2018年07月07日

日比谷で橋本本「若紫」を読む(2018年度-その3、付箋跡の確認)

 毎月最初の土曜日は、日比谷図書文化館で「若紫」を読む日です。

 大雨の警報が出ている中を、早朝より東京に向かって出かけました。雨が小降りで、新幹線は山陽が午後まで運休、東海道は動いていたからです。
 賀茂川は、昨日よりも水嵩が少し低くなっていました。ただし、水量が減ったからといって、安心してはいけません。護岸や土手が崩れて、水が染み出している可能性があるからです。地盤が崩れつつあるため、明日までは十分に注意を、とのことでした。それにしても、と言うべきか、地元の方は洪水が心配で、つい川を見にこられるようです。

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 雨を気にしながら、薄氷を踏む思いで、新幹線を使った上京です。
 京都駅では、みどりの窓口が長蛇の列でした。新大阪から西へは行けないので、みなさん予定を変更なさるのでしょう。
 2時間半待ちだという行列も、自動券売機ではすぐに切符が手に入ります。ところが、発券された「のぞみ」が時間になっても来ません。かといって、遅れているわけではなさそうです。掲示がありません。駅員さんに聞くと、券面に印字された私が乗ることになっている列車は運休とのことです。後続の「のぞみ号」の自由席に乗って、車内で指定席に変更を、とのことでした。それなら発券しなければいいのに、と言ってもしょうがありません。このあたりに、コンピュータをまだ駆使できていないことが露呈しています。

 早めに出かけたので、日比谷で待ち合わせの面談には十分に間に合います。それでも、自由席は一杯だったために、2本見送ってなんとか座って行けました。
 東京は曇り空。雨はまったく心配ありません。

 思ったよりも早く着いたので、出光美術館で開催中の「歌仙と古筆」を観ました。

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 国宝の古筆手鑑『見努世友』をはじめとして、重要文化財の『佐竹本三十六歌仙絵』、平安時代の書写になる伝西行筆『中務集』、『継色紙』『高野切』『石山切』などなど、贅沢なものを満腹するほど見ることができました。

 日比谷見附から入ると、いつものお江戸の鷺がいました。喧騒の一角もいいけど、自然の中もいいよ、と言って賀茂川に連れて行きたくなります。

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 日比谷図書文化館の地下で、お二人の方と面談をしました。サイデンステッカーの英訳『蜻蛉日記』に関する架蔵の資料を渡したので、これを活用してどのような成果が生まれるのか、今からワクワクします。若い方の感性で、この資料を料理してもらえることは、有り難くもあり楽しみでもあります。

 講座では、先ほど見たばかりの出光美術館の展覧会のことをお話しました。この日比谷公園のすぐ近くなので、何人もの方がすでにご覧になったようです。そこで、受講者の机に常置している『源氏物語 千年のかがやき 立川移転記念 特別展示図録』(国文学研究資料館編、2008年10月、思文閣出版)を基にして、出光美術館蔵伝土佐光元筆『源氏物語画帖』と国文学研究資料館蔵『源氏物語団扇画帖』の図様がよく似ていることを説明しました。

 その後、ビルマ語訳『源氏物語』(第6巻、ケィン・キン・インジィン)とハンガリー語訳『更級日記』(フィットレル・アーロン)を回覧しました。共に、日本ではまだ出回っていない貴重な本です。日本の古典文化が海外に広がっていく現状を確認して、我々がこうした日本の文化を語れるようになることの意義を強調しました。これが、国際的なおもてなしにそのまま結びつくのです。英語を喋ることよりも、こうした日本文化の理解を、と言うことはこの講座では蛇足です。

 テキストは、33丁オモテの8行目、「うちなけきて」までを確認しました。話が広がったために、1頁分しか見られませんでした。
 ここで得られた新しいことは、行頭に付箋跡がある理由です。その行には、橋本本だけが伝える独自な異文がある目印である、ということに関係するものなのです。

 今日は、全盲の尾崎さんにとっては退屈だったかもしれません。目で見て確認する、ということが中心だったからです。それでも、いつも優しく横で囁いてくださる土屋さんが、うまくサボートしてくださっていたので安心して進められました。土屋さん、いつもありがとうございます。
 次回は、8月4日(土)です。

 終了後は、来月初旬に国立歴史民俗博物館に「鈴虫」を熟覧しにいくことで打ち合わせをしました。
 また、来訪者と書類のやりとりに加えて、国文学研究資料館で論文目録データベースの仕事を一緒にやっていた仲間と、場所を帝国ホテルに移して、今後の相談などをしました。
 講座の前後に5人の方々と、さまざまな打ち合わせということで、慌ただしい上京となりました。
 東京駅へ向かう有楽町駅前で、ビルの間に佇む神社を見つけました。有楽稲荷神社です。

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 京都では、祇園町に有楽稲荷大明神(別名、織田稲荷とも)があります。利休十哲の一人とされる織田有楽斎ゆかりの地。東京の有楽町という地とは、何かと縁があるのでしょう。また、調べてみます。
 銀座の路地裏にいくつも小さな神社があったように、このあたりにはこうした場所が残っているようです。また、おりおりに探索してみたいと思います。

 帰洛の道中は雨の心配はありません。京都駅に降り立つと、雨が止んだ後のようです。家に着く頃には、また降り出しました。
 私が名古屋を通過する頃に、千葉では地震があったようです。追い立てられるような気持ちになります。

 明日は奈良の「春日野国際フォーラム 甍〜I・RA・KA〜」で開催される、茶道文化講演会に参加します。
 そして、ご講演後の筒井紘一先生と面談をする約束となっています。
 昨年は、帰りに大雨に見舞われました。明日はどうでしょうか。
 
 
 
posted by genjiito at 23:54| Comment(0) | ◎NPO活動
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