茶道裏千家淡交会奈良支部の会員である私は、昨年の「奈良公園で開催された第51回 茶道文化講演会に行く」(2017年07月09日)に続いての参加となります。
今回は、茶道資料館顧問の筒井紘一先生の講演で、演題は「利休の茶」です。
筒井先生のことは何度か書きました。これまでのやりとりは「茶道資料館で筒井先生に武居さんの学位取得を報告」(2017年03月07日)に譲ります。
講演の前の呈茶は、香芝のお茶菓子で「せせらぎ」でした。見た目にも涼やかなお菓子です。
筒井先生のご講演は、鷺絵の話から展開し、軸装で一文字を抜いた意味やそれを古田織部が理解したことなど、博識の先生ならではの話題が満載の、非常に楽しいお話を堪能しました。。
室町時代には村田珠光とは言わず、「村田」はつけずに「珠光」だけでよい、江戸時代から「村田」をつける、として、利休は珠光を目指していたと断定なさいました。
利休の逸話は430もあるとのことで、さまざまな例を語ってくださいました。
小堀遠州や古田織部を例にあげての美意識の話を、私は一番興味深く伺いました。
さらには、『花伝書』や『宗旦伝授聞書』を引きながら、板書をしての熱演です。利休は自分が最初の人にになりたかったのだとか。納得です。
水は午前5時までに汲むものなので、冬と春は朝茶を、夏は夜咄としてのお茶を、とおっしゃっていました。お茶人ならではのお話が、いたるところで花開いていました。
会場を笑いで沸かしながらの、持ち時間を大きくオーバーしての名講演でした。
あらかじめ筒井先生とは面談のお約束をしていたので、ご講演が終わってから控室で少しお話をしました。かねてよりのあつかましいお願いも、こころよく聞き届けていただくことが叶いました。ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
帰りには、奈良ホテルに立ち寄り、アイスカフェオレをいただきました。いつ来ても落ち着いた、ゆったりとできる場所です。
中は素晴らしい美術館で、時間の流れが止まったかのような錯覚に陥ります。
一角に、変体仮名の冊子があることに目が留まりました。
『諸変軆可那書法 全』(文永館・書道奨励会・吉川弘文館、大正4年参月三十日発行)
今後は、こうした本も集めていきたいと思います。
帰りは奈良駅までブラブラと散策。夕陽に照らされた水面に、しばし佇んで魅入ってしまいました。
右に興福寺の五重の塔、その左に西国三十三所の札所巡りで何度も来た南円堂。
帰りの近鉄電車で、車窓から外を見ていると、平城京跡の朱雀門が光のオブジェとして流れていきました。
かつて奈良の平群に住んでいた頃には、こうした風景を見るために、昼となく夜となく子供たちを連れて車で出かけて来ていました。十数年前までは、このあたりは我が家の散策コースだったのです。今こうして、住人ではなく旅人として夕景を見ると、また格別の思いに浸れます。見る立場が異なると、同じ風景も違って見えることを、あらためて知らされました。
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