、破談と死別という内容から人の情に訴えかけ、生き生きと語られていると思います。

 本書は、小さな発見や心の気づきを、優しい文章で綴っています。さっと読めるので、映画鑑賞の直前にお勧めです。
 
初出誌:平成14年1月、飛鳥新社より刊行。
 
 
 
posted by genjiito at 18:18| Comment(0) | ■読書雑記
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