2018年10月14日

[町家 de 源氏](第13回)(変体仮名「う」と「こ」の字形)

 今日の[町家 de 源氏物語の写本を読む]は、午後4時から6時まで行ないました。

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 「be京都」で和室の襖やガラス戸を開けていると、肌寒い風が欄間を通して心地よく吹いています。座敷机の前に座っているだけで、秋の到来を実感する季節になったのです。来月は暖房をつけての読書会となりそうです。

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 今日は、ペルーで手に入れたカカオのお茶を飲みながら、ハーバード大学美術館蔵『源氏物語』「須磨」の変体仮名を読み進めました。

 今日のポイントを、次の表で確認しておきます。

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 ここで、歴博本「鈴虫」に見られる「う」(右から2番目の2文字目の例)は、諸本との異同や意味を考えると「こ」となるはずの文字です。そうであっても、ここでは「う」としか読めない例といえます。
 そこで、かつては一緒の揃い本だった「須磨」「蜻蛉」の例を照合しながら確認しましょう。
 「須磨」で見られる「う」(左端の1文字目の各例)と、「蜻蛉」の「う」(右端の1文字目)は、「鈴虫」と同じ字形です。
 参考までにあげた「須磨」の「きこゑ」(左から2番目の2文字目の例)は、見方によっては「う」と紛らわしい文字だと言えます。
 ということで、「鈴虫」の例は、「きうえ」と翻字していいことが、この「須磨」と「蜻蛉」の例から言えると思います。

 今日は、8丁裏に見られる「支・す・ま」が紛らわしい字形であることも確認しました。
 こうして、ハーバード大学蔵『源氏物語』の「須磨」と「蜻蛉」、そして歴博本「鈴虫」の写本に写し取られた文字の特徴が、少しずつ整理できていきます。とにかく、根気強くこうした読みを続けて行けば、何年かかるかわからないにしても、いつかはそれぞれの写本の位置づけが可能になるはずです。

 今日は、『ハーバード大学美術館蔵『源氏物語』「須磨」』の写本の、8丁裏の3行目「の多まへ八」から9丁表の3行目「給て」までを読んで、書かれている仮名文字を字母レベルで確認しました。
 脱線して雑談で終わらないように気をつけながら、文字にこだわるネタをとにかく意識しました。しかし、やはり平仮名、簡体字、繁体字、ハングルの話から逸れて行きました。さらには、漢語と和語の違いから「入管難民法」と「移民」にまで及び、今後の日本語のあり方にまで。
 それでも11行も読み進んでのですから、よく読んだ方だと言えるでしょう。

 次の第14回は11月24日(土)14時〜16時まで。
 また、第15回は12月22日(土)14時〜16時まで。
 新年、第16回は1月20日(日)10時〜12時までです。

 ご自由に参加していただける会です。この記事のコメント欄を利用して連絡をいただけると、詳しい説明を差し上げています。
 
 
 
posted by genjiito at 23:57| Comment(0) | ◎NPO活動
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