2018年08月04日

銀座探訪(37)銀座散策の後は日比谷で古写本を読む講座

 銀座で爽やかに目覚めました。午前中は、久しぶりの銀座散策です。昨春までは銀座にほど近い越中島に9年間も住んでいたので、このあたりは自転車で走り回っていました。徒歩でも30分以内だったので、よく銀座は散策したものです。

 3丁目のアップルストアの裏にあり、昨年までは仕事帰りに立ち寄っていたコナミスポーツクラブは、今はまったく別の会社の運営になっていました。
 夜の銀座で汗を流していたことは、今でも楽しい思い出です。

180804_gym.jpg

 そのすぐそばに、「宝童稲荷」というお稲荷さんを見つけました。この辺りは何度も通ったはずなのに、気づきませんでした。あるはずのものが、見えていなかったのです。おもしろいものです。

180804_inari1.jpg

180804_inari2.jpg

180804_inari3.jpg

 いつものように、帝国ホテルで用事を済ませます。昼過ぎには日比谷図書文化館に移動し、地下で食事をしながら、私の仕事を陰で支えてもらっている淺川さんと、山積する課題の打ち合わせをしました。
 いまだに公開できていない科研のホームページのこと、NPO法人〈源氏物語電子資料館〉の運営のこと、『源氏物語【翻訳】事典』の刊行のこと、目が見えない方々への支援活動のこと等々、語り合えばいくらでも話題が湧き上がります。

 今日の日比谷図書文化館での講座は、配布した資料が盛りだくさんだったこともあり、大半をお話しや問題提起に費やしました。
 その中でも、昨日の国立歴史民俗博物館蔵で調査した折に書道家の宮川さんからいただいた、鎌倉期古写本であるハーバード本『源氏物語』を復元するための貴重な料紙と、試作版の模写本の回覧は、受講生のみなさまには新鮮な感触を伝えることになったと思います。まさに、実感実証の体験講座となっています。この写真は、昨日の本ブログに掲載しています。

 また、『源氏物語』の復元朗読も聞いていただき、「ハ行音」の変転と共に、「ハ行転呼音」の説明も詳しくしました。全盲の尾崎さんが来ているので、点字での表記なども確認しました。ほとんどの日本人が、日常的に使いながらも説明できなくなっている「私は学校へ〜」の「は」や「へ」などは、点字では発音通りに書くので「ハ行音」の問題は表面化しないのです。
 明治30年頃に完成した合理的に整理された点字と、同じ頃に旧仮名遣いや変体仮名が言語統制された矛盾を内包したままで今に至っている現代語のありようの確認は、言葉遣いと文字表記の上で、大事なことだと思っています。

 次に、「くずし字」は楷書を崩したものではないこと、大昔は1日18時間だったことなど。さらには性的少数者のためのトイレの表示などの話題を提示しました。
 多彩な話題で自由に語り、意見を伺い、興味を広げていたために、肝心の古写本『源氏物語』を読むのは2時間の内の10分ほどという、なんとも変則的な講座となってしまいました。

 次回は、33丁裏の6行目の「あてに・なま免可しき」からです。

 講座終了後は、今月26日からの私のハーバード大学蔵『源氏物語』の調査に同行なさる方々と、最終的な打ち合わせをしました。これは、私の調査研究の現場に、熱心に古写本を読む勉強をなさっている受講者の方の随伴を認めてくださったことにより、有り難いことが実現したものです。関係者の皆様のご理解とご協力に感謝いたします。
 
 
 
posted by genjiito at 21:50| Comment(0) | ・銀座探訪
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。