2018年06月18日

平安文学のハンガリー語訳に関する最新情報(フィットレル版)

 昨日開催した、伊藤科研(A)の研究会「第11回 海外における平安文学」で研究発表していただいた、大阪大学日本語日本文化教育センターのフィットレル・アーロン先生が、昨日のレジメに掲載されていた貴重な資料を、本ブログで公開することを快諾してくださいました。
 このリストは、科研「海外における平安文学及び多言語翻訳に関する研究」(課題番号︰17H00912)で取り組む予定だった情報の一部となるものであり、ありがたく拝受してここに公開いたします。
 科研のホームページが新装版として公開できた折には、このリストも最新情報として掲載します。それまでは、このブログという場を借りての公開とします。ペンディングとなったままのホームページについては、いまだ研究妨害を受けている真っ只中にあり、思うように進展していないことは、昨日の記事でも取り上げたとおりです。
 それはともかく、このような、海外における平安文学研究に関する情報を探し求めています。
 情報収集と整理及び公開に、ご理解とご協力をいただけると幸いです。

【 資 料 】(◎は原典からの翻訳)

平安文学のハンガリー語訳の現状


● Bardócz Árpád訳・編: Japán versek〔『日本の詩歌』〕(1920)の中の平安時代の和歌の翻訳〔英訳、独訳、フランス語訳からの重訳〕

● Barna János訳・編: Japán antológia〔『日本詩歌集』〕(1924)の中の平安時代の和歌の翻訳〔出典についての言及はないが、英訳、独訳、フランス語訳などからの重訳であると考えられる。〕

● Kosztolányi Dezső (1885〜1936・詩人、作家、翻訳家)の和歌と俳句の翻訳(本としての初版: Kínai ​és japán versek〔『中国と日本の詩歌』〕〈Révai Kiadó, 1931〉)の中の平安時代の和歌の翻訳〔英訳、独訳、フランス語訳からの重訳。〕

● Muraszaki Sikibu: Gendzsi regénye. Hamvas Béla訳 (Európa Könyvkiadó, 1963)〔『源氏物語』の全訳。英訳からの重訳で、底本はArthur Waley: The tale of Genji(本としての初版:1935)〕

● Párnakönyv – Japán irodalmi naplók a X–XI. századból. Holti MáriaとPhilipp Berta訳 (Európa Könyvkiadó, 1966)(『枕草子―10〜11世紀の日本の日記文学』)〔底本は示されていないが、全て英訳からの重訳〕
・Szei Sónagon: Párnakönyv (Philipp Berta訳)〔『枕草子』の抄訳。底本はArthur Waley: The pillow-book of Sei Shonagon(1928)。〕

・Ismeretlen szerző: Iszei történetek (Philipp Berta訳)〔『伊勢物語』数段の翻訳。底本はDonald Keene: Anthology of Japanese literature from the earliest era to the mid-nineteenth century(1955)所収のRichard LaneとF. Vosによる英訳。〕

・Ki no Curajuki: Toszai napló (Holti Mária訳)〔『土佐日記』の全訳。底本はWilliam N. Porter訳The Tosa Diary(初版は1912)か。〕

・Micsicuna anyja: „Ökörnyál-napló”〔『蜘蛛の糸日記』〕(Philipp Berta訳)〔『かげろふ日記』数ヶ所の翻訳。底本はDonald Keene: Anthology of Japanese literature from the earliest era to the mid-nineteenth century(1955)所収のEdward Seidenstickerの英訳。〕

・Muraszaki asszony: Napló (Philipp Berta訳)〔『紫式部日記』数ヶ所の翻訳。底本はAnnie Shepley OmoriとKochi Doi訳: Diaries of court ladies of old Japan(初版は1920)所収の英訳。〕

・Takaszue leánya: Szarasina naplója (Philipp Berta訳)〔『更級日記』数ヶ所の翻訳。底本はAnnie Shepley OmoriとKochi Doi訳: Diaries of court ladies of old Japan(初版は1920)所収の英訳。〕

◎ Rácz István訳・編 Fényes telihold. Négy évszak Nipponban. Haikuk és tankák.〔『明るい満月―ニッポンの四季―俳句と短歌―〕(Kozmosz Könyvek, 1988)中の平安時代の和歌の翻訳〔出典は原典からの散文訳であると翻訳者はまえがきにいう。〕

● Muraszaki udvarhölgy [Muraszaki Sikibu]: Gendzsi szerelmei. Gy. Horváth László 訳 〔ムラサキ女房[紫式部]〕(Európa Könyvkiadó, 2009)〔『源氏物語』の全訳。英訳からの重訳で、底本はEdward G. Seidensticker: The Tale of Genji(1976)〕

◎ Máté ZoltánとBuda Ferenc訳TAKETORI MONOGATARI. A bambuszgyűjtő öregember története〔タケトリモノガタリ―竹収集の翁の物語―〕
http://terebess.hu/keletkultinfo/taketori.html所載の電子版のみ)〔『竹取物語』の全訳。底本は示されていないが、原典からの翻訳。〕

● Szaigjó szerzetes–Villányi G. András: Tükröződések. 〔『反射』〕(Scolar Kiadó, 2011)〔西行の和歌75首の翻訳。出典は示されていないが、翻訳者は日本において西行を研究していたことから、原典からの翻訳であると考えられる。〕

◎ 古典和歌の翻訳 Fittler Áron訳。→ 文芸誌Napút XV./5.(2013年6月)〔和歌12首中10首は平安時代のもの〕、Napút XVI./7.(2014年9月)〔和歌23首中16首は平安時代のもの〕、Napút XVIII./9.(2016年11月)〔13首中12首は平安時代のもの〕。その他、ネット文芸誌「Újnautilus」(http://ujnautilus.info/http://ujnautilus.info/author/fittler-aron〉)にも古典和歌のハンガリー語訳を順次公開。〔出典は主に日本文学Web図書館所収『新編国歌大観』の本文で、所収歌集の代表的な日本の注釈書を参照する。〕

● A természet és az ember. Japán tankák fordításai német nyelvből. 〔『自然と人間―日本の短歌のドイツ語からの翻訳―』〕Müller Márta訳 Napút füzetek 113. (2017年1月(?))〔『万葉集』、『古今集』、『新古今集』から約200首の和歌のドイツ語からの重訳、出典はTanka. Japanische Fünfzeiler. Jan Ulenbrook訳 (Reclam Verlag Stuttgart, 1996)〕

◎ Szugavara no Takaszue lánya: Szarasina napló–Egy XI. századi japán nemesasszony önéletírása. 〔菅原孝標女:『更級日記』―ある11世紀の日本の貴族の女性の自叙伝―〕 Fittler Áron訳 (個人出版, 2018)、引用者注:次の写真は本書の書影180617_xosina.jpg


 なお、ハンガリー語訳『源氏物語』について、本ブログでは以下の記事を書いています。

(1)「各国語訳『源氏物語』の最新情報」(2008年12月20日)

(2)「ハンガリー語訳『源氏物語』の新情報が届く」(2010年07月03日)

(3)「迷走する「ゆうパック」で届いたハンガリー語訳源氏」(2010年08月02日)

(4)「ハンガリー語訳『源氏物語』の訳者から届いた回顧談」(2010年08月26日)
 
 
 
posted by genjiito at 19:17| Comment(0) | ◎国際交流
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